アカシア 新宿

松本 知彦 for Private Time/2010.12.28/食べる食べる

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新宿東口のちょうどアルタの裏あたりにある小さいお店です。
ここの名物はもちろんロールキャベツシチュー。
ポークシチューもありますが、初心者にはまずロールキャベツシチューから入ってもらいたいと思います。
僕はこのお店が大好きで何度食べに行ったかわかりません。
大学の頃からバンドの練習のあとにみんなで寄ったり、今も子供を連れて家族で行ったりしています。
2世代に渡って通えるお店は東京では少ないですね。

今ではバーとレストランが1つになっていますが、お店が今のカタチにリニューアルする前、僕が10代の頃は確かバーとレストランでお店が分かれていたと思います。
リニューアルは確か20年くらい前。
今もリニューアル前と同様、他では見られない趣向を凝らした木彫りのインテリアが見られます。
これは相当に凝ってます。
安くておいしくて、これからもずーっと続けてもらいたい愛すべきお店です。

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われらデザインの時代 / 田中一光

松本 知彦 for Private Time/2010.12.28/本

2002年に亡くなった田中一光の回顧展のカタログ。
1953年から2002年までの仕事をほぼ網羅して収録し、ブックデザインを勝井三雄(代々木上原在住!)が行っています。
回顧展の会場デザインは安藤忠雄が担当し、透明のペットボトルを積み上げていたのが印象的でした。

田中一光はやっぱりタイポグラフィーと、尾形光琳のような極めて日本的で美しい色面のデザインが特徴的。
今はもうないけどプリンスホテルのVIや西武のCIなど今見てもとてもモダンな印象を受けます。
勝井さんも一光さんも以前勤めていた会社と縁があって、僕たちの部署では一緒にプロジェクトもさせていただいていたので、何度かお会いする機会がありました。
会社のロビーの壁には田中一光の大きい作品が掲げられていたのを思い出します。

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視覚的な経験値を高めること

松本 知彦 for Private Time/2010.12.28/本

「よい作品を作るのにはどうすればよいのでしょうか?」
「それにはまずたくさんモノを見ることだよ。」
これはよく大御所のデザイン事務所の先生、あるいは建築事務所の先生とスタッフの間で交わされる会話ですが、20代の頃の自分はこうした教科書的な模範解答にはまったく興味がなく、「そんなもん生まれ持ったセンスに決まってんだろ」と高を括って馬鹿にしていました。
それが本当に重要だと気付くのはもっとあとになってから。

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たくさんモノを見て行けば、当然ゴミもあるし、素晴らしいと感じるものもある。
個人の主観でその時々に物事を判断することはできるけれど、一流と言われるもの、永続的に残る素晴らしいものは視覚的な偏差値を上げないと、なかなかゴミとの差は見えてこない。
もちろんよいものだけを見ていれば感覚は磨かれていくのかもしれませんが、なかなか簡単にそうはうまく行きません。
たくさんモノを見ることが重要だと気づいたとき、自分の周りには情報をくれるよい先輩やナビゲーターは残念ながらいませんでした。
仕方がないのですべて自分の嗅覚のみで探し、できるだけ体験しようと努力してきました。
あの時誰かナビをしてくれる人がいたなら、今の自分も少しは変わっていいただろうか?と時々思うことがあります。

コンピテンシーという理論。
優秀な結果を出している人がなぜ優秀なのかを調べていくと、それは結果のアウトプットのスキルが高いのではなく、結果を出すまでのプロセス、その人の普段の行動(コンピテンシー)に要因があるという考え方です。
優れたアウトプットを導き出す力のある人は、普段から決まった行動を取っていて、見習うべきはアウトプットそのものではなく、プロセスにあるという理論ですが、これには僕も大いに同意できます。目に見える結果は目に見えない普段の行動の上にはじめて成り立っているのです。

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この場を借りて、今まで自分が影響を受けた本をいくつか紹介していきたいと思います。
どれも松本のフィルタを通ったものから選んでいきますが、色々なモノを見るときのナビとして役立ててもらえればと考えています。
こうした書籍との出会いによってもっとデザインが好きになって欲しいし、そこから新しい発見をしてもらえればうれしいです。

フランスからのニュース

松本 知彦 for Private Time/2010.12.28/私の履歴書私の履歴書

2010年11月、来年フランスで開かれるコミックの祭典アンギュレームフェスティバルで、父が70年代に描いた作品「タバコ屋の娘」のフランス語版が賞にノミネートされたというニュースがロンドンに住む友人から入ってきた。
思えば父の作品をリアルタイムで知る人たちは既にもう60歳以上。
2000年に再版された「パンダラブー」をはじめ、2009年に出版された3冊の単行本で今の若い人たちにも多少は知られたかもしれないが、遠いフランスの地で父の作品が人々の目に触れて賞にノミネートされるというのは不思議な出来事であり、非常に喜ばしいことだと思う。

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2005年2月14日に父は亡くなった。
進行性の胃がんだった。
見つかってから胃の全摘出の手術を受けたが、その後たった1年足らずで逝ってしまった。
一人息子の僕は父からたくさんの影響を受けた。
そのもっとも大きなものが絵だった。
漫画家であった父親が教えたのか、勝手に好きになったのか、最初のきっかけはわからないが、幼稚園に行く前から毎日絵を描いて過ごしていた。
入園した幼稚園で年中クラスの時、生まれて初めて賞をもらった。
小学校で新聞に絵が掲載され、中学校ではポスターコンクールで東京都知事から賞状をもらった。
小学校入学以降、図工の成績は5段階の5で、高校生まで美術の成績は常に学年でトップだった。
そして美術大学に進んだ。

自分にとって絵画は切っても切り離せない、人生で一番大きな比重を占めている。
僕を絵に向かわせたのは父であり、賞への応募を勧めたのも父だった。
絵が素晴らしいものであること、人生に必要な小さな成功体験の積み重ねで得られるものを父は絵によって教えようとしていたのかもしれない。
自分の人生の向かうべき方向が絵によって決定される、結果的にそれを指し示したのが父であった。

ここまでは決して美術だけを志してきたのではない。
何度も絵をやめようとしたし、何度も別の道を選ぼうとした。
それは幾度となく自分の内面に起きた葛藤の表れだった。
自己のアイデンティティを見つめ、それを未来に生かそうとする時、絵を描くこと、人生を生きること、この2つのバランスについて深く考えさせられてきた。
絵描きであった父もこの問いに間違いなく触れたはずだが、それに対してどのような結論を見出したのだろうか?いや問い自体を自覚的に持ち、自分でも葛藤していたであろうか?
今その答えを知ることはできない。

父を語るとき、そして人生で大切なものを教えてくれた父を通して自分のアイデンティティを顧みる時、そこには必ず葛藤がある。
それは40歳を過ぎた今でも変わっていない。
自己を振り返り、この終わることがない問いについて触れ、日経新聞の「私の履歴書」よろしく、絵と自分についてここで語ってみたいと思う。

事務所の模様替え

松本 知彦 for Private Time/2010.12.28/仕事仕事

新しい期に入るのに合わせて事務所のインテリアの一部の模様替えを行うことにしました。
別に今までのインテリアでもよかったけれど、気分を変えたかったこともあるし、もっと機能的にスペースを使うために若干の変更を行うことにしました。
今までミーティングルームが先の来客で既に使用されている場合、もう1つの打ち合わせスペースとしてソファスペースを用意していましたが、ソファ+ローテーブルではミーティングがしにくいこと、あまり多くの人数が座れないこと、スタッフがそこでランチを取る際にも若干不自由であること、以前購入したヨーゼフ・ホフマンのソファの一部が破損したこと、などの理由でソファスタイルの打ち合わせスペースをさらに機能的に利用できるよう家具の交換を行ってリニューアルすることにしました。

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まず自宅から事務所に運ぶ予定のコルビジェのLC6のガラステーブルを中心に考えることからスタート。
このテーブルに合う椅子はあまりありません。
イームズのアルミナムグループか、ベリーニのCAB、コルビジェのLC7、LC8くらいではないでしょうか。
色々考えた結果、コルビジェのLC7を6脚購入して組み合わせることにしました。
やっぱり同じデザイナーだとコーディネートはしやすい。
正規品と言われているカッシーナのLC7は1脚30万円以上しますが、ジェネリックなら5万前後。
さすがにオフィスの椅子6脚に180万はかけられないので、今回はそれまで使用していたハーマンミラー社のイームズLCWやトムディクソンのライトを売り払って、正規品の既存LC6にジェネリックのLC7、カスティリオーニデザインのアルコライトを組み合わせてレイアウトすることに。
長時間のデスクワークで疲れたスタッフの体をほぐすため、数々のデザイン賞を受賞した深沢直人デザインのマッサージチェア、その他にもジョージネルソンのプラットフォームベンチ、オフィスでは定番となったスイスのUSM Haller unit、深沢直人がデザインしたイタリア・ダネーゼのbincanシステムなどをアクセントにレイアウトしました。

インテリアデザイナー片山正道氏のオフィスwonderwallがまだ恵比寿にあった頃、オフィスにお邪魔した際、セレクトしている家具のセンスに共感を持ったことを思い出し、今回新しく完成した千駄ヶ谷のwonderwallの自社ビルに置いてある家具の組み合わせも参考にさせてもらいました。
最近のオフィスインテリアはトレンドを反映してか、北欧テイストなどナチュラル系、ヴィンテージ系が多いように思いますが、モノを作り出す空間のインテリアはあまり主張しすぎず、ソリッドで、できるだけ機能的な方がよいと思います。
その視点で選んでいくと自然と選ぶ家具はデザインマスターピースなものになるのでした。

ついでにオフィスインテリアネタでもう1つ、以前お邪魔したことのある渋谷の深沢直人氏のオフィス、こちらも非常に機能的で印象に残っています。
こちらもぜひ参考にしたかったのですが、あまりにストイックで、うちの事務所ではその状態をキープするのは無理かなあと。
また引っ越しの機会にトライしてみたいと思います。

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Aveda SAP MOSS

松本 知彦 for Private Time/2010.12.28/香り香り

1978年に誕生したアメリカのブランドです。
日本では、どちらかと言えばプロ用として美容室などを中心に展開されていましたが、2003年南青山に大型直営店舗ができたのを皮切りに、広く認知されるようになりました。
写真はサップモス ナリッシング コンセントレイト。シャンプー前のトリートメント剤ですが、このブランドで気に入っているのはスージング バスソルトです。
ミネラルを含んだ死海の塩をブレンドした入浴剤で、お風呂に入る際、よい香りに包まれて豊かな時間が過ごせます。

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泥棒成金 1955

松本 知彦 for Private Time/2010.12.28/映画映画

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この映画を最初に見たのは20年以上前のこと。当時、大学の友人の間では、ヒッチコックやゴダール、フェリーニなど50~60年代の映画を見るのが流行っていました。
そして映画に出てくる主人公、「巴里のアメリカ人」のジーン・ケリーや「勝手にしやがれ」のジャン・ポール・ベルモンドなどに憧れたものです。

この映画はストーリー展開がやや退屈ではあるものの、今でも名作として存在し得ている理由は、やはりヒッチコック、グレース・ケリー、ケーリー・グラントの黄金コンビによるところが大きいでしょう。
特にグレース・ケリーはモナコ王妃となって引退する1年前、ヒッチコック作品最後の出演です。
そしてヒッチコックが亡くなった2年後、この映画の舞台となった南フランス・コートダジュールで、自らも自動車事故で亡くなってしまうのです。

他の作品と違って、ヒッチコック映画にお決まりのスリル、サスペンス色がこの映画には薄めです。
観光映画の側面もあり、美しい南フランスの地と美しいグレース・ケリーにスポットが当てられています。
そのため全体が緩慢な印象は否めません。

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一番印象に残るシーンは、金持ちの娘であるグレース・ケリーが元泥棒のケーリー・グラントに、ホテルで出会ったその日に自分から突然キスをするシーンです。
キスの後、ケーリー・グラントの唇にはグレース・ケリーの口紅がついているという・・結構お下劣な演出です。
しかしながら清楚で美しいグレース・ケリーが「え?いきなり自分から?」という落差に男子は骨抜きになってしまうのでした。
ヒッチコックはこのシーンが撮りたくてこの映画を作ったとも言われていますが、きっと彼はこうしたギャップのある積極的な女性が好きなんでしょう。
古来から奥ゆかしい女性をよしとする日本で、この映画が封切られた50年前、グレース・ケリー扮する女性の心理は理解できたのだろうか?とも思いますが。

以前はただおしゃれな映画としか映りませんでしたが、今見るとグレース・ケリーは美しいというその点のみがこの映画を支えているように感じます。

Cartier SANTOS DE CARTIER TRAVEL CLOCK

松本 知彦 for Private Time/2010.12.28/ライフスタイルライフスタイル

サントス ドゥ カルティエ トラベル クロック。
トラベルクロックの定番と言えばBROWNのABシリーズ(特にbroun AB40sl)ですが、生産中止になっているものも多く、現在では入手困難です。
以前このABシリーズを購入したことがありますが(品番は忘れました)、中国製だけあってプラスチックの軽いボディなど、なんだか作りがちゃちい感は否めませんでした。
雑誌の撮影用モチーフとして購入したので、実際に使いやすいかどうかまではわかりませんでしたけど。。。
カルティエのトラベルクロックは昔ながらの三つ折りの革張りケースに時計本体がはめ込まれています。
持ち運ぶ時は折りたたんでスーツケースに、使う時はレザーを開いて三角形の形に立てて使うという旅行用時計のクラシックなモデルです。
ブラックカーフのレザーとズシリと重いパラジウムフィニッシュの本体の組み合わせというのはなかなかにセクシーです。
旅行に頻繁に行くわけではないので、この時計をリビングに置いて、置き時計として使っています。
目覚まし機能は使いませんのでアラームの音は忘れてしまいましたが、朝の忙しい時間、この時計を見て毎日準備をしています。

同じデザインでパシャのタイプもありますが、個人的には腕時計同様タンクの方がずっとデザイン的に好みですね。

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ボンドスーツ その1

松本 知彦 for Private Time/2010.12.28/ファッションファッション

子供の頃から007が大好きで、1962年発表の「ドクターノオ」から最新作「慰めの報酬」まで全作品を見ていますが、ボンド映画の魅力はなんと言っても劇中に出てくる車、拳銃、秘密兵器、美女、酒、インテリアなどなど、どれを取ってもクールで、男があこがれるダンディズムに貫かれていることではないでしょうか。
その中でもやっぱりショーンコネリー演じる初期のJAMES BONDはサイコーです。
小学校の時ボンドの愛用するワルサーPPKのモデルガンを買ってもらったことにはじまり・・・と007の話は尽きないので、また別の機会にしたいと思いますが、大人になってからDVDで007を見直すとやっぱりショーンコネリーのモダンなスーツの着こなしは非常に魅力的です。
基本ダークトーンで狭いラペルのジャケットにナロータイを締めた姿は、現代でも十分に通用するモダンなスタイルではないでしょうか。

第1作「ドクターノオ」の中でアメリカCIAのフェリックス・ライターに、着ているスーツはどこで仕立ているのかと聞かれて、ボンドはサヴィル・ローだと答えていますが、実際にはショーンコネリーの着用していたスーツは、背広の語源ともなった有名なテイラーの集まるロンドンのサヴィル・ロー通りにある店ではなく、サヴィル・ローからほど近いコンジット通りに店を構えるアンソニー・シンクレアのビスポークスーツでした。
ナローラベル、2つボタン、サイドベンツのスタイルは、英国の60年代を代表するモデルで、今見ても非常のモダンです。
ワルサーPPKのモルガンにはじまり、CD、DVD本などなど大人になってもやっぱりボンドモノには魅かれてついつい買ってしまうのです(・・汗)。
最新作「慰めの報酬」でダニエル・クレイグの着ているトム・フォードのスーツもいいですが、どうせ着るならやっぱりコネリーが60年代に着ていたあのスーツがよいなあと。
というわけで、以前より知っているオーダースーツの店でとうとうボンドと同じスーツをオーダーしてしまうのでした。この続きはまた次回。

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Dinvan MENOTTES

松本 知彦 for Private Time/2010.12.28/ファッションファッション

以前カルティエでトリニティのコードブレスレットを購入したことがあります。
有名なトリニティの3連と同じ形状の小さいリングに紐を通して手首に巻いて使用するタイプでしたが、紐のカラーが色々あってショップで選べるようになっていました。
10万を切る商品があまりないカルティエにあって、一般的なプレゼント需要にも対応できる価格帯で、汎用性の高い商品だと思っていましたが、残念ながら今は廃版となっています。
販売中止になった今、カルティエに持って行って紐を交換してほしいと言っても取り合ってくれません・・・。
企業姿勢としてどうなんだろ?と頭を傾げてしまう部分はありますが、とにかく自分はこの商品が気に入っていましたから、残念に思っていました。
その後しばらくして、この商品が同じフランスのDINVANというブランドで制作されていることを知りました。
金属を紐で手首に巻きつける仕様もカルティエのコードプレスとまったく同じです。

DINVANはカルティエで修業したジャン・ディンヴァン氏が立ち上げたブランド。
フランス語で手錠を意味する「Menottes(メノッツ)」のシルバーを購入しましたが、なぜ手錠なのか?? 
これもカルティエのラブブレスと同様、性的な意味合い「拘束」を意味しており、フランスっぽいというか何というか。
スーツを着ている時はもちろん、お風呂に入る時も常に巻いたままですが、長い間つけっぱなしにしていると色が褪せてくるので、適度に新しい紐に交換が必要です。
行くたびに交換する紐の色を選ぶのはちょっとした楽しい時間です。

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