ロンドン6 さらば青春の光

松本 知彦 for Private Time/2012.04.27/旅

ロンドンにいるもう一人の友人、それは同じ大学を卒業した女子です。
当時19歳だった僕には、仲の良い女子の友人が4人いました。
彼女たちと一緒にいろんな所へよく遊びに行きましたね。
話題のレストランだったり、ナイトクラブだったり。
4人のうちの1人が、今回の旅で逢う友達でした。
ブランドコンサルを手掛けるデザイン会社のグラフィックデザイナーで、イギリス人建築家デビッド・チッパーフィールドの事務所に勤める旦那と2人でロンドンに住んでいます。
他の3人はと言うと、1人はスペイン人と結婚してスペインへ、もう1人はイタリア人と結婚して現在ミラノ在住、あとの1人は独身ですが福岡に住んでいます。
誰も東京に残っていないという・・・・笑
理由はよくわかりませんが、僕は昔から海外に行ってしまう女子と仲良くなるのでした。

彼女以外にも多くの友人が今もロンドンに住んでいるはずですが、もう連絡先がわかりません。
そんな美術大学時代の友人に会うこともあって、自分自身が当時カルチャーショックを受けたロンドンのことを、もう1度、自分なりに復習してみたいと思った旅行でもありました。

70年代サブカルの発信地だったワールズエンドで有名なキングクロードや、カーナビーストリートは、もう当時の面影はありません。
僕が行った頃から見ても、ずいぶん変わってしまいました。
カーナビーストリートではモッズご用達の店シェリーズが一軒だけひっそりと営業していました。
小奇麗になって、カルチャー発信のストリートな感じはありません。

imgなんだか吉祥寺のようなカフェ気分のカーナビーストリート。

でも、ビートルズで有名なアビーロードの横断歩道は、以前来た時のままです。
近くにあるスタジオも健在、落書きも健在。
変わったことと言えば、以前来た時は観光客なんて誰もいなかったのに、今は横断歩道を渡る順番待ち・・・
やっぱりここにも人が押し寄せているのでしょうか。
想えば、最初にロンドンを訪れた時から、25年以上が経過しています。
ずいぶん昔ですねえ。
同じ場所に、今度は自分の息子と来ているという事実が、なんだか不思議な体験でした。

imgマニアにはここはマストでしょうね。ビートルズストアへも行きました。

img上から、25年前の自分、2012年の自分、2012年の10歳のリンタロ。

img25年前の自分と2012年の自分。ピカデリーの像がコンパクトになったように見えますね。

20歳そこそこでロンドンを訪れた時は、映画「さらば青春の光」の舞台となったブライトンまで2時間くらい電車に揺られて見に行ったことを思い出しました。
この映画はWhoの4重人格というアルバムが題材となっていますが、1人のモッズ少年の心の葛藤を描いた映画です。
映画の中にも出てきますが、ブライトンビーチはモッズとロッカーズの大乱闘が実際にあった場所。(ストレイキャッツの歌にも出てきますね)
白い崖が続く港町でなぁんにもないのですが、それでも映画のロケ地を訪ねて感無量だったのを思い出します。

imgヨーロッパ旅行の際に、両親へ宛てた手紙。

img25年前、パリでの自分。

ロンドンの友人と、以前は車のショールームだったという、メイフェアにあるWolseleyというお店でアフタヌーンティをしました。
このお店、グイネス・パルトローやケイト・モスがよく来るお店として知られています。
インテリアを手がけたのはLondonレストラン業界では有名なDavid Collinsという人。
そんな店で、昔の友人と大学時代の話をするなんて、思い出深いロンドンという街と相まってちょっと懐かしい時間でした。

imgかなりクラシックな内装でいただく紅茶とスコーン、おいしいです。

これで僕の旅は終わりです。
色々な思い出が詰まったロンドン、今回は自分自身、それを復習する旅でもありました。
リンタロにヨーロッパの街を、本物の芸術を見せることを最優先にしたため、ほとんどの時間をそれに費やしました。
もっと買物もしたかった、レストランも行きたかった、あそこへも行きたかったなどなど、色々思ったりもしますが、それはまた、いつか別の機会にしたいと思います。
彼が大人になって、父親とヨーロッパに行って絵を見たという記憶が、少しでも残ってくれたらいいなぁと思います。
忘れるなよ、リンタロ。

最後に、色々なものが変わっていましたが、これだけは変わっていませんでした。

img大きさも、食べた後の胃のもたれ具合も変わってません 笑

ロンドン5 男ならサヴィルロー

松本 知彦 for Private Time/2012.04.25/旅

やっぱり英国と言えば、ここに来ないといけないでしょう。
なんつっても日本の「背広」の語源とも言われるサヴィルローですから。
007の映画「ドクター・ノオ」の中で、ジェームズ・ボンドはサヴィル・ローでスーツを仕立てているという台詞を言うシーンが出てきます。(ショーンコネリー自身が映画で着ているのは、隣のコンジット通りにあるアンソニー・シンクレアで仕立てたスーツ)

この通りと並行するリージェントストリート、バーリントンアーケード、それにジャーミンストリートは男子にとっては、たまらない場所です。
しかし今回の旅の目的からはずれるために、残念ながら行く時間はあんまりありませんでした。

img

知らない人のために書いておくと、サヴィルローとはテーラーが集まる通りの名前で、特にオーダーを専門とする古くからの紳士服の店が多く軒を連ねています。
注文服のことを、話しながら作るという意味で英語ではビスポーク(be spoke)と言いますが、王室や歴代首相、俳優などなど多くの著名人がビスポークのリストに名を連ねています。
ケーリー・グラントやフレッド・アステア、ケネディ大統領からトム・フォードまで、色々な人の名前が顧客リストにあります。

1番地にあるギーヴズ&ホークスからサヴィルローは始まります。
ロイヤルワラント(英国王室御用達)を持つサヴィルローの重鎮とも言えるこの店は、かなり広くてアンティークやメンズコスメ専門のスペースも持っています。
しかし、貴族階級の人が利用する店だけあって、かなり入りにくい・・・・・
中に入ってみると、重厚な紳士服、、、と思いきや扱っているのはトラッドで、色鮮やか。
シアサッカーとかカラートラウザーズ(英語ではズボンのことをパンツとは言いません)とか、鮮やかなレジメンタルタイ、ポロシャツなどなど。
壁の色がラベンダーに塗られていたりして、ちょっと印象違いました。
店の調度品も含めて、なんだかラルフローレンみたいな店です。
2階がビスポークのフロアになっていました。

img2階にあがる階段にはノエル・カワードやショーン・コネリーの絵がかかってました。

1846年創業のヘンリープール。
サヴィルロー最古のテーラーです。
あの白洲次郎がオーダーしていたことでも知られていますね。
テーラーが半年に1度来日して、伊勢丹新宿店でもオーダーできます。
ハーディ・エイミスはメンズウェアとレディースウェアの双方を扱った世界で初めてのテーラー。
映画「2001年宇宙の旅」のコスチュームデザインを担当しました。

imgヘンリープールとハーディエイミス。ヘンリープールの工房は上から覗けます。

ハンツマンは1849年創業。
ロイヤルワラントを持つ格式あるテーラー。
そのハンツマンでヘッドカッターとして修業して独立したのが、リチャード・アンダーソンです。
しかし独立後、隣に店を出すって、あんまり考えられないですけどね。
こちらも青山のヴァルナカイズなどでオーダー可能。

imgギーブス&ホークスとクラシックで派が分かれるハンツマン。

そして最近注目を浴びている若いテーラーの店もあります。
あのデヴィッド・ベッカムも愛用している2002年にサヴィルローに開業したスペンサー・ハート。
ここのスーツ、僕は2着持っていますが、60年代のジャズにインスパイアされた細いラペル、1つボタンのモードなスーツです。
去年できたメイフェアの新しいお店にも行きましたが、案内してもらった地下のオーダーサロンがものすごくゴージャスでした。
ボンドの映画で実際に使われた時計が展示されていたり、007ゴールドフィンガーの映像が流れていたり、リンタロは興奮していましたね。
英国で007を見るっていうのはなんともよい体験。

imgこちらはサヴィルローに程近いメイフェアのお店の外観。

ニック・テンティスは、2010年にオープンしたサヴィルローの中で一番新しいお店。
地下には床屋があって、覗きにいくとちょうど子供がカットしてもらってました。可愛い。
店のインテリアは映画「2001年宇宙の旅」のラストシーンから取られています。
ここでちょっとだけ買物を。
シャツはおじさんに採寸してもらいましたが、スーツの採寸はなんと背の高いモデルみたいな美しい女子。
ニヤけてます?笑

img一番下はお店の内装、下から2つめは2001年宇宙の旅の1シーン、似てますね。

他にもアビーロードのジャケット撮影でビートルズの衣装を手がけたトミー・ナッターの店ナッターズや、90年代にニュービスポークの旗手と言われたオズワルド・ボーティング、リチャード・ジェイムスのお店、日本じゃあんまり知られてませんが、トミー・ナッターも一時在籍したキルガーなどもあります。

サヴィルローから少し行ったところには、バーリントンアーケード。
1819年にオープンした当時そのままの形で、200m足らずのアーケードに40店舗くらいの高級店が並びます。
ここには香水のペンハリガン、靴のクロケット&ジョーンズなどがありました。

バーリントンアーケードを抜けるとジャーミンストリートに入りますが、この短い通りにも名だたる名店がズラリ。
ロイヤルワラントを持つシャツで有名なターンブル&アッサー、ヒルデッチ&キー、ハケット、靴のジョンロブ、エドワードグリーン、トリッカーズ、007も持っていたアタッシュケースで知られるスウェインアドニー、グルーミング用品専門店Taylor Of Old Bond Streetなどなど。
女子にはわからない、ダンディズムの極みです。

img1854年に開業したTaylor Of Old Bond Streetは圧巻。売っているのはブラシや石鹸のみ。

しかし、ロイヤルワラントを持つこうした名店、中に入ると初老のイギリス人の顧客が多いです。
ガッチガチのクラシック好きでない限り、若いイギリス人は行かないのかもしれません。
ファッションという感じではないですね。
日本の顧客は若いですが、本国は決してそんなことはないということです。
日本で言うと、銀座の英国屋、一番館、信濃屋みたいな感じなのでしょうか。

しかしサヴィルロー、もっとゆっくり見たかった。
美術館に時間を取られて、ほとんど時間はありませんでした。
まあ、今回はそういう旅ですからね。

続く

パリ4 ちょっとだけお買物

松本 知彦 for Private Time/2012.04.24/旅

旅行の主旨から外れてしまうので、ずっと自分を抑えていましたが(笑)、時間のない中、ちょっとだけ買物もさせてもらいました。
ホテルから歩いてすぐにある高感度セレクトショップ、コレット。
ここならリンタロも退屈しません。

imgサントノレの角にあるコレット。1階が雑貨、2Fが洋服売場。

こんな店も以前はなかったなあ。
この店で1つ学習したことがあります。
絵本で愛されているバーバパパ。
これフランスのキャラクターだと知ってました?
僕は全然知らなくて、北欧か東欧あたりかと思っていたんですが、実はフランスのキャラクターだったんですね。
コレットで売っていた電池のいらない蓄電式ライトで知りました。

imgコレットで買ったナイフ形の定規とバーバパパライトです。

コレットでは村上隆のグッズ、メゾンキツネのシャツなどなど、日本でも知られている日本人アーティストの商品も売られていました。
しかし混んでます。
店員も、来ている人もオシャレで、オープンから随分時間が経過していますが、まだ人気なんですね。

コレットがあるサントノレには、たくさんお店が集まっています。
ハイブランドのショップもたくさんあるんですが、そういうものにはそんなに興味がなく・・・
でもシャルベとジョンロブパリの2つだけには行ってみたいと、パリに行く前から思っていました。

imgサントノレだけで1日使いたいです・・・

ヴァンドーム広場にあるシャツ専門の老舗ブランド、シャルベ。
どういうブランドなのかは、また次の機会に紹介するとして、、、
店に入るとネクタイしかないので、シャツはどこですか?と聞いたらエレベーターで2Fへ通されました。
2階がシャツ専門フロアなんですね。
試着しながら選んでいる間、リンタロはなぜ英語がしゃべれないのだ?どうしてだ?英語を学ぶべきだ、そうすれば世界中に行けるぞ、とずっと店のおじさんに言われて、なんでそんなに何度も強く言うのかなと。
もしかして、日本の子供のほとんどが(というかほぼ全員が)英語をしゃべれないのを知っていて言っているのでしょうか。
それを言うなら、フランス人だって英語しゃべらないのにね。
店の接客で、子供は英語をしゃべるべきだと説くおじさんは、あんまりいませんよね?笑
1階のネクタイ専門フロアも膨大な種類・カラーがあって魅惑の場所でした。

imgヴァンドーム広場の脇にあるシャルベ。日本だと三越で買えます。

ジョンロブはパリに4店舗ありますが、モンマルトルから凱旋門に行く途中、プラザアテネ近くのお店に寄りました。
プラザアテネのテラスで、お茶を飲んでるガイジンたちを見ましたが、女子も男子もイカしてたな~。
ロンドンだとそういう人、全然いませんからねえ。
ジョンロブでは、自分の気に入った靴のサイズがなく、ロンドンのジャーミンストリートにあるジョンロブへ電話してもらって、目当ての靴の取り置きをしてもらいました。
でもロンドンでは時間がなくて、お店には結局行けませんでしたけど・・・泣

移動は地下鉄とバスを使いましたが、以前は黄色かった地下鉄のチケットも、デザインが変わって白くなっていました。
地下鉄の車両には1等と2等があって(確か前2両だけが一等車)、乗車料金が違っていて、2等のチケットで1等に乗ると罰金を取られたはずなのに、それもなくなっていたし。
そんな差別的なことは廃止になったのかな。

imgカラーも3色になって以前より可愛くなりましたね。

あとカフェで飲んだオランジーナ。
日本でも一時期売られていたんですが、5年くらい前に取扱いがなくなって、つい最近サントリーが再び販売を始めましたね。
でもサントリーのボトルは本場と違っていてコンビニ仕様。
やっぱオランジーナと言ったら瓶はこうじゃなきゃねー。
オランジーナ、大好きなんです。

imgもうこのボトルのデザインは日本では見られないのかなあ。残念。

なんだかだんだん書いてることに脈略がなくなってきましたが、パリでは歩いて歩いて、待って待って、美術館に行って、というのを繰り返していました。
やっぱりクタクタです。
本当は、すごく流行っているという、大学の同級生が経営しているレストラン「USAGI」に行って、彼にも逢いたかったんですが、そんな時間は残されていませんでした。
他にも、バスチーユやマレ地区、サンジェルマンデプレにも、もっと行きたかったなあ。

旅行で都市を離れる最終日には、「また来たい」という気持ちが高まるのも海外旅行の特徴です。
リンタロがどう感じたかわかりませんが、彼がパリで本物の芸術に触れられたのは確かです。

結局、僕がパリで買ったものは、シャルベのシャツとネクタイだけ。
リンタロはコレットで買ったバーバパパのライトなどの小物だけです。
ショッピングは、まったくと言っていいほどしませんでした。
しかし、他では決して手に入れることのできない「体験」というおみあげを持って、日本へ帰ることになります。
2人は、後ろ髪を引かれながら、パリを後にしたのでした。

ロンドンへ戻って続く

パリ3 パリで見るべきもの(見せるべきもの)

松本 知彦 for Private Time/2012.04.23/旅

パリと言えば、やっぱり美術館でしょう。
ルーブル、オルセーという2大美術館が、歩いて行ける距離にあるのがパリです。
ここは絶対に押さえないといけません。

imgチュイルリー公園は相変わらず美しいです。歩くと土埃で靴が汚れますけど笑

チュイルリー公園からまずはオランジェリー美術館へ。
ここは説明するまでもなく、モネの巨大な睡蓮の作品が有名です。
20年前には確か地下はなかったはず。
エントランスを入ると内部は打ちっぱなしのコンクリートとガラスになっていて、地下に展示室ができていました。
外観は以前と変わらないのに、中が近代的になっているなんて、大英博物館を思い出させます。
7年間も休館して地下を掘ってたんですね。

僕が昔行った時は、人が全然いなくて、静かなひろ~い展示室の真ん中に1人座って、長時間モネの絵を眺めていると、まるで自分が睡蓮の浮かぶ池に佇んでいるような錯覚に陥りました。
でもそんなことは今回まったく体験できません。。。
長い列に並んで、セキュリティチェックを受けて中に入っても、人、人、人です。

imgオランジェリーは改装のため、1999年から7年間休館したのち、2006年再オープン。

続いてオルセー美術館。
オルセーは1900年に建てられた古い駅舎を改造した建物で、印象派を中心に19世紀から近代につながる作品を多く展示しています。
行った時はドガの展覧会をやっていました。

20年前にこの美術館で、はじめてセザンヌやゴッホの本物の作品に触れた時は、あまりの美しさに衝撃を受けました。
印刷ではわからない、発色の美しさに本当にびっくりしました。
特にセザンヌの静物画の圧倒的な存在感は、ただの古臭い絵と思っていた自分の価値観を変えるきっかけになりました。
今回見た中では、マネがよかったですね。
コントラストが強く構成的な絵は、平面的で塗り絵のようにも見えますが、デザイン的で洒脱、現代美術のようです。
しかし、以前作品を展示している壁はすべて白だったはず。
今回行ってみると壁はフロアによって紺だったり、エンジだったりに塗り分けられていました。
これにより、壁面から作品だけを浮かび上がらせる効果を狙ってるんですね。

img上階にあるカフェもお洒落。

そしてルーブル美術館。
過去3回行ったことがありますが、やっぱりこの美術館は素晴らしいですね。
20年以上前に最初にパリに来た時は、ガラスのピラミッドはありませんでした。
1階の狭いエントランスから普通に入ったのを覚えています。
でもこれだけ長蛇の列で、入場するのに1時間半待つような状況は当時ありませんでしたから、ピラミッドから入った地下の吹き抜けホールから、シュリー翼、ドゥノン翼、リシュリュー翼の3つの各展示館に来館者を誘導する導線は正解でしょう。

imgどこまでも続く長い列。しかし1時間半待ちの看板の日本語、誰か教えてあげればいいのに。

img彫刻は自然光で見るのが一番。その点でもルーブルはよいですね。

モナリザの前は相変わらずの大混雑。
モナリザの絵よりも、横にあるスリに注意という大きな看板の方が目立ってます 笑
古典の作品には学ぶところが多いと思います。
フランス以外にも重要な作品はたくさんあるのですが、北方やイタリア絵画の展示室にはなぜか人がおらず、フランス古典絵画に人が集中しています。
本当は3日くらいかけてじっくり見たいのですけど・・・

僕が好きなのは、アングルとその師匠ダヴィッドの絵です。
およそ200年前に描かれたダヴィッドの「ナポレオンの戴冠」は、横幅が10mもあるすごく大きな作品。
描かれている絵の意味はわからなくても、展示されている空間含め、本物の絵画のスケール感だけでも子供に見せる意味はあるのじゃないかと思います。
カタログの印刷物を見て作品について知ったつもりになっていても、このリアル感はホンモノを見ないと決してわかりませんから。
僕がそうだったように。

アングルの絵の展示は、エントランスからかなり遠くの増築された場所に移動になっていましたが、再び本物を見ることができてうれしかったですね。
フェルメールもねぇ、当時日本で本物を見ることは叶わなかったので、実物を見た時は感激しましたが、今見ると、、う~ん、悪くはないですが、投影して描いているだけあって写真的ですね。

以前は、作品の前で模写をしている人がたくさんいましたが、今回ほとんど見かけませんでした。
こんなに人がいたらそりゃできないですけどね・・・
街の中にひっそりと佇むピカソ美術館にも20年ぶりに行きたかったのですが、今回は改装中でした。

img上からダヴィッドの巨大な絵、ドラクロア、アングル、フェルメール、ラトゥールなどなど。

最後にジャン・ヌーベルが設計したケ・ブランリ美術館です。
上記の美術館と違って、ここは並ばずにすぐ入れます。笑
2006年にシラク大統領が作ったこの美術館は「原始美術」(プリミティブ・アート)のコレクションで構成されています。
何が原始美術なのかっていう定義があいまいなのですが、地域ごとに世界の原始美術の展示がされていて、日本のコーナーもありました。

しかし展示よりも、ここで見るべきはジャン・ヌーベルの建築です。
外観はでかい船のようです。
巨大な赤い鉄の箱をピロティで上に持ち上げた構造。
片側にはカラフルな色のコンテナのようなボックスが飛び出しており(1つ1つは展示室)、鉄の塊の外観は異様な迫力があります。

エントランスは1Fですが、展示は曲がりくねったスロープをあがった2階から。
このスロープには、光でいくつものタイポグラフィがうごめいていて、原始の世界にいざなう演出がなされています。
展示スペースは、吹き抜けと小さい部屋(外から見たコンテナ部分)の連続でできていますが、全体的になんだかグニャグニャしていて洞穴のようです。
原始がコンセプトだからこうなのか・・・
光も極端に絞ってあって暗く、こういう美術館はあまりないでしょう。
非日常な空間体験が、おもしろかったです。

img賛否両論ですが、ヌーヴェルの建築は見物です。

しかし、どの美術館へ行っても人が多くて、待たされること必至です。
昔の話をしても仕方ないですが、本当にここだけは状況が変わりましたね。
ルーブルの1時間半待ちはいいとしても(よくないけど)、ホックニーの3時間半待ちは本当に参りました・・・
皆さん、ヨーロッパへ行く予定がある方は覚悟してください。

パリ2 パリ行きの目的

松本 知彦 for Private Time/2012.04.20/旅

img

ロンドンからユーロスターに乗ってパリへ。
リンタロはもちろんフランスは初めてですが、僕は20年ぶり。
パリにも5回くらい来たことがありますが、さすがに20年も来てないからきっと変わっていることだろうと思いきや、あんまり変わってません。笑
街は相変わらず19世紀のまんまです。

変わったことと言えば、ロンドンからパリまでユーロスター1本で行けるようになったこと。
僕が初めてパリを訪れた時は、ロンドンのウォータールーから列車に乗って、途中でフェリーに乗り換え、再び列車に乗って、ようやくパリに到着というルートでした。
それが今ではハリーポッターの駅として有名なキングス・クロス・セント・パンクラスからユーロスターに乗って、パリの北駅までたったの2時間。

乗り換えることなく、東京から名古屋に行く時間でパリに着いちゃいます。
これだけ近いと1年に1回くらいの頻度で行きたくなるのじゃないか?とも思うのですが、両国の人は他国にそんなに興味はなく、行き来はしないのでした。
しかしここでも大行列が・・・・日本の新幹線は夏休みの帰省時期でもこんなに待たないってば。

imgオリンピックムードのロンドン・パンクラス駅。ハリーポッターはこの駅の9¾番線からホグワーツに。

imgパリの北駅。ヨーロッパの地上の駅は、地面と高低差がなくて鉄骨造なのがいいですね。

パリでの目的もやっぱり最優先は美術館。
ルーブル、オルセー、オランジェリー、ピカソ、ポンピドー、そしてそれ以外にも凱旋門、シャンゼリゼ、エッフェル塔、オペラ座、ノートルダム、モンマルトル、サクレクール寺院などなど、やっぱり代表的な名所をリンタロに見せなければなりません。
3日ではとても全部は回れませんが・・・

imgシャンゼリゼ通りは平日だというのにたくさんの人。表参道より多い。

img登るために長蛇の列。オープン直後のスカイツリーでもこんなに待たないでしょ。

img夜もライトアップされて美しいオペラ座。向こうにヴァンドーム広場が見えます。

そして20年来のフランス人の友人、ピエールに逢うことも1つの目的でした。
彼は日本人の奥さんとの間に13歳の息子がいて、今回はじめて会ったその息子が途中からパリを案内してくれました。
この息子がねえ、とってもしっかりしていてびっくりでした。
日本語もペラペラです。

ピエールの家はモンマルトルにありますが、フランス映画「アメリ」のロケ地となったことで、周辺にも観光客が押し寄せ、すっかり変わってしまったと言っていました。
人が増えたのは美術館だけではないようです。
観光客が辿らない裏ルートでサクレクールまで散歩しながら、変わっていない昔のパリを見せて説明してもらいました。

imgサクレクール寺院とノートルダム。モンマルトルはロートレック、ユトリロで有名。

モンマルトルには、北側に吹き抜けの開口部を持つ画家の大きな家がたくさんあります。
大きくはないですが、ピカソの住んでいた家もその中にありました。
ピエールによると、どれも1億円以上するそうですが、画家という職業でこんなに大きな家に住める人は日本では限られていますね。
村上隆などを除けば、ほとんどいないでしょう。
少年誌の漫画家ならともかく。
芸術が育たないわけですよね・・・

パリでは天気がよく、暖かかったです。
そして人も、イギリス人よりおしゃれで、ファッションも薄着でイギリスのように暗い色ばかりではなく明るい色をまとっているので、なんだか解放された気分になります。
女子はエレガントですが、男子はなぜか坊主頭が多いですねえ。

しかし、またここでも例の問題が・・・
エッフェル塔2時間待ち。
凱旋門30分待ち。
ルーブル1時間半、オルセー2時間待ち・・・
かなりの時間を、待ち時間に費やすことになります。
駅といい、美術館といい、以前こんなことはなかったはず・・・・とつぶやきながらも待たねばならないのでした。

来週は美術館を紹介します
続く

img20年ぶりに上に登ってみました。美しい街、ナポレオンはエライですね。

東急プラザbills 神宮前

松本 知彦 for Private Time/2012.04.20/食べる食べる

おととい、原宿の表参道と明治通りの交差点、元GAPがあった場所に新しい複合ビル「東急ブラザ」がオープンしました。
オープンに先駆けて、この建物の5階にあるbillsというお店のオープニングレセプションに行ってきました。
このお店のウリは、皆さんご存知、朝食です。
パンケーキがとても有名ですね。
お店は朝8時半から営業するそうですが、朝食がウリな割に営業開始時間が遅いような・・・

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世界のセレブに愛されるオーストラリア人オーナー、ビル・グレンジャーが日本で展開する4店舗目。
2008年に鎌倉の七里ケ浜に最初のお店をオープンさせて以降、横浜赤煉瓦、お台場と続き、都心では初出店になります。
彼も奥さんと会場に来てましたが、写真を撮られまくりで、とても人気があるんですね。

しかしこのレセプションがすごい人で、、、
容姿・スタイル抜群の若い女子がたくさん押し寄せてきていて、東京にこんなに可愛い子たくさんいたっけ?っていうくらい。
どうしてレストランのオープニングにこんな?と思ったら、
店のオペレーションはトランジット、PRを手がけているのは、中田英寿のマネージメントなどで知られる芸能プロダクション、サニーサイドアップ。
来ていたのは、事務所に呼ばれたモデルの方々でした。(色々な種類のモデルがいますが、一応総称で)

よく見れば、松本莉緒、安田美沙子、杉本彩、宍戸開、志村けんのラーメン屋コントでお色気担当の人(森下悠里)などなど。
そして、水泳の北島康介まで来ています。
彼はサニーサイドアップ所属ですからね。
そんなに店は広くないので、芸能人密度がすごいです。
他にも見たことあるけど、名前知らないタレントがたくさんいました。

花柄のノースリーブのワンピースを着ていた女子たちと少し話しましたが、彼女たちは雑誌ノンノの読者モデルとのこと。
そんなにまだ暖かくないのに、薄着でパーティ仕様です。
昼間は事務の仕事をやってるそうですが、レストランのオープニングのために、ドレスに着替えてやってくるというモチベーション。
ライフスタイルが変化して、ゆる〜くどこまでもフラットに続く日常、そこにオンとオフというボーダーを設けて、モチベーションを自分で上げようとする姿勢は、今の時代逆に新鮮に映りますね。
その舞台が、レストランのオープニングレセプションなのか?というのは置いといて・・・汗

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「おもはらの森」と名付けられた森を見ながらテラスで食事できるのがお店のウリと聞いていたのですが、見ると森はなく、木が数本生えているだけ 笑

会場で偶然、大学の同級生に会いました。
彼女はスタバの店舗設計のチーフ。
代官山ツタヤのスタバも彼女の設計だそうで、このビルの違うフロアにも新しく設計した店がオープンするとのこと。
いやあ、みんながんばってますねえ。
僕もがんばらなきゃなぁ。

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おみあげにパンケーキのキーホルダーをもらいました。
しかし東急プラザというビル名、いいんでしょうか?
渋谷の映画館か、スーパーみたいなんですが・・・。

パリ1 ロンドンとパリのホテル

松本 知彦 for Private Time/2012.04.19/旅

ロンドンではHyatt Regency London - The Churchillというホテルに泊まりました。
地元ではThe Churchillで知られています。
場所はセントラルラインのMarble Arch駅近く。
ロンドンのモードな百貨店セリフリッジをはじめ、オックスフォードストリートやボンドストリートまで歩いて行ける便利な場所にあります。

img写真を見てもわかるように、館内は白、ベージュ、ブラウンで統一されていて現代的。

このホテル、僕が泊まった同じ時に北川景子さんが泊まってました。
日本人は少ない上に、銀色のスパンコールの派手なカーデガンを着ているので目立ちます。
隣で朝食を食べてたので声を掛けようかとも思いましたが、やめときました。笑
ロンドンの朝食は英国式です。
以前からロンドンはご飯がマズイと言われてきましたが、少なくとも10年前よりはおいしくなっているのじゃないかと感じましたね。
ホテル以外、外のレストランでもそんなに悪くありませんでしたし。
パリ行きのユーロスターのチケット予約もこのホテルのコンシェルジュに頼みました。

img朝食と言えば、英国王室御用達ティップトゥリーのジャムはお約束。

パリではPark Hyatt Paris - Vendomeに泊まりました。
なぜハイアット系ばかりなのかというと、その筋の知り合いに取ってもらったからです。(その筋の人です 笑)
ヴァンドーム広場の脇、カルティエ本店の隣に位置し、サントノレやチュイルリー公園も歩いてすぐという、こちらも抜群のロケーションにあります。
ホテルリッツもすぐ近くにあって、このあたりは高級メゾンが立ち並ぶラグジュアリーなエリアです。

imgヴァンドーム広場

imgエントランスはかなり小さく、外から見ると内部に広い空間が広がっていることはわかりません。

パリの建物ってエントランスは目立たないのに、中に入ると奥が深くて、中庭構造を持っているというのが特徴ですよね。
これはホテルに限らず、住宅の建物もそうなっていると思います。(住宅を改装してホテルにしている)
ヨーロッパの建築って、エントランスからはわからないけど、中に入って奥に進むと広くなって開くという京都のような建築構造を持っています。
京都の場合、江戸時代に道路に接している面積に応じて税金を徴収する制度があったため、税金を免れる目的で、できるだけ接道面積を少なくして奥に長く、中庭を作って光を取り込む構造を採用するようになったという歴史的背景があります。
ヨーロッパはどうしてこうした構造を持つようになったのでしょうね。
調べてみたいです。

部屋は中庭に面していましたが、すごく暗いのが気になりました。
外国人は日本人と違って、目が弱いため光は好きではないと聞きますが、それにしても暗い。
昼間でもライトをつけないと本は読めません。
そして日本のパークハイアットにもありますが、この不思議な彫刻は何でしょうね。
扉の取手にもなってたり、ホテルの中のあちこちにあります。

img左上にあるカードは部屋の鍵です。お洒落ですなあ。

imgライムストーンとゴールドで統一されたシャワールーム。

Park Hyatt Paris – Vendomeは、地下にスパがあるのが特徴です。
ヴァンドーム広場でスパに入るというのは、意外性があってイベントとしてもいいと思いますが、利用するには海パン着用が原則。
日本人としては、屋内の温泉に海水パンツはちょっと違和感あります・・・・
僕は事前に調べて日本から海パン持っていきましたけど 笑

毎日朝食を取るレストランが気持ちよくてよかったですね。
ガラス構造の天井から自然光が差し込むレストランでした。
この自然光の入るレストランもそうですが、内装のいたるところに使われているライムストーンなど、色々なところがミラノにあるPark Hyatt Miranによく似ていました。
同じデザイナー?

imgスパは思ったより小さくて深いです。リンタロは水中メガネ持参で潜ってました 笑

ホテルの人は、ロンドンに比べるととっても感じのよい人たち。(別にロンドンが悪くわけじゃないのですけど、愛想があるという意味で)
サービスもランクがちょっと上な感じがします。
ロンドンみたいにタバコの吸殻が路上にたくさん落ちていることもなく、街は美しいし、天気もいいし、なんだかロンドンにいる時より明るい気持ちになったのでした。

続く

imgパリのパンはおいしいですね。このスペースは気持ちがよいです。

ロンドン4 サブカル発信地

松本 知彦 for Private Time/2012.04.18/旅

ロンドンの友人が住んでいるベスナルグリーンは、センターからセントラルラインに乗って30分くらいの郊外。
しかし日本のガイドブックにも書かれるほど、今もっとも熱いカルチャー発信地として知られています。
僕が以前ロンドンに行った時は、カムデンロックやコベントガーデン、ポートベローでしたが、東京で原宿から中目黒にカルチャー発信地が移動するように、ロンドンでもトレンドの場所は移動するようです。
土曜日はフードマーケットの日でした。
他にも木曜に開かれるフラワーマーケットなどが有名とのこと。

img町には運河が流れていて船に住んでいる人も。船の中で古着屋をやってます。

imgマーケットの様子。パブには昼間からたくさんの若者。

ここはどういう場所かというと、東京で言えば中央線の国分寺にギャラリーがたくさんあるみたいな場所です。
数年前まで、ドラッグディーラーがフラフラしているような治安のよくないエリアだったそうですが、現在ここに住んでいるのは、学校を卒業してクリエイティブで成功を目指す、売れる前の若いクリエーターたち。

行った時は、ちょうど週に1度のギャラリーのオープニングの日だったので、色々と回ってみました。
小さい無料のギャラリーがたくさん集まっていて、どこも同じ曜日から新しい展覧会を開始するので、その日はビールを飲みながらギャラリーをはしごできるのです。
どこもワイワイやってて、なんだか懐かしい感じでした。
そういえばこの感じ、こないだブログにも書きましたが、都内で家具の新作発表パーティに行った時に感じた90年代の雰囲気に似ています。
作品もそんな作風に見えます。
え?まさか、それがトレンドなわけないよね?

img立体グラフィックとか90年代のフランク・ステラみたい。

ギャラリーだけでなく、少し歩くと小さな可愛いお店がたくさん。
その中に見たことのあるロゴが・・・・・
そうです。
ラフトレードです。

知らない人のために書いておくと、ラフトレードは80年代後半から90年代、スミス、アズテックカメラ、ヤングマーブルジャイアンツなどのアーティストが在籍したレコードレーベルです。
ボーカルのモリッシーを中心としたスミスのアルバム「肉食うな(今考えるとすごい邦題)」の世界的ヒットで、このレーベルが一躍知られるようになりました。
僕の好きなモノクロームセットも在籍していましたね。カッコ良かったなあ。
音楽知らない人には、まったく意味不明な話でスミマセン。。。

以前はポートベローにあった小さいレコード店だったんですが(そこへは行ったことがあります)、このブリックベーンのお店は大きいです。
こんなにたくさんビニール(アナログレコード)を売ってるのにも驚き。
店ではアニエスベーとコラボでボーダーシャツとか売ってるし、、、
エー?もしかして90年代ブームが来ているの???
そういえば日本でも最近、アニエスベーが再び出て来ましたね。
でもまさか、90年代ブーム??

imgラフトレード、、この懐かしい響き。店内にはプリクラならぬ証明写真があります。

夜にはこのあたりで一番お洒落と言われている(あくまで言われている笑)BISTROTHEQUEという話題のフレンチレストランに行きました。
ま、おしゃれと言っても国分寺なので、そこそこなんですけどね。失礼!
久しぶりに友人とのディナーは楽しかったです。

そしてロンドンからパリへ向かいます。
続く

imgおいしいですよ。

ロンドン3 見るべきは(見せるべきは)

松本 知彦 for Private Time/2012.04.17/旅

セントポール大聖堂からミレニアム・ブリッジを渡ると、テートモダンがあります。
この橋は2000年、これまたノーマン・フォスターとアンソニー・カロとの共同設計によって作られました。
テートモダンは以前、テートギャラリーという名前で別の場所にあったはず。
以前そっちには行ったことがありますが、ここを訪れるのは初めてでした。

imgセントポール大聖堂からミレニアムブリッジを渡ればテートモダン

img外側はレンガを積み上げた積層構造ですが、内側は倉庫のようなグリッドの鉄骨造というギャップが面白いです。

建築は、安藤忠雄を退けて、コンペで1位と勝ち取ったヘルツォーク&ド・ムーロン。
元々は発電所だった建物のリノベーションですが、この建築はなかなかカッコよかったです。
以前発電機が置かれていたという地味なエントランスを入ると、まず地下に降りなければならず、最初からなんで地下?と思いきや、地下にはアートショップしかなくて、展示を見るにはそこからさらに2Fへ、ガラスで覆われたエスカレーターで上がらなければならないという、なんともまどろっこしい導線ですが、途中のシークエンスに工夫があって飽きさせません。
建物の中で強制的に高低を移動させることで、変化する見慣れない景色を見せ、自分の位置や高さを体感させる役目を果たしています。
建物自体を作品として見立て、エスカレーターはそれを見せる装置として位置付けられていると思いました。
僕はやっぱりポップの展示室が好きでしたね。

imgドナルド・ジャッド(上から2つめ)とダン・フレイヴィン(一番下)カッコいい。

行った時は常設展に加えて、草間弥生の企画展をやってました。
草間弥生の次がダミアン・ハーストだったんで、どうしても見たかったんですけどねえ・・・残念。
ミュージアムショップは、かなり充実していておもしろかったです。
買いたい物がたくさんあったのですが、、、買いそびれてしまい、、、もう1度行きたいです。

リンタロは以前、学校の見学で、東京都現代美術館に行ったことがあり、それがとても印象深かったらしく、彼曰く、現代美術は好きなのだそうです。
なぜ?と聞いたら「だってカッコいいじゃない」という返事。
ズバリの答えにニヤッとしてしまいました。
確かに現代美術はカッコいいですよね。

img本物のリキテンシュタインの絵を近くで見るリンタロ

img出口は地下1階。1階までスロープを上がるようになってます。この出口が吹き抜けの巨大ホールになっていてカッコよい

他にもビクトリア&アルバートミュージアム、ロイヤルアカデミーオブアートなどに行きました。
ロイヤルアカデミーオブアートで開かれていたデイヴィッド・ホックニーの回顧展は、入るのに3時間半待ち・・・・
ここでの時間のロスは旅行中、最大の失敗でした。
ガイドブックにも書いていない情報だから、だいじょぶだろうと思って行ったら、イギリス人で長蛇の列。
あまりの列にテレビの取材も来てました。
モネならともかく、現代美術のホックニーが、いつからこんなに老若男女に知られる作家になったのでしょう?
日本では考えにくいですが、イギリスでは既にそういう存在なのでしょうか?
おばあさんもたくさん来てるんです。
外で飲まず食わずで立ちっぱなしの3時間半、もう寒くて泣きそうになりました。
我慢強く待ったリンタロは偉かったですね。

imgこの待ち時間は、イギリス人のオペレーションの問題だと思います。

やっと中に入ると、自分の一番見たかったプールのシリーズや、シャワー浴びてる人のドローイングは展示されておらず、近作がほとんどで、一番おもしろかった異なる視点の映像を組み合わせたムービーによる展示は、人がギュウギュウで入れず、、、カタログも買わずに出てきました。
面白いから行こうと言っておきながら、リンタロには申し訳ない思いがしました・・・
すまん、リンタロ。

しかし、どこへ行ってもなが~い列で、これは旅行中の最大のストレスでした。
以前行った時はこんなことはなったのに。
インターネットの普及で情報が行き渡り、たくさんの人が観光するようになった?
こういう状況なら、見る側もそれなりの準備が必要だと感じました。
ここだけは10年前と全然違う点でしたね。

ビクトリア&アルバートミュージアムは、ウィリアム・モリスが手掛けたカフェが有名です。
すごくゴージャス。
展示は18世紀の部屋をそのまま移築した部屋もおもしろいですが、20世紀のプロダクツの展示室が好きです。
以前ブログにも書いたBRAUNのプロダクトデザイナー、ディーター・ラムスの60年代の製品が、日本のウォークマンと並んで展示されています。
なんだかちょっとぴりうれしかったり。

imgV&Aはデザイナーを刺激する展示がたくさん。

デザインミュージアムは無印良品のエキシビジョンだったのでパス。
他にもサーペンタインやホワイトキューブ、ICAと言った有名なギャラリーにも行きたかったのですが、色々な場所で長時間待たされるため、回る時間がありませんでした。
ショッピングはまったくせずに、朝早くから美術館、博物館、観光名所にリンタロ2人で行きまくったのでした。

明日はロンドンのサブカル発信地についてお知らせしますね。
続く

ロンドン2 見るべきは(見せるべきは)

松本 知彦 for Private Time/2012.04.16/旅

img

僕の中でロンドンとは、やっぱり音楽の国。
最初にビートルズがあり、マージービートがあり、そしてモッズ、パンク、スカ、パブロック、80年代のニューウェイブ、ニューロマンティック、ネオアコースティック、90年代に入ってグラウンドビート、ガレージパンク、ギターポップ、アシッドジャズ、2000年代に入ってドラムンベース、ツーステップなどなど、色々な音楽の潮流を創り出してきたイメージがあります。
同時にスーツの原型を作ったジェントルマンの国、サヴィルローを中心としたメンズファッションの発祥地。
またネヴィル・ブロディやトマトなどを輩出した優れたグラフィックデザインの国でもあります。
階級制度でガチガチな社会でありながら、音楽、ファッション、デザインなどサブカルチャーを次々と生み出してきた国という印象ですね。
そして僕の大好きな007の生まれた国でもあります。

ということで、ロンドンで見るべきはサブカルチャーなのではないかと思ったりしますが、息子であるリンタロには大英帝国時代から続く芸術・名所旧跡を見せて回らなければなりません。

まずは大英博物館。
2001年にノーマン・フォスターによってグレートコートと呼ばれる自然光が入る大きな中庭が作られました。
僕が10年前に行った時は、この中庭はありませんでしたが、この改修は大正解ですね。
とっても気持ちの良い、開放感のある明るい空間に生まれ変わっていました。
展示の内容は変わってませんでしたが、このグレートコートの体験のおかげで大英博物館は、より印象に残る博物館になったと思います。
やっぱりここではロゼッタストーンとエジプト、そしてミイラがお約束でしょう。
この大英博物館のグレートコートのガラス構造、ロンドンのランドマークになっているロケットのような保険会社のビルと同じですね。
これもノーマン・フォスターの設計です。(2004年)

img外観は以前と変りません。

img入るといきなり巨大な吹き抜けです。自然光が入って気持ちがいいですね。

imgこれらの収蔵品は大英帝国時代に権力にモノを言わせて、他国から勝手に持ってきたものなんですよ

imgちなみに新宿にあるのはノーマン・フォスターじゃないですからね、念のため笑(丹下健三の息子の設計)バルセロナにあるジャン・ヌーベル設計のにも似てます。2000年代初頭の流行?

タワーオブロンドン。
ここも基本変わってません。
でも展示がものすごく充実していて驚きました。
鎧のオンパレードです。
もしかして以前行ったとき見落としてたのかな?
近くにはタワーブリッジが見えます。
対岸には同じくノーマン・フォスターによって2002年に作られたロンドン新市庁舎ビル。

imgこの橋を見るたびに、ポール・マッカートニー&ウィングスのジャケットを思い出します。

imgテムズ川を挟んだ古城の対岸には近代的なビル群が並び、対照的。

1805年に作られたトラファルガースクエア。
塔の周りに鎮座する4頭のライオンは有名ですね。
ちなみにもうなくなっちゃったけど、三越の入口にいたのはこのライオンのコピーです。
本物は大きさが三越のそれより10倍くらいありますけど。

トラファルガー広場を抜けて、セントジェームズパークを横目に見ながら、ザ・マルをまっすぐ歩くと、バッキンガム宮殿に着きます。
このマルは、馬の糞がたくさん落ちているので、気を付けて歩かないといけません。
宮殿の建物の上に旗が立っているときは女王が滞在されている時。
行った時も旗は立っていましたから、きっといらっしゃったのでしょう。

ここからウェストミンスター寺院、ビッグベン、ロンドンアイまでは歩いてすぐです。
僕が以前ロンドンを訪れた時は、ロンドンアイはありませんでした。
こないだまで世界1位の大きさを誇っていましたが、シンガポールかどこかの国に抜かれて現在世界2位です。
しかし観覧車に乗るのに1時間半待ち。う~ん・・・
この待ち時間は、これからあちこちで体験する始まりにしか過ぎなかったのですが。

時差ボケも顧みず、朝早くから色々な場所に出向いて、夜9時くらいまで歩きっぱなしのせいで、小学生のリンタロはクタクタになってました。
でも、このくらいハードに回らないと、色々なものが見られないのが海外旅行ですからねえ。
リゾートの海外旅行とは違うのでした。
さて次は美術館です。

続く

imgこちらもWhoのマイジェネレーションを思い出させますね。

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