保赤軒 扇子

松本 知彦 for Private Time/2012.07.31/ファッションファッション

ここのところ毎日暑いですね。
データは見ていませんが、節電が叫ばれるようになってから、たぶん以前より売れていると思います。
クールビス推奨で、オフィスの室温が高めに設定されることも売れ行きに関係あるかもしれません。

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そんな暑い日本の夏に、重宝するのは古来からのジャパニーズアイテム、扇子です。
竹と紙で作られていて、扇ぐとほのかな香りが漂ってくる、というのが今までの定番でしたが、紙だけでなく、シルクや竹でできているものなど色々な製品が売られています。
骨が多い方が、少ない力で緩やかな風が起こせるので、価格が高くなります。

img革製のケースに入っています

img中身も真っ黒です

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img多くの骨で作られていて、そこに布が貼られています。

打ち合わせの際に扇子を使っている人って独特の雰囲気があって、今まではちょっと嫌煙してきました。
特に僕が20代の頃、扇子を使っている上司・先輩たち、得意先の人を見ていても、なんだかあまりカッコよくなかった。
勝手な偏見ですが、あまり人の意見を聞かず、人を上から見ているような物言いをする人が多かったように当時は感じていました。
単にそういう先輩がいたっていうだけかもしれませんけど。
そんな雰囲気を助長するような効果が、扇子という小道具にあるようにも感じていました。

去年、これだけ暑いと扇子はマストと思わせるような日が続き、僕も購入に踏み切ったのでした。
しかし考えてみると、ビジネスでこれを使うシーンは非常に限られていると思います。
まず打ち合わせの際には使ってはいけないように個人的には感じています。
僕自身は使いません。
相手に対して敬意を払う場で、そんなに砕けた雰囲気を作り出すことは失礼にあたるのではないかと思うからです。
社内ミーティングの際にも、ほとんど使いません。
あまり使い慣れていないというのもありますが、同じような理由ですね。

こうしたことは買ってみてから、あとでわかったことです。
使う気満々で買ったのに、いざ使おうとするとあまり使うシーンはないんですね。
出社直後の朝とか、外出帰りとか、そんな時自分のデスクでしか使っていません。

エアコンが普及してなかった60年代の映画を見ると、日本のビジネスマンが扇子を使っているシーンがよく出てきます。
刑事とか。
大人の紳士は、夏にパナマ帽と扇子はマストだったのでしょう。
今じゃパナマ帽、誰もかぶっていませんね。(最近ちょっとリバイバルしてますが)
昔と今では、扇子というアイテムの使い方も変わったのじゃないだろうか。
自分が扇子を持ってみると、そんなことを感じるのでした。

保赤軒は青山にある扇子の専門工房。
ここのオリジナルとして開発された60本の竹と絹100%で作られた六十間絹扇子で知られています。

利庵 白金台

松本 知彦 for Private Time/2012.07.25/食べる食べる

ここのおそば、最高です。
休みの日のお昼に行くことが多いですが、本当においしいですね。
あるサイクルが来ると、定期的に行きたくなります。

img久しぶりに気合いを入れて描きました。結構うまくない?自画自賛 笑

一軒家で、店内は日本の古いインテリアで統一されていて趣があります。
あまり席数がないため、お店に入るのに並ぶことが多いですが、他の店と違って並ぶ価値はあると思います。
お昼でも、芸能人との遭遇率が高いお店ですね。
それだけ有名店ということでしょうか。

出汁巻玉子(通称だし巻)がまず最高です。
もちろんおそばもおいしい。
そして小柱のかきあげ。
あ~おいしい。
書いている途中でまた行きたくなってきました。

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imgこれが小柱かきあげです。

せいろは800円で普通ですが、小柱のかきあげは小さいのに1350円もします。
しかしおいしいので許してあげます。
ビールと出汁巻玉子、せいろを2枚、そして小柱かきあげ、って注文しているとフランス料理のコースランチみたいな金額になってしまうのですが、、、でもおしいので許してあげます。
今度の日曜にまた行こっかなあ。
本当にオススメの1店。
これからの暑い季節、皆さんもぜひ。

Alexander Boyd

松本 知彦 for Private Time/2012.07.23/ファッションファッション

アレキサンダー・ ヴォイドは英国のシャツメーカーです。
1913年に設立されたレイナー&スタージェス社のブランドで、英国にシャツ工場を持っているのは、実は同社とターンブル&アッサーだけ。
この2社が純英国製シャツの伝統と技術を守り続けているといっても過言ではありません。
でもこのブランド、日本ではターンブル&アッサーのように知名度がなく、ほとんどの人は知らないでしょう。
イギリス好きだけが知っているマニアックなブランドです。
タグのHandmade in Englandが泣かせますね。

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硬くてゴワゴワの着心地はやっぱり英国製。
ターンナップカフのモデルを「ボンド」と呼んだり(笑)、やっぱりターンブル&アッサーと並んでバリバリ英国です。
しかしターンブルよりカラーやカフがコンパクトで、かなりモード寄りの要素を取り入れています。
ここのシャツ、トーマスメイスンの生地を使って、以前は伊勢丹新宿メンズ館でオーダー可能でしたが、そうすると首の後ろのブランド表記が、伊勢丹のダサいタグになってしまって・・・。
日本製のパターンオーダーであっても、ぜひとも本国のオリジナルタグを使って欲しいものです。

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ところが最近、伊勢丹から撤退したと思っていたら、本国サイトもcloseしてしまいました。
どうしたんだろう?
ブランド終わっちゃったのかなあ。
古き良きスタイルというのを長く継続していくことは厳しいのかもしれませんね。
マニアなクラシックのサンオツ相手だけでは、商売は成り立たないということです。
そういうサンオツ、個人的にはまったく好きじゃないんですけどね、、、笑
でもよいブランドがなくなっていうのは悲しいことです。

Men's Preciousの英国特集

松本 知彦 for Private Time/2012.07.20/ファッションファッション

今月のMen's Preciousは英国名品大図鑑と題された英国特集です。
オリンピックもあって、いろんな雑誌がロンドン特集を組んでますね。
ファションのトレンドもここ3年くらいは英国が来てますが、元々英国好きとしては嬉しいことです。

imgMen's Precious 2012年夏号

さて僕がこの本を早速購入した理由は、、、
もちろんこれですよ。

imgジェームズ・ボンドのスーツスタイル

007が大好きな僕は、ボンドのスーツを今まで何着かオーダーで作っています。
しかしどれもなんだかしっくり来ない。
60年代の映画の中でのボンド(ショーン・コネリー)のスーツは、モードですごくカッコいいのですが、それをそのまま現代で着用するとラインはゆるいし、パンツは2タックで太いし、肩とか余ってるし。
こんなんだっけ?と思って、再度映画を見ると、映像ではかなりモードに映ってますが、よく見るとやっぱりラインはゆるい。
60年代ですからね。
今のトレンドとは随分違っています。

60年代のボンドのモードなファッションを、現代的なサイジングにモディファイして着たいものです。
それは以前からずっと思っていたことで、巷にある服を自分なりにアレンジしつつ、ボンド風でもっとよいものはないか日々キポンサーチンしているのですけど。
僕個人の007に対する想いはまたいつかお話するとして、Men's Preciousではこうした僕のテーマがそのまま特集タイトルとなって掲載されています。
でもラルディーニみたいなイタリアの直球ブランドで007の着こなしっていうのはちょっと無理があると思うのですけど・・・・

img現代版ジェームズ・ボンドスタイルの作り方だって!記事はつまらないけど、このキャッチは響くなあ。

男性ファッションは相変わらずイタリア全盛です。
もちろん雑誌もLEONをはじめ、イタリアファッションばかり。
地味でアンダーステートメントな英国男子のファッションは、今の時代受けないでしょう。

でもこうして特集を組んじゃうMen's Preciousはエライです。
今、ボンドのスーツを手本にと言って、いったいどれくらいの人に響くのかわかりませんが、
ほとんどの人はジェームズ・ボンドになんて(特に60年代のショーン・コネリーになんて)興味ないと思います。
いやいや、ボンドと言えばやっぱショーン・コネリーで・・・・という人はオタクです。
大部分の人はダニエル・クレイグのボンドでも、ショーン・コネリーのボンドでもどっちでもいいと思っているでしょう。
いや、ダニエル・クレイグの方がまだ響くかもしれない。

img現在のボンド、ダニエル・クレイグ。もうすぐ次回作が公開されます。

なんだか昨日のアート特集のBilly Childishといい、このジェームズ・ボンド特集といい、どうしたんでしょうか?
モチーフがインディーズ過ぎるというか、広い間口で大衆をターゲットにしないインディペンデントなアプローチが雑誌の生き残る道なのでしょうか?

ちなみに以前このブログで紹介したターンブル&アッサーもこんなに大きく出ています。
そして同じ流れでサヴィル・ロウも。
英国と言えば、このあたりはお約束でしょう。

img世界一有名なスパイが愛したシャツ。このキャッチも響くなあ。

img今どうなっているかは、こないだ行って見てきたけどね 笑

昨日の記事で触れたように英国のパンクは絶滅してしまいましたが、ジェームズ・ボンドやサヴィル・ロウが、どこまで魅力を放って人々の心を掴み続けることができるか、ブランドの行く末をずっと見ていたいものです。

Billy Childish  1959-

松本 知彦 for Private Time/2012.07.19/クリエータークリエーター

ファッション雑誌HUGEの今月号アート特集を見ましたか?
表紙に出ているイラストはどっかで見たことがあるなあと思って、書店で立ち読みをしていたら・・・
そうでした。
僕が80年代に大好きだったBilly Childishの自画像でした。

imgHUGE 2012年8月号

img巻頭1発目にBilly Childish特集

これにはびっくりしましたね。
Billy Childishはイギリス人で、アートスクールを中退した後、多くのバンドに参加してアナログ盤を大量に発表していましたが、どれも一貫したガレージパンクで一般に受け入れられるような音楽ではありませんでした

僕も20歳の頃、かなりガレージパンクを聞きました。
ガレージパンクを知らない人のためにちょっとだけ説明しますと、、
60年代に主にアメリカで活動していたバンドで、R&Rをベースにしたインディーズでキワモノのバンドを指しますが、その中でもTrashmen、Sonicsなどが有名です(と言ってもほとんどの人は?だと思いますが)
音は歪み、粗削りでB級で、タランティーノの映画に出てくるような音楽と言ったら一番イメージしやすいと思います。
70年代のパンクが登場する以前、商業主義とは無縁のパンクな音楽です。
もともとは60年代の音楽なのですが、その後もこのジャンルは継承されて(もちろん今でも)80年代に起きたモッズやロカビリーの音楽ブームとともに、英国でリバイバルがありました。
その中にMilkshakesというバンドがあって、僕はこのバンドが大好きで、アルバム全部買って聞き倒していたんです。
そのバンドにいたのがBilly Childishでした。

img84年発表のMilkshakesのアルバム。ソウル・バスの作品をパクッたジャケット。

img彼らが来日した時にもらったサイン。僕の宝物。

imgアナログ盤のレーベルのデザインもカッコいい!

彼はその後、マイティシーザーズ、ヘッドコーツなどなどいくつかバンドをやりますが、そのどれもが驚くほどにローファイで、荒くれていて、すごく下手クソで、ガレージサウンドそのもの、しかしスピリッツだけはあるようなバンドでした。
ジョン・リー・フッカーとボー・ディドリーに、ビートルズとキンクスを加えて クラッシュで割ったような音です。
これがアメリカのニルヴァーナなどのグランジ系のバンド、そして日本のミッシェルガンエレファントに影響を与えます。
ミッシェルガンエレファントの音は、彼らのガレージサウンドをもっと上手く(笑)した感じでした。
THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの頭につくTHEEはBillyのやっていたバンドTHEE MIGHTY CAESERSから取られています。
とにかくミッシェルガンが登場して「THEE MIGHTY CAESERSが大好き」と彼らが公言するまでは、こんなガレージサウンドなんて誰も聞かないイカレポンチだけの音楽だったわけです。

説明が長くなりましたけど、そんなわけで2012年になってBillyが雑誌の表紙に、しかもミュージシャンとしてではなく、アーティストとして登場していることに僕はびっくりしてしまいました。(と言ってもやっぱり知らない人には伝わらないと思いますが、、)

img油絵はムンクかゴッホみたいなタッチです。

img彼の絵は水彩の方がいいですね。

自分でレコードレーベルを立ち上げてジャケットに自分の作品を入れたり、詩集を出してポエトリーリーディングのイベントを開いたり、イギリス政府から生活保護を受けながらずーっとインディーズまっしぐらだった彼がここへ来て、日本の雑誌の表紙に取り上げられるほどメジャーシーンに踊り出てきたなんて個人的には本当にびっくりしています。
インタビュー記事を読むと、ただ単に出てきたわけではなくて、そこには企みがあって相変わらず生意気でやっぱりパンクなのは変わってないなあと感じます。

今や絶滅したパンクのスピリットを貫きながらも、そこできちんと生計を立てている彼のような存在は稀でしょう
他者(メディア)に迎合せず、傲慢で、自分を誇張する戦略があって、それがちょっと下らなくてバカバカしくて、でもそれによってお金を儲ける術を知っている。
それを仕掛けていく姿勢があるっていうのが微笑ましいと感じました。
方法はまったく違いますが、インディーズを商売にするためにメディアを利用したマルコム・マクラレンを思い出しましたね。

杉本圭 KS-23モデル

松本 知彦 for Private Time/2012.07.18/ファッションファッション

トム・フォードでのデビューに続き、2つめの老眼鏡です。笑(正確には遠近両用)
日本製で、ブランドは杉本圭。

img

かけ心地は悪くないです。
通常こうしたボリュームあるフレームの場合、角を丸くラウンドさせるものですが、この眼鏡はエッジ部分が直角の90度にスパっとカットされていて、そこが好きです。
一方肌に触れる内側は丸みをつけたラウンドに。
黒からはじまって、下に行くほど茶色にグラデーションしていくのも珍しいデザインです。

最近、こうした60年代風のトラッドな、しかもフレームの太い眼鏡にどうしても魅かれます。
ま、流行もありますけど。
でもメガネ業界はちょっとずつ細いメタルフレームにトレンドが移っているようですよ。

imgツルに漢字でブランド名が入ってます。

imgスタンダードなウェリントンのカタチです。

さて杉本圭さんは、眼鏡で有名な福井県鯖江で、眼鏡を作る職人です。
デザインから制作までを一人で手掛けています。
現在、杉本さんは60過ぎた熟練の職人だそうですが、そう聞くとちょっと意外に感じますね。
モデルには、かなりエッジの効いたファッションの要素が入っていて、そんな年季の入った職人(失礼!)が作った感じは受けないからです。
ファッションから攻め込んできた若いデザイナーが作ったもののような印象です。
デザイナーではなく職人。
そこがまたいいですけどね。

これに続いて、映画シングルマンでコリン・ファース(英国王のスピーチでも好演)がかけていたトム・フォードのメガネTF5148も購入してしまいました。
今まで持っていたトム・フォードのTF5040(以前このブログでも紹介しました)と似ていますが、シャープでさらに60年代な感じです。
やっぱり黒縁。
同じく60年代風のモデルを出している、オリバーピープルズやカトラー&グロスにも挑戦してみたいですね。

imgトム・フォードが監督した映画シングルマンのコリン・ファース

しかし遠近両用のレンズって、目がメガネから飛び出しちゃうほど高額なのです。笑
それに老眼って進むみたいで、5,6年くらいすると止まるそうですが、進んでいるうちは、買っても合わなくなってしまうみたいなんです。
だからTPOに合わせて、メガネを楽しむっていうのは結構むずかしいですね。

お墓のデザイン2

松本 知彦 for Private Time/2012.07.10/私の履歴書私の履歴書

さて前回の記事の続きです。
父親のお墓を東京に作ると決めて6年。
お寺が決まったので、次はお墓のデザインですが、これって誰もが経験する機会があるわけではないと思います。
お墓の購入について、ご存知ない人のために少し説明すると、
成約後、土地のお金はお寺に、お墓のお金はお寺と契約している石材業者に支払います。
お寺と石材業者はほぼ1対1で契約しているので、お寺が決まれば石材業者は自動的に決まってしまうんですね。
なんだか結婚式場みたいなシステムです。
だから通常、お墓の営業はお寺ではなく、石材業者がしています。
皆さんも新聞などの折込チラシで見たことがあるでしょう。

話が逸れましたがお墓のデザインです。
真言宗高野山東京別院に出入りしている石材業者から提案のあったお墓のタイプは3種類。
どれもどこかで見たことがある形状で、、、、お寺の敷地内にあるお墓もみんなほぼ同じカタチをしています。
石もほとんどがグレー。
奇をてらったものを作る必要はありませんが、ずっと作家であった父らしいお墓を作りたいと思いました。

img敷地内にあるお墓。

img最初に提案のあった3つのお墓のデザインです

img2回目の提案と石のプラン。まだまだダメです

お墓の施工料金は、石の色と材質によって決まります。
黒がいいと思ったんですが、黒はインドかスエーデンしかなく、最高級のスエーデンの石で作ると1000万。。。
地震のあとで、国内生産の黒い石は手に入らなくなっていました。
う~ん・・・・お墓も家のようです。
最終的には、黒いインドの石を選びました。
形状は新規で図面を起こしてもらって、3、4回の修正のやり取りを経て、オリジナルのカタチに決めました。
今はお墓のデザインもCADで行うんですね。
デザインのディテールは、曲線や余計な飾りは一切やめて、すべて直線にしました。
3段で階段状に、上へ(天へ)登っていくような構成にしています。
そこに父の切り絵を彫り込むデザインに。
何の絵を入れるのかも悩みましたが、候補を決めて子供たちに選んでもらいました。
花菖蒲です。
江戸時代からハナショウブ園として、公園や憩いの場に多く利用されるこの花は、みんなの癒しの花です。

imgゼロから起こしてもらったプランの図面。

img出来上がったばかりのお墓。側面には自分の名前が彫られています

形が決まるとあとは石に彫り込む書体です。
これも3書体くらいから選びます。
お墓を独自のカタチにしたので「松本家」の3文字は入らなくなってしまって、「松本」の2文字だけになりました 笑

こんな経験は最初で最後でしょう。
お墓の石に父の作品を彫り込む、これで父も喜んでくれるといいなあと思っています。
そして彫り込んだ絵を見る度に、いつも静かで優しかった父を思い、父が教えてくれた素晴らしい芸術のこと、そして自分が今後やっていくべきことを考え、前を見てまた新たな気持ちになることを考えました。
父のお墓ですが、僕にとっては自分を鼓舞する忘れないためのモニュメントでもあるのです。

納骨式には父の再評価のきっかけを作ってくれた編集者の浅川さんや、父の盟友さいとうたかをさんも来てくれました。
さいとうさん「たまには遊びに来てちょうだい」なんて、泣かせるとこ言ってくれました。
本当に皆さんありがとうございます。
これで母もきっと肩の荷が降りたことでしょう。

息子は、、、、これからもがんばります。

img灰色の中で1つだけ黒い松本家のお墓。

imgさいとうたかをさんと僕

お墓のデザイン1

松本 知彦 for Private Time/2012.07.09/私の履歴書私の履歴書

ちょっと変な話で恐縮ですが、お墓を作りました。
2005年に亡くなった父のお墓です。

父は大阪生まれで、松本家のお墓は大阪にあります。
祖父や祖母も同じ大阪ですが、毎回、大阪に行くのが大変なので、東京生まれの僕の代から、都内にお墓を作ろうと決めて、探し始めたものの、これがなかなか見つからず・・・

松本家の宗派は真言宗ですが、空海(弘法大師)によって平安時代に開かれたこの宗派、今では18の派に分かれています。
その中でも、奈良の長谷寺を総本山とする真言宗豊山派、東京の護国寺を総本山とする真言宗智山派などは有名です。
しかし松本家の宗派は、空海が高野山ではじめた最初の宗派、高野山真言宗で、この宗派のお寺が東京にはあまりないのです。
豊山派、智山派のお寺は東京にもたくさんあるのですが、真言宗高野山はお寺があってもお墓がなかったり。

今まで青山墓地の抽選に毎年応募してきました。
青山墓地は東京都が運営する霊園で毎年1回、宗派を問わず誰でも応募することができます。
お寺というのは檀家になると、寄付を求められたり、色々とお寺の行事にも参加しなければなりません。
しかし都が運営する霊園なら、寄付もなく、楽というとよくない表現ですが、そうした役回りは免除されます。
霊園というと、多摩霊園など多くは東京の西にありますが、都心から遠い多摩地区は避けたい、、と考えると23区内には青山墓地と谷中墓地くらいしかないんですね。
青山墓地なら家からも近いので、その抽選に応募していたのですが、都営住宅と同じで毎年倍率が高く、なかなか当たりません。
結局5回すべて抽選にはずれて・・・・もうこれ以上は待てないので、チャレンジ6年目にして他を選択することにしました。

img高輪にある真言宗高野山東京別院の外観です。

最終的には、真言宗高野山東京別院という高野山にある総本山金剛峯寺直系のお寺にお願いすることにしました。
場所は高輪です。
このお寺は名前の通り高野山総本山の別院で、運営自体も総本山が行っているので、寄付や行事への参加など特にルールはありません。参加自由ということです。
お寺の本堂の地下深くに東京電力の変電所があるという、ちょっと変わったお寺でもあります。

さてやっとお寺が決まったので、いよいよお墓を作ることになるのですが、ここからもかなり大変で・・・
次回に続く

無印良品  シュレッダー 

松本 知彦 for Private Time/2012.07.03/ライフスタイルライフスタイル

無印良品のシュレッダーです。
2004年グッドデザイン賞、2005年独iFデザイン・プロダクト賞(iF-Product Design Award)の金賞をダブルで受賞しています。

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この商品の何が優れているかというと・・・
同じく無印から出ている様々なサイズのダストボックスと組み合わせて使えることです。
ショップでは、上に乗せるシュレッダー部分のみが売られていて、紙くずを受けるボックスはゴミ箱として単品で別売りされていました。
売っていました、と書いたのは現在では残念ながら売られていないからです。
シュレッダー部分だけで8000円、ダストボックスと一緒に買っても1万円以下という、コスト設定もよかった。

単品でも使えるけれど、組み合わせによって別の商品にもなる、というコンセプトは、先日ブログにも書いたダネーゼのハンガーと同じコンセプトですね。
その意味では、デザインに深澤直人が関わっているのが、如実にわかる商品です。
確かに、既に持っているゴミ箱の上にシュレッダーが乗せられれば便利だし、あとでゴミ箱との組み合わせを変えることもできたり、同じゴミ箱を他にも持っていたら、シュレッダーとデザインを合わせることもできます。

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デザインが美しいのは言うまでもありません。
電源コードも、本体と同じカラーにしているのがポイントでしょう。
ここが微妙に異なる色だったら、商品のデザインクオリティは著しく低くなっていたと思います。
そういう商品も無印にはありますが・・・・

A4サイズで5枚まで一度にシュレッダーできますが、音も静かです。
コンセプト、デザイン、機能、コスト、すべて言うことないです。
しかし、子供の指が挟まれるという痛ましい事故が起きてしまい、その後安全面を改善した商品も出たのですが、、しばらくして店頭からこの商品は姿を消してしまいました。
経緯を考えると、今となっては、すべてよいとは言えない商品です。

評価されて賞を獲っていただけに残念です。
ダストボックスの方はデザインを変えることなく、ゴミ箱として今も売られています。

DANESE Bincan Systemコートスタンド

松本 知彦 for Private Time/2012.07.02/インテリアインテリア

イタリアのダネーゼから出ているコートハンガーです。
デザイナーは深澤直人。

この商品、ブルーノ・ムナーリやエンゾ・マリなど、イタリアを代表するデザイナーの優れたプロダクツを発売していることで知られる老舗ブランド、ダネーゼが、初めて日本人デザイナーを起用した商品なのです。
2004年のミラノサローネで発表され、1年半後にようやく商品化されました。
写真は以前の事務所で撮影したものですが、今の事務所でも続けて使っています。

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2本のパイプを組み合わせて接着しただけのような、非常にシンプルなデザインが魅力です。
あんまりたくさんのコートをかける用途には適していませんが、置いた立ち姿は美しいです。
美しいと言っても、そこにあることを意識させないこと、静かな主張が美しいですね。
深澤直人のすべてのプロダクツに共通する要素です。
色も深澤直人らしいライトグレー(ダークグレーもあります)
僕は毎日出社すると、脱いだジャケットをこのハンガーにかけて仕事に向かうのです。
毎朝、まず会社に来てする行為がこのハンガーとの対話です。

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imgシリーズで色々な組み合わせが可能です。

bincanシリーズと呼ばれるこの商品、その最大の特徴はこうしたデザインだけではありません。
ハンガーや色々なサイズのテーブルとバスケットを自由に組み合わせることができて、そこに再び新しいライフスタイルを提示してくれます。
たとえばコートハンガーを買って、あとからゴミ箱や傘立てを組み合わせることが可能です。
ベーシックなフォルムと色は、どんなインテリアにもマッチすると思います。
シリーズで揃えてもきっと美しいでしょうね。


問題は、、、、
値段が高いってことでしょうか。
海を渡ってきて、関税とかかかるから仕方ないのかなあ。
小テーブルは無印のそれに似ていますが、これは同じデザイナーですから仕方ないとも思います。
しかしダネーゼのは無印の10倍くらいの値段です。
ま、無印のは組み合わせはできませんけどね。
でも高いなあ。。

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