決算報告会

松本 知彦 for Private Time/2012.11.30/

できたばかりのオフィスの3階で、決算が無事に終わったのでお疲れ様会を開きました。
digは今年で設立から15年。
ちょっとした節目の年になります。
それもあって決算の報告を兼ねた会食会を開いたのでした。

img今回出前をお願いしたすし勘のイラストを描きました。

3階のスペースは、できたばかりなのでまだきれいです。
そして注文したのは、ビルゲイツも来日の際には食べにくるという、代々木上原ではちょっと有名なお寿司屋さんの手巻き寿司です。
ビルゲイツは手巻きを食べるかどうかまでわかりませんが、このお寿司屋さんのお寿司、とてもおいしいんです。
これを是非スタッフにも食べてもらいたいと以前から思っていました。

imgこれがネタです。おいしかったなあ。

imgすめしとのりが一緒についてきます。

imgなぜか壁際に並んで食べているのでしょうね?

今まで全員参加の決算報告会なんて開いたことはありませんでした。
簡単にみんなに伝える程度。
今回のようにある程度きちんとやったのは初めてです。

15年という節目、これから新しい気持ちでやりたいということもあって、それをみんなに伝えるため、今回はこうした会を開いてみたのでした。
この会で発表するために、僕は数字も調べたし、分析もしてみました。
ある程度色々なことがわかって、すべきことも見えてきたので、それを全員の前で話しました。
でもなあ、スタッフに僕の言いたいことが伝わったかどうかはわかりません。
どうやって具体的にみんなに伝えればよいのだろう?
どうやったら次の目標に対して、具体的に、しかも自主的に各自がアクションするようになるだろう?
今まで僕は仕事のクオリティのことばかり考えてきました。
自分の考えたストーリーをプレゼンするなら誰にも負けない自信があったし、それに対して何よりも貪欲に取り組んできました。
だから数々のコンペに勝ち、少ないながらも実績を残せてきたのだと思います。

営業もしてこなかったし、ただただクオリティを追求してきたんです。
なぜならそれをやることが、以前勤めていた企業を辞めた理由だったからです。
クリエイティブにのめり込んで、そのことだけを考えてやって行きたかった。
でもそれではダメだということに行き着くことになるのです。

この考えに行き着くまでの過程で考えたのは、ほとんどスタッフのことでした。
先を考えると、現状のままではダメだという焦燥感からでした。
それは業務や売り上げというより人です。
クオリティ追求だけでは乗り越えられない、組織を作らなければ先がないことは明白だからです。

スタッフが成長するステージを会社は用意するべきです。
でなければ個人事務所のように3年でスタッフは卒業です。
バンドみたいに役割担当がはっきりしている人が集まって、スペシャリティを持ち寄ってよいものができたらいいなと思っていたのはある種幻想だったということです。
それはフリーランスのような自己責任を持って、自主的にやれる人が前提の集まりです。
組織とは違う気がします。
大学の友人たちが個人事務所を作ってアシスタントを入れているのを横目に、自分は企業としての組織を目指すことを選択したはずなのに、会社を大きくしようとする気も、また成長という金儲けをしようとする気も今までほとんどありませんでした。
クオリティこそが最優先で、自分の責任範囲でクオリティをコントロールできる人数より増やすことはしない、それを守ろうとしてきました。

仲間といいモノ作れりゃハッピーじゃないか、自分が一番したいことはそれなんだから、一緒に仕事したくない奴を入れてまで数字を追うなんて馬鹿げている。
そんなことを長い間思ってきました。
今この考えはありません。
こうした考えの転換は、この先さらに険しい道に入ることを意味しています。
ここ数年はたぶん、よっぽどがんばらないといけないでしょう。

でも考えてみれば、会社を運用していくということ、社長はみんなこれを考えてやっているのです。
極めて当り前のことなのです。
極めて当り前のことをまったく考えずにやってきた自分、別の分野で勝負しようとしていた自分。
改めて自分が向きあわなければならないことに直面していると感じています。

さて、すしの話から随分と逸れてしまいましたが(汗)、決算の報告会後の会食は、恒例のスタッフの誕生日会も兼ねていました。
僕は状況を打開するために、今毎日悶々と色々なことを考えています。
スタッフのことを考えれば考えるほど、今のままではダメだ。
しかし、今の状況を変えていくのもまたスタッフでしかないという。。。
この答えの出ないような問いに頭を悩ませています。
そんな状況下でも、いや状況下だからかもしれませんが、久しぶりにスタッフを連れて飲みに行きたいなあと感じた夜でした。

img今回の主役はイケメンの成宮成くんでした。

オフィス3階の内装 その6

松本 知彦 for Private Time/2012.11.29/仕事仕事

オフィスの3階の内装がほぼできました。
打ち合わせなどに使い始めています。
今まで何度か書いてきましたが、ここまで来る過程で色々あって時間はかかったものの、やっと使える状態になりました。

img家具も何もありませんが、こんな感じです。

今回一番こだわったのは床です。
無垢のフローリングですが、これを小学校の教室みたいな仕様にしました。
60年代の感じです。
ミッドセンチュリーに建てられたLAのcasestudy house、リチャード・ノイトラ、フランクロイドライトの落水荘などなど、誰もが知っているデザイナーの家具ということではない、匿名の60年代的なイメージがコラージュされています。

imgこういう床にはトリッカーズの靴とツイードが似合います。ファッションもインテリアに合わせて今の気分で。

ミーティングルームには50インチのモニターを設置しました。
今まで、毎週の社内会議の時には出席人数分の紙を毎回出力していました。
そのため、会議の前に出力する時間もコストもかかっていましたが、これなら大幅に圧縮できます。
ワイヤレスのキーボードでモニタを操作できるので卓上もスッキリ。
でも問題は、、、地デジ放送が見られないことですね 汗
床の張替までにテレビケーブルの設置の見積もりが来なかったので、もう貼ってしまったのです。
代々木上原近辺は、六本木ヒルズの電波障害の影響で、ケーブルがないとアンテナでは地デジは見られないのでした。

全体的にはかなりウッディアレンな空間になりました。
今でも3階に入ると木の臭いがします。
時計は2階と同じ深澤直人のセイコースタンダードクロック。

imgミーティングルームは以前よりスペースを広めに取りました。

img部分のコラージュはこんな感じです。

そして今回のポイントはホワイトボードです。
一見普通のホワイトボードに見えますが、実はホワイトではありません。
透明のアクリル板に木製のフレームを組み合わせて作ったものです。
板面が白く見えているのは、下の壁がそのまま透けているからです。(だから透明ボード)
よくオフィスにあるホワイトボードって、電動でスライドしたり、アルミ枠に入った白いラミネートのボードだったり、どうにもこうにもダサい。
しばらく使っていると白地にだんだん色がついて白ではなくなったりします。
コピーが取れたり、電動で動かなくてよいから、白はいつまでも白であって、インテリアとして成立するホワイトボードであって欲しかった。
それでこうなったわけです。
しかしここでも1つ問題が。
透明のアクリル板と白い壁の間に少しだけ隙間があるので、ボードに何か書くと照明で2重に見えてしまうということです。
アクリルに書いたものの影が白い壁にできるからです。
ま、これは愛嬌ってことで。汗

img

打ち合わせのスペースは、以前このブログで紹介した1960年代が舞台のアメリカのTV番組MAD MENに影響されています。
ちょっと似ているでしょう?

imgMADMENとの比較。似てるように見えるのは木とアングルだけ?笑

imgミーティングルームを逆の方向から見るとこんな感じ

さて3階も完成したことだし、パーティでもやりたいと思います。
そう、うちの会社ちょうど創立15周年なんです。
それに合わせてやろうかなと。
たぶん来年くらいかなあ。
みなさんその際には是非来てくださいね。

a tast of 007 style/VULCANIZE LONDON

松本 知彦 for Private Time/2012.11.27/映画映画

いいね!がどんどん減りますが(汗)、懲りずにこれでもか!っていうくらい007ネタで続けて行きます。笑
ここ3週間、TOHOシネマズ六本木に毎週通っています。
それというのも007の映画が毎日日替わりで上映されているからですが、自宅に007のDVDはすべて持っているものの、やっぱり大きなスクリーンで見るのは違います。
劇場の大きなスクリーンで映画を見る良さを改めて知りました。
最新作「007スカイフォール」も大きなスクリーンで早く見たいものですね。

imgコカコーラとタイアップした滝の流れるウォールに貼られたポスター(六本木ヒルズ)

映画には毎回リンタロと2人で行っているのですが、観客で子供は常に彼1人だけなんです。
毎回、おじさん8割、女子2割、子供一人って感じです。笑
チケットの席の予約も彼が自分でしてるんですが、勉強と違ってそういう時だけめちゃめちゃモチベーション高くてサッサとやってます。
僕が誘ったから行くのではなくて、自分で席まで勝手に予約して、007の本も読み込むなど、かなりマニアックな子供。
この先どうなっちゃうんでしょうね。

先日もリンタロが予約した席でピアーズ・ブロスナン主演の1作目「007ゴールデンアイ」を見た帰り、007のキャンペーンが開かれている青山にあるヴァルカナイズ・ロンドンへ行ってきました。
余談ですが、ゴールデンアイとは原作者イアン・フレミングの持っていた別荘の名前なんですよ。
知ってました?

img7には今来日しているボンドガール、ベレニス・マーロウのサイン。

img最新作Skyfallで使用されたグローブトロッターの007モデル。持ち手がスコープになっています。60万円!

img左が今回使用されたトム・フォードのスーツ。映画の撮影のために80着作られたとか。 実際と比較して見ると確かに着てはいるのですけどねえ。

img真ん中がショーン・コネリー着用のスーツです。う~ん・・・・ 下はカジノロワイヤルでダニエル・クレイグが着用したシャツ

さてヴァルカナイズ・ロンドンは英国ブランドを集めたセレクトショップですが、キャンペーン期間は実際に007の映画で使われた衣装が展示されています。
マニア垂涎なんでしょうけれど、う~ん。。。
展示の方法が問題なのかなあ。
色気のないトルソに着せられて、なんだか浅草橋にあるテーラーのショーウィンドーみたいな感じです。
ショーン・コネリーが60年代に実際に着ていたスーツや、ダニエル・クレイグが最新作のスカイフォールで着用したトム・フォードのスーツも展示されていますが、「え?これトム・フォード??」という感じで、まったくそれには見えない。
60年代の服は浅草橋でも仕方ないかもしれませんが、トム・フォードの服はトム・フォードのショップで見た方が100倍カッコよく見えます。
しかしダニエル・クレイグは、映画の中でトム・フォードのスーツにクロケット&ジョーンズの靴を合わせていたことも判明し、、、コーディネート的には「ん?それでいいのか?」っていう気もちょっとしました。

洋服より、映画のシーンとかポスターとか、もっとたくさんのビジュアルでグイグイ見せた方がいいのに。
ロンドンでは007の大きな展覧会が開かれていたみたいですが、それを見たかったですね。

↓↓これが見たかった。
http://www.barbican.org.uk/bond/

imgやや、前回ブログでも紹介した美術担当のケン・アダムの作品集。欲しい。

当日はボンドが着用していたシャツとして有名なTurnbull & Asserのオーダー会も行われていました。
英国本国から3年ぶりにカッターを呼んでの採寸会でしたが、シャツのオーダー価格は1枚5万で最低3着から受付(15万)。
ちょっと、、、やめときました。ハイ。汗

そんなショップで売られていたものの中で、1つだけ気になったものが。
それはショーン・コネリーが写っているゴールドフィンガーの映画の1シーンの写真です。
以前同じものをヴァルカナイズで見た時にも、かなり気になっていました。
他のも見せてください、と言ってついつい連絡先を。
これは、買っちゃうかもなあ・・・・・

Maurice Binder モーリス・ビンダー  1925-1991

松本 知彦 for Private Time/2012.11.26/クリエータークリエーター

こないだから立て続けに007ネタばかりですみません。。。
もうすぐスカイフォールが公開されますが、それを過ぎちゃうとみんなのボンド熱も冷めちゃうかなと思って立て続けて書いてます。
あ、最初からボンド熱なんて皆さんはなかったですね・・・汗
僕は決して007熱は冷めないのですが 笑

img映画の冒頭、007のテーマ曲と一緒に流れるお約束の映像です。

今回は007のオープニングで有名なガンバレルのシークエンスのデザインを担当したモーリス・ビンダーについて紹介します。
銃口を覗いている映像の中にボンドが横から歩いて現われ、こちらに向かって銃を発射、すると画面の上から血が流れるというお約束のオープニングムービー。
これをデザインしたのがアメリカ人、モーリス・ビンダーです。
1962年の第1作「007ドクター・ノオ」の際にビンダーがデザインし、それ以後もお約束として継続して作られてきました。
このオープニングは、ボンド映画を語る上で欠かせない要素となってます。
007映画には、こうしたお約束が他にもたくさん詰まってるんですが、それが見る楽しみの1つですね。
50年も同じルールでやり続けている映画って他にはないと思います。

第1作から3作目までは、ショーン・コネリーではなく、ボブ・シモンズというスタントマンが演じています。
ショーン・コネリーは4作目「サンダーボール作戦」から登場。
同じガンバレルでも主演男優によって、時代によって演出は様々ですね。



このモーリス・ビンダーという人、ヒッチコックのタイトルバックなどを手掛けたグラフィックデザイナーのソウル・バスと並んで、映画のタイトルバックのデザイナーとしてかなり知られた人です。
007のガンバレルとタイトルバック、それ以外にも有名なところだと、オードリー・ヘップパーン主演のシャレード(超クール!)、太陽がいっぱい、ラストエンペラーなどがあります。

ソウルバスの手掛けるヒッチコック作品のタイトルバックもカッコいいです。
↓↓
http://blog.10-1000.jp/cat33/000479.html

前回このブログでも紹介した「007は二度死ぬ」のタイトルバックもビンダーですが、日本のモチーフとして取り上げたのは竹で作られた蛇の目傘でした。
真上から見た傘のシルエットに火山の溶岩や女子のシルエットを重ねてデザインしていて、またこれがクールでしたね。
最新作スカフォールでも、ダニエル・クレイグはきっとこのオープニングのガンバレルを演じていると思います。
楽しみですね。

Sex and Typography / Robert Brownjohn

松本 知彦 for Private Time/2012.11.21/本

ロバート・ブラウンジョンは007映画のタイトルバックを手掛けたデザイナーとして知られています。
これはセックス&タイポグラフィーというなんとも意味深なタイトルの作品集。

img映画ゴールドフィンガーのようにゴールドの装丁です。

007といえば、有名なのはテーマ曲に乗って最初に現れるガンバレルのシークエンスと、タイトルバックのデザインですが、これを手掛けているのは、ソウル・バスと並ぶタイトルデザイナーの巨匠モーリス・ビンダー。
ロバート・ブラウンジョンは、1963年「ロシアより愛を込めて」、1964年「ゴールドフィンガー」の2作のタイトルバックのデザインを手掛けています。

img

img007の2作目「ロシアより愛を込めて」のタイトルバック

女性の身体に映像を投影するという手法を使って、この2作を60年代の映画アートシーンを代表する素晴らしい作品に仕上げています。
以後の007作品ではこの2本の作品のタイトルバックの演出手法を踏襲しており、巨匠モーリス・ビンダーにも影響を与えました。
CGのない時代にアナログで、こんなに美しくてクールな、そして映画の内容にも見合う謎めいたエロティシズムを演出するなんて、ロバート・ブラウンジョンという人は素晴らしいデザイナーだと思います。
それがアナログだから、さらにステキなのです。
セックス&タイポグラフィーというこの作品集のタイトルは、007の2本の映画で見せた女性の身体に鮮やかなタイポグラフィーを組み合わせたところからつけてるんでしょうね、きっと。

1963年の作品「007ロシアより愛を込めて」


1964年の作品「007ゴールドフィンガー」のタイトルバック


imgストーンズ1969年発表のアルバム

ストーンズの「LET IT BLEED」のジャケットのデザインも手掛けています。
007が好きじゃなければ、こっちの方が知ってる人も多いかもしれませんね。
しかしロバート・ブラウンジョン、日本じゃあまり知られていません。
もっともっと評価されてもいいのになあ。

アメリカで生まれたロバート・ブラウンジョンは、60年代にスウィンギングロンドンで活気づくロンドンに移住し、著名な音楽関係者や映画関係者と関わりながら派手な世界で徐々にドラッグに溺れ、1970年に45歳でドラッグによる心臓発作で亡くなってしまいます。
しかし60年代に彼が手掛けた仕事は、今もまったく色褪せず、60年代の金字塔になっています。

007 は二度死ぬ  1967

松本 知彦 for Private Time/2012.11.20/映画映画

前回このブログで紹介した「007ゴールドフィンガー」「007サンダーボール作戦」に続く、007シリーズ第5作、1967年上映の「007 は二度死ぬ」です。
この映画では日本が舞台となっており、いよいよボンドが日本にやってきます。
日本人としては、かなり興味深い作品なのですが、これがなぜかストーリーは全くよろしくなく、ストーリーというよりも、興味はやっぱりデザインと当時の日本を歩くショーン・コネリーに尽きます。
ボンドが日本を歩くっていうだけでも必見です。

img

前作ゴールドフィンガーが大当たりしたため、「007 は二度死ぬ」はそれに続く作品として莫大な予算をかけて作られたと思いますが、エンタメに走りすぎてストーリーの細かい組み立てとかリアリティが失われてしまった感があります。
ボンドが日本人になりきるためにカツラをかぶったり(当時からショーン・コネリーはズラですが)、和服を着て偽装結婚したり、、、その他にも日本の秘密司令部の移動手段が地下鉄丸ノ内線だったり、特殊部隊が忍者だったり、複数の日本女性と一緒にボンドがお風呂に入ったり、ほとんどギャグでしょコレ、っていう展開の連続です。
(これをそのままやっているのが、オースティン・パワーズです)
それでもエンディングでは、阿蘇山の火口下に作られた秘密基地を舞台に、悪の組織スペクターと壮大なスケールで戦闘が繰り広げられるというゴールドフィンガー以降のお約束の展開になっています。
まあ、日本側で戦うのは全員忍者ですけどね 笑

img007映画の中でロンドンが一度も出てこないのはこの作品だけ

一番惹きつけられるのは、東京にやってきたボンドが銀座を歩いたあと、国技館で相撲を見るシーンです。
そこで丹波哲郎扮するタイガー田中の部下アキ(若林映子)と落ち合うんですが、60年代の東京の雰囲気が出ているこのシーンはカッコいいです。
同じ流れで、ボンドカーのトヨタ2000GTや大里化学工業本社という設定のホテルニューオータニが出てきます。
このホテルニューオータニの部屋(大里化学工業本社の会議室という設定)がカッコいい。
ゴールドフィンガー同様、インテリア含め美術デザイン担当はケン・アダムです。

img上から劇中に出てくるニューオータニ、その会議室という設定の部屋、ヘンダーソンがボンドを出迎える部屋のデザイン、一番下はボンドを日本人に仕立てるシーン。どれもインテリアがクール。

ボンドの捜査に協力するヘンダーソンというオーストラリア人が出てくるのですが、この人の住んでいる家のインテリアもカッコいい。
「インテリアは和洋折衷で申し訳ない。純和風は好みではなくてね」とヘンダーソンが言うセリフが出てきます。
和の要素を取り入れつつ、インターナショナルなモダンスタイルにアレンジしたインテリアは、ケン・アダムの手腕ですが、やっぱり冴えてます。

imgケン・アダムのスケッチと実際に作られた阿蘇山にある秘密基地のセット。

阿蘇山の火口の下には、スペクターの巨大な秘密基地があり、ここからロケットが打ち上げられるという設定ですが、この秘密基地もケン・アダムがデザインしています。
ステンレス製のシャッターに守られた堅牢な司令部のデザインもクール。
金属を用いたソリッドなデザインは10年後、ロジャー・ムーア主演の「007私を愛したスパイ」に引き継がれていきます。
ゴールドフィンガーに出てくる銀行、本作に出てくる阿蘇山の秘密基地、私を愛したスパイに出てくる巨大タンカーの内部、ケン・アダムが手掛けるこれらのデザインは、メカニカルで共通点が多いですね。

img日本初そして世界初の日本人ボンドガール浜美枝

ボンドガールは浜美枝ですが、今までずっとイマイチだと思ってました。
そんなに美しくないというか、セクシーではないというか、他のボンドガールのように肉感的でもないし、、、強いパーソナリティがあるようにも見えず、、、
改めて見るとチャーミングっていう方が近いですね。
セックスアピールは全然感じませんが、可愛いです。

余談ですが、タイトルの「二度死ぬ」は松尾芭蕉の俳句から取られています。
「人は二度しか生きることがない、この世に生を受けた時、そして死に臨む時」というものですが、原作者のイアン・フレミングは芭蕉も読んでいたなんて博学ですねえ。
フレミングは当時日本に並々ならぬ関心を寄せていたようです。
古くから残る日本の文化と高度成長がミックスしていた60年代、今よりエキサイティングな時代だったことでしょう。
そしてボンドはこの日本滞在中に、日本人との間に子供をもうけて、その息子に会うために再度日本にやって来るという話が、実はあるという、、、
ルパン3世みたいな展開ですが、それを日本で是非映画化して欲しいものです(して欲しくない気も半分ですが 笑)

主題歌はフランク・シナトラの愛娘ナンシー・シナトラが歌ってます。
これはとってもいい歌です。

img自分の持ってるナンシー・シナトラのアナログ盤。ジャケットがカッコいい。

007 ゴールドフィンガー 1964

松本 知彦 for Private Time/2012.11.15/映画映画

以前このブログでも紹介しましたが、先週末からTOHOシネマズ六本木で「007シリーズ製作50周年記念上映イベント」が始まりました。
1962年に発表された第1作「007ドクター・ノオ」から毎日日替わりで、過去のボンド映画を上映するという内容のイベント。
僕も早速行ってきました。

img

僕が生まれてはじめて007の映画に触れたのは「ゴールドフィンガー」でした。
テレビの水曜ロードショーとか、日曜映画劇場とかそんなので見たのが最初だったと思います。
当時は小学生でしたが、それでも十分に楽しめる内容で、かなり惹き付けられたのを覚えています。
その後中学生になって、はじめて自分でお金を払って映画館で「私を愛したスパイ」を見るまで、テレビで007が放映される度に楽しみにして見ていました。
当然ビデオなんてないですから、劇場以外で映画を見るにはテレビの放映しかない時代です。。。

そんな訳で「ゴールドフィンガー」が自分にとって007映画との最初の出会いでした。
しかし劇場では一度も見たことがなく、今回この機会を利用して劇場の大きいスクリーンで見てみたかった。

img金粉を塗ってゴールドフィンガーに殺される、あまりに有名なシーン

imgそしてこれも有名なガンバレルのオープニング。シルエットはショーン・コネリーじゃないの知ってました?

ゴールドフィンガーは1964年の劇場公開で、007映画の3作目。
公開と同時に世界中で大ヒットし、以後に続く007映画の基礎を作った作品です。
ボンドカー、秘密兵器、世界各国でのロケ、Qの登場、主題歌などなど、以後の007映画の定番はすべてこの映画からはじまったのです。

改めて劇場の大きなスクリーンで見ると・・・・
DVDを家で見るのとはまったく違う印象で、びっくりしました。
ストーリーも出てくるシーンも全部知っていますが、違う映画を見ているようです。
やっぱり映画館で見ないとダメですね。
1964年の作品には見えません。
64年と言えばビートルズが東京にやって来る1年前、自分が生まれた頃ですが、そんなことはあまり感じさせません。
ストーリーは荒唐無稽でリアリティは全くありませんが、ボンドの仕草や台詞まわし、セットのディテールの完成度が時代を超えてカッコいい、それが古さを感じさせない大きな理由でしょう。

img上からゴールドフィンガー演じるドイツ人俳優ゲルト・フレーベ、アストンマーチンDB5、最年長ボンドガールのオナー・ブラックマン37歳、オッドジョブは日系アメリカ人ハロルド坂田

有名なガンバレルのオープニングシーンとジョン・バリー作曲の007のテーマにはじまり、金粉を全身に塗られて殺される美女、秘密兵器が仕込まれたアストンマーチンDB5、ハロルド坂田演じる悪役オッドジョブ、ヒットしたシャーリーバッシーの主題歌などなど、お約束が盛り沢山で全部書いていたらきりがないくらいですが、映画の見所はやっぱりボンドのダンディズムにあります。

imgネイビー、ブラウン、グレーフランネルの3ピース。すべてに色違いのニットタイを合わせてます。

映画の冒頭、池を泳いで敵のアジトに忍び込み、爆薬を仕掛けたあと、スウェットを脱ぐとその下は白のタキシードで、そのままバーで酒を飲むシーンとか、何度見てもハッとさせられます。
ショーン・コネリーは劇中、ほとんどロンドンのアンソニー・シンクレアで仕立てたスーツにネクタイを締めてますが、そのネクタイがスーツに合わせた色違いのニットタイのみで、またそれがカッコいいんです。

imgケン・アダムスのラフスケッチと実際に作られた銀行内部のセット

そしてインテリアです。
ゴールドフィンガーがアメリカ各地から集まったギャングたちに銀行襲撃を説明するシーンで使われる部屋、そして大量の金塊を保有するアメリカのケンタッキー州に実際にあるフォート・ノックス銀行の内部のセットが素晴らしい。
これらはプロダクトデザイナー、ケン・アダムスが手がけたデザインですが、実にカッコいい!
このケン・アダムスというクリエーター、ボンド映画で7本の美術を担当していますが、どれもデザインの根底にバウハウスのようなモダニズムが流れていて、ものすごくクールです。
ドイツ人で第二次世界大戦中イギリスに亡命したという、ケン・アダムスの出自ととても関係がある気がします。
子供の頃、モダニズムなんてまったく知らなかった僕は、劇中に出てくるインテリアがなぜこんなにもカッコよいのか、本当に惹きつけられました。
特に「007は二度死ぬ」に出てくる和洋折衷のインテリアとかもう最高にカッコいい。
今のホテルオークラのロビー(谷口吉郎設計)まんまのようなインテリアで、本当にクールです。
これも機会があれば是非紹介したいですね。

imgこのタイトルバックもかなり有名ですね。

そしてイギリス人デザイナー、ロバート・ブラウンジョンが手掛けたタイトルデザインも話題になりました。
金粉を塗った女子の体に映像を投影したタイトルバック、単純なアイデアですが官能的でグッと惹きつけられます。
僕の持っている古いアナログのレコードジャケットもこのタイトルバックがカバーになっています。

ファッション、デザイン、車、インテリア、音楽
ゴールドフィンガーは、ストーリーを楽しむというより、60年代のスウィンギングロンドンを背景に、ビートルズを筆頭としたイギリスのカルチャー、アイコンをアメリカをはじめ世界各国に輸出しようとした精神、当時の最高のクリエイティブが詰まっています。

L.L.Bean トートバッグ

松本 知彦 for Private Time/2012.11.14/ファッションファッション

これは懐かしいブランドです。
僕が高校生の時には、IVYやプレッピーのアイテムとして、かなり流行していました。
トップサイダーやラルフローレンなどと並んで、アメリカンカジュアルにはなくてはならないブランドでしたね。

img

中でもこのブランドで有名だったのは、すべてがゴムでできたシューズと布製のトートバッグでした。
大学生の頃、ずっとここのトートバックを持っていてボロボロになるまで使いました。
それだけに飽きたらず、L.L.Beanのバッグが店頭から消えて買えなくなると、知り合いに頼んで同じバッグをオリジナルで縫って作ってもらったり。
でもキャンバス地のせいか、作ってもらったバッグは持ち手のところがすぐダメになったりして、本物との違いを実感したものでした。
このバッグ、街ではもちろん、ちょっとした旅行でも、なんなら仕事でも、モノがどんどん入れられるのでとっても便利です。
その後、フランスからやってきたナイロン製のバッグ、エルベシャペリエにトレンドは取って代わられてしまいますが、僕もシャペリエに出会うまでの期間、ずっと使っていた愛着あるバッグでした。

img各自のイニシャルが入ってます。

あれから随分時間が経ちましたが、また偶然このバッグに出会って使うことになりました。
世の中トレンドも一回りして再びプレッピーが戻ってきています。
使ってみると、バッグの細部はマイナーチェンジしているのかもしれませんが、全然変わっていない印象。
やっぱり可愛いバッグですね。
1944年の発売以来、ずっと同じ形で作られているそうですから、かなり歴史のあるバッグです。
当時と同じ丈夫な24オンスのキャンバス地を使用して、米国メイン州の自社工場で製造。
なるほど。
100年以上の歴史を持つ、数年前にお家騒動のあった京都の一澤帆布のようですね。

img

imgキャプション:自分のは一番右側、Tのバッグです。

L.L.Beanのトートバッグは、現在ではオーダーができるというのが1つの魅力になっています。
バッグのサイズは4種類、カラーと持ち手の長さ(レギュラーとロング)の組み合わせでオーダーが可能です。
そして色と書体を選んで、アルファベットを指定すれば、刺繍で名前が入れられます。
オーダーなのに、値段がリーズナブルなのもとってもいいですね。
一番小さいサイズは2,900円、一番大きいエクストララージでも5,900円ですから。

うちでは家族全員分を作って各自が持っています。
そういえば、このあいだロンドンに行く時の飛行機の機内で、このバッグを見たCAが「あ、オーダーされたんですね。このバッグ、私も何個もオーダーして、友達に赤ちゃんが生まれる度にプレゼントしてるんですよ。」と話しかけられ、へぇ~そんなに有名なのかぁと感じた次第。
でも本当にお勧めです。
ピクニックに、旅行に、もちろん都内で遊びに行く時も、タオルも入るし、海に行くにもぴったりです。

しかしこのバッグ、氷の塊を運ぶために作られたそうで、どうりで頑丈なわけですね。
ガンガン使いたいと思います。
皆さんも是非オーダーしてみてください。
オススメ。

オフィス3階の内装 その5

松本 知彦 for Private Time/2012.11.12/仕事仕事

レイアウトも決まったので、3階の工事がスタートしました。
何の変哲もない極めて日本的なオフィスをリノベーションしていきます。

現況のザ・オフィスの天井に仕込まれていた、2本づつ並んだ蛍光灯がはずされて、床も壁も解体。
そこに新しいボードが貼られていきます。

imgどんどん解体されていきます。

何もない一室空間に、新しく壁が立ち上がりました。

img視線を遮るように建てられた新しい壁。

すべての壁にボードを貼り終ると綺麗な空間に。
床もはがされて何もありません。
照明の設置と塗装はここから。

imgスケルトンみたいで、これはこれできれいです。

室内はすべて白のペンキで塗られ、新しい壁にはガラスの入った木枠が。
天井にはダウンライトがつきました。

img壁が白く塗られてダウンライトがついた状態。

家具がセッティングされると会議室に・・・・
なるほど。

img造作家具の設置中です。

img家具のセッティングが終わると、なんとなく出来てきました。

まだ完成ではないですが、これでほぼ使える状態にはなりました。
この図面まで行けるのはいつの日だろう・・・汗

img

ミーティングができる状態になると、スタッフ全員が「意外ですね」と。
松本=ソリッドでストックな空間が好き(ちょっぴり古いですが、ジョン・ポーソンのようなミニマリズムな空間)、とみんなは思っているようで、それはきっと普段ディレクションしているデザインの傾向からそう感じているのかもしれません。
まあ、それもすごく好きなので、はずれてはいないのですけど、それだけってことは決してないのですよ。
何でも突き詰めて、皆同じになっていくのは嫌なんです。
今の気分をうまく取り入れながら、アレンジしていくのが好きです。
それがウッドであり、クラフト工房のような空間であり、60年代の空気、アナログ感だったというわけです。

007 スカイフォール

松本 知彦 for Private Time/2012.11.07/映画映画

来月から007の最新作スカイフォールがいよいよ劇場公開されます。
007シリーズ23作目、ダニエル・クレイグ演じるジェームズ・ボンド3作目。
それだけでなく、今年は、なんと言ってもショーン・コネリーが初代ボンドを演じた第1作「007ドクター・ノオ」から50周年ですから、盛り上がらないわけがありません。
かなり楽しみです。

img早く来ないかなあ、楽しみ。

それもあって今書店に並んでいる雑誌の多くが、007特集を組んでいます。
雑誌の編集内容によって切り口は様々ですが、どれもおもしろい内容です。
どの雑誌も大筋は50周年を振り返って、ショーン・コネリーとダニエル・クレイグ演じるボンドを比較しています。
ダニエル・クレイグは6人目のボンドにして初の金髪なんですよ、知ってました?
過去の5人のボンドは全員黒髪ですから。
みんなダニエル・クレイグをベタ褒めしていますが、僕はやっぱりショーン・コネリーが一番好きです。
彼がいなければ、ここまでボンドの魅力を世界に広めることはできなかったでしょう。

img雑誌によって内容が全然違うのはおもしろいですね。

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今月のHUGEは歴代ボンド比較。僕がブログでやったのと同じです 笑
http://blog.10-1000.jp/cat32/000768.html

スコットランド人で(言葉が訛っている)、当時無名の俳優だったショーン・コネリーを起用した初代ボンドに始まり、
オーストラリア人モデルで「女王陛下の007」たった1作で降板になった2代目ボンド、ジョージ・レイゼンビー。
軽いジョーク連発で(広川太一郎の吹き替えがさらにそれに拍車を)実はショーン・コネリーより年上のロジャー・ムーア。
ロジャー・ムーアとは打って変わって、渋くてシリアスなイメージの4代目ボンド、ティモシー・ダルトン
都会的でスタイリッシュ、ロジャー・ムーアとコネリーの要素を併せ持つ、ブリオーニのスーツを着たピアーズ・ブロスナン。
そして強靭な肉体を持つ6代目ボンド、ダニエル・クレイグ。

時代によって演じる人によって、007映画も印象が違います。
ダニエル・クレイグが演じた今までの3作品のボンドは、どちらかというとシリアスでリアリティを追求した内容。
その分、ちょっと暗い印象もあります。
全部見てますが、もうちょっとウィットがあってもいいのになあ。

img今月発売のGQのページから。ゴールドフィンガーの1シーン。

imgこちらは今月のゲーテ。アストンマーチンDB5でコネリーと同じポーズ。

今回も衣装はトム・フォードが担当しています。
でも写真を見るとなんか少しだけ、60年代のボンドに回帰しているようにも見えます。
同じアストンマーチンDB5に同じポーズで寄りかかる2人。
以前より細くなったように見えるスーツのラペル幅、ワイドスプレット(開いた襟のカタチ)ではなく、タブカラー(襟の下にボタンがついていてタイを固定する)のシャツ、タキシード姿も今までのようにブラックではなく、コネリーと同じミッドナイトブルーを着用しています。
これは偶然なのでしょうか?
映画を見てみないとわからないですね。

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imgミッドナイトブルーのタキシードを着た2人のボンド

今週末からTOHOシネマズ六本木で、日替わりでボンド映画が上映されます。
11/9金曜の「ドクターノオ」にはじまり、11/30には「慰めの報酬」、そして翌日12/1の「スカイフォール」公開につなぐという何とも粋な演出。
自分の好きな作品に併せて、家ではなく劇場の大画面でボンドを見る絶好の機会です。
毎日レイトショーもありますから(オールナイトもあり)、僕も行きたいと思います。

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