HANCOCK

松本 知彦 for Private Time/2013.10.02/ファッションファッション

マッキントッシュのゴム引きのコート、皆さんもきっと知っていることでしょう。
でも、もう2度と買わない、とこのブログでも以前に宣言しました。

img

理由は以下の通りです。
今までマッキントッシュのコートを4着も買ったけれど、決して価格は安くないのに買ってから2年も経つと接着部分が次々と壊れてしまい、以前の製品はどれも粗悪品だった。
マッキントッシュが日本の会社に買収されて以降、品質は良くなり壊れなくなったけれども、セレクトショップだけでなく、百貨店やあらゆるお店でマッキントッシュの製品を見かけるようになって、希少なスコットランドのブランドという価値は薄れてしまった。
地元スコットランドの会社だった頃のマッキントッシュは、品質は悪かったけれど、「ゴム引き」という見ただけですぐにそれとわかる、他社にない技術的特徴と長い歴史が魅力であった。
その上、型と色の組み合わせが手に入りにくいということも相まって、何度も購入する気にさせるだけの動機が十分にあった。
しかし日本の企業に買われてからは、国内マーケットに合わせて日本の若者に売るための戦略とモノ作りが前面に出るようになってしまい、その魅力は半減してしまいました。
ビジネスなので仕方ないですが。
だからもう買うのはやめようと心に決めたんです。

img

imgマッキントッシュと同じようにボタンにブランド名が刻印されています。

img本切羽(袖のボタンがはずせる仕様)、チェンジポケットなどビスポークのディテールが随所に。

しかし・・・・・
また買ってしまいました・・・・
20代の青春時代に、美しいマッキントッシュのコートを見て憧れた経験は、なかなか簡単には忘れられないのかもしれませんね。
当時マッキントッシュは、エルメスから発注を受けて、エルメス名義のコートを作っていました。
でも高価で当然買えるわけもなく。。
さてさて、そんな青春の淡い記憶も思い出しつつ、
今回買ったのはマッキントッシュではなく、ハンコックというブランドです。
主力商品はゴム引きのコートで、マッキントッシュと同じ特徴を持っていますが、創業がなんと2012年。
1996年から2011年まで、マッキントッシュのディレクターを務めたダニエル・ドゥンコ氏が独立して作ったブランドなのです。
元々ゴム引きのコートは、イギリス人トーマス・ハンコックが1820年に発明したもの。
1825年にチャールズ・マッキントッシュとともに事業を開始したことから、マッキントッシュというブランド名がつけられています。
でも、新しいブランド名となっているハンコックこそが、ゴムの父と呼ばれ、ゴム引きの技術で最初に特許を取得したトーマス・ハンコックその人なのです。
ハンコックはスコットランドのカンバーノ―ルドという街にある新しいファクトリーで、すべて昔ながらのハンドメイドで作られています。

imgコートの内側にはハンコックのラベルと一緒にティモシーの花柄マーク。

ゴム引きという技術がマッキントッシュと同じなら、ハンコックは何が違うのか?
それはデザインです。
今回の型紙は、ティモシー・エベレストがデザインを手掛けています。
だからビスポークな雰囲気が随所に見られます。
(ティモシー・エベレストは90年代、サヴィルロウに現れたニュービスポークの旗手の3人のうちの一人。そしてビートルズのスーツを作ったトミー・ナッタ―の弟子。)
こんなジャケットのようなゴム引きのコートは、今までのマッキントッシュにはありませんでした。
すべての型をティモシー・エベレストが手掛けたわけではなく、彼がデザインしたのは3型だけですが、それ以外は何ら今までのマッキントッシュと差があるようには見えません。
ティモシーの引いた型紙でないと正直買う意味はないと思います。
ティモシーのデザインがなかったら僕も買いませんでした。

img内側の接着布の色と、襟の裏側の色が選べるのはオーダーならでは。

imgオーダーすると同じ生地で作られたバッグに自分のイニシャル入れてもらえます。

そして、これオーダーなんです。
店で勧められた時に上記の理由でゴム引きのコートはもう買いません、と伝えたんですが、UAのC島さんに説得され、その気になってオーダーしてしまいました。
このオーダーというのがその気にさせるクセモノでして。。
型と色の組み合わせを選んで、待つこと3ヵ月、やっとスコットランドから届きました。
本切羽(袖のボタンがはずせるようになっている仕様)で、ノッチドラペル(ジャケットと同じ襟のカタチ)、チェンジポケット付き(小銭を入れるためにジャケットに付けられている小さなポケット=英国式)という、、コートとしてほとんど必要のない機能満載のゴム引きコートです。
細身でピッチピチなんですが・・・・がんばって着たいと思います。

profile

recent entry

category

archive

saru

ページトップ
表示切替:モバイル版パソコン版