celine 今シーズンカタログ

松本 知彦 for Private Time/2014.01.31/ファッションファッション

昨日の記事からの流れで、自社をアピールするツールについてです。
職業柄もあるのですけど、ブランドやショップのカタログを見るのが大好きです。
特に今イケてるブランドならなおさらで、そこには見る側にブランドの世界観や今季のシーズンコンセプトを伝えるためのデザイン戦略があり、見るのはホントに楽しい&勉強になります。

imgバッグと洋服の2冊セットになってます

さて今回はそんな中でセリーヌです。
このフランスのブランド、アメリカ人マイケル・コースがデザインしていた頃はぼちぼちでしたが、その後フィビー・フィロがクリエイティブ・ディレクターに就任してから一気にブレイクしました。

特に3年くらい前から、女子の間ではバイカラーのトートバッグやバックスキンと表革を組み合わせたカラフルなハンドバックがかなりの人気です。
支持している女子はモード寄りのエッジ―な女子だと思います。

このフィビー・フィロという人、たぶんイギリス人だと思いますが、ステラ・マッカートニー(ビートルズのポール・マッカートニーの娘)と同じ大学の1つ後輩で、ステラ・マッカートニーのアシスタントとしてクロエで働いたあと、24歳の若さでクロエのクリエイティブディレクターを務めた人です。
この当時のクロエは、もっともイケてるブランドでした。
バッグも流行りましたね。

そして今熱いセリーヌのバッグにも、クロエの時のエッセンスが見られます。
男子が見ても、ちょっと可愛い、というか何と言えばいいのかわからないですが、やってることはベーシックでコンサバなんですが、そこにモードな要素を取り込んでいて、一見するとクラシックなのに新しい。
こういうのってヨーロッパを感じると言うか、アメリカ的ではないですね。

imgセリーヌは服もあるけど、やっぱりバッグでしょう。

imgトートもそうですが、右端に写ってるバッグ、かなり売れてると思います。

imgこちら同梱の日本語のカタログ。プライス付き。

さて、そんな今熱いブランドのカタログは、硬いハードカバーに商品一覧が折って挟まれている形状になっています。
洋服とバッグの2冊セット。
ファイルにチラシが挟まれているような形ですが、商品情報の紙は一部がファイルに接着されているので、カバーとカタログがバラバラになることはありません。
そしてこのカバーがかなり厚くて頑丈。
背には束もあって、そこにもブランド名が印刷されています。
折られているとはいえ全然大きくない、ただのペラのカタログを背のある厚紙のファイルで挟む必要などまったくないのですが、それがハイブランドたる所以でしょう。
無料で世界中にこの贅沢なカタログ配っちゃうんですからねえ。

オリジナルで作られたこのファイルは(手で持って見るにはちょうどよいサイズ感)、真白なマットコートの紙が貼られていて、これはたぶん職人が1つ1つ手で貼ったものと思われます。
世界共通で作られたと思われるこの冊子には商品情報の掲載はなく、別冊で日本向けの日本語のカタログが同梱されていました。
たぶん各国で自国の言語のカタログを同梱しているのでしょう。

img対というのは可愛いですね。

美しく、贅沢な作り。
以前、僕はカルティエのカタログを全部保存していましたが、シーズンごとに作られるこうしたハイブランドのツールは、予算的にも、デザイン的にも飛び抜けていて、同じようなデザインワークはなかなかできるものではありませんが、見ていて気持ちがよいです。

SPACE8 活版印刷フライヤー

松本 知彦 for Private Time/2014.01.30/仕事仕事

昨年、digビルディングの3階にあるSPACE8の告知用のチラシを作りました。
最初は一般的なコート紙でA4ペラでいいかと思っていましたが、どうせ作るなら、、、といつもの癖が出てしまい・・・・。

imgこちらはピンクのフライヤー

このチラシ、もちろんスペースの利用案内が書かれているのですが、情報訴求と同時に、感性訴求=SPACE8のブランディングも担わせるためにちょっと凝った作りにしています。

まず紙ですが、クッション紙を使いました。
これは、コースターなどに使われることが多い紙で、厚さは1mm。
結構分厚い、でも軽いのが特徴です。
業者に依頼して、正方形のカタチで角を丸く断裁してもらいました。

正方形&角丸は、大きいコースターみたいな効果を狙ったからです。
角を丸くするためには、もちろん追加コストがかかりますが、角が普通の直角のままだと鋭利なコンセプトになるので、避けたかったというのもあります。
なぜこの紙なのかと言えば、活版の印刷効果がもっとも出る紙という基準で選定したからです。
活版ありきで、最初に紙の種類を調べて、それを取り扱っている業者を探したという順番ですね。

img2色の蛍光色で作ってみました

以前同じくSPACE8のカードを活版で印刷してみた際、その特性を若干学んだので、今回はさらにそれを推し進めてみたい気持ちが背景にありました。
そのため、前回はデザインをデータ入稿しましたが、今回は活版にこだわって、文字組は活字を用いて印刷所で手で組んでもらいました。
だからよく見ると、文字が揃っていなかったり、字間もバラバラ。
それが活版の良さだと思って選択しています。
でもデザイナーじゃない限り、そんな細かい部分はわからないかもしれないですね。
もちろん、活版の効果が最大限に出る紙を選んでいるので、しっかりエンボスになっています。

img細かい部分を見て行くと活字の効果が出ています。

色も蛍光色を選んでみました。
今回はグリーンとピンクの2色です。
手に取ってみたくなるような、他にないフライヤーに仕上がったと思います。

コストはA4のカラー印刷よりも相当高くなっています。
ついでに保管する場所も必要、郵送時はA4の封筒に入れないと送れない、などなどデメリットがたくさん。
でもねえ。
ただの情報チラシじゃつまんないですよね。
なんだか、さらに活版の可能性を追究したい衝動に駆られています。

img以前オリジナルで作った会社のコースターと比べてみました。

スペイン現代美術3人展レポート

松本 知彦 for Private Time/2014.01.29/クリエータークリエーター

昨年11月、スペインから作家たちを招いて開催したスペイン現代美術展。
その後をレポートします。
今回は展示に合わせていくつかの試みを行いました。

img告知ポスター

まず1つめ
駅に交通広告を貼ったり、東京のアートシーンを紹介するサイトに掲載してもらったり、朝日新聞や東京にいる外国人向けフリーマガジンなど、色々な媒体で告知してもらいました。
スペイン大使館のバックアップを得たことも大きかったですね。
色々な人たちに出会って、楽しかったのはもちろんですが、こちら側の勉強にもなりました。
協力していただいた方、展示に来ていただいた方には本当に感謝感謝です。

img展示の準備中の様子

imgカッコいい動画ができました。

2つめ
展示期間中、日本に滞在していた彼らに取材してムービーを制作しました。
動画制作は、digでは通常業務として請け負っていますが、SPACE8では初めての試みです。
動画の他にも、彼らにアンケートに答えてもらい、事前にスペインから送ってもらっていました。
彼らの作品に興味を持ってもらうために、彼らの思考や制作のバックグラウンドを一人でも多くの方に知ってもらいたい、そう考えての試みです。
動画やアンケートはイベントレポートとして、SPACE8のWebサイトに掲載しています。
是非ご覧ください。
感想も教えてくださいね。
http://space8.jp/report/vol03/

imgナビゲーションからオンラインストアを見てください

3つめ
SPACE8では、ショッピングサイトを始めています。http://space8.jp/store/
まだ5人の作家の作品しか登録されていませんが、今後様々なアーティスト作品を掲載していく予定です。
もちろんスペイン人作家の作品も購入可能です。
まだ作品数は少ないですが、今後こちらも是非ご覧ください。
展示と同時にその作品がサイトでも購入できるようにしています。
もし自分の作品を発表したいという方がいましたら是非連絡くださいね。
もちろん、ワークショップ、展示会、お茶会やパーティの開催でもOKです。

あ、そうそう、気が向いたらサイトにいいね、もしてください。笑

THANN

松本 知彦 for Private Time/2014.01.27/香り香り

タイ生まれのスキンケアブランドという珍しい商品です。
タイ生まれだから、価格は安いだろうと思ったら大間違いで、ヨーロッパのそれらと同じくらいします。

img

詳しくはわからないですが、タイで開発したのかなあ。
タイで独自にこうした外国人向けの、いわゆるグローバルなマーケット向けの高価格帯の商品を開発するようにはあまり思えないですが。
デザインもそうですね。
こうした自国のブランドで、アマンリゾート的な立ち位置の商品の開発は、外国人の力が必要です。
斜めな見方をしちゃうと、デザインで武装してるけど原価は安そうだなとか、思っちゃうんですよね・・・・スミマセン。
って、原価やレートばかりが気になってしまいますが、このブランドは2004年に登場した、まだ新しいブランドです。
熱海の旅館、「ふふ」に泊まった時に、はじめてこのブランドを知りました。
他にもANAのファーストクラスのラウンジ用アメニティにも使われているようです。
去年ミッドタウンにもお店ができたようで、快進撃ですね。

img子供の部屋の壁紙の前に置いて撮影 笑

でもその理由はわかる気がします。
今の時代マストであるオーガニックというキーワードはしっかり押さえていて、
コメヌカ油やシソエキスなどアジア独自の自然植物を原料に、タイ産のレモングラスやカフィルライムなど選りすぐった植物から得られる精油からできていること、
ボトルやパッケージデザインが優れていること(グッドデザイン賞、アジアデザイン大賞)、
スキンケアブランドを展開すると同時に、THANNサンクチュアリーというエステも開業していること
などなど。

そして国内の多くのデザインホテルにアメニティとして置いてあります。
僕のように、デザインホテルに宿泊した際にこうしたブランド知る、と言う人は多いのじゃないでしょうか。
実際泊まった後、こうして僕は商品を買っているわけですからね 汗
そう言えば以前このブログでも紹介したギリシャ発のヘアケアブランド、KORRESもそうでした。
だからホテルでアメニティと出会って認知するというのは、実は侮れません。
那須のリゾートで有名な二期倶楽部が都内でエステを開いたように、家庭向けのショップ販売からだけではなく、こうしたホテルを起点とした認知戦略は正しいのかもしれないです。

img

ゴールドラッシュに弁当バージョンが・・・・

松本 知彦 for Private Time/2014.01.23/食べる食べる

去年横浜から打ち合わせの帰り、クリスマスイブに渋谷の東横のれん街に行ったのですが、そこで驚くべきものを見つけました。
と言っても、別にファンじゃない人はまったく驚かないと思いますけど笑
見つけたのは渋谷で30年以上営業を続けるゴールドラッシュのお弁当屋です。

img発見した時は、かなりオドロキでした。

ゴールドラッシュはハンバーグ専門店で、僕が高校生の時から壁の穴と並んで渋谷では知られたお店でした。
大学生の時も通ったし、今でも無性に食べたくなる好きなお店なのです。
当時、東急ハンズの斜め前にあったタワーレコード(ダンスミュージックレコードの2軒先、今のサイゼリア)の脇の細い路地を入った右側にお店があって、1階と地下でおいしいハンバーグが食べられました。
リストに名前を書いて店の前のベンチに座って、30分くらい待たないと入れなかった。
鉄板に乗せられたまま、針金のような道具でハンバーグが運ばれて来ると、客の目の前で店員がソースをかけるのですが、ソースが熱い鉄板ではじかれて飛ぶので、洋服にソースがかからないよう客自身にナプキンでそれを遮ってもらうというのが、一種のパフォーマンスになっています。
それも楽しいし、味もおいしい、自分でハンバーグの大きさをグラム指定で選べるのも特徴ですね。
今では渋谷のお店も移転して広くなり、原宿や新宿にもお店ができています。

imgここは渋谷店。床は油で滑るのでカーペットが敷いてあります。

imgこのナプキンで油がはねるのを防ぐのです。

imgチーズハンバーグ200g目玉焼きトッピング

しかし、まさかあのゴールドラッシュが弁当屋を出しているなんて知らなかった。
思わず店の人に訊いちゃったのですが、春にできたとのことでした。
これは食べないわけにはいかないだろと思い、早速持ち帰りで注文して事務所で食べてみました。

imgこちらが同じチーズハンバーグのお弁当バージョン。

すると、、ん??これは・・・・
結論を言うと、ナプキンのパフォーマンスや熱い鉄板なしだと、味は半減してしまうということです。
しかも時間が経っているので、味がかなり濃い。。
普通のお弁当と同じように、ご飯とハンバーグが一緒にプラケースに入れられている、というスタイルもイマイチでした。
少なくとも松屋のデミたまハンバーグ弁当(笑)みたいに、ご飯とハンバーグを入れるケースは分けて欲しい。
そして店と同じようにハンバーグにかけるソースも別にして欲しい。
値段はお店で食べるよりも安いけれど、一番重要なブランドエッセンスが抜け落ちて利益だけを追求している印象を受けちゃいました。
ゴールドラッシュはこんなことをしないで欲しいと思いましたけど、無性に食べたくなる時があるからこれでもファンは買いに来てしまうのかもしれません。

誰をターゲットにしてるのかなあ。
東横のれん街だからOLたちだと思うのですが、売れているのだろうか?
個人的にはゴールドラッシュとお弁当というのがどうにも結びつかないし、どうせやるならもっとおいしくするために、もう少し工夫の余地がある気がしますね。
ずっと僕の好きなゴールドラッシュでいて欲しいです。

手編みのセーター

松本 知彦 for Private Time/2014.01.17/ファッションファッション

最初に言っちゃいますが、今回はマザコンの話です。
ほとんどの男子はマザコンだと思います。
僕も一人っ子だということもあって、その例に漏れません。
少なくとも母親との関係性が(女子だったらお父さんとの関係が)大人になってそのまま異性との関係構築に、また自分の恋愛感に影響を与えているのじゃないでしょうか。

img白と赤のセーターは両方とも手編みです。

さて今回は28年前にお母さんが作ってくれた手編みのセーターです。
僕は28年前に大きな病気をしました。
数か月入院する病気になったのですが、その時にお母さんが病室で編んでくれたのがこのセーターです。
30年近く経っているのに全然古さを感じさせません。
今巷ではラギッドな土臭いスタイルが流行しているので、こうしたケーブル編みのアランセーターもたくさんお店で見かけますよね。
ニット帽も流行ってますし。

img最初に編んでくれたのは赤いセーターでした。

img先月ほころんだところをお母さんに直してもらいました。

少しウンチクを話すと、アランセーターとはアイルランドの西にあるアラン島の女の人が漁に出る夫の無事を祈って編むニットのことを言います。
女の人によって編み方が違うので、もし夫が水難事故に遭った場合、編み方で身元がわかるという背景もあるんです。
だから基本ハンドメイドなのですが、今ショップで売ってるものはハンド(ハンドメイドの略)に見えるマシンメイドのセーターとして売られていて、要は手編み風っていうことです。
今の時代、スーツでも何でもハンドメイドが貴重になってますが、セーターに限ってはちょっと違和感ありますよね。
高校の頃、手編みのマフラーやセーター(イニシャル入り!!)という昭和感満載のベタな贈り物を彼氏にあげるという女子は、さすがに多くはなかったけれど、学年に2人くらいはいて、社会的にはまだまかり通っていた時代でした。
僕はもらったことはないですが、今そんなガラパゴス女子は、東京では一人残らず死滅してるんじゃないでしょうか。
何が言いたいかっていうと、アラン島でも日本でも手編みのアイテムは、やっぱりその人を想う気持ちっていうのが大前提ってことですね。
僕も入院中は死にそうでしたから(冗談抜きで)、お母さんは祈って編んでくれたのだと思います。

久しぶりに最近このセーターを着ています。
先日打ち合わせでクライアントへ行く際にも着ていって、お母さんの手編みだということを話したらびっくりされて・・・
そんなに驚くことなのかなと逆に思って、ブログに書くことにしました。笑

img今お母さんは、孫のセーターを編んでいます。

うちのお母さんは今年で80歳です。
まだ元気ですが、随分年を取りました。
僕が大学で組んでいたバンドのメンバーたちも、両親のどちらかがいない状況になっています。
仕方ないことですが、もうそんな年齢なんですよね。

このセーター、大事にしたいと思います。
着る度にお母さんのぬくもりを感じて、暖かいです。
そして、時々マザコンもよいものじゃないかと感じたりしているのです。

ルメルシマン オカモト 青山

松本 知彦 for Private Time/2014.01.16/食べる食べる

毎年このブログにも書いてますが、年末に旬なレストランでおいしいものを食べるという企画が、大切な友人との間でここ数年のルールになっています。
以前は、友人たち複数で集まって会食したり、有名人がたくさん集まる忘年会に行ったり、様々でした。
しかしここ数年は、いま東京でイケてる旬なレストランに2人で行くという恒例のイベントになってます。

img味と関係ないけど、お店のナプキンの折り方がお洒落。気になりました。

知り合って20年経つ彼女は大学も違うし、何が共通点なのかを挙げることはなかなかむずかしいですが、感覚的なものが占めているような気がします。
年に1度くらいしか会いませんが、そういう場合にどういう場所で時間を過ごすかというのは、なかなか重要な大人のテーマでしょう。
とは言いつつ、リサーチして店を選ぶのは彼女の役目。
僕は言われるままに、そこへ行くだけです。笑

さて、今年(去年)はお店の予約がなかなか取れないとのことでした。
彼女が選ぶ店はフレンチが多いです。
フレンチってビストロブームが去ったあとは、特別な時じゃないと、なかなか選択肢に入ってきませんよね。

今回はルメルシマン オカモトというお店。
オーナー兼シェフは、47歳でこのお店を開いたたらしいのですが(僕は全然詳しくないですけど、)その年齢で自分の店を持つというのは遅いらしいですね。
こうしたレストランの場合、シェフは以前どこの店にいたか?何をしていたか?というのは相当に重要なことみたいです。

imgたまにはフレンチ、いいものですね。

自分でもイヤらしい趣味だと自覚しているのですが、僕はレストランに行くと、味と同様に、そこに来ている客をチェックするのが好きなのです笑
2年前にオギヤマンドトキオに行った時は、業界人ばかりでした。
インテリアはカジュアルなのに、そこにギラギラしている人たちが集まっているのは見ていておもしろい。
もちろんワケありのカップルも。

このお店に来ている人は、、、、、一言で言うと「通」でしょう。
ファッション的にはお洒落でもないし、、、押し出しの強い派手さもない。
フレンチが好きで、この店以外にも色々通ってます的な、そんなスノッブなカップルが多い印象です。
年齢層も高い。
上質な食の時間を、慈しみながら愉しみにきている人たち。
そんな人たちをジロジロ見るイヤらしい趣味を持ってるのは僕だけです・・・汗

img全部おいしかったけど、何の料理か忘れてしまいました、、汗

駅からも遠いし、場所もわかりずらい。
隠れ家的なフレンチでしょう。
でもアロマフレスカがまだ広尾にあってブレイクする時も、こんな客層だったことを思い出しました。
このお店もきっと流行る(既に流行っている?)気がします。
皆さんも、大事な人とゆっくり時間を過ごしたいときに行ってみてください。

Alex Katz 1927~

松本 知彦 for Private Time/2014.01.15/クリエータークリエーター

ちょうど僕が大学生の頃、ニューアートというイラストレーションのブームがありました。
企業や代理店の求めに応じて制作する既存の商業イラストとは違って、自己表現としてのアーティスティックなイラストを描くこと?・・・そのコンセプト自体よくわからないブームでしたが、学生たちもそんなブームに乗っかって、それっぽいスタイルで自分の作品を作っている人がたくさんいました。

img1991年発行のNight Paintings 中古で買いました。

当時吉田カツやミック板谷、飯田淳、ペーター佐藤などたくさんの花形イラストレーターがいて、彼ら全員をニューアートとは呼びませんでしたが、吉田カツのアプローチはニューアートを代表するような、それまでの商業イラストとは異なるアプローチだったと思います。
特にJALの機内誌、翼の王国の表紙のシリーズは鮮烈で、今も記憶に残っています。
同時期に湯村輝彦をはじめとするヘタウマと呼ばれるブームもありましたけど。

そんな中、同じようなニューアートの流れを汲む作家として注目されていたのが、アレックス・カッツでした。
少し前に流行ったフランス人のイラストレーター、ジャン・フィリップ・デロームをもっとアート寄りにした感じと言えばいいでしょうか。
NY在住のカッツの作品は洒脱で、軽いタッチが非常に都会的でスタイリッシュでした。
現代美術ともイラストレーションとも異なる独自の立ち位置にいる作家でしたね。
僕も大好きでした。

img左上は1965年の作品。それ以外は80年代の作品ですが作風は変わっていません。

img87年あたりに描かれた夜のシリーズ。大好きです。

作品は写真を元に描いているのだと思いますが、決してうまくはない。
でも写真のように傍観者としての立場ではなく、対象に対して作家のまなざしや愛情が感じられる作風で、鮮やかな色彩でモチーフの単純化が大胆に行われているのが特徴でしょう。

当時何度も画集を買おうと思ったんですが、ページ数が少ないのに結構高くて、迷ったあげく、お金のない僕はカッツよりも欲しい人の画集を買って、結局カッツの画集はいつも後回しで買わずじまいでした。
カッツの切り絵のシリーズのポストカードが、まだ改装前だった青山のオンサンデーズで売られていて、それだけは何度か買いに行きました。
この切り絵の習作が傑作でした。
その作品集も売ってないかなあ。

imgカッツはニューヨークのブルックリン生まれ。

img一番上は1996年作の"Man in White Shirt"シリーズ。都会のライフスタイルが描かれています。

最近、彼の作品を思い出すことが度々あって、今まで購入の候補に挙がりながらも、ずっと買えずにいたカッツの画集をはじめて購入しました。
ずっと自分の生まれた街、ニューヨークで暮らす人々の日常を描いていますが、その魅力はなんと言っても都会的で洒脱だということ。
やっぱりカッツはいいですね。

僕の学生時代、2人のカッツ(吉田カッツ、アレックス・カッツ)は、僕の青春の思い出ですが、今見ても新しく感じます。
見る度に常に新鮮な感じを与えてくれる作品はいいですね。

僕にとって年賀状は表現活動だった その4

松本 知彦 for Private Time/2014.01.14/私の履歴書私の履歴書

前回の続き、版画テーマの最終章です。
社会人になると学生の時のように冬休みが長くないために、凝った表現は現実的にむずかくなりました。
ほとんどの企業がそうだと思いますが、だいたい正月休みは1週間だけ。
休みに入ってから元旦まで3日くらいしかないので、冬休みに入ってスタートしたんじゃ当然間に合うわけがない。
かといって、休み前に制作をスタートすることは、仕事が忙しくてとてもできない。
彫るだけで1週間以上かかる木版の製作に、冬休みの時間すべてを取られてしまっていました。
年によっては会社が始まってからも、家に帰って夜に年賀状を刷っていたり。

imgこういうポップな表現を日本の古典技法である木版でやるのはちょっとおもしろいかも。

img時間をかけずに木版のよさを引き出せないか、工夫しようとしているのを感じます。

同じ頃マッキントッシュのPCが現れ、個人でも年賀状がオリジナルでデザインできるようになりつつありました。
最初は抵抗して、オールドスクールの木版画にこだわって制作を続けようとしますが、最終的には泣く泣くPCでデザインする年賀状にシフトしていくのでした。
木版はライフワークとして続けたかったけど、制作に時間のかかる版画の技法は、企業に勤めながら行うには無理がありました。

img紙で作った切り絵をスキャンして作った年賀状です。

imgその翌年からはPCでデザインした年賀状になっています。この時30歳

版画と同じような技法で、ショートカットで簡易的に作れるものはないだろうか?
PCで作る年賀状にシフトする前に、1度だけ切り絵にチャレンジしています。
でもやっぱり印刷なので、そこに自分の求める味は出せませんでした。
PCでデザインするようになると、当然版画の持つ手作り感は失われます。
印刷ですからね。
そこに人の手で作られた温かみはありません。
切り絵を最後に、それ以後はPCでデザインする年賀状に路線を変更して、今に至っています。

そんなわけで、小学校から続いていた松本少年の版画ヒストリーはピリオドになったのです。
こうして7歳から30歳までの23年間に作った年賀状を時系列で見ていくと、もちろんその時々で自分が好きだったものや背景がわかって面白いのですが、そうした個人的なノスタルジー以外に感じることがあります。

それは表現としての版画は、小学6年、中学1年くらいが頂点だということです。
それ以降はすべて焼き直しに過ぎません。
まっすぐに自分の好きなことに向かっている姿勢が、作風から真摯に伝わってくる小学校の時の版画をピークに、あとは大人になるにつれ、情報を知り、遊びを知り、スタイルやカルチャーを知り、それに比例して時間はなくなり、表現は右肩下がりに。
これは仕方のないことだと思いますが、情報は必ずしも人に良い影響を与えるばかりとは限らないということです。

img作品は古く感じませんが、作っている時の写真は思いっきり昭和!!

img写真はこの版画の墨版を彫ってるところですね。小学校6年生の作品。

大人になってからの版画と小学校の時の版画を比べると、小学校の時の方が純粋でひたむきな情熱が伝わってくる、と感じるのは、作った本人だけではないでしょう。
人は不思議なもので、作った時の作り手の姿勢や情熱までを作品から感じるものなのです。
あの時の純粋な松本少年のように、機会があれば、また木版画をやってみたいなあと思います。

以上版画を用いた年賀状の20年を振り返った紹介でした。
今回この一連の記事をアップしたら、色々な人に驚かれて、逆に僕がびっくりしています。
小学校の年賀状を保管していることが、そんなに特別なことだとは思いませんでした。
こんなことでも、皆さん楽しんでもらえたら嬉しいです。

日々の忙しい仕事の中で、忘れていたあの時の自分の純粋な気持ちを思い出して、また仕事に戻りましょう。

僕にとって年賀状は表現活動だった その3

松本 知彦 for Private Time/2014.01.10/私の履歴書私の履歴書

前回の続きです。
大学に入学すると課題なんかそっちのけで、軽音楽部に入ってバンドに明け暮れるようになります。
それに伴って、年賀状もそれまで作っていた田舎の民家シリーズみたいな渋いテーマはどっかへ行ってしまって、突然別の表現になりました。
父の影響からも解き放たれて、ストイックだった自分にさよならって感じです。笑

80年代はニューウェイブの時代でした。
僕が大学に通っていた時は、ロンドンから最新の音楽がたくさん入ってきていて、それらにどっぷりと引き込まれていました。
もちろんアメリカのビルボードを賑わせる音楽もあったのですが、僕はどちらかといえばイギリスの音楽ばかりを聞いていましたね。

img大学1年生。う~ん、、ま、ニューウェーブってことで。。汗

imgここに掲載するのは恥ずかしい年賀状。この時は50’sのデザインが好きでした。

img大学3年生。なんとも言えない、、、、恥ずかしい感じ・・・・

大学の時の年賀状は、どこか80年代ニューウェイブっぽいです笑
蛍光色は80年代にあってはお約束の色ですね。
しかも木版はやめて、すべてプリントごっこで作ってます。
英語部分にインレタ(若い人は知らないだろうなぁ)を使ってるのが時代を感じさせますね。笑
色々やることや誘惑がたくさんあって、時間ばかりかかるオールドスクールの木版画には、この頃もう興味はなかったんでしょうね、きっと。
これらのデザインは稚拙で、今見ると恥ずかしい限りです・・・・
小学生~高校までの年賀状は、作ってる時の気持ちが伝わってきますが、大学生になったあとの年賀状からは、浮き足立ってる感じが伝わってきちゃいますね。
大学生でデビューしたのが、年賀状からも見て取れます。汗

img24歳の年賀状。一応木版ですが、もう年賀状じゃなくて普通のカードですね笑

img25歳。なぜPARISと書いてあるかなんて聞かないでください。。汗

imgペリエのボトル。なぜかゲーンズブールの曲名が書かれてます笑

そして社会人。
またなぜか木版に戻っています。
どうしたんでしょうね 笑
この頃はファッション、映画、音楽、すべてフランスに傾倒していました。
オールドイングランド、ハリス、エミスフェール、エルベシャペリエなどフランスのブランドが好きでした。
渋谷の宮益坂にあったフレンチアイビーのセレクトショップ、イエスターモローにも通っていました。
今はお店もなくなっちゃいましたけど、あの髭の店長どこへ行っちゃったかなぁ。

img現代版の「男と女」なんでしょうか。またフランス語。

ファッションだけではなくて、ゴダールの「勝手にしやがれ」「気狂いピエロ」、「男と女」、六本木のシネヴィヴァンで上映されていた単館系のフランス映画もたくさん見ました。
当時はレオ・カラックスの「汚れた血」や、ベアトリス・ダル主演の「ベティブルー」、アメリカからはロードムービーの流れが注目されてました。
「パリテキサス」や「ストレンジャーザンパラダイス」、「バグダッドカフェ」の頃ですね。
ゲーンズブール、ジェーン・バーキン、フランスギャル、フランソワーズ・アルディ、ミッシェル・ルグラン、フランシス・レイ、そしてネグレスヴェルトやクレスプキュールレーベルのアンテナまで、フランスの音楽も色々聞きました。
だから年賀状も、木版を使ってはいますが、そんなテイストになっています。
ここまで来ると、若干今っぽくなってきたと言うか・・・・
この時の僕は27歳。

そして次回は最終章。30歳で木版画をやめるまでです。

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