僕にとって年賀状は表現活動だった その2

松本 知彦 for Private Time/2014.01.09/私の履歴書私の履歴書

前回の小学生からの続きです。
中学生になってからの年賀状を見ていると、木版の表現をさらに推し進めていく過程が伝わってきます。
中学高校で、ある程度の完成度に達していますね。
小学生の時、夏休みの工作と年賀状の制作は、毎年の恒例行事になっていました。
自分にとっての表現活動といえば、子供の時から続けてきた、このお正月の年賀状が出発点になっています。
そこにはいつも父の存在がありました。

前の記事で紹介した1年生から6年生まで、その多くはお正月をモチーフにしたものです。
小学生らしくない、ある意味大人っぽいテーマが多いですが、これは少なからず父親からの影響があると思います。
父親も年賀状は、毎年自分で版画を彫って刷っていました。
それを見て、自分も自然に版画による年賀状制作を始めたということもあり、モチーフの選定も少なからず父親からの影響を受けていると思います。
でも父親の年賀状ってどんなのだったかあまり覚えてないですが・・・

img中1の年賀状。中学に入ると、いきなりクオリティが高いです。

さて中学1年生の年賀状です。
ここでは10色刷に挑戦してますね。
10色ということは、1枚のハガキを完成させるのに10回刷らないといけないという、、年賀状を100枚出すなら1000回刷るという気の遠くなるような作業をやってのけてます。
随分大人びた構図とモチーフですね。
中1の作品としては完成度がかなり高いと思います。

img中学2年生。ここからしばらく田舎の家シリーズが続きます。

中2からは田舎の民家シリーズがはじまります。
なんでこんな渋いモチーフを選んだのか覚えてないですが、前述のとおり父親から何らかの影響を受けていたと思われます。
今見ると父の切り絵の作品に、どことなく共通点を感じます。
左側の木の部分だけで色を4色使ってるのですが、刷る時のほんの少しのズレで、このように木がボテボテに太くなっちゃうんですよね。
細い木の枝でも、4色をピタリと重ね合わせて刷るのはホントに至難の業です。

img中3は高校受験のため、時間短縮を目的にプリントごっこで。

そして僕が中学3年生の時に、年賀状に革命が起きました。
プリントごっこという飛び道具が登場してきたのです。
シルクスクリーンの簡易版みたいな仕組みで、年賀状制作に特化した製品でした。当時はTVCMもやってましたね。
ある日、父親が買ってきたこの新しい商品に僕もチャレンジしています。
版を彫る必要も、バレンでこすって1枚1枚手で刷る必要もなく、大幅に制作時間が短縮できるのですが、これは受験で時間がなかったというのが最大の理由でしょう。
しかし、チョー写実なんですけど 笑

img高校1年から木版に戻ってまた田舎シリーズ再開。

img高2も続いて田舎の民家。凝ってますなあ。

高校1年になると、受験が終わって時間があったらしく(笑)再び木版画に戻っています。
やっぱり田舎の民家シリーズ。
当時はこのように、雪の部分は紙の白さをそのまま残すという表現が、本人非常に気に入ってました。
高2の年賀状も同じ表現ですね。
今までで最も多い14色刷!!
これは時間がかかってますねぇ。
いったい何百回刷ったのでしょうか・・・
高3は再び受験のため、年賀状を作っていないようです。

そして無事に現役で大学に合格し、大学生活に入ります。
大学に入ると、父親の影響から離れて、自分で好きなように年賀状を作るようになっていきます。
続きはまた次回。

僕にとって年賀状は表現活動だった その1

松本 知彦 for Private Time/2014.01.08/私の履歴書私の履歴書

皆さん、年賀状は出しましたか?
僕は社会人になってから一時期出さなくなった時もありましたが、それを除けば、ずっと出し続けて今に至っています。
年賀状はやっぱり日本独自の風習ですから、今後いくらクリスマスが盛り上がってきたとしても、クリスマスカードなんかにはせず、年賀状は出し続けたいと思っています。

僕が自分専用の年賀状を作り始めたのは、小学校に入学してから。
小学2年生からずっと版画を続けてきました。
木版画で、単色ではなく多色刷です。
一時期は12色くらい使ったこともありました。
木版というのは当たり前ですが、1色一版なので、色数の分だけ版木を彫らなくてはなりません。
彫るのも大変ですが、色数分1枚ずつ手で刷らないといけないという・・・・
年賀状を作るのにはかなり時間がかかるので、冬休みは休むどころか彫る&刷る作業に休みのほとんどの時間を使わざるを得ない状況が続いていました。
でも年賀状を版画で続ける、と自分で決めていたので、大学までずっと版画を作ってきました。
先日、片づけをしていたら今まで作った年賀状が出てきたので、ここで紹介しちゃうことにします。
年賀状の変遷がとてもおもしろいんです。
興味ないと思いますが(汗)、僕の人となりを知る上で笑って見ていただければ嬉しいです。

imgまずは小学校2年生の時の年賀状。

imgそれから1年後の小学校3年生。成長してます。

まず版画デビューした小学校2年生から。
この時は年齢的に彫刻刀を使うのが難しかったため、やり方は忘れましたが、確かフェルトで作った版画です。
モチーフはお獅子ですね。
続いて3年生もお獅子。
2年生の時の出来がよくないので、リベンジのつもりでしょうか。
こちらは彫刻刀を教えてもらったことで、ゴム版に彫って自分で刷ってます。
2色ですね。
明らかに2年生の時より、表現も技術も上達しているのがわかります。
自分で言うのもおかしいですが、7歳で斜めから見た立体表現を版画で行うというのは、同じ年くらいの子にはあまりいなかったんじゃないでしょうか。
本人が今見ても驚きです。笑

img4年生からは日本の建造物をモチーフに。

img続く5年生では5重の塔。

img同じ年に五重塔の渋いテーマに満足できずにもう1種類作ってます。

4年生はお城です。
こちらもゴム版ですね。3色刷。
色合わせは技術的に難しいので、この段階ではまだ実践されていませんが、いい意味で小学生らしい気持のよい表現です。
5年生になると、多色刷の色合わせが初めて試みられています。
3色刷ですから、3枚彫ったんでしょうね。
多色刷の難しさは、下絵の写し取り、彫るときの正確さ、それに加えて刷る際の色合わせがもっとも重要なのです。
刷る際にミスをすると色版がすべてズレて台無しになってしまうからです。
そして刷る作業は、色数が多ければ多いほど、彫る作業の何倍も時間がかかるのです。
ここから木版に突入。
この年、理由はよくわからないですが2種類の年賀状を作ってます。
その片方で、いきなり木版で7色に挑戦しています。
11歳で7版彫る&刷るのは、さぞ大変だったことでしょう。
でもモチーフは小学生っぽいですね。

img小学校最後の6年生は難しい表現に突入

6年生では、色数は6色ですが、さらにバージョンアップして難しい表現にチャレンジしています。
金色も使っていますが、この細かい色合わせはなかなかに大変だったはずです。
ここまで来ると大人の表現になっていて、小学生が作ったとはあんまり思えませんね・・・・

小学校を卒業すると、だんだん技術的に向上していくのがわかります。
中学生からは次回に続く。

2014年の年賀メール

松本 知彦 for Private Time/2014.01.07/仕事仕事

会社では紙の年賀状を3年前にやめて、HTMLメールに切り替えました。
ある程度の期間保存されて繰り返し閲覧される印刷物と違って、HTMLメールはメーラーを開いた瞬間に1度見られるだけで、その後すぐにゴミ箱に捨てられてしまうメディアです。

紙の時はある程度マジメに、繰り返し閲覧されることに耐えられるように、正面からクリエイティブに向き合って作っていました。
しかしメールで送るならば、それよりアテンションに重きを置くべきです。

3年前にメールに切り替える時、コンセプトは何にしようか迷ったのですが、クール路線から一転、堅苦しくなく瞬発力だけで楽しさを伝えるものにしました。
ジョージ・クルーニー主演の好きな映画「オーシャンズ11」、その続編の「オーシャンズ13」をパロッて、スタッフ全員で銀行破りのチームに扮して(メンバーそれぞれがその道のプロフェッショナルという意味で)、社内で撮影したビジュアルを使いました。
http://blog.10-1000.jp/cat35/000615.html

去年は、1年間スタッフの誕生日に僕が描いた全員の似顔絵を使いました(相当時間かかってます、、、)。
http://blog.10-1000.jp/cat35/000850.html

基本HTMLメールは取引先のクライアントの方々にお送りしているのですが、インディーズ感丸出しのマジメじゃない年賀メールは、ビジネスルールを逸脱してるので迷惑だと思われるのじゃないかと当初思っていました。
やっぱりビジネスルールに沿えば、旧年中はひとかたならぬご厚情を賜り、、、的な面白味のない文章と、お約束の干支のビジュアルで構成するしかないですから。
でも反応はそんなこともなくて、おもしろいですね、凝ってますね、いいですね、という会話が得意先の方と年初にできることがわかって、この路線を踏襲することに、いえ、やっぱり手を抜かずにちゃんと作った方がよいことを感じたのでした。
ブログもそうですが、見ている人のことを考えて、こういうのは真面目にやらないといけません。汗

さて今年も年賀状の季節がやってきて、はたどうしようかなと。
去年1年は色々なことがありましたが、その中でもオリンピックは大きい話題になりました。
オリンピックと言えば・・・・すぐに思い浮かぶのが、僕はやっぱり前の東京オリンピックの時に作られた市川崑の記録映画、そして亀倉雄策がデザインしたポスターです。
世界に誇れるグラフィックの原点とも言うべき亀倉雄策のポスターは、本当にカッコいい。
今回はこれで行くことに決めました。

img連作の第1号はシンボルマークでした。

ポスターは、4枚の連作になっています。
まず1961年2月に10万枚作られた第1号ポスター。
永井一正、田中一光、杉浦康平らが参加した指名コンペで、20案の中から選ばれたものです。
コンペを開いたのは勝見勝という人。
実は東京でのオリンピックはこれが最初ではなく、以前開催が決定していたにも関わらず、戦争で実現しませんでした。
勝見勝はその時の推進委員だった人です。
文字は原弘、全体のデザインは亀倉雄策。
「日本の清潔さ、しかも明快さとオリンピックのスポーティな動感を表わしてみたかった。赤い丸は日の丸と考えてもよいが太陽のイメージ」と亀倉自身がコメントしています。
しかし、オリンピックの5つの輪をすべて同じ色にしている大会って過去にあったっけ?

imgあまりに有名なこのポスターは2号ポスター。

imgそれをベースにして作ったビジュアル。撮影は大変(笑)

続いて作られたのが有名な2号のポスター。
3月中旬に国立競技場で午後6時から3時間、80回もスタートをやり直して撮影された写真から選ばれたものです。
外国人選手は、横田基地のアメリカ兵っていうのが笑えます。
3号は水泳をモチーフにしていて、1号をセンターにして左右に2号、3号を置くと収まりがよいと亀倉先生は言っています。
そしてラストを飾る4号は、荒川土手で10本のトーチを燃やし、50本近いフィルムを使って撮影されたもの。

imgこちらは第3号

img亀倉先生いわく、この配置がもっとも収まりがよいそうです。

img最後に作られた4号は静のイメージ。宗教的なものを感じます。

img2014年の年賀メールはこちらです。

このポスターだけでなく、山下芳郎、横尾忠則たちがデザインしたピクトグラム、岡本太郎と田中一光によるメダルデザイン、柳宗理による聖火のトーチフォルダーなど、オリンピックには当時のクリエーターの力が結集されています。
それでもバラバラにならないのは勝見勝のトータルディレクションの力量でしょう。
他にも、わずか18ヶ月で建築された丹下健三の国立代々木競技場、日本武道館、首都高速、ニューオータニ、モノレール、駒沢公園、東海道新幹線など、オリンピックに合わせて作られた建造物には当時の日本の最高技術が集められた名作がたくさんあります。

そう僕たちもオリンピックに向けて、自分たちの力を結集させていきたいです。
2014年からダッシュしていきますので、よろしくお願いします。

今年もよろしくお願いします

松本 知彦 for Private Time/2014.01.06/仕事仕事

皆さん、明けましておめでとうございます。
今日から仕事はじめです。
昨年はいいことがたくさんありました。
様々な新しいことにもチャレンジできたし、その結果もよかった。
そして新しい仲間も増えました。
今までの会社の16年の沿革の中で、創業から3年くらいまでは別として、以後の13年のうちで昨年は特別な1年だったように思います。
創業から14年目くらいまでは、ある意味同じビジネスを繰り返していました。
別にそれでよい、というかそれが一番大事かつやりたいことだと思っていたからですが、それは今現在でも変わっていません。
じゃ今までと何が違うのか?目指すものは変わりませんが、やり方と目標を変更したことが大きいでしょう。
一生懸命にやる姿勢に変わりはありませんが、一生懸命やる中でその先にゴールが見えてくるのではなく、ゴールを共有し、その実現へ向けて全員で一生懸命にやるという、当たり前のことに気が付かされた1年。
いえ、そもそもゴール設定の認識がここ数年で変わりました。
これはまた別の機会に書きたいと思います。
今年は強い目標意識を持って、さらに邁進していきたいです。

img店舗で見かけてすぐ買おうと思いました。

さて昨年末、無印良品に行く機会があったのですが、そこでお正月飾りを見つけました。
年末になると、毎年地元の商店街で売り出されますが、無印でもこんな商品があったのはちょっと驚きでした。
デザインは3種類、1店目で問い合わせたら全部売り切れてて、なかなか売れてるみたいでした。

imgモチーフには古来から意味があるんです。

もっとデザイン的に尖ったものがあってもいいのになあとも思いましたが、こういうものはトラッドな方が好まれるのかもしれませんね。
ちなみに使われている素材にはすべて理由があります。
ワラは神様に家に留まって欲しいと言う願い、稲穂は新年の豊作を、扇は末広がりで未来の繁栄を願う意味があります。
しかし、こういう商品を必ず拾うっていうのが無印のいいところで、偉いなあと感じます。
このあいだ紹介した鳩時計もそうですが、伸びる企業にはマーケティングの発見が必ずありますよね。
見習いたいです。

img本社のドアに飾っています。

既に会社は休みに入ってましたけど、昨年末に出社して事務所のドアに飾ってみました。
本社と分室があるので2カ所に飾らないといけません。
スタッフたちは、今日きっと気が付いていることでしょう。
そしてドアに貼られた飾りを毎日見るはず。

お正月飾りと同じように、全員に気付かせること、それを常に共有すること、
設定した目標に向かって各自が努力すること、結果それが会社の成長につながること。
そのスキームの実現に対して、全力で向かうことを今年の自分の目標にしたいと思います。

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