Drake's ネクタイのオーダー

松本 知彦 for Private Time/2014.03.31/ファッションファッション

またちょっとマニアックな話題なのですが、ドレイクスという英国製のマフラーのブランドがあります。
まあ、知っている人は知っているブランドなのですが。

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僕はこのブランドのネクタイが好きなのです。
イタリア製の柔らかい生地と違って、シルク100%でもコシがあって堅く、タイの幅が少し細いのが自分の好みに合っているからですが、それだけではなくて英国製なのに珍しくトレンドもきちんと押さえられている、
流行とファクトリー生産の絶妙なバランスというのも好きな理由でした。

imgDrake’sのネクタイ、たくさん持ってますが、締め心地もいいですよ!

創業は比較的新しくて、1977年にロンドンで誕生したブランド。
創業者のマイケル・ドレイクは、自身のブランドを立ち上げる前はアクアスキュータムのデザイナーだった人です。
僕は最初マフラーではなく、ネクタイで知りました(ドレイクスのマフラーも持ってますが、)

そのマイケル・ドレイクスの息子が来日してのオーダー会があるという情報を聞いて、それは行かなければと。
本人に会ってみると、ゲイ?と思うくらい物腰の柔らかい気さくな人でした。
僕が今年ロンドン市内で開く予定の展覧会の話をしたら、それは絶対行くからと教えて欲しいと言って名刺をくれて、まあリップサービスでしょうけど、でも嬉しく本人との話は楽しいものでした。
一方で本題のネクタイは、日本に持って来た生地がベーシックなものしかなく、それはがっかりでしたね。。。
せっかくの機会なので作らなくてはいけないと思って、ベーシックなネクタイをオーダーしました。
ドレイクスは本来ペイズリーとかストライプとか、ベーシックな中にもキラッと光るおもしろいパターンがたくさんあるのに、なぜオーダー会には無難なビジネス仕様の生地ばかり持ってきたのかなあ。
オーダーこそ既成にないパターンを注文したいのに・・・
数字取るため?
それだけは残念でした。

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img箱と中の包装がカワイイ。

4ヶ月後注文が上がったという連絡を受けて、期待してなかったので何を注文したのかほとんど忘れている状態で取りに行くと、やっぱりわざわざオーダーしなくてもよいベーシックなネクタイがあがっていましたが笑、まあこれは記念イベントということで。汗

img1本のネクタイを作るのに4人が関わっているということですね。

ドレイクスはシャツやジャケットも作っているようですが、日本だと売っているお店は残念ながらないみたいですね。
本国のサイトに出ている画像を見ると、なかなかありそうでないスタイル、というか全身のコーディネートが自分好みで欲しくなっちゃいます。

ホリグチコーヒー 代々木上原 

松本 知彦 for Private Time/2014.03.24/食べる食べる

出ました。ホリグチコーヒー。
代々木上原にある今話題のお店です。

img新しいロゴは良し悪しで意見が分かれてますが僕は好きです

ここ数年、コーヒーが熱いですよね。
毎回書いちゃいますが、なぜいきなり今コーヒーなんですか?
アメリカからの流れ?
どうしてこんなに流行っているのか、理由が知りたいといつも思います。
3年くらい前、駅から離れた人通りのない商店街にこのお店ができたときは、なんでコーヒー?と思ったものです。
駅前には昔からのコーヒー豆専門店があったし、そんなに需要があるのかなあと感じてました。
お店には毎週人が集まって学校の授業みたいなことをやってたので、ショップなのかスクールなのか何だろう?と思っていたんですが。
あれよあれよと言う間に、伊勢丹や三越でも売られるようになって、、、、大ブレイクです。
いやあスゴイですね。
上原ってそんなお店が多いです。
ここでヒットすれば、さらに大きい市場で勝負ができる。
北欧からやってきて大ブレイク中のフグレントーキョー、代官山からやってきたローストワークス、そしてホリグチコーヒー。
これら話題の店が上原周辺に集まっています。

img店内にはカップがたくさん。店内でもコーヒー飲めます。

img見えにくいですが、下段に並んでるのが9種類のテイスト

ホリグチコーヒーは、ブレイク前はロゴも違ってたんですよ。
ロゴを変更したタイミングで、売っているコーヒーの種類も変えました。
今ではナンバリングされた9種類のテイストをベースに、ブレンドミックスも可能です。
売り方もブラッシュアップされているんでしょうね。
組織の成長に合わせて、ブランドを顧客にもっとダイレクトに伝えるために、売り物を変えて磨き上げているのです。

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img3番のブレンドは一番ノーマルな味。

実はスタッフにもらったバレンタインのチョコのお返しは、このホリグチコーヒーの豆と月兎印のポットのセットをあげたのでした。
どちらも今かなり支持されている商品、松本セレクトのセットなのです。
喜んでもらえたらと思います。

imgお店の外観はこんな感じ。

リンタロの展覧会

松本 知彦 for Private Time/2014.03.20/私の履歴書私の履歴書

今年の始めに、自分が小学校から23年間、ずっと作って来た年賀状の木版画を紹介しました。
今回はそれと関連する記事です。
去年、リンタロの通う小学校の体育館で、全校生徒の図画工作と家庭科の作品を集めた展覧会が開かれました。
そこで見たもの、それが印象的だったので紹介します。

img展示は体育館で開かれました

作品には複数のカテゴリーがあって、与えられたテーマに沿って、各自が自由に制作した作品が展示されていました。
まず、図工の工作作品から。
与えられたテーマは本棚だったようです。
やっぱりリンタロ、自分の好きなものズバリの名前をつけて、作品を作ってました。
以前にも書きましたが、リンタロは伊坂幸太郎がホントに好きなのです。(最近は星新一も加わってきたようですが、、、)
伊坂幸太郎専用の本棚とは、、笑
そりゃ同級生と話が合わないわけだよ、、、と思うのですが。汗
今って昔より使う木材が薄いんですね、僕らの時はもっとゴツい木で作った気がします。

img好きなのは知ってましたけど、ここまでとはねえ。マニアです。

次に15年後の自分にメッセージを伝える、という展示がありました。
今12歳の自分が、27歳になった自分へ書いた手紙です。
そこには驚くべきことが書かれおり・・・・
デザイナーになっている????
何年か前、リンタロと将来何になりたいか?という話をしていたとき、彼からは明確な職業は出なかった。
で、「絵がいくらうまく描けるようになっても、将来何の役にも立たないでしょ?」と言われて、、、それに対して僕はすぐに明確な返答ができませんでした。
詰まってしまった。。
自分を振り返って、確かに絵だけがうまくなってそれを職業にしたとしても生活は苦しいかもしれない。
実際自分の父親がそうだったじゃないか、と。
でも美術じゃなくても何でもいいから、自分の好きなことをやって欲しい、そんな思いがありました。
その後どういう心境の変化が彼に起きたのかはわかりませんが、デザイナーになっている、と書いてある。
いえ、デザイナーになっていなくても、将来自分が満足できる仕事に就いていてくれ、と書いてある。
これは彼の願いなのだと思います。
そしてその理由について、そうすればラッシュライフが送れるから、と結んでいます。

img子供の簡単な文章に思えますが、これがなかなか深いのです。

img文章には絵もついてました。

ラッシュライフ・・・?
何だろう?
そう思ってネットで調べてみると、これも伊坂幸太郎の本でした。
伊坂幸太郎らしく、ジョン・コルトレーンの曲名を本のタイトルにしているようです。
その意味は「Lush Life/豊潤なる人生」
なるほどねえ、、、
自分が満足できる職業に就けば豊潤な人生が送れる、ってことか。。
文章に大人みたいな伏線入れるなよ 笑
でも小学生の書いた文章にしては深いなあと思いましたねぇ。

img版画の課題は写楽になぞらえた自画像です。

最後に、版画の作品がありました。
ここで驚くべきクオリティを目にするのです。笑
版画のテーマは、浮世絵de自画像というもの。
江戸の浮世絵師、写楽の版画をモチーフに、今自分が好きなことを表現するという課題だったようです。
貼られている子供たちの作品を見るなり、一発でリンタロの作品がわかりました。
クリソツなんです笑

imgたくさんの作品が展示されてましたが、リンタロのは1発でわかりました。

imgこれ版画なんですが、本人にクリソツです・・・・

本と音楽が好きなリンタロは、ここでも伊坂幸太郎の本と、誕生日に買ってあげたiPODを加えています。
本、音楽、アートという彼の好きな3つのすべてがここに凝縮されてるんですね。
これが版画っていうのが、なかなか味わい深い作品でした。
リンタロは将来どうなっていくのだろうか?

ロオジエ 銀座 

松本 知彦 for Private Time/2014.03.19/食べる食べる

銀座つながりということで、前回に続き銀座ネタです。
ここは、、、、、知っている人は知っている、あの場所です。
そう、有名なあの場所。

imgみなさん知っているあのお店

資生堂銀座ビル改装のために1度クローズしましたが、最近2年半ぶりにオープンしました。
改装前に来たことはないので以前の内装はわかりませんが、外装はファサードが変わって現代的になりました。
エントランスから入って、劇場のような回遊型の階段を下りて、レストランフロアに至ります。

imgカルティエみたいなカラーとデザイン。フランス人デザイナーだから?

訪れて思うのは、やっぱり銀座ってこと。
来ているのは大人の方ばかり。
でも隣のテーブルには、40代の男性にエスコートされた20代前半の女子。
いったいどういうシチュエーションで、この2人がここへ来るのでしょうね。
誘ったのは明らかに男子だと思いますが、20歳そこそこの女子はここへ来て楽しいのかなあ。
男子は相当に気合いが入ってるのだろうか?
会社の部下ではなさそうだし、いったいどういうカップルでどの程度の親密度なのだろう?
そしてこの店を出たらどこへ行くのだろう?
そんな下世話なことばっかりが気になってしまいました。笑

img最後のデザートです。

味やメニューの内容はここには書きません。
そんなことを書くのは野暮だと思うので。
ミシュラン3年連続三つ星の味を堪能されたい方は、是非行ってみてください。
館内は撮影禁止です。
どうしても料理を撮影したい人は、誰もいない別室にお皿を持っていって撮影するルールになっています。
僕らは最後の客だったのでお願いして許してもらいました。

そして、遠くのテーブルには食べた後に席で寝てしまった女子が。
酔っぱらってしまって何度起こされても起きません。
驚くべきことに40代とおぼしき女子は、一人でだけで夕食を取り、ワインを飲んでいるのです。
女子1人で、しかも酔ってぐだぐだになるという、、、、これもいったいどういうことなのでしょう?
つらいことでもあったのかな。
でも一人でこの店に入って、夕食を取るというのは尋常じゃないと思うのです・・・
フランス人のスタッフに何度も起こされてましたけど、これが起きない笑

色々な意味で楽しかった、おいしかった、不思議だった、晩でした。

銀座のサヱグサ 創業145年

松本 知彦 for Private Time/2014.03.17/仕事仕事

うちの会社のクライアントで、明治から続く老舗子供服ブランド、銀座のサヱグサさんがいます。
先月、そのサヱグサさんから招待状をいただいたので、レセプションパーティに行ってきました。

img帰りにお菓子をいただきました。

何のレセプションか?
これがなんと創業145周年のパーティでした。
145周年って・・・・すごくないですか?
僕は知らないのですが、こんなに長い歴史を持つアパレルの会社は他にあるのでしょうか。
5年後には創業150周年のパーティが控えているのですね。
いやあ、すごい。

imgサヱグサ145thオリジナルパッケージになっています。

img個包装のパッケージデザインが相当にカッコいいです。

img中身もおいしく資生堂パーラーで買いたくなりました。

会場では資生堂パーラーのケータリングが振る舞われていましたが、おみやげにいただいたのも資生堂パーラーのお菓子でした。
箱のフタがサヱグサアニバーサリー仕様になっています。
オリジナルで作られたようです。
お菓子の箱に貼られているグラフィックと、インビテーションカードのデザインを揃えてたんですね。

箱を開けると個包装されたチョコレートウエハースが入っているのですが、このパッケージが可愛い。
通常、資生堂パーラーで普通に売られているデザインだと思います。
この個包装の色を見てから、それに合わせて箱に貼られているグラフィックを考えたのでしょうね、きっと。
でもフォントが揃っているから、仲條さんにデザインを頼んだのかな??
個包装のパッケージデザインは多分仲條さんだと思うのですが、色も書体もお菓子らしからぬ斬新さで、心惹かれるものがあります。
そして味もおいしい。

チョコレートの他にもう1つ、145周年の記念マウスパットをいただきました。
子供服ブランドらしいデザインです。
でも本革。

imgオリジナルマウスパッドもいただきました。

サヱグサさんありがとうございました。
150年に向けて、いえ200年に向けて、さらに飛躍していただきたいです。

COMPLETE WORKS / 青木淳

松本 知彦 for Private Time/2014.03.12/本

最近この先生の名前もあまり聞かなくなりましたね。
というか熱烈な建築ブームが去って、市場は変わりました。
狂ったようにファッション企業が次々と有名建築家に自社ビルやブティックの建設を依頼するブームは去りました。

img全37作品、220枚を超えるカラー写真で構成

この作品集を買ったのも建築ブームの時でした。
スイスからやってきたヘルツォークが手掛けたプラダ、妹島和世+西沢立衛によるSANAAのディオール、伊東豊雄のトッズ、黒川紀章の日本看護協会ビル、隈研吾のLVMH、オランダの建築ユニットMVRDVのジャイル、そして安藤忠雄の表参道ヒルズ、2,3年の間に表参道はあっと言う間に建築ストリートになってしまった。
その中の1つ、ルイヴィトン表参道のコンペを勝ち抜いた青木淳先生は、華々しくヒーロー建築家としてフロントラインに出てきました。
この本を買った理由も、ルイヴィトン表参道のコンペを獲った時の提案書が限定の付録としてついていたからでした。
メディアもこぞって取り上げて取材記事を掲載していたのに、今建築家を掲載する記事はほとんどありません。
東京オリンピックの競技場の設計コンペで1位を獲ったザッハ・ハディットの話題すら雑誌にほとんど出てきませんからね。
建築よりも取り上げられるのは、建設にかかる気の遠くなる予算のことばかり。
もう建築と社会の幸せな、人々を建築で魅了してワクワクさせるような関係は終わってしまったんでしょうか?
そもそも最初からそんなものなかったんでしょうかね。

imgルイヴィトン表参道は、積み重ねたトランクがコンセプト。

僕は商業施設よりも住宅のプロジェクトの方に興味があります。
1人の施主の要望に耳を傾け、その課題をどのように解決して建築を成立させるかという明確な主題があるからです。
どのくらいの初期投資でその後の回収が可能か、という商業建築の考え方と決定的に異なる点でしょう。
住宅は建築を消費の仕掛けに利用していないからおもしろいのです。
青木淳先生の作品もそうで、三角形の敷地に建つ住宅や波板ガラスを外皮として採用した住宅建築が好きです。

青木淳先生は有名建築家の登竜門、磯崎新のアトリエ出身。
丹下健三、磯崎新という東大建築家直系の系譜にあります。
医者もそうですが、建築家もデビューする上で、こうした出身大学=学閥がかなり重要なのです。
そういう派閥の考え方はまったく好きじゃないですが、建築家の作品が卒業した大学によってある傾向があるのは見ていておもしろいです。

img青木先生による青森県立美術館

建築が現代美術に接近していったのもこの頃でしたね。
青木淳先生はこのあと青森県立美術館の設計コンペで1位を獲得、新潟のビエンナーレなどに参加していくのです。(2位を獲った藤本壮介にも相当な注目が集まりました。)
そして自らも現代美術のキュレーターの女性と再婚(以前の奥さんは、ドコモのiMODEを発明した人だったと思います)
あれからさらに社会は複雑になった気がします。
そうした社会状況を背景に、建築表現は次の世代へ、青木淳の弟子の乾久美子、隈研吾の弟子の中村拓志、伊東豊雄の弟子のヨコミゾマコトたちにバトンは渡されていったのでした。

代々木上原 建築ラッシュ

松本 知彦 for Private Time/2014.03.11/東京東京

最近、代々木上原の住宅エリアでは、建築現場をいくつか見つけることができます。
これって消費税が上がる前に家を建てちゃおうってことなんだと思います。
その中でもカッコいい家がありました。

img角地にできたカッコいい住宅

imgこのミラーガラスの向こうに本来の窓があります。

imgここは駐車場。単純なボックスの意匠は潔くてよいですね

この角はずっと更地だったのですが、最近気が付いたら家が建ってました。
コンクリート打ちっぱなしと反射ガラスの外観。
写真だとわかりにくいと思いますが、反射ガラスの内側には吹き抜けの中庭があります。
なので、反射ガラスの向こうに、屋外と室内を遮る本来の窓がある、というプランになってます。
最近の建築は、建ぺい率や容積率だけでなく、以前はなかった天空率という法的規制が加えられ、特に両側を道路に挟まれた角地は、これによってかなりの制限を受けるのですが、こんな道路ギリギリから垂直に壁を立ち上げても法律に触れてないようですね。
飾りのないシンプルなボックスのデザインがカッコいいです。
建築事務所はバケラッタです。(Q太郎の弟とは関係ないです・一応)

img表参道のLVMHビルのような住宅は隈研吾先生によるもの

imgこれまたすぐ近くにある住宅。敷地がでかい。

この住宅から1分もしないところに、以前紹介した隈研吾が設計を手掛けたルーバーの住宅があります。
そしてさらに近くに、建築家は誰か忘れちゃったけど、以前モダンリビングで紹介されていた「山」という名前の住宅もあります。
どちらもかなり土地面積が広いですが、設計を住宅メーカーに頼まなかったというのはいい選択ですね。
それ以外にも、大規模マンションが建築中だったり、戸建てが建築途中だったり、これも消費税のせいでしょうか?
それとも景気がよくなっているのかな。
体感できないけど。。

img井の頭通り沿いにあってベタベタの外観が目立つ

img坂茂先生設計で完成当初はこんな感じでした。

一方で残念な例もあります。
1994年に坂茂の設計で、代々木上原の井の頭通り沿いに建てられたギャラリーなんですが・・・・
今では悲しいことに。
ポンピドゥーセンターの分館を設計した建築家の建築が今はこんな状況です。
施主が変われば使い方も変わる。
建物が売られてしまえば、あるいは借り手が変われば、建築家の意図や建物のコンセプトはまったく関係ないのです。
しかし、こんなにシールをベタベタ貼られると町の景観も悪くなるし、悲しい限りです。
コンビニでもないのだから、他にやり方あるのじゃないかと思いますが、入っているのは不動産屋という、、、、建築の魅力を引き出して紹介する仕事に携わる会社というのがなんとも皮肉ですね。

新橋 昭和の建築

松本 知彦 for Private Time/2014.03.06/東京東京

最近、仕事で新橋に行く機会があります。
新橋は数少ない昭和の面影を残す街。
興味深い建築がたくさんあります。

img新橋駅の真ん前にあるビル。1号館と2号館があります。

クライアントの企業は新橋駅前ビルという名前の、オフィスと飲食のテナントがたくさん入っている複合ビルの中にあります。
地下鉄銀座線から地上に出なくても、改札口を出て地下から直接アクセスできるビルです。
竣工は昭和41年(1966年)ですから、今から50年くらい前に建った建物ですね。
外観は一言で言うと、ウルトラセブン笑
あの頃に考えられた未来的なディテール(ウルトラセブンもそうですが)をあちこちに感じることができます。
当時は低層階が飲食で、その上がオフィス、しかも地下鉄から直結する複合ビルはまだ珍しかったことでしょう。
今で言う、丸ビルや六本木ヒルズみたいな感じでしょうか。

img新橋駅前ビルの1階。当時は最先端のデザインだったでしょう。

以前は受付嬢がいたと思われる大理石のカウンター、団地によく見られるような郵便受けの集合ボックスなど、今ではあまり見られなくなったものが見られます。
入ってる飲食店がかなり昭和です(たぶん当時のまま営業している)。

そのビルを出て少し歩いたところにあるのが、丹下健三が1967年に設計した「静岡新聞・静岡放送東京支社」のビルです。
70年代に一世を風靡したロンドンの建築集団アーキグラムからの影響を受けつつ、日本でも丹下健三、菊竹清訓などの建築家がこぞって唱えたメタボリズムの思想に基づいて建てられた建築です。
都市は細胞の新陳代謝のように代替え可能なユニットで構成できるというもの。
このビルも上降機能がある1本の柱をコアに、1つ1つの部屋がジョイントされたような構造を持っています。
柱に部屋を取り付けたような構造。
今は亡き菊竹さんが設計した建築で、上野の不忍池の脇にあったホテルを思い起こさせます。
以前このブログでも紹介しましたけれど、僕はこのホテルのデザインが好きでした。

img遠くから見てもすぐわかる丹下健三先生設計のビル。

img1階のエントランス脇に小さなプールがあるのが可愛い。

img構造は同じメタボリズム建築で有名な以前上野にあったホテルにそっくり。

もう少し汐留方面に歩くと、同じくメタボリズムの思想を代表する1970年に建てられた建築、黒川紀章の最高傑作でもある「中銀カプセルタワー」があります。
このビル、すべての部屋の家具がユニットになっていて、理論上はこの部屋のユニットをボックスごと付け替えられるように設計されています。
入ったことはないですが、作られた当初のインテリアはかなりカッコいい。
2001年宇宙の旅みたいです。
以前、取り壊されるという話もありましたが、この建築は残して欲しいですね。
5年くらい前まで、ユニット単位で分譲していましたが、今でも継続して販売しているのかな。
オーナーの中には独自にリノベしている人もいるようです。

img黒川紀章の傑作「中銀カプセルタワー」

imgできた当初のカプセル内のインテリアは超カッコいい。

これらの建築は名作だと思いますが、いつかは壊される運命にあります。
特に日本では、スクラップ&ビルトが良しとされるカルチャー。
今の国立競技場をリノベして使うことを考慮する以前に、巨額の資金を投じてザッハ・ハディットの新競技場をまた作ろうとしています。
経済的観点だけですべてを判断せず、せめて名作と言われる建築は残しておいて欲しいものです。

都立大学 NO NAME PARISH

松本 知彦 for Private Time/2014.03.05/インテリアインテリア

以前、digで大手アパレル企業のコーポレートサイトとECサイトの2つを同時に構築する、というプロジェクトのお手伝いさせてもらったことがあります。
日本のアパレル業界の中では、売り上げが上から20位以内に入る企業なので、規模もそこそこ大きく、作る途中にも難関が待ち受けていたけれど、何とか無事リリースすることができました。
あれから10年くらい経ちますが、その企業とは今でも変わらずお付き合いさせていただいています。

imgこちらも例に漏れず、わかりにくい場所にあります。

プロジェクトを進める中で、先方の担当者の方とも仲良くなりました。
ECサイトの構築で、その方にはとってもお世話になりましたが、リリース後しばらくしてその企業を退職されました。
以後お会いする機会もなかったのですが、3年くらい前に突然彼女から連絡があり、何かと思ったら、なんでも旦那さんが新しく家具屋をオープンさせるとのこと。
最初は聞いてちょっとびっくりしました。
家具屋に勤務されていて独立というわけでもないらしく、海外からの仕入れから販売、リペアまで一人でやられると聞いて、チャレンジングだなあという驚きでした。

その後、お店を無事にオープンされたようですが、なかなか行く機会がなく、そのことが気になっていたんです。
つい最近、たまたまお店の近くに行く用事があったので、これはいい機会とばかり、そのお店に寄ってみました。

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img北欧だけど、ぬるくなくてスタイリッシュ。

これがですねえ、カッコいいんですよ。
中目黒のハイクをはじめ、北欧ヴィンテージの家具屋はたくさんありますが、それとは微妙に異なる視点を持つ、僕にとっては新しさを感じるお店でした。
北欧の家具屋はやっぱり北欧だけ(当り前ですけど 笑)、家でパンを作っている雑貨好きの女子が好きなテイストの延長線上にあると思います(←めっちゃ偏見)
前述のハイクは男っぽいですが、多くの北欧家具屋が女子テイスト、雑貨寄りに商品を振っているのはそういう理由なのだと思います。
やっぱり北欧とか1つのスタイルに固定すると、扱う家具も小物のテイストも絞られちゃう印象があります。

img飾ってあるフレームのタイポグラフィがカッコいいです。

でもこの家具屋は、なぜか新鮮。
そして男っぽさもあります。
なぜなのかなぁと思って見ていくと、仕入れ先が英国なのです。
どうりでタイポグラフィーのポスターとか、デザインされたカッコよさがあるはずです。
北欧のお店だと、セキユリヲ的な?マリメッコの生地的な?グラフィック展示になりますからね。
扱っている家具の材質はチークがメインで一見すると北欧なのですが、輸入元は英国。
60年代の北欧って根底にはモダニズムが流れていて、ウェグナーとかスキッとカッコいいんですが、ここの家具もそんなことを感じさせてくれます。
まあ、男っぽいってことでしょうかね。

お店は天井を抜いていて、ケーススタディハウスのような軽量鉄骨むき出しの建築構造で、よい雰囲気。
内装業に就いている兄弟や親戚に手伝ってもらって自分で改装されたとのこと、すごいですね、やっぱり一人でやられているだけあってガッツがあります。笑

青山にあるロイズアンティークも英国専門ですが、今は少量ながら北欧家具も扱っています。
このお店も英国経由の北欧家具、ロイズアンティークにあるヘンテコな(英国らしい??)家具や甘いテイストの家具(ビューロー的な?)を除いた、デザイン性が高いものだけを、選りすぐって集めたお店のような印象です。
単にヴィンテージだけが好きな人向けのお店ではなくて、デザイン好き、スタイル好きな人にはぴったりのお店だと思います。
価格もとても良心的。
ありそうであんまりないお店。
近くに行った際には、ぜひ立ち寄ってみてください。

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