いつ見ても何度も溜息の出るクリエイティブワーク

松本 知彦 for Private Time/2015.05.27/仕事仕事

先日このブログで、Didot(ディド)という書体を使って、ラグジュアリーなファッションの分野でデザインの基礎を作ったアートディレクター、ファビアン・バロンの話をしました。
VOGUE、Harper's BAZAARなどのファッション誌で見せた彼の仕事は、本当に素晴らしいものでした。
ラグジュアリーなファッションの分野では、彼の影響を受けたデザインアプローチが続いており、たくさんのフォロワーが今も後を絶ちません。

imgルウ・ドーフスマンと言えばCBSでの仕事

今日は、ファビアン・バロンと同じくDidot(ディド)という書体を使って、世の中に素晴らしい仕事を残したクリエイティブディレクターの話をしたいと思います。
それはルウ・ドーフスマンという人。
以前このブログでも紹介しましたね。
大御所、亀倉雄策は彼についてこう語っています。
「作品というものは突き詰めれば人間性だと思う。 ルウ・ドーフスマンのデザインがその人間性を高くうたい上げていることに、私は感動しているのだ」
同じく田中一光先生もこのように言っています。
「ルウ・ドーフスマンのデザインや広告には、生々とした、洒落たマンハッタンが浮かぶ。
まるで、映画のジャック・レモンやシャーリー・マクレーンが声を掛けてくれるような、ニューヨークの臭いが漂っている」
このように大御所たちを唸らせる彼のデザインとはどんなものだったのでしょうか。

img並んだ本のように組んだタイポグラフィ。ウィットがあって洒落てます。1961年

imgこちらも1961年の広告。競合のテレビ局NBC、ABCより、もっともコメディ番組が面白いのはCBSだという広告。洒落ているのにカッコいい。タイポグラフィーも秀逸。

imgこちらもラジオを聞きましょうというコンセプトの広告。Didot使ってます。

ルウ・ドーフスマンは、アメリカの大手テレビ局ネットワークCBSの副社長であると同時に、クリエイティブディレクターを40年間務めた人。
長年に渡って同社の企業イメージを創り上げてきた人なのです。
特に同社において1960年代~70年代にドーフスマンが手掛けた自社広告の仕事は素晴らしい。
印刷、TVCM、パッケージ、フィルムタイトル、装丁、DMなどの分野でニューヨーク・アートディレクターズクラブから13の金メダル、23の栄誉賞が贈られています。
その特徴は、簡潔なコピーとシンプルなビジュアルにあります。
極めてシンプルで明快な表現なのに、見る人を唸らせる力がある。
余計なものを削ぎ落とした表現は、深い思考から生まれていることを感じさせるデザインなのです。
英語がわからない日本人でもビジュアルを見れば、何を言いたいのか伝わってきます。
毎回、いつ何度見ても、そこには新しい発見があり、何度もため息が出てしまう。
自分にとって、バイブルのような仕事です。

imgドーフスマンが手掛けた書体「CBS Didot」

img「CBS Didot」を使ったビルのサイン、エレベータホールから時計まで。

彼の仕事の集大成は1966年に完成したCBSの本社ビルでしょう。
建築はエーロ・サーリネン、インテリアデザインはイサム・ノグチ、トータルのクリエイティブディレクションはルウ・ドーフスマンという、巨匠たちの夢のようなタッグによってビルは完成します。
ここでドーフスマンは、フリーマン・クロウに依頼して作った書体「CBS Didot」をビルのあらゆるところで使いました。
現代ではそれほど珍しいことではなくなりましたが、このように建物を含むトータルな企業ブランディングを創り上げた事例は、1966年以前ほとんどなかったのではないでしょうか。
まさに歴史的なコーポレートブランディングの起点なのです。

imgコンピュータがないので全部手描きです。でもこういうプロセスが重要。

ビルの1階カフェテリアの壁面にある、1450以上の文字で食べ物の単語を並べた10メートルにも及ぶタイポグラフィの作品は圧巻です。
この時代、当然コンピュータなどありませんから、アイデアはすべて手描き・・・
このタイポグラフィの作品を復刻させるプロジェクトが始まった矢先の2008年10月28日、ドーフスマンは90歳で亡くなってしまいました。
天才的な表現者でありながら、会社の経営者であり、鋭い嗅覚とディレクションの力を持っている。
こういう人に僕もなりたい。。。

以前ヴィンテージショップで彼の作品集の初版を見つけて購入しましたが、もう1冊、アポロ13号の月面着陸をテーマにした「ムーンブック」という本が有名です。
こっちはさらに高くて、、、、でも今度見つけたら気合いを入れて買いたいなあと思ってます。

imgこのオジさんがルウ・ドーフスマンご本人。

鵜の木 印刷のI-RO-HAフェスタ

松本 知彦 for Private Time/2015.05.20/東京東京

このイベントに行くのは今年で2回目。
ワークショップがメインですが。すごく楽しく、ためになるオススメのイベントです。
去年は寒い冬でしたが、今年は比較的暖かい先月の土日での開催でした。
場所は東急多摩川線の鵜の木という場所。

img印刷のワークショップってありそうでそんなにないです。

鵜の木という駅、うちからだと結構遠くて、このイベントがなければ絶対に行かない場所ですが、エライ昭和な雰囲気漂う街なのですね。
東急多摩川線という電車にも、イベントに行くために生まれて初めて乗りましたが、3両編成で、かなりローカル色が濃い。
合わせて駅前もかなり、郊外の私鉄沿線な感じです。
降りたら、目の前はたい焼き屋ですからね。
いい感じです。
大田区ってこんな感じなのですね。

img鵜の木って昭和な街なんですね。

去年はすごい人でしたけど、今年は去年より人が少なくてゆったり見られました。
印刷会社の金羊社と活版印刷のオールライト工房が共催するイベントで、印刷に関する色々なワークショップが開かれています。
印刷・加工体験コーナーでは、カレンダーや封筒作り、和綴じ製本、フォント作成が体験できるほか、活版印刷機の実演、トークショーなども開催。
自分はデザインや印刷関連の職業に携わってないからあまり、、、と思うかもしれませんが、まったくそんなことはなくて、誰でも充分に楽しめる内容です。
いくつか紹介しますね。

去年は自分でノートを作るワークショップがメインでしたが、今年はカレンダー作りでした。
10工程くらいに作業が分かれていて、それぞれのブースでシルクスクリーンや箔押しなど、実際に機械を触りながら自分で体験できるっていうのが魅力です。
しかもその機械は、今あまり見られなくなった古い印刷機械。
それ以外にも、昨年も開催していた封筒作りや和綴じのワークショップ、自分で作るオリジナル書体づくり、活版印刷体験など。
どれも勉強になります。
小ロットの絵本や文房具、アート作品なども販売されていました。

img上から丁合、シルクスクリーン、エンボス、箔押し。自分でやります。

img製本(鳩目/ゴム)、製本(リング)、製本の工程。こちらも自分で。

imgそして完成です。

img去年の同じイベントで作ったノートと封筒。

img鉛の活字を使ったワークショップもあります。貴重。

先日ブログにアップしたチョークアートに関する記事の中で、100年前の技術が現在アートとして見直されているという件について書きましたが、このイベントもそれに近いものがあります。
その魅力は、最終成果物のクオリティが一定ではないということ。
1点1点が予想できないユニーク(別々)な結論になるということですね。
きっと均一化されたデジタルからの反動でしょう。
忘れ去られたアナログの技術に人々は制作現場のリアリティを、時にはノスタルジーな魅力を感じている。
デジタルを駆使したチームラボのイベントにたくさんの人が集まるのと同時に、こうしたイベントにも多くの人が集まるという、不思議な時代になっていますね。
でも考えてみたら、プロセスにデジタルという手段を使っていても、どちらも計算では導き出せない結果、数値化できない結論(驚き、感性、現場でのハプニング)があり、そうしたヒューマンなものに人々は魅かれているのかもしれませんね。

録画してでも見たいTV番組

松本 知彦 for Private Time/2015.05.18/映画映画

皆さん、テレビ見てますか?
生活の中でテレビを見る時間は、以前に比べて相当に減ってしまっていると思います。
ドラマもつまらないし、内容の薄いバラエティばかりで面白い番組がほとんどないですからね。

img数少ないおもしろいTV番組

そこ行くとアメリカは、CSで面白い番組をたくさん作っていて日本と全然違うなあと思います。
TVドラマが映画レベルで面白い。
だからレンタルショップで、アメリカのTVドラマのコーナーがどんどん広くなってますよね。
日本のテレビって録画してまで見たい番組がほとんどないので、このまま行くとコンテンツ配信の場ではなく、ただの宣伝の媒体になっちゃいそうですね。
半沢直樹レベルのドラマってあんまりないし。

さてそんな中で、いま面白いと感じる数少ない番組を紹介します。
散々日本のTVの悪口言っておきながら、僕の好きな番組って「サンデージャポン」とか「誰にも言わんとい亭」とか下世話なものばかりなんですけど、、、笑
「YOUは何しにニッポンへ」「2355」「ぶらタモリ」など面白学習的なのも好きですが。

img今熱い「宇宙人総理」

img石橋杏奈ちゃんは可愛いです

今マイブームは「LIFE 人生に捧げるコント」という番組。
毎週木曜の夜10時にNHKでやってます。
僕はドリフ世代なので、漫才とかお笑いバラエティより、ドラマの要素が強い、ストーリーの練られたコントが好きなのです。
ドリフもバカ殿もストーリーコントですが、今はそういう番組少ない気がします。
数字が取れないのかなあ。
NHKは視聴率関係ないので、逆に面白いものが作れるのかもしれません。
以前、同じNHKで「サラリーマンNEO」という番組があって、それも似たようなドラマ仕立てのコントだったけれど面白かった。
この「LIFE 人生に捧げるコント」も「サラリーマンNEO」のスタッフたちが作ってます。
現在放映しているのはシーズン3。
関係ないけど、シーズン1から出てる石橋杏奈ちゃんは可愛いです、ホントに関係ないけど。笑
過去のシーズンは、どれもDVDになっていないので(NHKだから?)、このシーズン3もDVDにはならないでしょう。
だからテレビで見るしかないです。
僕は録画して見てます。
インテリジェンスも感じさせる面白いコントですから、見てみてください。
番組の中でシリーズキャラが出てくるのですが、今は「宇宙人総理」がメインです。
僕は「どうしてやろか妖怪」やキャッツアイをパクッた「カッツアイ」、「プラス車掌」、極度に緊張すると下ネタを言ってしまうアナウンサーの「我慢の男」シリーズが好きです。
しかしNHKも下ネタのオンエアOKになったんですね。
これにはびっくりです。

img下世話な番組だけど好きです。

img

img見るべきは片岡愛之助の切れた演技です。

もう1つはストレートな下世話モノで、テレ東の深夜にやってる「ラブ理論」。
大学に通うため茨城から東京に出てきた男子が女子にモテたい一身で、恋愛理論を学んで好きな女子を落とすというバカバカしいドラマです。
毎週月曜の深夜12時にやってます。
同じテレ東で深夜にやってた「モテキ」と同じ枠でしょう。
片岡愛之助の演技がいいです。
こっちはDVDでの発売が決まってますが、借りて見るほどの内容ではないので、テレビで見てください 笑
録画して見るほどでもないです 笑

やっぱり好きな番組は、自然とNHKとテレ東になっちゃうんですよね。

バイタミックスの季節がやってきました!

松本 知彦 for Private Time/2015.05.14/食べる食べる

出ました!
泣く子も黙るバイタミックスです。
この季節はやっぱりスムージーですね!って書いてる自分がかなり恥ずかしいのですけど・・・汗

img色々入れてスイッチ入れるだけの簡単なシステム。

好き嫌いは別として、よくも悪くも流行っているものには真理がある、と常に思っている自分ですが、これだけストレートに流行っているものを自ら紹介するのは若干照れがありますね、ハイ。
松本家にバイタミックスが導入されたのは今から3年前。
スムージーを家でも飲みましょうという奥さんからの提案でした。
アメリカ、オーガニック、海、健康、LAファッション、
もっと言っちゃうと、マラソン、ワイハ、朝食、ヨガ、スマイル、美容、セレブなどなど 笑
アメリカ製のバイタミックスは、今流行しているそれら全部をひっくるめたライフスタイルを送りたい人にぴったりの製品です。(ってかなりの偏見 笑)
別に自分は、ロンハーマンのジャージ着て、毎朝走って週末はサーフィン、LA大好き、みたいなライフスタイルじゃないのですけど(むしろ正反対)、うちにも導入されました。

imgアメリカ製だけあって、GEにも通じる大味なデザイン。

imgアイスクリームとかスープも作れるらしいです。かき氷も?

バイタミックス?何それ?ミキサーと何が違うの?っていう人のためにちょっとだけ紹介します。
僕も最初そう思ってました。
今も全然詳しくないですけど。
バイタミックスは1921年にアメリカのクリーブランドで創業された家電メーカー。
プロの料理人やレストラン向けの製品がメインでしたが、近年急速に家庭にも浸透してきました。
背景にはオーガニック、ローフードなどアメリカ人の健康志向ブームがあると思います。
その流れが日本にも上陸してきて、バイタミックスも注目を浴びるようになりました。

imgパセリのせいでグリーンですね。

バイタミックスのマシンには「混ぜる」「潰す」「刻む」「砕く」「加熱」「冷却」「挽く」「撹拌」の8種類の機能があります。
これをすべて使いこなしている人はスゴイですが、うちではスムージーを作る時しか使っていません。
サイトを見ると、強力モーターのパワーで、特殊ステンレスブレードがコンテナ内の材料を細かく粉砕。
硬い氷も数秒で粉砕可能。
刃こぼれ、摩耗がないので耐久性も非常に優れています。とのこと。
詳しい人に聞くと、野菜の粉砕力が他のミキサーより秀でているらしく、バイタミックスで作ったスムージーは他のマシンで作ったものより、はるかにスムースな状態までに粉砕されているらしいです。
飲み慣れている人は飲んだだけでわかるみたいっすよ。
自分はこの分野に詳しくないので、全然言及できませんが。汗

imgできあがったら本体からコンテナを取り外してコップに入れるだけ。

img食感はネクターですね。

問題は、、、砕いた野菜がスムースかどうかではなくて、味ですね 笑
健康的だとはいえ、スムージーってそんなにおいしくないです。
入れるものにもよるとは思いますが。。
まあ、野菜をバリバリ食べるよりは、はるかに容易に同じ栄養分の取得ができるので、お手軽でいいですけどね。
今日のスムージーは、キウイ2個、ピンクグレープフルーツまるごと1個、バナナ1本、パセリ3、4本でした。
まあ、これだけのフルーツと緑黄野菜を一日で食べることはまずないですからね、便利ではあります。
しかし子供の頃、ネクターが嫌いだった自分にとって、スムージーのどろどろとした食感はどうもあんまり好きにはなれず・・・・
青汁みたいに健康とは、おいしくないことがつきものなのでしょうか。

ハイブランドに共通するグラフィックデザイン

松本 知彦 for Private Time/2015.05.12/クリエータークリエーター

今の世の中、ライフスタイル、ファッション、インテリア、どの分野においてもリラックス、同時にクラシック回帰がトレンドですが、そんな中今は勢いが衰えてしまったようにも思えるモード系のデザインについて、あえて今日は話したいと思います。
モード系のラグジュアリーファッションのグラフィックと言えば、すぐに思い浮かぶのがVOGUE、ELLE、Harper's BAZAARなどの洋雑誌でしょう。
これらの雑誌を検証すると、いくつかの共通点があることに気が付きます。

imgこの2誌はタイトルに同じ書体を使っています。

まず雑誌の冠となっている雑誌名の書体です。
ELLEのタイトルはセリフ系(たぶんBodoni)で見出しはFUTURAで統一されていますが、VOGUE、Harper’s BAZAARのタイトルには同じDidot(ディド)という書体が使われています。
似た書体にBodoniがありますが、それよりも横ラインがさらに細く、洗練された印象の書体。
このDidot(ディド)は、フランスのフェルミン・ディド(1764-1836)によって作られた書体ですが、アルマーニのブランドロゴをはじめ、ラグジュアリー系のファッションデザインには必ずと言っていいほど登場する書体。
フェミニンで高級感があるデザインに用いられることが多いです。
たとえば、ラグジュアリー系のファッションを扱うセレクト系のオンラインストアNet a porter。
そしてファストなのに、著名モデルを起用してラグジュアリーなアプローチをしているH&Mのカタログにも多く登場しています。

imgそれはDidot(ディド)というフランス生まれの書体。

imgH&MのカタログにもこのDidotが多く使われています。

こうした定番とも言える、モードファッションにおけるお約束のデザインセオリーはいつくらいから登場したのでしょう?
その系譜を調べていくと、Fabien Baron(ファビアン・バロン)に行き着くはずです。
彼を避けては通れません。
ファビアン・バロンは1992年から1999年までアメリカ版Harper’s BAZAARのアートディレクターを務め、一躍注目されました。
Didot(ディド)が使われている雑誌タイトルのタイポグラフィも彼の仕事です。
アレクセイ・ブロドヴィッチがアートディレクションを手掛けた1930~50年代のHarper’s BAZAARは、ファッション誌のスタイルとデザインに革命を起こしたとも言われますが、彼が去ったあと平凡なファッション誌に成り下がってしまったHarper’s BAZAARを90年代に再び黄金期に導いたのがファビアン・バロンでした。
その特徴は大胆なタイポグラフィと構図、そしてケイト・モスを多く起用した一流カメラマンによるシンボリックな写真。
僕も当時リアルタイムで彼の仕事を見ていましたが、本当にカッコよかった。
正確に言うと、今見てもまったく色あせていない。

imgファビアン・バロン本人と彼の仕事の一部。カッコ良すぎ。

img大胆なフォントの組み方は神業です。

imgマドンナも。

ファビアン・バロンはHarper’s BAZAARのアートディレクション以外に、イタリアンヴォーグ、フレンチヴォーグ、アリーナオム、ウォーホールが創刊したインタビューなどでも、その手腕を発揮しています。
これまた一世を風靡した写真集マドンナのSEX、カルバン・クラインのグラフィックなども彼の仕事です。
個人的にはフレンチヴォーグのエディトリアルデザインは本当に秀逸だったと思います。
以後、たくさんのフォロワーを生み出しました。
今もよく見られるラグジュアリーなファッションのデザインセオリーは、彼が作り出したと言えるでしょう。
次から次へトレンドが移り変わっていくファッションにあって、その影響がまだ続いているというのはすごいことですね。
まさにオルタナティブなのではないでしょうか。

imgファビアン・バロンが手掛けた黄金期のHarper’s BAZAARとVOGUE。付箋はスタッフに見せるため。

先日、自宅から彼が手掛けたフレンチヴォーグや黄金期のHarper’s BAZAARを探し出し、会社に持って行ってスタッフ全員にその本を見せながらファビアン・バロンのことを話しました。
彼の仕事には学ぶべきことが本当に多いと感じているのですが、若いスタッフたちは興味があるのか、ないのか・・・う~ん・・・。
少しでも興味持ってくれたら嬉しいです、、、汗
こうした時代に大きな影響を与えたクリエイターの仕事を見ることは、本当に大事なことだと思っています。
今日はDidot(ディド)とハイブランドファッションのエディトリアルデザインの話でした。

img2013年にロンドンのデザインミュージアムで展覧会が開かれていた模様。日本にも来ないかなあ。 このタイポグラフィーの組みもDidotですね。

またしても代々木上原に新しい店舗2つ

松本 知彦 for Private Time/2015.05.07/食べる食べる

GWは終わってしまいましたが、皆さんはどこか行かれましたか?
僕は毎年、GWはほとんど東京にいることが多いのですが、今年も例年通りでした。
何をするわけでもなく、仕事半分、少し出かけること半分、ブログの記事を書くの半分みたいな過ごし方です。(笑)

img先月ほぼ同時にオープンした2つの店

さて今日は代々木上原駅近くに、GW前に立て続けにオープンした2つの店舗を紹介します。
しかし代々木上原駅の周辺には何もなくて、小さい商店街があるだけなんですが、毎月のように新しい店がオープンする不思議なエリアなのです。
ずっと地元に親しまれていたお店がなくなった同じ場所に、トレンドに乗ってやってきたこだわりの店がオープンする、その繰り返しが5年以上続いています。
錦宝堂という長く駅前で営業していた文房具屋が店をたたんだあとに、アパレルのショップができたり、ダリオルールという30年以上やっていたケーキ屋さんが閉店した後に新しいバーができたり、先月も駅前で地元の人たちに長い間愛されてきた家族経営のクリーニング屋さんが閉店して、既に新しいショップの内装工事が始まっています。
今度は何ができるんだろう。
以前このブログでも紹介しましたが、世界一のレストランで修業したシェフがオープンさせたセララバードや、カカオだけを使って店内で作るチョコレート屋のミニマルなど、ストーリー戦略のコンセプトショップが次々できているのです。
代々木上原に出店したいという店のオーナーはたくさんいるらしく、競争も激しいみたいです。
しかしずっと利用してきたウェストパークカフェが閉店してしまったのは残念です・・・

imgこちらは串カツ屋の田中。ちょうちん・・・・

今日お話しする2つの店は、先月ほぼ同時にオープンしましたが、アプローチの仕方がまったく違っていて、マーケティングの視点で見ても興味深いです。
1つは、オレンジ色のゾウの置物が店の前に置いてあった古い薬局が閉店したあとにできた田中という串カツ屋。
だるまなどで有名な串カツの本場大阪からやってきたチェーン店なのですが、店の作りも外装も大阪らしいというか、まったくスカしたところがない、ヒネリなしの直球勝負の串カツ屋なのです。
インテリアにもまったくお金をかけていない 笑
上原にはファッションフィルタを通した、スカした店が多い(というかそればかり、、)なのですが、このお店はそんな中にあって異彩を放っています。
角瓶のハイボールに串カツで楽しくやりましょうというお店。

imgこんな串カツを上原で食べられるとは思いませんでした。

img混んでます。

もう1つは駅の真ん前にできた新築の商業ビルの1階にオープンしたカフェレストラン。
地下にもグリルレストランがありますが、上は賃貸住宅で、駅から30秒という抜群のロケーションにあります。
飲食を手掛けたのは、代々木ヴィレッジやクルック、3rd バーガーなどを手掛けるUDS。
オープンする前から小林武史の店ができるのではないかとスタッフもみんな期待していましたが、できた店はクルックではなく、NODEという今っぽい深夜営業も行うカフェ。
こちらは基本オーガニックのスカシ系で、トレンドのFARM TO KITCHENがコンセプトです。
内装にもお金がかかっていて(新築ですからね)飲食以外にセレクトした食材や雑貨も店内で販売しています。

img駅のド真ん前に新築のビルができました。

imgNODEはそのビルの1階にあります。

皆さんだったら、どちらの店に行きたいと思いますか?
僕は両方行ってみましたが、今のところ勝負の軍配は串カツ屋にあがりますね。
それはインテリアとサービス内容、価格が一致していて、顧客の期待を裏切らないことが最大のポイントだと思います。
本場からやってきたストレートな串カツ屋というのが何より好感持てます。
代々木上原というロケーションを意識して、シャレオツな串カツ屋にしなかったことが最大のポイントでしょう。
大阪という街をうまくパッケージしていて、ブランディングにブレがない。
かと言って俺の~シリーズのような、マーケティング先行の感じもありません。

imgNODEも混んでます。

一方、NODEの方は、インテリア、コンセプトすべて今っぽくシャレオツですが、そこにしかないという強さがない。
置いてあるものも他店のプロダクツだし、最大の欠点は注文できるメニューの数が少ないこと。
食べ物はほぼブリトーしかない。笑
それでいて安いわけでもなく、なのにセルプサービスという・・・(これも流行ですが)
新築ビルなので商品単価は下げられないのかもしれないですが、この金額払ってセルフはあんまり納得できないですね。
たぶんターゲットは代々木上在住者だけでなく、沿線の人や近隣10キロ圏内に住んでいる人と設定しているのだと思います。
しかし彼らに途中下車または遠回りして店に寄ってもらうためには、ここにしかない驚きや新しさが必要です。
そして、もし高感度な人を狙っているとしたら、このレベルじゃビクともしないのではないかと思いました。
千代田線で2駅くらい行けば、そんな店はたくさんあるからです。
シャレオツはシャレオツですが。

串カツ屋は予想外にサラリーマンだけでなく、子供含め地元の人がたくさん利用しているように見えます。
一方カフェの方も、今は多くの人が利用しているようです。
しかし店ができたばかりの今は目新しさがあるものの、今後どうなるかは両方わからないと思います。
でも僕は少なくとも今の段階では串カツに一票。
カフェは上原の外から来る人との待ち合わせによいとは思いますが、今のところは何度も行きたくなる店ではないですね。
というわけで、店のプランニングやデザインは、一見今のトレンドに沿っていた方がよいと思いがちですが、その方向を志向すればするほど、ハズすと陳腐になってしまうむずかしいもの。
単にスカしたり、流行を詰め込むことではなく、ましてや人を驚かすことでもないということ。
ターゲットとしての顧客の絞り込みとコンセプトの関係は、非常に重要だということを改めて感じた次第でした。
これからのNODEの成長に期待したいですね。

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