思い入れのある雑誌が休刊に・・・1

松本 知彦 for Private Time/2015.11.25/仕事仕事

今から13年前、はじめて雑誌の仕事に深く携わる機会がありました。
それまで何十万部も売れている雑誌の仕事もしていましたが、特集単位のページデザインが主で、表紙含めて丸ごと1冊の仕事ではありませんでした。
1冊通してアートディレクションから、すべてコントロールすることを任せられたのが、「Think!」というビジネス誌だったのです。

img13年間、モチーフはすべて自前で用意して撮影しました。このオリベッティも。

独立して間もない頃、コンペでHMVの仕事を受注しました。
期間も長く、大きな仕事だった。
そこで仲良くしていただいたHMVの部長の方に、「ある出版社から今度新しく創刊する雑誌がある、今デザイン事務所を探しているからやってみない?紹介するよ。」と言われたのがきっかけです。
表紙含め、当時雑誌1冊を丸ごとデザインした経験はありませんでしたが、いつものように好奇心だけはあって、是非やらせてくださいと即答して話を進めてもらいました。
新しく創刊される雑誌は「Think!」という名前であることを、初めて訪れた東洋経済の会議室で聞かされます。
編集長と面談を重ねながら、この仕事をまかせていただくことになり、はじめて丸ごと表紙のアートディレクションから中身のページデザイン、DTPの組版まで、すべてを担当する仕事がスタートしました。

img創刊号でデザインした雑誌のロゴ。13年間お疲れさまでした。

img創刊号は一番左。最初は編集部から著名人の顔で、という指定がありました。

最初に、雑誌の顔とも言うべきロゴマークを考案しました。
ここまではよかった。
やっぱり初めての仕事はそう簡単にはいきませんでしたねえ。
その頃会社にスタッフは10人ほどしかおらず、紙のデザイン専門の部署自体が社内にはありませんでした。
デザインはできても200ページすべてを組むには、スタッフの数が足りない。
だから派遣スタッフを入れて作るしかありませんでした。
創刊号は派遣スタッフと松本の2名でやりましたが、3日間の徹夜が待ち受けていました。
よくそんな体制で仕事を請けたと思いますが、やりたい仕事に対するガッツだけはあった。
3日間72時間まったく寝ないと、3日目にはご飯もほとんど食べられなくなり、身体がおかしくなります。
でもその派遣の彼が本当によくやってくれました。
涙が出そうだった。
なんとか創刊号は無事に書店に並びました。
同時に新聞広告、プレスリリース、横断幕、DMなどの販促物もトータルでデザインしました。

img5色印刷で写真とイラストを組み合わせたシリーズ。これで賞をもらいました。全部僕の手ですが 笑

imgダブルトーンで処理したプロダクトシリーズ。毎号のモチーフ探しは大変だった。

さすがに毎回こんなに徹夜するのは無理だと思って、2号目から紙専任のデザイナーを採用したんですが、それでもしばらくは毎号徹夜が続きました。
でも毎号デザインをゼロから作れるのが楽しかった。
創刊号からだったので前任の会社もないし、自分たちがビジネス誌の分野を開拓するんだという強い気持ちで、毎回試行錯誤を重ねながら誌面作りに臨みました。
そのうちデザインだけでなく、コーナーの企画立案、編集、取材撮影まで任せていただき、自分たちの連載コーナーまで持たせてもらいました。
どこかで手を抜こうと思えば抜けるのに、それをあえてやらず、デザインフォーマットを毎号変えたり、本当に気合いが入ってたなあ。(だから徹夜になったという面もありますが・・・)
おかげでビジネス誌の分野で色々な方に認知され、カッコいい、ああいう雑誌が作りたい、という評価を各方面からいただいて、「Think!」みたいに作って欲しいというオーダーも他社から複数いただきました。
編集会議の誌上で岡本一宣さんから(大御所!)表紙デザインに対して優秀賞をいただいたりもしました。
辛いけど楽しかった。
今では「Think!」以外に、うちの会社で表紙含め丸ごとデザインしている雑誌は複数ありますが、すべてはこの「Think!」からはじまったのです。
そう、あの創刊号の3徹からはじまりました。
だから「Think!」は自分にとって非常に思い入れの深い雑誌でした。

img新宿伊勢丹に自分で企画を持ち込んで、ビジネス×ファッションというテーマでシリーズ化。

img思い返せば、こういうデザインカンプを10年間で何十案も作りましたねえ。

そんな「Think!」だったんですが、別れは突然でした。
創刊から13年目で休刊することが決まったと編集部から突然告げられたのです。
とっても残念でした。
でも他の事務所に仕事が移るのではなく、創刊から休刊までずっとうちでやり続けられたのはよかったなあと思っています。
今書店に並んでいる号をもって休刊になります。

でも僕が試行錯誤したDNAは今のスタッフに受け継がれているはずです。
3徹はしなくてもいい。いやしない方がいい 笑
でもリスクを取らないと、成長もないということは知っておいて欲しい。
今度は彼らが同じように高い山を目指して、これからやってくれるはずと信じています。

ウェストンのカタログがカッコいい!

松本 知彦 for Private Time/2015.11.19/ファッションファッション

最近、理由はわかりませんが、なぜかウェストンが流行ってますよね。
フレンチが流行っているわけでもないのに、なぜなんだろう?
街で履いている人もよく見かけます。

img今季のウェストンのカタログは素晴らしい

J.M.Weston 。
フランス好き、ファッション好きなら知らない人はいないでしょう。
1891年フランスのリモージュで創業された憧れのブランドです。
さて、そんなウェストンの今季のカタログがカッコいいのです。
お金をかけていて、まるでモード系のハイファッションカタログのよう。
そっか、ウェストンはこっちに向かおうとしているのか、ということがちょっぴり伝わるカタログに仕上がっています。

img各ページはビジュアル、フォント、余白のみで語ります。

写真のテイスト、デザインのあしらいなど、そこにあるのは老舗のイメージではなく、クラフツマンシップの技術をモードなデザインに落とし込んだ世界観。
革をなめしている職人の姿、アトリエに保管してある大量の木型、ウェストンを愛した歴史上の著名人たち、100年前のショップの外観、昔の靴の構造図面などなど、
その手の、出てきそうなビジュアルは一切出てこないのです。笑
白い余白と写真によるストーリーテリング。
まるでセリーヌのカタログを見ているようです。(以前このブログでも紹介しましたが)

表紙も綴じ方が糸かがりで洒落てます。
使われている紙もいい。
そして写真がモードです。
途中途中に靴のカタログがbook in bookとして小さく挟み込まれているのも、単に商品カタログとしてではなく、ビジュアルブックだということを主張しています。
デザインの力、アートディレクションの力って素晴らしいということを改めて感じさせてくれますよ。
アプローチの仕方で、そのブランドがどこへ向かおうとしているのか、1発で伝えることができる。
逆に言うと、100年続くブランドであってもデザインのさじ加減1つで、ブランドのイメージは変わってしまう。
このカタログは、素晴らしいアートディレクションがなされていると思います。

imgカラトラバの広告のような親子。こうなりたいなあ。カッコいい。

imgロケは全編パリです。そして途中に入ってくるイメージ写真も効いてます。

img章ごとにbook in bookとして入ってくる商品リスト。

しかし1つの疑問が。
J.M.Westonのターゲットは、女子よりも男子メインの気がします。
大半の男子に響くのは感性ではなく、文脈(歴史やウンチク)なので、上記のようなこのカタログには一切使っていないビジュアルで訴求した方が響くのじゃないだろうか?ということ。
特にお金持ってるクラシック好きなサンオツには。
個人的にはとってもカッコいいと感じるデザインですが、フランスのファッション雑誌ヌメロを見ているようで、こうした世界観は男子にはなかなかわからないかもしれないということも感じます。
でもそういう1つのスタイルに縛られないスタンスが、イギリス系の老舗にはない、やっぱりJ.M.Westonが好きな理由でもあります。

imgショップに行けば無料でもらえると思います。行ってみて。

007が着ているパジャマはコレだ!

松本 知彦 for Private Time/2015.11.17/ファッションファッション

またまた出ました!
泣く子も黙るTurnbull&Asser(ターンブル&アッサー)のパジャマです。
シャツのロールスロイスと言われてまうが、シャツだけじゃないっすよ!
1885年ロンドンで創業、100年以上続くブランドです。

imgあ~たまらない、たまらなく好きなヤツなのです。

このパジャマは映画「007 カジノロワイヤル」の中で、ダニエル・クレイグ演じるジェームズ・ボンドが着ていたパジャマなのです。
パジャマなのにターンナップの折り返しの名残があるのは、さすが英国製。
パンツの腰はゴムではなく、紐で縛る仕様になっています。
着脱の度に毎回腰ひもを結ぶ作業が面倒だという人もいるかもしれませんが、なかなかどうして、慣れると逆にこっちの方が快適です。(僕も最初は面倒だと思ってました)
それに経年によるゴムの劣化もない。
生地もシャツと同じものを使っており、コットン100%でとても気持ちがよい。
パジャマって寝る際にリラックスするためのアイテムですが、変な言い方ですが、自分にとっては逆にモチベーションがあがらないといけない商品なのです。
日本で売られているパジャマは、インポートのブランド名がついていても、その多くはライセンスの日本製なので、どうしても自分にはパンツの丈が短い。
パジャマってある程度ゆったりしてないとダメなんですが、今までの人生、僕はほとんど丈の短いパジャマを着ていました。
常にスネが丸見えで。
パジャマは普通のパンツのように、裾をお直しする仕様なんかになってませんから。
その点でも輸入品であるこのパジャマは、自分のサイズにも合っていて快適なのです。

imgT&Aのパジャマはどれもパイピングが施されています。

img購入すると一緒についてくる同じ生地の袋。刺繍がカワイイ。凝ってるね。

以前も言いましたが、生活の中で一番長く身に着けているのは下着とパジャマではないでしょうか。
だからもっとも慎重に選ばなければいけないと思います。
生活のモチベーションを高めるために、パジャマは自分にとって、なくてはならない重要なアイテムなのです。
パジャマは寝る時だけだから何でもいい、ではなくて、パジャマこそこだわった方がいいのです。
快適な時間には快適な演出が必要です。

imgこちらはストライプ。シャツと同じ生地で100%コットン。

imgさすが英国!!っていう仕様の袖のターンナップ(折り返し)。

購入すると、一緒にお揃いの生地でトラベル用の袋がついてきます。
僕はパジャマを持って旅行にはいかないので、あまり必要ではありませんが、旅行に行くときに靴下とか小物を入れる袋としても利用できるので便利でしょう。
袋には刺繍が入っていて可愛いです。

imgパジャマが入ってるボックスもカッコいい。

何度もしつこいですが、本当に大好きなパジャマです。
ターンブル&アッサーのパジャマは、既に4着持ってますが(1着は長く着すぎて壊れた)、もっともっと欲しい。
時々MR PORTER(ロンドンのオンラインストア)でこのパジャマがセールに出る時があるのですが、その際にはすかさず買うようにしています。(この記事を読んだ人は買わないでね 笑)
次は同じくターンブル&アッサーでガウンも欲しいので狙っています。
辛い時も楽しい時も、いかなる時も僕を包み込んでくれるヤツ、僕の人生になくてはならないパートナーなのです。
おおげさに聞こえるかもしれませんが、これは本当です。
好きで好きでたまらないのです。

もうすぐ007最新作スペクターが公開になりますが、パジャマ出てくるかな 笑

いま旬なドーナツ屋 グッドタウンドーナツ

松本 知彦 for Private Time/2015.11.12/食べる食べる

先月の弊社オフィスの屋上で開催したdig fesにはたくさんのクライアントの方にお越しいただき、私たち自身も楽しい時間が過ごせました。
本当にありがとうございました。
慣れないスタッフたちで運営したこともあり、至らない点など多々ありましたこと、お許しください。
来年創立20年を迎えるdigを今後ともよろしくお願いします!

img今巷でウワサのグッドタウンドーナツをいただきました!

dig fesはつい先月開催したばかりなのに、何カ月も前のことのように感じます。
時間が経つのは早いですね。
さてそのイベントで、クライアントの1社の方からドーナツをいただきました。
ありがとうございます。
これがアディダスとコラボするなど、今かなり旬なドーナツだということを、前もってその方から聞いており。。。
もらった時からスタッフたちも目をつけていたようで、あっと言う間になくなってしまいました 笑

imgもうずいぶんと前のように感じます

imgdig fes開催してよかったです。またできたらいいなあ。

imgお揃いのハッピは村の青年団のよう。外からビルを見上げると不思議な光景。

先月のオフの日、アディダスショップへ行く機会があったので、ついでにお店にも寄ってみました。
今年の5月に原宿のキャットストリート近くにオープンした新しいお店で、ハンバーガーで有名なグレートバーガーの新規事業とのこと。
いやあ混んでましたね。
6時くらいに行ったら、ほとんどドーナツ売り切れです。
人気なんですねえ。
でも個人的に興味を引かれたのは、味よりインテリアの方です。
アメリカンビンテージテイストですべて統一されていて、細かいところまで作り込まれているインテリアは、かなり凝ってます。
もしアメリカからやってきたドーナツ屋だったら、こんなに作り込めないでしょうね。
日本発のなんちゃってアメリカンドーナツなんですが、アメリカよりアメリカらしいというか、ファッションを全面に打ち出しているのが今っぽいところです。
今のトレンドど真ん中ですね。
昔と違って、やりすぎるくらいやらないと、消費者の心は動かないというよい例かもしれないです。
撮影スペースとしてレンタルも行っているようです。

imgお店はキャットストリートをはいったところにあります

img6時でほとんどドーナツ売り切れなんですけどー!

壁につけられているアンティークの電話は飾りかと思ったら、実際に電話線でつながっている実用電話だったり。
店内には古材がたくさん使われていて物販もやってます。
チョークアートももちろんあります。
特にトイレの内装が一番カッコ良かったなあ。

imgここでもコーヒーはリトルナップでした。

全体的にビンテージテイストで男子っぽいインテリアなんですが、そこで働いているのは1人を除き全員女子で、そこだけはかなり違和感ありました 笑
GOLD RUSHで働いてる女子みたい。(ちょっと違うか 笑)
味は、、、、自分はドーナツに詳しくないのでよくわかりません・・・
おいしいとは思いますが、比較ができないのでなんともコメントができず・・
たぶんインテリアだけでなく、素材にもこだわってますという打ち出しも、もちろん押さえてるでしょうけれど、そんなのは今の飲食では珍しいことではない、というかマスト条件でしょうからね。
個人的には正直あんまりそこは興味なく。
かなり甘い印象です。
それよりインテリアは一見の価値あると思います。

imgあま~い!

会社のイラスト その2

松本 知彦 for Private Time/2015.11.10/仕事仕事

先日このブログで会社のスタッフに頼まれて描いたイラストを紹介しました。
今回紹介するのは、その第2弾です。
スタッフから追加で依頼されて描いたもの。

imgミーティングルームでの打ち合わせ風景

今回はどっちかというと、スタッフのポーズをメインに描いています。
タイポグラフィもフリーハンドで描いてみました。
どうでしょう?
おもしろいもので、前回からスキルが上がっている 笑
やっぱり練習すると、その分上達するってことです。
おもしろいですね。
勉強や仕事とおんなじです。

img手描きでタイポを描いてみました。

img女子代表、斉藤さんのポーズいろいろ

img男子代表、野口くんのポーズいろいろ

しかしながら、実はこれらの絵は、描いてから既に4ヵ月以上も経過しているのです 汗
納期は前回同様、金曜夜の発注で週明けの月曜締切という厳しいもの(4ヵ月前の)
その厳しい要求に応えようと、土日に急いで描いたイラストを月曜にスタッフに渡すのですが、その後の進行はいつもこうなってしまう。
これは本当にどうにかしないといけない問題です。
スタッフは松本だからいいと思っているのかもしれませんが(どんな社長なんだよ、、汗)、納期を守った人、当事者意識を持った人の方がバカを見るようなことは社内的には避けなければならない。

スタッフ同士の間で同じようなことが起きないように注意しないといけません。
何事も相手の立場に立って考えるクセ、当事者意識を持つクセをつけないと。
至急で頼んだことが、その後の諸事情で遅れる場合があるのは仕方ない。
でもそんな時は、少なくとも依頼側が関係者全員に声をかける意識を各自が持たないと。
自分だけがよければ、あとは知らないということは許されない風土を作らないと。
「松本さん、すみません。急いで描いてもらったのに案件が忙しくなってしまってちょっと遅れてしまいます。○月末まで待ってもらえませんか?ホント、スンマセン。」
とは誰も言ってこないのが問題だと思ってます。
一言でいいのです。
どんなに忙しくても言えるはず。
それが他人に物事を頼むルールだと思っているのですが。

imgチームごとのミーティング風景いろいろ。

img第2クリエイティブチーム

img最後はピンでポーズをする斉藤さん。

そんなことを毎回強く感じているのですが、社内規定のようなルール作りではなく、人としてのモラル=風土を改善するのってなかなか難しい。
でもそういうことを教えるのも、会社としてあるべき姿だと思います。
やらないとね。

前回描いたイラスト同様、これらが陽の目を見るのはいつかなあ、汗

スタジオボイスが復刊!

松本 知彦 for Private Time/2015.11.05/クリエータークリエーター

僕が高校生の頃にスタジオボイスという雑誌がありました。
当時の社会は今と違って、マスに対するマイノリティの存在、いわゆるインディーズというジャンルがあって、エッジーだけどマイナー、一部の人だけが知っているけど世の中ではあまり認められないもの、という分野が存在していました。
今ってインディーズっていう概念自体がどっかにいっちゃいましたね。

imgスタジオボイス復刊第2号はcoolの定義特集

そのインディーズをサブカルチャーと捉えて、積極的に扱っていたのが前述のスタジオボイスでした。
当時って雑誌でいうとJJが全盛で、そんなJJ読んでるマスの女子に対抗したのがアンアンやオリーブ等、マガジンハウスが出しているどっちかっていうとインディーズ系の雑誌でした(今は違いますけど。)
世の中はバブルに向かっている中、合コンカルチャーが全盛なのに、それらの雑誌は異性からの視線を完全に切り捨てた独自路線を貫いてました。(普通の男子からは嫌われる刈上げや白い口紅とかとか)
まあ、30歳を過ぎてから生まれて初めて合コンを経験した僕にとって(!)、親和性があるのは当然JJなんかじゃなくて、オリーブであり、アンアンの側だったわけです。
男子の雑誌にはマスVSサブカルという図式はあまり見られなかったけれど、自分はそんなスタンスだったので、マガジンハウスから出ている本じゃなくても、スタジオボイスや流行通信はハズせなかったわけです。
スタジオボイスはファッション誌ではなくて、主に音楽やデザイン、アート、写真など、サブカルチャー全般を扱うカルチャー誌でした。
でも今と比べるとずいぶんとライトなサブカルだったと思います。
今はサブカルが市民権を得たために、インディーズはもっともっと深いところに潜るしかなくなっちゃいましたから。
当時スタジオボイスのデザインはCAPが手掛けていて、ザラザラした再生紙のような紙に、原色の鮮やかな色でデザインされた特徴的な紙面作りをしていました。
特集の内容が毎号違うため、号によって当たり外れもありましたね。
覚えているのは、最新のサブカルな流行を取り上げ、そこからルーツを探って行くという構成が常にあったこと。
音楽だったら、イギリスからプライムスクリームやストーンローゼス(古い!!)が出て来たら、UKギターポップの流れを系統化してストーンズまで遡る。
こうしたアーティスト同士の影響を示す系譜図のグラフィックが毎回細かいデザインによって作り込まれていて、見るのが楽しかった。
しかし、今の旬なアーティストを知り、そこからルーツを遡っていく音楽の聞き方は、今の若い人は全然しないとう話をブラボー小松さんに聞いたときは、ちょっと驚き&残念な気持ちになりましたけど。

img以前のスタジオボイス。表紙見るだけでワクワクしてきます

さて前置きがかなり長くなりましたが、スタジオボイスは現在復刊されています。
今出てるのが2号目です。(あんまり本屋に置いてないですけど、なぜ??)
雑誌として面白いか?はちょっとここでは長くなるので置いておいて、2号目に掲載されていた記事で興味深かったのが横尾忠則の記事、もう1つがデヴィッド・カーソンのインタビューでした。
彼の名前をしばらく聞いていなかったので、今の彼のインタビューは新鮮でした。

マッキントッシュのパーソナルコンピューターが発売されたのが1984年。
発表当初からメモリとハードディスクのスペックが多いことから、DTPに特化したマシンとしてデザイナーを中心に普及していきました。
当時は一般の人やビジネスマンはWindows、クリエイーターはマッキントッシュ、という明確な棲み分けがありました。
90年代にはマッキントッシュオンリーでデザインする(今は当たり前ですが)著名なデザイナーたちが登場、それがロンドンのネヴィル・ブロディ、そしてアメリカのデヴィッド・カーソンでした。
デヴィッド・カーソンはカリフォルニアで高校教師をしながら、世界ランキングに入るサーファーとして活躍。
同時にデザイナーとして活動し、「ビーチ・カルチャー」誌でのアート・ディレクションで150以上の賞を受賞。
また毎号全く新しいフォーマットでレイアウトされた「レイガン」誌でのアートディレクションの仕事で大成功をおさめ、「アメリカでもっとも革新的なデザイナー」に選出された人です。
先生であり、サーファーであり、デザイナーという肩書きがとてもユニークですね。

img彼の代表的な作品集「end of print」

img誰がアートディレクションを手掛けた伝説的な雑誌レイガン

imgもうほとんどテキスト読めませんが

彼のデザインスタイルが好きか嫌いかは置いておいて、読めないくらい文字や図形を重ねたノイズのようなレイアウトは当時衝撃的でした。
まるでジャクソンポロックのようですね。
当時解像度の高い画像は容量の問題からマッキントッシュでは扱えませんでしたが、それを逆手に取って荒れたままの画質で、ジャギーをそのまま活かして画像を掲載する手法が逆に新しかった。
街にはノイズがあふれている、ノイズがあることはむしろ自然なこと、人間は無意識のうちにノイズを避け、そこにあるメッセージのみを読み取ろうとする。
しかしノイズを意識することで新しい視覚体験ができる。
美しさの価値観は1つではないということを教えてくれたと思います。


自身のサイト
http://www.davidcarsondesign.com/

B&B Italiaのショールームが青山に!

松本 知彦 for Private Time/2015.11.04/インテリアインテリア

B&Bと聞いて漫才ブームを思い出しちゃう人は、間違いなく40オーバーでしょう笑
B&Bは、1966年に創業したイタリアのモダンファニチャーブランド。
カッシーナと並ぶラグジュアリーな家具屋なのです。
カッシーナはイタリアではモダンではなく、どちらかと言うとクラシックですが。

img場所は外苑前の伊藤忠の隣あたりです。

このB&B Italiaのショールームが先週、北青山にオープンしました。
以前は青山の骨董通り近くにあって、片山正道がインテリアデザインを手がけたことでオープン時には少し話題になりました。
2010年夏にはB&Bの姉妹ブランドMAXSALTも隣にオープンしたのですが、経営母体が変わったりして去年ショップはクローズ。

イケアはあるし、ニトリはあるし、北欧やアメリカンヴィンテージ、そして国内インバウンドの流れもあって、家具に対する概念も以前とは随分変わったと思います。
以前はカッコよくてラグジュアリーな家具といえばイタリアンモダンだったのですが、もうその概念も消滅してしまっていることでしょう。
それが証拠に、企業の打ち合わせスペースやホテルのロビーなど、かしこまった場所には必ず、ベリーニの椅子が置いてあったものですが、いえベリーニじゃなくとも必ずイタリアンモダンの家具が置いてあったのですが、今はもうそんな場所はないですね。笑
ということで、よっぽどのデザイン・建築好きじゃない限り、イタリアンモダンファニチャーが好きだという人は、今はかなり減ってしまったと思います。
最近、カッシーナやアルフレックスの調子がよいという話も聞かないし・・・
ですからB&Bもお店がなくなって、日本から撤退するのかと思っていたんですが、この度復活したのでした。
これは嬉しいですね。
そしてこのニュースを知ったのは友人からで、彼がなんとB&Bのゼネラルマネージャーに就任したということでした。

img以前よりかなり広ーくなりました。

img相変わらず見るだけでため息が出ちゃいます。

img食器棚カッコい〜!お値段140万ですが・・・・

img深沢直人のブックシェルフ欲しい!お値段120万ですが・・・・

B&Bといえばアントニオ・チッテリオのプロダクツを多く発表していることでも知られています。
中でもチッテリオがデザインしたソファ、チャールズは1997年の発表以来、現在でもヒットし続ける商品なのでご存知の方も多いでしょう。
チッテリオのデザインはどれを見ても、根底にモダニズムの精神が流れていて好きです。
でもイタリアらしく、ストイックすぎないのがいいところですね。
今では同じくチッテリオがデザインしたソファ、ルイス、ジョージ、フランクなど色々なラインナップが発表されています。
うちではそのうちの1つ、ルイスを使っていますが、ショールームで聞いたらもうすぐ廃版ということで・・・悲しいです。

imgビルのエントランスロビーがカッコ良くて、最初ここがショールームかと思いましたw ショールームのある3階は、あまりに殺風景なのでちょっと不安に・・・・

imgおみあげはルームフレグランス。自宅のB&Bのテーブルにて撮影

ショールームは以前と比べると相当に広いです。
しかしビルに入ってからショールームまでのアプローチがちょっとわかりにくく、ここオフィス?って勘違いするくらい何もサインがないので、はじめて訪れると若干不安になるかもしれません。
場所から察するに、一般のコンシューマ向けっていうより、法人向けなんだろうなあ。
まあ、コアな人しか買わない商品でしょうから、目立つ路面に出店する必要もないのかもしれませんね。
北欧、和、アメリカ、ミッドセンチュリー、多様なスタイルが入り混じる現在の状況ですが、やっぱりカッコいいデザインはいつ見てもカッコいい!
リスタートを切ったB&B、これから是非とも頑張って欲しいです。

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