「デザインあ」 アナログレコード

松本 知彦 for Private Time/2016.05.23/クリエータークリエーター

毎週土曜日の朝7時から、Eテレでやっている15分番組です。(5分版の再放送もあり)
2013年に東京ミッドタウンで開催された展覧会も、かなり評判だったので知っている人も多いでしょう。

img騙されたと思って1度見てください。とても勉強になります。

番組のコンセプトは、身の回りにあるものをデザインの視点で見つめ直すというもの。
一応子供向けの番組ですが、その切り口、演出、デザインのクオリティが非常に高く、大人も唸らせる素晴らしい内容なのです。
全体を通して、モーショングラフィックとサウンドデザインの融合というのが、番組の大きな魅力になっています。

それもそのはず、参加している人たちを知れば納得でしょう。
構成:佐藤卓 グラフィックデザイナー
映像:中村勇吾 インターフェイスデザイナー
音楽:コーネリアス ミュージシャン
特にコーネリアスと中村勇吾のタッグは強力です。
音楽では他にもアート・リンゼイ、ハナレグミ、チボマットなどが参加しています。
子供番組にアート・リンゼイっていう・・・スゴイですね 笑

imgモチーフの周りを全員で囲んでスケッチする「デッサンあ」

番組の中には、いくつかのシリーズコーナーがあるのですが、その中でもお気に入りがあります。
日常で使う製品の周りを360度、12人で囲み、全員でデッサンする「デッサンあ」
12人に混じって毎回有名人が1人出てきます。
描き終ったら1人1人のデッサンをコマ送りでつないで、回転するように見せるもの。
モチーフは自転車やショッピングカートなど。
同じものでも見る人や角度によって見え方が違うということを教えてくれます。

imgいろんなモノを分解する「解散」。これはラーメンの解散

imgこちらは野球で使うグローブの「解散」。

毎回圧倒される「解散!」
こちらは日常品を分解していく様子をコマ送りで見せる内容。
人の手は一切登場せず、勝手に分解されていく様子を映像化しています。
すべて解体されたあとは、何百にも及ぶパーツをきれいに並べて終了。
軍手、サックス、ランドセルなどなど。
日常の製品がどんなパーツで組み立てられているのかを学べます。


矢印の使い方と意味を解説した「やじるしソング」

他にもモーショングラフィックが冴える「デザインかぞえうた」、一線で活躍する著名クリエーターへのインタビュー「デザインの人」、ユニバーサルデザインのピクトグラムの成り立ちを解説する「シンプルマーク」など、
なるほど!と思わせるコーナーが目白押しなのです。

僕は土曜の朝7時には起きられないので、録画予約で見ています。
毎回毎回素晴らしい。
みんなの税金でこういう番組を作るのは意味のあることだと思います。
Eテレでは「ピタゴラスイッチ」以来のヒットですね。
特にリンタロはこの番組の大ファンで、誕生日プレゼントにはコーネリアスのアナログ盤が欲しいとリクエストしたほど。笑
(なぜかCDではなくアナログ盤がよいそう、、、)

img「デザインあ」のアナログ盤。よく家でかかってます

imgアナログ盤には収録されてない曲も多いので家にはCDもあります。

同じくEテレで放映している0655&2355も素晴らしいですね。
ゼロロクゴーゴーは6時55分から、ニーサンゴーゴーは深夜12時前に放映されています。
どちらも5分だけの番組ですが、「ピタゴラスイッチ」と同様、構成を手掛けているのは佐藤雅彦。
早朝と深夜なので、偶然見られるタイミングがあると、ラッキーな感じがして気分が上がります。
深夜の方は、曜日によってその直後に君が代が流れる時があり、その激しい落差を楽しんだり 笑

細山田デザイン事務所訪問

松本 知彦 for Private Time/2016.05.17/クリエータークリエーター

先日、と言っても去年ですが、同じく代々木上原に事務所を構える細山田デザイン事務所にお邪魔してきました。
細山田さんといえば、古くはマガジンハウスのブルータスや様々なエディトリアルデザインの分野で知られる著名なデザイナー。
スペース8にいらした際にお話したことはありましたが、以前から事務所に伺いたく、念願かなってやっと実現という感じです。

img右側の髪の毛もじゃもじゃの人が細山田さん。左はイラストレーターの秋山嬢from LONDON

細山田デザイン事務所は奥渋に程近い山手通り沿いにあります。
駅で言ったら、神泉が一番近いかもしれません。
以前からなぜ僕が細山田さんのオフィスを訪問したかったかというと、一戸建ての自宅兼オフィスの裏に、2年くらい前に自社ビルを建てて、それがチョーカッコいいので中も是非見せてもらいたいと思っていたからです。
イケてるデザイン事務所は違いますねぇ
20人以下のスタッフで自社ビルをゼロから建てるというのはなかなかできることじゃないと思います。
素晴らしいです

ます目を引くのは1階のレストランです。
この内装がカッコよく、外から見たらどう見てもイカしたレストランにしか見えないのですが、これがなんと社食なのです。
確かにオフィスがある場所は駅から遠くて不便ですが、社食って・・・・いやあ贅沢です。
ビルは5階建てですが、社食の上はすべてオフィスになっています。
細山田さんにこのビルで何人働いているのか聞いてみたところ、、、7、8人って、、えー!またしてもびっくりしてしまった次第です。
贅沢ですよねー。
オフィス部分はゼロから設計しているだけあって、壁面が全部本棚になっていたり、撮影可能な吹き抜けのスタジオになっていたり、機能的です。
最上階は仮眠もできるようになっていました。

img山手通りに面してそびえ建つ細山田デザインオフィスビル

imgここが1階のエントランス部分

img中に入ると、、、えー!ここオフィス?店じゃなく?

細山田さんは頭の回転が速い。トレンドにも詳しい。
そして人柄も温和でよい人です。
なおかつビジネスでこんな結果を出すなんて理想的な人ですね。
1階の社食では、これまたカリスマケータリングで知られる代々木上原の千代弁さんを定期的に呼んで、料理を作ってもらってスタッフに振舞っているとのこと。
うらやましいですねえ
ココGoogle?って感じです 笑
自分だったら社内でご飯を振る舞うより、その分早く帰れと言いたくなると思いますが、イケてるデザイン会社ってなかなかそうもいかないのはよくわかります。
拘束時間が長かったり、帰れなかったりする時もあるでしょうから、社内平穏のための施策かもしれませんね。
でも繰り返しますが、外観はどう見てもイカしたレストランなので、店だと間違えて入ってくる人もたくさんいるのではないかと思います。

img最上階からの眺めはいいです

imgここはNYのオフィスかっつーのって感じ

話を聞いていたら、今度はプリントスタジオも自社ビル内に作りたいとのこと。
いやあ夢は尽きないようです。
自分も頑張らないといけないなあと刺激を受けた日でした。

img細山田さんが飼っている愛犬、犬もセットでNYかっつーのって感じ。

なんと30年前のメンバーでグループ展を開きます!!

松本 知彦 for Private Time/2016.02.25/クリエータークリエーター

僕は美術大学に通っていました。
それは中央線の国分寺駅から20分に1本しかない電車に乗ってしか通えない、ここ東京?っていうくらい田舎で、辺鄙な場所にある大学でした。

imgグループ展のタイトルは「Reunion=再会」です

美術大学に行こうと決めたのは高校1年生の頃。
美術の先生や先輩の勧めもあったけれど、絵が好きだった自分にとっては自然な流れでした。
美大受験専門の予備校に通わないと美大には受からないこと、予備校には2浪、3浪の人がウジャウジャいること、東京には美術大学が4つしかないこと。
美大を目指すようになって、今まで全然知らなかった閉じた世界を知りました。
高校で美大を目指していた同級生は僕を含めて2人だけだったけど、周りからはちょっと変わった奴という目で見られていたと思います。

浪人はせず、無事合格した大学に入学してみると、全国から集まった変わった人たちだらけで、本当にカルチャーショックを受けます。
高校でマイノリティだと思われていた自分が、ここではまったくそんなことを感じない、好き勝手に何でもできちゃう、そんな感覚に最初は戸惑いつつも、徐々に楽しいと感じるようになっていきました。
そんな変わった共通感覚(笑)を持つ友人たちとグループ展をやろうという企画が持ち上がったのは確か2年生の頃です。
大学の敷地内に建つ課外センターという建物の1階に、通常は学生たちが勉強するための作品~バウハウスだったり、フルクサスだったり歴史的な作品を展示するスペースがありましたが、学校側の許可を得てそこを借りちゃおうという話でした。
僕はグループ展というものに参加するのは、たぶんはじめてだったんじゃないかなあ。

メンバーがどのように集められたか忘れちゃいましたが、専攻する科も年齢も、もちろん作る作品の方向性も違っている9人の共通点は、ただ仲の良い同級生というだけでした。
と今書いているものの、僕はこのグループ展について最近まですっかり忘れていたんです。
思い出したきっかけは、2年くらい前にメンバーの一人から送られてきた画像でした。
いやあびっくりしましたね。
その友人、なんと30年くらい前に開かれたグループ展のポスターを持っていたのです!

もう1度同じメンバーでグループ展ができたらいいねぇという話をその友人としているうちに、それが現実になりました。
ちょうどうちのギャラリーを閉めてオフィスにするという話が出ていたので、それなら閉める前にうちで開こうということにしたのでした。
当時の9人全員は集まりませんでしたが、それ以外の同級生も加えて11人でグループ展を開くことに。
こんなことってあるのですよ。
びっくりですよね。
連絡を取り合って、30年ぶりの嬉しい再会がありました。

img木のビジュアルは今までの時の流れを表現しています。

メンバーは、
ルイヴィトンやエルメスなどのビッグメゾンと仕事をするワールドワイドなアーティスト、河原シンスケ
誰でも知っているあの芸能人のスタイリングを手掛けつつ料理も作って振舞う、河部菜津子
ラグジュアリーな箱根のホテルで知られる強羅花壇での個展を終えたばかりの、きしくり
ソニーのインハウスデザイナーからヨーロッパ生活を経てフリーに転向した和を愛する、スワミヤ
Space8でも個展を行ったフランス発デコパッチを専門とするペーパークラフトアーティスト、ツカモトリカ
リリーフランキーの書籍にもよく登場したイラストレーターは今京都の大学教授、都築潤
学生時代からおしゃれで寡黙な美術作家にして今は専門学校の先生も務める、富谷智
北海道と群馬を拠点に、みんなに愛される明るい性格と美術を愛する純粋な気持ちを失わない、半谷学
マンガとお菓子、そして民芸、お菓子研究家として20冊以上の本を出版する、福田里香
巨匠毛利彰の娘にしてイラストレーター、そして最近は絵本作家でもある京都在住、毛利みき
最後に、チマチマした絵を描く、松本知彦

いやあ僕以外、みんな偉くなっちゃってます・・・・
というわけで皆さん、同級生でグループ展を開くことになりましたので、同級生はもちろん、それ以外の方も是非見に来てください!
ポスターはスワミヤちゃんに作ってもらいました。
離れていた円が再び1つに集まるというナイスなコンセプト。
↓↓詳細はこちら↓↓
http://space8.jp/schedule/16_04/

来週の金曜日、3/4からの開催です。
3/5の土曜の夜と、3/6日曜の昼には、河部菜津子が手料理を振舞うスナック725が開催されます。
その際に来てもらうと、きっと色々な人と楽しい会話ができると思います。
待ってますよ!!

ただ1つ心配なのは、、、、自分が出す絵がないことです・・・汗

スタジオボイスが復刊!

松本 知彦 for Private Time/2015.11.05/クリエータークリエーター

僕が高校生の頃にスタジオボイスという雑誌がありました。
当時の社会は今と違って、マスに対するマイノリティの存在、いわゆるインディーズというジャンルがあって、エッジーだけどマイナー、一部の人だけが知っているけど世の中ではあまり認められないもの、という分野が存在していました。
今ってインディーズっていう概念自体がどっかにいっちゃいましたね。

imgスタジオボイス復刊第2号はcoolの定義特集

そのインディーズをサブカルチャーと捉えて、積極的に扱っていたのが前述のスタジオボイスでした。
当時って雑誌でいうとJJが全盛で、そんなJJ読んでるマスの女子に対抗したのがアンアンやオリーブ等、マガジンハウスが出しているどっちかっていうとインディーズ系の雑誌でした(今は違いますけど。)
世の中はバブルに向かっている中、合コンカルチャーが全盛なのに、それらの雑誌は異性からの視線を完全に切り捨てた独自路線を貫いてました。(普通の男子からは嫌われる刈上げや白い口紅とかとか)
まあ、30歳を過ぎてから生まれて初めて合コンを経験した僕にとって(!)、親和性があるのは当然JJなんかじゃなくて、オリーブであり、アンアンの側だったわけです。
男子の雑誌にはマスVSサブカルという図式はあまり見られなかったけれど、自分はそんなスタンスだったので、マガジンハウスから出ている本じゃなくても、スタジオボイスや流行通信はハズせなかったわけです。
スタジオボイスはファッション誌ではなくて、主に音楽やデザイン、アート、写真など、サブカルチャー全般を扱うカルチャー誌でした。
でも今と比べるとずいぶんとライトなサブカルだったと思います。
今はサブカルが市民権を得たために、インディーズはもっともっと深いところに潜るしかなくなっちゃいましたから。
当時スタジオボイスのデザインはCAPが手掛けていて、ザラザラした再生紙のような紙に、原色の鮮やかな色でデザインされた特徴的な紙面作りをしていました。
特集の内容が毎号違うため、号によって当たり外れもありましたね。
覚えているのは、最新のサブカルな流行を取り上げ、そこからルーツを探って行くという構成が常にあったこと。
音楽だったら、イギリスからプライムスクリームやストーンローゼス(古い!!)が出て来たら、UKギターポップの流れを系統化してストーンズまで遡る。
こうしたアーティスト同士の影響を示す系譜図のグラフィックが毎回細かいデザインによって作り込まれていて、見るのが楽しかった。
しかし、今の旬なアーティストを知り、そこからルーツを遡っていく音楽の聞き方は、今の若い人は全然しないとう話をブラボー小松さんに聞いたときは、ちょっと驚き&残念な気持ちになりましたけど。

img以前のスタジオボイス。表紙見るだけでワクワクしてきます

さて前置きがかなり長くなりましたが、スタジオボイスは現在復刊されています。
今出てるのが2号目です。(あんまり本屋に置いてないですけど、なぜ??)
雑誌として面白いか?はちょっとここでは長くなるので置いておいて、2号目に掲載されていた記事で興味深かったのが横尾忠則の記事、もう1つがデヴィッド・カーソンのインタビューでした。
彼の名前をしばらく聞いていなかったので、今の彼のインタビューは新鮮でした。

マッキントッシュのパーソナルコンピューターが発売されたのが1984年。
発表当初からメモリとハードディスクのスペックが多いことから、DTPに特化したマシンとしてデザイナーを中心に普及していきました。
当時は一般の人やビジネスマンはWindows、クリエイーターはマッキントッシュ、という明確な棲み分けがありました。
90年代にはマッキントッシュオンリーでデザインする(今は当たり前ですが)著名なデザイナーたちが登場、それがロンドンのネヴィル・ブロディ、そしてアメリカのデヴィッド・カーソンでした。
デヴィッド・カーソンはカリフォルニアで高校教師をしながら、世界ランキングに入るサーファーとして活躍。
同時にデザイナーとして活動し、「ビーチ・カルチャー」誌でのアート・ディレクションで150以上の賞を受賞。
また毎号全く新しいフォーマットでレイアウトされた「レイガン」誌でのアートディレクションの仕事で大成功をおさめ、「アメリカでもっとも革新的なデザイナー」に選出された人です。
先生であり、サーファーであり、デザイナーという肩書きがとてもユニークですね。

img彼の代表的な作品集「end of print」

img誰がアートディレクションを手掛けた伝説的な雑誌レイガン

imgもうほとんどテキスト読めませんが

彼のデザインスタイルが好きか嫌いかは置いておいて、読めないくらい文字や図形を重ねたノイズのようなレイアウトは当時衝撃的でした。
まるでジャクソンポロックのようですね。
当時解像度の高い画像は容量の問題からマッキントッシュでは扱えませんでしたが、それを逆手に取って荒れたままの画質で、ジャギーをそのまま活かして画像を掲載する手法が逆に新しかった。
街にはノイズがあふれている、ノイズがあることはむしろ自然なこと、人間は無意識のうちにノイズを避け、そこにあるメッセージのみを読み取ろうとする。
しかしノイズを意識することで新しい視覚体験ができる。
美しさの価値観は1つではないということを教えてくれたと思います。


自身のサイト
http://www.davidcarsondesign.com/

野田英樹×現代美術×東京都=?

松本 知彦 for Private Time/2015.10.15/クリエータークリエーター

このあいだの3連休は駒沢公園で行われたイベントに行ってきました。
東京都が主催する「東京キャラバン」というイベント。
2020年開催予定のオリンピックへ向けて、国内各地を回る「文化大サーカス」というプロジェクトらしく、今回はその第1回目でした。
ここから各地を回るようです。

img駒沢公園の野球場にでっかいポールが立ってました。

プロジェクトを手掛けるスタッフのラインナップを聞けば、きっとみんなも見に行きたくなるはず。
全体の監修・演出は野田英樹、補佐としてアーティストの日比野克彦、空間構成は現代美術作家の名和晃平、30組のアーティストが参加、その他に宮沢りえ、松たか子なども出演。
駒沢公園内の軟式野球場のグランドに仮設舞台を設置して行われましたが、これを見るのは誰でも無料!
さすが東京都。太っ腹!

imgポールの下では様々な演目が繰り広げられ、

img舞台セットも面白かった。

ショー自体は1時間くらいでしたが、内容はとても良かった。
見る前は現代美術と演劇、そして女優、、、、それをまとめるお役所、、、いったいどんなイベントなの?って思ってました。
現代美術ってその筋の人にしか理解できない、近寄りがたい面があって、それをショーとして成立させ、一般の観客に見せるとなると、いったいどういうことになるのか?
宮沢りえみたいなメジャーな女優が出てると言っても、もしかするとアングラみたいになっちゃうのでは?
そんな懸念を見事に裏切るおもしろい内容でした。
最初は松たか子の朗読にはじまり、続いて日本を代表する様々な要素が登場しました。
そのどれもが異質なものの組み合わせなのに、絶妙にまとまっている。
10人編成のバイオリンと三味線による演奏、
人間が演じる能の舞とロボットのコラボレーション、
アイヌの舞踏と沖縄の琉球舞踏、
東京ファッション、ドラッグクイーンまで(ドラッグクイーンは友人が出てました 笑)
クールジャパンにありがちなアニメやマンガは出てこなかった。
僕は舞台にはあまり詳しくないですが、野田英樹という人の才能を感じましたね。
様々な異なる要素を詰め込みつつ、一般の人に現代美術をこんなにキャッチーに、極めて日本的なショーとしてまとめあげるっていうのは、なかなか力量がないとできないことだと思います。
こういうイベントは是非たくさんやって欲しい。
お金を出して、無料で誰でも見られるようにした東京都をちょっと見直しました。
もしかすると野田さんがオリンピックの総合演出を手掛けるのかな?

img上のバンビは名和晃平氏、巨大バルーンは椿昇氏の作品です

imgイベントが終わってインタビューに答える野田さん。

このイベントを知ったのは、SPACE8で展覧会をやってくれた友人の宇治野氏に聞いたからでした。
世界的に活躍する現代美術作家で、最近GoogleのTVCMにも出演していた古い友人です。
彼もイベントに出演するとのことで、これは見に行かなければと。
彼が出て来るくだりは都市のシーン。
ローテーターズという作品で、SPACE8で展示していた時とほぼ同じセットで演奏していました(演奏?)
カッコよかった。
彼に聞いたところ、最初に野田さんからオファーを受けた際には内容がまったく定まっておらず、2度目のオファーを受けた9月の時点で構成がほぼ決まったとのこと。
ということは、準備はほぼ1ヶ月??
エライ短時間で作り上げたってことになりますね。
こういう何百人も参加するイベントってまとめあげる才能=力量も必要なんでしょうね。
やっぱり演出っていうのは大事なんだなあと感じた次第。

imgSPACE8とほぼ同じセットが舞台に展示されており、

imgそれを宇治野氏が操作すると舞台袖にある車がサウンドと共に動き出すのでした。

宇治野氏は今、次の展示へ向けた準備に入っています。
今度は大阪のでっかい工場跡地に作品を展示する企画。
これもなんと無料です!
東京に続き、大阪も太っ腹!
彼は別ユニッットで、元ピチカートファイブの野宮真貴さんとバンドもやってますが、その出演もあるようです。
これを見に大阪行きたいなあ・・・・
開催は10/31~11/23まで。
関西方面の方、是非足を運んでみてください。
↓詳細
http://www.chishimatochi.info/found/index.php/archives/2134

img大阪のイベントぜひ行きたい・・・・

ハイブランドに共通するグラフィックデザイン

松本 知彦 for Private Time/2015.05.12/クリエータークリエーター

今の世の中、ライフスタイル、ファッション、インテリア、どの分野においてもリラックス、同時にクラシック回帰がトレンドですが、そんな中今は勢いが衰えてしまったようにも思えるモード系のデザインについて、あえて今日は話したいと思います。
モード系のラグジュアリーファッションのグラフィックと言えば、すぐに思い浮かぶのがVOGUE、ELLE、Harper's BAZAARなどの洋雑誌でしょう。
これらの雑誌を検証すると、いくつかの共通点があることに気が付きます。

imgこの2誌はタイトルに同じ書体を使っています。

まず雑誌の冠となっている雑誌名の書体です。
ELLEのタイトルはセリフ系(たぶんBodoni)で見出しはFUTURAで統一されていますが、VOGUE、Harper’s BAZAARのタイトルには同じDidot(ディド)という書体が使われています。
似た書体にBodoniがありますが、それよりも横ラインがさらに細く、洗練された印象の書体。
このDidot(ディド)は、フランスのフェルミン・ディド(1764-1836)によって作られた書体ですが、アルマーニのブランドロゴをはじめ、ラグジュアリー系のファッションデザインには必ずと言っていいほど登場する書体。
フェミニンで高級感があるデザインに用いられることが多いです。
たとえば、ラグジュアリー系のファッションを扱うセレクト系のオンラインストアNet a porter。
そしてファストなのに、著名モデルを起用してラグジュアリーなアプローチをしているH&Mのカタログにも多く登場しています。

imgそれはDidot(ディド)というフランス生まれの書体。

imgH&MのカタログにもこのDidotが多く使われています。

こうした定番とも言える、モードファッションにおけるお約束のデザインセオリーはいつくらいから登場したのでしょう?
その系譜を調べていくと、Fabien Baron(ファビアン・バロン)に行き着くはずです。
彼を避けては通れません。
ファビアン・バロンは1992年から1999年までアメリカ版Harper’s BAZAARのアートディレクターを務め、一躍注目されました。
Didot(ディド)が使われている雑誌タイトルのタイポグラフィも彼の仕事です。
アレクセイ・ブロドヴィッチがアートディレクションを手掛けた1930~50年代のHarper’s BAZAARは、ファッション誌のスタイルとデザインに革命を起こしたとも言われますが、彼が去ったあと平凡なファッション誌に成り下がってしまったHarper’s BAZAARを90年代に再び黄金期に導いたのがファビアン・バロンでした。
その特徴は大胆なタイポグラフィと構図、そしてケイト・モスを多く起用した一流カメラマンによるシンボリックな写真。
僕も当時リアルタイムで彼の仕事を見ていましたが、本当にカッコよかった。
正確に言うと、今見てもまったく色あせていない。

imgファビアン・バロン本人と彼の仕事の一部。カッコ良すぎ。

img大胆なフォントの組み方は神業です。

imgマドンナも。

ファビアン・バロンはHarper’s BAZAARのアートディレクション以外に、イタリアンヴォーグ、フレンチヴォーグ、アリーナオム、ウォーホールが創刊したインタビューなどでも、その手腕を発揮しています。
これまた一世を風靡した写真集マドンナのSEX、カルバン・クラインのグラフィックなども彼の仕事です。
個人的にはフレンチヴォーグのエディトリアルデザインは本当に秀逸だったと思います。
以後、たくさんのフォロワーを生み出しました。
今もよく見られるラグジュアリーなファッションのデザインセオリーは、彼が作り出したと言えるでしょう。
次から次へトレンドが移り変わっていくファッションにあって、その影響がまだ続いているというのはすごいことですね。
まさにオルタナティブなのではないでしょうか。

imgファビアン・バロンが手掛けた黄金期のHarper’s BAZAARとVOGUE。付箋はスタッフに見せるため。

先日、自宅から彼が手掛けたフレンチヴォーグや黄金期のHarper’s BAZAARを探し出し、会社に持って行ってスタッフ全員にその本を見せながらファビアン・バロンのことを話しました。
彼の仕事には学ぶべきことが本当に多いと感じているのですが、若いスタッフたちは興味があるのか、ないのか・・・う~ん・・・。
少しでも興味持ってくれたら嬉しいです、、、汗
こうした時代に大きな影響を与えたクリエイターの仕事を見ることは、本当に大事なことだと思っています。
今日はDidot(ディド)とハイブランドファッションのエディトリアルデザインの話でした。

img2013年にロンドンのデザインミュージアムで展覧会が開かれていた模様。日本にも来ないかなあ。 このタイポグラフィーの組みもDidotですね。

またフォントの話 チョークアートって知ってますか?

松本 知彦 for Private Time/2015.04.27/クリエータークリエーター

今巷では、コーヒーでもファッションでも、何でもブルックリンが流行ってますが、今日はその中でもチョークアートについて紹介します。
3年くらい前からニューヨークのブルックリンで流行しはじめ、今では東京でも見られるようになりました。

imgチョークアートは、またしてもブルックリンから

チョークアート。
それは言葉そのまんまで、チョークを使って黒板に描くアートのこと。
最近では僕の卒業した美術大学の学生が、黒板ジャックと言って、小学校の黒板にチョークで緻密な絵を描くプロジェクトが話題になっていましたね。
元々はホテルや飲食店で、オススメのメニューやサインを黒板に描いて客に見せていたもので、ルーツはイギリスのようですが、1890年くらいからアメリカでも流行した表現のようです。
しかしデジタルの波が押し寄せた現代では、古い店舗以外ではほとんど見られない、まあ言ってみれば過去の時代の、今は誰も見向きもしない古臭い表現。

img

img使われているフォントもクラシック

それを現代にアートとして復活させたのが、ブルックリン在住の女性アーティスト、ダナ・タナマチです。
ブロードウェイで開かれるショーのポスターデザインからキャリアをスタートさせて、今では自身のデザイン&レタリングスタジオ、タナマチ・スタジオで活動しています。
今、巷ではデジタルフォントなのに手描きのテイストを備えた、クラシックなフォントが流行しているということを、以前このブログでもフォントのトレンドとして紹介しました。
彼女の作品も一見、コンピューターで作られた組み見本をそのまま黒板に描き写していると思われがちですが、彼女の動画を見ていると、ラフスケッチを見ながら描いたり消したりして、極めてアナログ的に作品を仕上げている。
コンピューターに頼らず、あくまで手描きにこだわっている姿勢がとてもよいと思いました。
なかなか大変そうです。
彼女の有名な仕事には、Google、Yahoo!、Ralph Lauren、The Ace Hotelなどがあります。
Ace Hotelとチョークアートの組み合わせなんて、まさに今の時代の気分にぴったりですね。
ナイキのマラソンイベントのトータルデザインや雑誌、スマホカバーなどの作品も発表しています。

imgこの人がダナ・タナマチ

imgメジャーだけのガイドで、全部手描きですからね

img描く黒板もでっかいです。

このチョークアート、ブルックリンだけではなくヨーロッパ、またサーフカルチャーとも結びついて、今や世界的な流行になっています。
日本でも書店や雑貨屋、レストランなどで目にする機会もあるでしょう。
日本にもチョークアートをやっている人たちがいます。
Paint & Supplyという2人組のユニット。
土堤内祐介と井澤卓という人たちらしいけど、彼らはデザインの専門的な教育を受けていないというのがちょっと意外でした。
ACEホテルの部屋にチョークアートの作品が掛かっているのを見て始めたという・・・笑
それは前述のダナ・タナマチによるものではないでしょうか。

img日本からもチョークアーティスとが登場。Paint & Supplyの2人組。

デジタルからの反動だと思いますが、ハンドドローイング、シルクスクリーン、版画、活版、もう誰も見向きもしないと思われた100年以上前の技術が今見直されています。
ちょっとノスタルジックで、暖かくて楽しい、今そんな表現を人々は求めているのでしょうね。

クリエイティブ談義

松本 知彦 for Private Time/2015.03.26/クリエータークリエーター

3階にギャラリースペースを作った理由はいくつかありました。
もちろん会社のブランディングのためっていう考えもあります。
でもそれだけではありませんでした。

img昨年開催した「高橋真琴 ジャパニーズカワイイの原点」

imgオリジナルの塗り絵も販売。たくさんの人に来ていただき大盛況でした。

クリエイティブを続けていくことは、ある意味大変なことです。
常に色々な事象を吸収していく努力を怠ってはならない仕事だからです。
センスがある、センスがない、ということをよく人は言いますが、このセンスとは人によって色々な解釈があると思います。

クリエイティブという仕事は、物事の問題点を発見して、そこから最適な回答を導き出して提示する仕事です。
問題の核心を発見できなければ、解決もできない。
デザイナーの多くは、フィニッシュの表現のみに目が行って、問題の発見にはあまり感心がない人が多い。
でも実は、問題を発見する力、そして解決していく力、その両方が備わっている必要があります。
発見と解決、まず感じるのはセンスが良い悪いの前に、これができる力を備えていることが大前提なのではないかと個人的には思います。

img11年目のマコ展も、期間中には1000人を超す人が訪れてびっくり。

img横山まさみちさんのやる気満々の原画展は貴重でよかった!

センスって何?
それはチューニングのようなものです。
まず最初に問題の発見がある。
その問題を解決する際、その解決方針が最適かどうかにセンスが問われる。
センスは数値化できないアプローチ、プロセスに滲み出るものだと思います。
問題を解決する力はヒアリングから始まっている。
相手の情報を読み取る力や感じ取る力、周辺情報を集める力、過去の経験から導き出す力、それらをうまく組み合わせて改善して行く方法を考える。
その結論として導き出されたアウトプットに対して、1人でも多くの人が最適だと感じられること、それがセンスと呼ばれるものの正体ではないかと思います。
要は世の中を見て、最適な回答をチューニングして出せる能力のことです。
それを磨いていくためには、色々なものを見て経験するしかない。
自分にないもの、それを身近に見て、感じること。
そして組み合わせてみること。
自分から能動的に探していかなければならない。
教えてくれる人はいないのです。

imgタカヨン展では、夏らしく海の中を描こうのワークショップがありました。

話を戻しますが、
うちの企画でアーティストの方が展示を行う際には、必ずクリエイティブ談義を開いてもらっています。
スタッフ全員を呼んで、アーティスト本人から話を聞く時間を設けています。
それはスタッフのクリエイティブマインドが、同じプロのクリエーターの話を直に聞くことで刺激されると思っているからです。
クリエイティブの感性はクリエーター同志の響き合いによってスパークすることがあります。
そこには気づきや発見があったり、新しい考え方に耳を傾けることで次の扉が開くことがあります。
クリエーターにとっては、会社の上司の言葉より、同じクリエーターの言葉が刺激になる場合があるのです。
その刺激を会社としてみんなに提供したい。

img展示中に、子供向けワークショップを開催してくれた半谷学さん

img鈴野まいさんのクリエイティブ談義は和んだ雰囲気。

だから、できるだけうちのスタッフにはこのクリエイティブ談義に出席して、アーティストに直接質問して感じてもらいたいと思っています。
アーティストの側でも、こうした経験が自分のプレゼンテーションスキルを向上させるよい機会になれば、と勝手に思っています。
SPACE8での展示は、外へ向けた情報発信ですが、実は内側へ向けた貴重な接点の提供ということも含んでいるのです。

新しいことに触れることは、自分のクリエイティビティを成長させることにつながり、知識を集積することは必ずセンスを磨くことにつながると思います。
センスという得体のしれないものは、実は情報の蓄積や収集により、形成されているのです。

img先月、自身の現代美術作品の前でコンセプトを語る宇治野さん。

現代美術のサウンドの夕べ

松本 知彦 for Private Time/2015.02.19/クリエータークリエーター

何が縁で仲良くなったか忘れてしまいましたが、宇治野宗輝という現代美術をやっている20年来の友人がいます。
彼とは昔、一緒にバンドをやったり、クラブに人を集めてアートと音楽のイベントを開いたり、たくさんの楽しいことをやりました。
麻布から芸大という異色の経歴を持つ彼は、クレバーで話がとても面白い。
いまは現代美術家として世界を舞台に活躍しています。
そんな彼の個展をSPACE8で開くことができました。

img今回展示しているサウンドスカルプチャーのセット。

出会った頃の彼は、まだアーティストとして本格的に活動する前で、当時博報堂に勤めていた友人の佐藤可士和に頼まれて、森高千里のCMのタイポグラフィを作ったりしてました。
その後現代美術のアーティスト1本に。
今では森美術館や彫刻の森美術館、ヨーロッパなど世界各地で展示を行っています。
その主題はポップ。
1950年代にイギリスで生まれたポップアートはアメリカへ渡り、やがて世界へ広がって新しいアートの波として認知されます。
それは主に大量生産、大量消費をテーマにした表現。
ポップアートは日本にも上陸しますが、結局のところ日本でポップアートは生まれませんでした。
ポップアートは戦勝国だけのカルチャー・・・
それを確認する行為として、いまポップを再構成し、日本という地から発信しようとするのが宇治野宗輝の作品です。

img多くのドローイングの展示は今回が初。

imgユニークなドローイングは販売もしています。

そんな美術史概論的な話は抜きにしても、彼の展示はただ見るだけでもカッコいい。
コカコーラのペットボトル、ジュースミキサー、ベースギター、ラジカセ、車のワイパー、自転車の車輪、20世紀の大量生産の中で生まれた日用品、どこの国にもある製品を組み合わせて、即興演奏を行います。
そこにはユーモアもあるし、カッコよさもあるし、カルチャーもある。
去年の年末に浅草のアサヒビール本社で行われた彼のライブパフォーマンスを見に行きましたが、展示プランとして描かれた彼のスケッチが好きで、今回はそのドローイングの展示をメインにお願いしました。
行った先の国で、現地にある日用品を使って作品を作る彼は、言葉の通じない現地スタッフたちに、作品の組み立て方の指示を出さなければならない。
サウンドスカルプチャーと呼ばれる音の出る作品は、配線だったり、電源だったり、技術的な仕掛けが必要なのです。
それを説明する際に手っ取り早いのが言葉ではなく、絵による説明書でした。
ドローイングと言ってますが、それは本来展示する作品ではなく、スタッフへの組み立て用の指示書なのです。
でもこれがとても魅力的で、今回壁3面を使って展示してもらってます。

img伊東さんとの音と光の競演。面白かった。

彼は現在、元ピチカートファイブのボーカル、野宮真貴とバンドを組んでいますが、今週の土曜日にはそのバンドのギタリスト、ブラボー小松さんとのライブセッションをSPACE8にて行います。
ブラボー小松といえば、高木完と一緒に東京ブラボーというバンドをやってた人ですよ。
高木完といえば、藤原ひろしとタイニーパンクスというユニットを組んでいた人で、、、ってもう古い話なので若い人たちは知らないかもですね。汗
ま武道館にも紅白歌合戦にも出た、とにかくその筋では有名なミュージシャンなのです。
ライブは超楽しみ。
先週の金曜に行われた美術家/OPTRONプレーヤーの伊東さんとのライブもおもしろかった。
蛍光灯が楽器になるなんて知りませんでした。

img作品について語る宇治野氏ご本人。

最終日は21日。
ブラボー小松さんとのライブは16時半からですからね。
皆さん是非見に来てください!

平林奈緒美のデザイン

松本 知彦 for Private Time/2015.01.13/クリエータークリエーター

書いてから更新が遅れたため、この記事の公開が年を越してしまいましたが、去年多くのショップで平林奈緒美さんのデザインを見かけました。
今や飛ぶ鳥を落す勢いというか、ファッションのグラフィックデザインにおいては多方面から引っぱりダコの平林さん。

img原宿店で限定販売されているniko and…Essential Dictionary。

imgインデックスは黒の厚紙に白インク印刷

中でも以前ブログにも書いた、原宿の明治通り沿いに出来たnico and…の基幹店のプロジェクトは個人的におもしろいなあと感じた1つでした。
ブランドのロゴも彼女のデザインですが、その中でもオープンを記念して原宿店だけで限定発売されているカタログは凝ってて一見の価値はあると思います。
このカタログ、リングファイルの形状で、よく見るとカタログではなくてブランドアイデンティティのツールになっている。
名前はEssential Dictionary。
その名の通り、取り扱っているアイテムに対してniko and…の考え方を書いたA~Zの辞書になっているんです。
単なる商品カタログではなくて、読み進めていくとniko and…のお店や商品への取り組み姿勢がわかるというブランドブックになっているのがおもしろいと思います。

imgアルファベット順に商品カテゴリーの説明とコメントが記載されています。

最近、直接購買に結びつかない部分の制作コストはどんどん削られていく中で、こうしたほとんど直販に結びつかないツールに対してお金をかけるブランドは偉いですよね。
それに応えて面白い結果を出すデザイナーもよい。
1冊1800円と安くないので、そんなに買う人も多くないと思いますが、ブランドの心意気を感じます。
写真を配置したページとテキストのみのページを完全に切り分けて、ミニマルで潔い構成です。

そういえばユナイテッドアローズの2014年の秋冬カタログも平林さんでした。
金色のピッカピカの表紙にシールのみという大胆なデザイン。
男女兼用の内容になってますが、中身のデザインはいつもの通り。
相変わらず日本語が1つも出てこない 笑
スナップ風の写真をフォーマット化したページにレイアウトして、小さい英字テキスト(1種類のフォント、同一ポイント数で統一)を飾りのように配置して全体を構成しています。
ここでも感じるのはストイックでミニマルなデザインということ。

img正方形の写真に小さいテキスト。フォーマット化されたページデザイン。

この手法はブック型のカタログではなくて、ペラの販促ツールの場合も同様。
英国アクアスキュータムがトレンチコートを発明してから去年でちょうど100年だそうで、100年記念のチラシデザインが発行されていましたが、このデザインも平林さんでした。
普通トレンチコート誕生100年とか言うと、必ずトレンチの歴史とか変わらない商品の特長などを説明するはずなのに、相変わらずまったく日本語が出てこない。
絶対に日本語は入れたくないんでしょうね。
ここまで徹底しているのはさすがです。笑
男子と女子の差もあるでしょう。
男子はウンチクや背景にあるストーリーで商品に魅力を感じますが、女子ってイケてればそれでいいわけです。
むしろウンチクはメンドクサくて必要ないもの。
これは女子向けのトレンチコートですからね。

imgアクアスキュータムのトレンチ誕生100周年カタログ

imgタイル状に画像を配置しただけなのにスタイル感じるのは写真の力。

でもこのチラシ、よく見ると日本語の説明があるんです。
なんだ、やっぱり今回ばかりはさすがに日本語使わないと商品の説明ができないものな、って思ってもう1度見ると、商品の説明を方眼紙にプリントアウトして撮影した画像!!笑
やっぱり日本語をデザインの1要素として使うのは、絶対に嫌なんでしょうね。
商品説明はテキストではなくて、あくまで画像として扱っています。

img商品の説明は画像で!笑

今回紹介した3つのツール、用途も版型も違いますが、取られているデザイン手法は同じ。
こういうのを並べて分析してみるのも、今の時代の気分を知る上でとってもおもしろいです。

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