Dieter Rams ディーター・ラムス

松本 知彦 for Private Time/2012.03.22/クリエータークリエーター

長年、ドイツの家電ブランドBRAUNのプロダクトデザインを担当した人です。
この人の素晴らしいところは、CIという概念がない時代にデザインによってBRAUNという企業のアイデンティティを確立しただけでなく、デザインで世界を牽引し、世界中の企業やデザイナーに大きな影響を与えたことでしょう。
彼のデザインした製品を見る度に、デザインの普遍性とは何か?を考えさせられます。

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1950年代に発表された初期の名作レコードプレーヤー「SK 4」を見ても、この時点で既にデザインが完成の域に達していることがわかります。
今から50年前のデザインですが、古さを感じさせません。
スーパークールですね。
本当に素晴らしい。

imgブラウン「SK 4」レコードプレーヤー 1956年

60年代に入ってからもラムスは次々と名作を発表していきます。
その中の1つに、ヴィッツゥ・ユニバーサル・シェルビング・システムがあります。
これも本当に素晴らしい。
最近、深沢直人がリニューアルを手掛けた松屋銀座のデザインコレクション、有楽町阪急メンズの地下にオープンしたイギリスのライフスタイル雑誌MONOCLEが運営するMONOCLE CAFÉにも、このシェルビング・システムが使われています。
このシェルビング・システムはD&Dで現在でも購入可能。
ハラーシステムといい、このヴィッツゥといい、優れたものの多くが60年代に生み出されていることに注目したいですね。

imgヴィツゥ 606 ユニバーサル・シェルビング・システム 1960年

img松屋銀座にあるデザインコレクション

img有楽町阪急メンズの地下1階にあるMONOCL CAFÉ

今の時代に、60年代のブラウンに匹敵する企業はいるだろうか?
あるとすれば、それはたぶんアップルでしょう。
アップル製品の多くをデザインしているジョナサン・アイブも、またラムスから多大な影響を受けています。

img左側がラムスのデザインしたブラウンの製品、右側がアップルの製品。これパクリ?と思うくらい似ています。

素材の選択、色、シンプルなデザイン表現、2つの企業が発表したプロダクツの間には、多くの共通点があることが瞬時にわかると思います。
アイブ自身、ラムスの言葉を引用して発言していることからも、その影響は間違いありません。

よいものは時代を超越して普遍的に素晴らしいです。
過去の素晴らしい作品群にインスパイアされ、デザインを再解釈し、そこに新しい価値を加えて提供すること、それが今後デザインに携わる人が担うべき役割であり、求められるスキルだと思います。
そのために私たちは過去の素晴らしい作品群に触れて学ばねばならないのです。
モノを生み出すヒントは未来ではなく、膨大な過去にあるのです。

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