平林奈緒美のデザイン

松本 知彦 for Private Time/2015.01.13/クリエータークリエーター

書いてから更新が遅れたため、この記事の公開が年を越してしまいましたが、去年多くのショップで平林奈緒美さんのデザインを見かけました。
今や飛ぶ鳥を落す勢いというか、ファッションのグラフィックデザインにおいては多方面から引っぱりダコの平林さん。

img原宿店で限定販売されているniko and…Essential Dictionary。

imgインデックスは黒の厚紙に白インク印刷

中でも以前ブログにも書いた、原宿の明治通り沿いに出来たnico and…の基幹店のプロジェクトは個人的におもしろいなあと感じた1つでした。
ブランドのロゴも彼女のデザインですが、その中でもオープンを記念して原宿店だけで限定発売されているカタログは凝ってて一見の価値はあると思います。
このカタログ、リングファイルの形状で、よく見るとカタログではなくてブランドアイデンティティのツールになっている。
名前はEssential Dictionary。
その名の通り、取り扱っているアイテムに対してniko and…の考え方を書いたA~Zの辞書になっているんです。
単なる商品カタログではなくて、読み進めていくとniko and…のお店や商品への取り組み姿勢がわかるというブランドブックになっているのがおもしろいと思います。

imgアルファベット順に商品カテゴリーの説明とコメントが記載されています。

最近、直接購買に結びつかない部分の制作コストはどんどん削られていく中で、こうしたほとんど直販に結びつかないツールに対してお金をかけるブランドは偉いですよね。
それに応えて面白い結果を出すデザイナーもよい。
1冊1800円と安くないので、そんなに買う人も多くないと思いますが、ブランドの心意気を感じます。
写真を配置したページとテキストのみのページを完全に切り分けて、ミニマルで潔い構成です。

そういえばユナイテッドアローズの2014年の秋冬カタログも平林さんでした。
金色のピッカピカの表紙にシールのみという大胆なデザイン。
男女兼用の内容になってますが、中身のデザインはいつもの通り。
相変わらず日本語が1つも出てこない 笑
スナップ風の写真をフォーマット化したページにレイアウトして、小さい英字テキスト(1種類のフォント、同一ポイント数で統一)を飾りのように配置して全体を構成しています。
ここでも感じるのはストイックでミニマルなデザインということ。

img正方形の写真に小さいテキスト。フォーマット化されたページデザイン。

この手法はブック型のカタログではなくて、ペラの販促ツールの場合も同様。
英国アクアスキュータムがトレンチコートを発明してから去年でちょうど100年だそうで、100年記念のチラシデザインが発行されていましたが、このデザインも平林さんでした。
普通トレンチコート誕生100年とか言うと、必ずトレンチの歴史とか変わらない商品の特長などを説明するはずなのに、相変わらずまったく日本語が出てこない。
絶対に日本語は入れたくないんでしょうね。
ここまで徹底しているのはさすがです。笑
男子と女子の差もあるでしょう。
男子はウンチクや背景にあるストーリーで商品に魅力を感じますが、女子ってイケてればそれでいいわけです。
むしろウンチクはメンドクサくて必要ないもの。
これは女子向けのトレンチコートですからね。

imgアクアスキュータムのトレンチ誕生100周年カタログ

imgタイル状に画像を配置しただけなのにスタイル感じるのは写真の力。

でもこのチラシ、よく見ると日本語の説明があるんです。
なんだ、やっぱり今回ばかりはさすがに日本語使わないと商品の説明ができないものな、って思ってもう1度見ると、商品の説明を方眼紙にプリントアウトして撮影した画像!!笑
やっぱり日本語をデザインの1要素として使うのは、絶対に嫌なんでしょうね。
商品説明はテキストではなくて、あくまで画像として扱っています。

img商品の説明は画像で!笑

今回紹介した3つのツール、用途も版型も違いますが、取られているデザイン手法は同じ。
こういうのを並べて分析してみるのも、今の時代の気分を知る上でとってもおもしろいです。

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