JOHN LOBB LONDON

松本 知彦 for Private Time/2014.11.19/ファッションファッション

ロンドンと聞いて、まず最初に頭に浮かぶのは、何でしょう?
シャーロック・ホームズ、ビッグベン、ハリーポッター、色々ありますが僕にとっては音楽とジェントルマンです。
今回は後者のジェントルマンについて書きますね。

imgセント・ジェームス・ストリートにあるJOHN LOBB LONDON

img店内はアンティークショップのようです。

現在世界万国共通で紳士たちが着用しているスーツや靴はイギリスで誕生し、ジェントルマンの文化とともに世界に広がっていきました。
紳士服を愛する者にとって、ロンドンは聖地のような場所と言えるでしょう。
サヴィルロウやジャーミン・ストリートにある店をはじめ、100年以上続くジェントルマンズショップはロンドンにたくさんあります。
その多くが英国王室御用達のブランド。

ロンドンに20年以上住んで、アーティストとして活躍している同じ大学の先輩がいます。
その先輩の友人がジョン・ロブの職人だということもあって、工房を案内できるけど見たい?と聞かれて、こんな機会はないので是非案内してもらうことにしました。
ジョン・ロブのことをご存知ない方のために少し説明しますね。
創立は1849年。靴職人のジョン・ロブ氏がロンドンのセント・ジェームス・ストリートに店を出したのが始まりです。
ビスポークと言われるオーダー専門の店で、それが評判となり、以降世の紳士たちがこぞってビスポーク靴を注文し、その名は世に広まっていきました。
1902年には2代目がパリに支店を開設、1976年にはその技術の高さに惚れ込んだエルメスがパリ支店を買収し、1981年からレディメイド(既成靴)のラインをスタートさせました。
あまり知られていないことですが、エルメスの傘下で既成靴を扱うジョン・ロブ・パリと、ビスポークシューズを専門に扱うジョン・ロブ・ロンドンは別会社になっています。
エジンバラ公とチャールズ皇太子の2つのロイヤルワラント(王室御用達)を持つ、ビスポーク専門のブランドがジョン・ロブ・ロンドン。
店は現在、セント・ジェームス・ストリートにある1店舗のみ。
今回は160年前にジョン・ロブ氏が開業した、そのセント・ジェームス・ストリートのお店にお邪魔させてもらいました。

imgLONDON、PARISと表記あるのはジョンロブ・パリが支店だった時の名残です。

img足の大きさを紙に写し取り、それに合わせて木型を作ります。下は革のサンプル。

店の中に入ってビックリ。
まるで時間が止まったような、、、160年前の創業の時と同じなんじゃないか?と思われる空気が流れていました。
1階で先輩の知り合いのジョンさんに、靴作りの行程の説明を伺いました。
ジョンさんは、足のサイズを測定し、それに合わせて木型を削る職人。
一通り、説明を伺ったあと、早速地下の工房を案内してもらうことに。
ロンドンのこうした古いお店は、だいたい地下が工房になっています。
たぶん100年以上、建物はそのまんまなのでしょう。
160年前に建物に地下を作るっていう建築技術もスゴイですねえ、日本は徳川幕府の江戸時代ですよ!

imgこちらジョンさんの作業机。やすりで木型を削っています。

地下では、それぞれ担当の異なる10人くらいの職人さんが働いていました。
写真はNGだったので画像はありませんが、フレッド・アステアのラスト(木型)など、いやあ貴重なものをたくさん見せてもらいました。
日本でもホテルオークラで毎年1回オーダー会が開かれていますので、興味ある方は是非ビスポークしてみてください。
値段はあえて書きません・・・・汗

img帽子で有名なLOCK&co。創業はなんと350年前ですよ・・・・

靴を見たら、次は帽子。
今帽子を被って通勤しているビジネスマンは一人もいませんが、日本のサラリーマンも1950年代までは、スーツに帽子を被るのが紳士の身だしなみでした。
ジョン・ロブの数軒隣にはロック&コーがあります。
ここはジョン・ロブよりさらに古くて、1676年創業。
創業が350年前って、いったいどんだけ古いんでしょうか・・・
もちろん英国王室ご用達。
帽子を入れる箱のパッケージが可愛かった。

そこからサヴィルロウの方に戻り、これまた先輩の知り合いのテーラーで、ビスポークスーツの工房を見せてもらうことに。
このテーラーはジョン・ロブで働く職人の友人がオーナーとのことでした。
訪れたのは、サヴィル・ロウの1本隣、George streetにあるL.G.Wilkinsonというテーラー、日本ではあまり有名ではありませんが、こちらも創業は1919年。
お父さんから店を受け継いだ息子のウィルキンソンさんに話を伺いました。
店内はジョン・ロブ同様、アンティークなインテリアですが、オープン当初の写真を見ると、建物もまったく今と変わらない。
こういうのが英国なんでしょうね。
地下の工房では陽気な職人のおじさんたちが、楽しそうに働いていました。
僕のジャケットを見て、モダンなものも何でも作るから言ってくれと言っていたけど、ここで作ったらたぶんブカブカになるだろうというのは容易に想像がつき、、、
それに3000ポンド(60万くらい)もするので、軽い気持ちでお願いするっていうわけにもいかず・・・
(サヴィルロウでオーダーするともっと高いです・・・)
見学だけさせてもらって帰ることに。

img地下の撮影はできませんでしたが、下は奥にあるカッターのスペース。

モノ作りの現場って見るのはとっても面白いです。
そこに古くからの伝統や文化を感じることができるから。

最後に、日本人でも気軽にオーダーできるテーラーを紹介しておきます。
サヴィルロウからは離れますが、Holborn 近くのBloomsburyというエリアにLamb’s Conduit Streetという、今熱い通りがあります。
通り沿いには、J crewとかオリバースペンサーの店が並んでいて、かなりイケてる通りなのですが、そこにある2軒の古いテーラーのうちの1軒。
たまたま入ったCONNOCK&LOCKIEという店には日本人のカッターがいます。
こちらも創業は1902年。
100年以上やってるテーラーです。
http://connockandlockie.com/
色々リクエストを聞いてくれそうでした。
作るなら言葉の通じる彼の店がいいなあと思っていましたが、それはまた機会があれば。
いやあ、ロンドンでスーツを着ている人はほとんど見かけませんが、老舗のテーラーで3000ポンドも、いえそれ以上のお金を出して、スーツをオーダーしているイギリス人なんているのか?というのが素朴な疑問でした。

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