ISAIA  イザイア

松本 知彦 for Private Time/2015.06.09/ファッションファッション

分野的には、ラグジュアリー系統に属するこのイタリアブランドの立ち位置は微妙です。
モードとクラシックのちょうど中間に位置していて、故にこのブランドを愛する人もそんなに多くない気がします。
わかりにくいからでしょう。
なんだかんだ言って、みんなわかりやすいことが重要なのです。
わかりやすい(流行ってる)=イケてる=女子にモテるっていう図式は、僕らの世代だとイヤと言うほどポパイやホットドックプレスによって10代の時から脳裏に刷り込まれてきました。
若い頃はみんな女子にモテたいばっかりに、身の丈に合わないことをしたものです。
しかし、絶食男子が増殖中の今では、その対象が女子ではなくなり、自分自身に代わっているのではないでしょうか。
「女子にモテたい」ではなくて、「イケてる俺が好き」みたいなナルティシズムに取って代わられているのではないかと。
時代とともに目指すゴールは変わったとしても、イケてる信仰は男子の根底には根強く流れているのではないかと勝手に思ったりしております、ハイ。汗

imgブランドのカラーは赤です。

さて、イタリアの服と言えば、最高級のクラシコとしてナポリのアットリーニやキートンがあります。
このあたりのブランドについては、マニアのおじ様たちがたっくさんいて、家系図とか出して説明されちゃうのでここでは省きますね 笑(南イタリアのクラシコの系図の多くはファミリーなのです)
これらはエグゼクティブ向けのブランドで、スーツでも既成で60万以上するのですが、裏を返すとクラシックでトレンド感はあまりありません(おじ様たちに絶対に怒られます・・・・)。
007でピアース・ブロスナンが着ていたブリオーニのように、成功者の証として認知されているブランド。
逆に、若者でもちょっと背伸びすれば買えるブランドとして、ボリオリやラルディーニがあります。
イザイアはこのどちらにも属しません。
どちらかというとベルベストと同じグループに属すると思いますが、流行ってもいないし、それほど安くもないし、形容しがたい立ち位置です。
でもコンサバのベルベストよりは、モード寄りでカッコいい。

imgシャツの裾には赤い珊瑚の刺繍があります。

img一番下のボタンは、赤い珊瑚のように縫われています。そして襟に入っている芯(カラーステイ)にも珊瑚が印刷されていて可愛い。1枚のシャツにこれだけアイコンが入っているブランドはないでしょう。

上にはアットリーニ、下にはラルディーニ、中間を行くイザイアは支持されることはあまりないかもしれません。
わかりにくい分、損をしているのです。
マーケットにおいて、この「わかりやすい」ということが非常に大事なのです。(悪く言うとベタってことになるのですけど 笑)
売れるためには=ユーザの気持ちを掴むためには、どの分野においても、この「わかりやすい」というのはマストだと思います。
でも僕は、このモードとクラシックの双方の要素を合わせ持つ感覚=わかりにくさというのが、絶妙で好きです。
アットリーニやキートンは上がりっていうか(日本では)、遊びの要素があまりなく、その先がないような気がしてしまうのと同時に、自分の上昇志向を満足させるためにある服の気がします。
服が好き、ではなく、これを着てイケてるオレが好きって感じ。
既成スーツに60万投資する金銭感覚を自分は持ってないというのも大きいです。
正直言うと、その価格に見合う価値がわからない。
モードの要素がないエグゼクティブ向け(要は上質だけどコンサバなサンオツの人向け)の服には個人的にはあまり興味がないっすね(またおじ様に絶対に怒られる・・・)
巷ではそれをクラシックと言ったりもしますが。

img

imgジャケットやコートには必ずイザイアのアイコンである、赤い珊瑚のバッジがフラワーホールについてます。

imgハンガーまで珊瑚マークのついた赤で統一されていて、このトータルブランディングが好きです。

さて前置きが長くなりましたが、イザイアは1957年に、イザイア3兄弟によってナポリで設立されました。
幸運を意味する赤い珊瑚がブランドアイコンとなっています。
このアイコンがシャツ1枚を例に取っても色々なところに配されていて、可愛いです。
スーツやジャケットのラペルには、ラルディーニのフェルト製の花ように、赤い珊瑚のバッジがついています。
市場で売られているほとんどのシャツの袖丈が自分の腕には短い中、イザイアのシャツは自分にはギリギリ大丈夫。
大きくカーブしながら開いてカットされている袖のカタチが特徴です。(手首まわりピッチピチですけど)

モードとクラシックの双方の要素を持つブランド。
そしてそういう感覚、着こなしが好きです。
リカルド・テッシもアットリーニもどちらもよい、シャルベのクラシックなシャツにサンローランのロックなパンツを履いたって、それでいいと思うんです。
もうすぐミッドタウンに新しくショップがオープンするイザイア、前述の「わかりにくさ」はどのくらいの人たちに支持されるか、今後の動向を見ていきましょう。

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