ブレイシスって何のことかわかりますか?

松本 知彦 for Private Time/2015.09.11/ファッションファッション

小学校の時はズボン吊りと呼んでました。
それはベルトのことをバンドと呼んでいた昭和の時代です 笑
(そういえば今バンドって死語ですね。)
サスペンダーという言葉があると知ったのは中学生くらいでしょうか。

img箱に入って売ってます。

英国生まれのアルバートサーストンは、1820年創業の老舗サスペンダーメーカー。
180年以上に渡って、英国の伝統的なクラフトマンシップに支えられてきた最高級のサスペンダーです。
現代でこれを使っている人は、コテコテの英国マニアだけでしょう。
マニアの間ではサスペンダーとは言わず、これをブレイシスと呼びます。
サスペンダーをブレイシスと呼ぶ人は、間違いなく英国マニアです。
(自分自身は違うと思ってますが・・・)
そしてブレイシスと言えばアルバートサーストン、そういう王道ブランドなのです。
サスペンダーをしたことがない人のために少しだけ説明すると、アルバートサーストンのサスペンダーのカタチはY型で、前2本、後ろ1本でパンツに固定するようになっています。
ちなみに英国的にはパンツとは呼ばす、必ずトラウザーズと呼びます。
メンドクサイですね。笑
サスペンダーを留めるためには、あらかじめパンツにボタンがついている必要があります。
前に4つ、後ろに2つ、パンツの内側につけられた計6個のボタンでサスペンダーを固定します。
クリップ留めの商品もあります。

imgLONDON 1820が泣かせますね

imgMADE IN ENGLANDも泣かせます

img装着するとこんな感じ。ボタンをかける部分は布製です。

こうしたディティエールは、3ピースがもっとも輝いていた時代、いえそれよりもっと古い時代からのスタイルでしょう。
スーツの普遍的なスタイルは、1930年代の英国で完成したと言われていますが、その頃はサスペンダーとベスト(チョッキ、英国的に言うとウェストコートと言います←毎回ながらメンドクサイですね 笑)、それに帽子は男子にとってのマストアイテムでした。
まさに紳士の必携アイテムだったわけです。

現在イタリアが牽引するファッショントレンドの中で、いくらクラシックが流行っているとはいえ、股上の深い2タックの太いパンツにサスペンダーで3ピースを着ている人は少ないと思います。
そうした古いものを愛する人はクラシック好き、下手をするとコスプレに近いレトロ嗜好を持った人なのです。
よく言えばダンディズムとも言えますが。
女子にはまったくわからない世界だと思います。
女子から見たらサンオツど真ん中で野暮ったく、きっと悲しい初老と映ることでしょう。

imgタキシードはパンツの外側にボタンがついてます。こちらのボタンをかける部分は革製。

imgお気に入りのカモフラは、ロンドンのショッピングサイトで購入しました

ボタンを留める部分はレザーと布で2種類ありますが、現在は布の方が主流でしょう。
僕は両方持っていますが、革の方は厚みがあるため多少かさばります。
素材も夏はライトなコットン、冬なら厚いフェルトなど色々あります。

ウェストコート(繰り返しますがベストのことです 笑)にブライシス(サスペンダー)をした3ピースのクラシックなスーツスタイルは、まるで武装した戦闘服のよう。
しかもスーツの生地が英国製だったりすると、鎧を着ているように重くて身体が締め付けられます。
コンフォタブルとはまったく無縁のスタイル。
いろんな選択肢がある現代に、こんな恰好をあえて選択する人は変態ですね 笑
ちなみにブレイシスは基本的に人に見せるものではなく、ズボンを吊るという機能的なものです。
昔はシャツ=下着と考えらており、人前でシャツ姿になることは下着で歩きまわることを意味していました。
だから上着を脱ぐときは必ずウェストコートを着ている必要があった。
ウェストコートの下につけたブレイシスは見えない(見せない)アイテムだったのです。
着脱時、特にトイレに入った際には大変です・・・
そしてどうやって箪笥にしまうのか?
上級者は、1本のパンツに対して1つのブレイシス、そう、付けっぱなしでクローゼットに吊るすのだそうです。
まあブレイシスをトラウザーズに留める作業も大変ですからね。
朝、その日着て行く服を選んだ後にブレイシスをつけてたら間違いなく遅刻します。

紳士の皆さん。
便利でコンフォタブルな選択肢がたっくさんある今、こうしたメンドクサイことをするのも時にはいいかもしれませんよ。

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