グローブ・トロッター スーツケースのオーダー

松本 知彦 for Private Time/2014.10.08/ファッションファッション

皆さんは旅行に行かれる時、どんなスーツケースを使っていますか?
個人的に海外旅行に行くなら、スーツケースは大きければ大きいほどよいと思っています。
行く時はスカスカでも、帰りには必ず常にケースに入らないくらいの荷物になるからです。
そんなに買物をするわけでもないのに。
あれはなんでしょうね、おみあげかな。

imgスーツケースのオーダーは初めての経験でした。

僕は20年くらいずっとTUMI(トゥミ)のスーツケースを使っていました。
このアメリカブランドのスーツケースは、革やアルミなどの金属製ではなく、ブランドの特徴である黒いナイロン製の布が全体に使われています。
この黒い布、実はアメリカで使われている防弾チョッキと同じ素材なのです。
頑丈なことがブランドの最大の宣伝文句にもなっていました。
しかも、仮にスーツケースを紛失した場合でも、ID登録システムに所有者を登録しておけば、見つかった際に誰のバッグかを特定されて連絡がもらえるという優れたサービスもあります。
色々な面ですげーなあと思って買ったのですが、最初に行った海外旅行でいきなりケースの下についていたプラスチック製の足がなくなってネジが飛び出し、その後何回か旅行に行くうち、ジッパー部分も割れて、鍵もつけられなくなってしまいました。
これだと空港で誰にでも簡単にスーツケースを開けられてしまうので、防犯上よろしくない。
エイジングを楽しむっていう文化もあるけど、20年使ってくたびれたスーツケースを直して今後さらに使い続けるのもなあ、と少し考えておりました。
というか、あれだけ頑丈を売り文句にしていたのに、初回の旅行でいきなり壊れたTUMIに対して、その時点でブランドの魅力はもう半減です。。

imgブランドのアイコンにもなっているトロッターを持ったチャーチルの写真。

imgロイヤルベビー誕生を記念して、昨年限定販売されたロイヤルスイートコレクション

今年の春くらいに、もしかするとロンドンへ行くことになるかもという企画が持ち上がり、それと同じタイミングでグローブ・トロッターのオーダー会が開かれることを知りました。
これはもう作るしかないかな、と。
グローブ・トロッターは1897年に創業されたイギリスのブランド。
革製の鞄が主流の時代にヴァルカン・ファイバーと呼ばれる特殊な紙でスーツケースを作ったのでした。
紙ですよ、紙!
だからものすごく軽いのです。
今もこの製造法は100年前と変わっていません。
あのチャーチル首相もグローブ・トロッターのアタッシュケースを持って、ロールスロイスで公務に向かっていたというのは有名な話。
そしてエリザベス女王は、ハネムーンの際にグローブ・トロッターを持って出かけています。
(今チャーチル生誕140周年を記念した限定モデルがグローブ・トロッターで売られてます。創業100年以上の英国ブランド、ターンブル&アッサーとのコラボ。)

さてそんな100年以上の歴史を持つグローブ・トロッター。
以前も定期的に開かれていたオーダー会の情報を知る度に、あ〜作ろうかな、どうしよう、いや待てよ、自分にはTUMIがあるじゃないか(すぐ壊れたけど)、あれが使えるのだから買うことはない、と自分に言い聞かせてきました。
しかし今回とうとう作ることに。

imgスーツケースのベースの色だけ決めても、その他のパーツを選ばなければならない。。

オーダーなので、すべてのパーツを選ぶことができます。
まずスースケースのサイズから。
前述のように、僕はスーツケースは大きいに越したことはない、大は小を兼ねると思っているので、一番大きいサイズ、33インチのエクストラディープを選びました。
次にベースとなるケースの色を選びます。
ブラウン、ネイビーなど全部で10色くらいあってなかなか最初の段階から悩みどころ。
四隅についている補強用の革、大きいサイズだけについている革のベルト、ベルトを留める革、2ヶ所についている持ち手、それらの革に施されるステッチの糸の色、鍵がかかる金属製の金具の色と素材、ケースの内側に貼られる布、などなど選択肢、組み合わせがたくさんあります。
これらを1つ1つ選んでいくのはかなり骨の折れる、時間のかかる作業です。
スーツのオーダーよりもバリエーションが豊富で、選ぶのに困ってしまいます。
たぶんイメージなしでゼロから選んでいったら、何時間もかかるでしょう。
僕は昨年販売されていたロイヤルスイートコレクションと同じカラーリングにしました。
ウィリアム王子とキャサリン妃の間にロイヤルベビーが誕生した際に、限定発売されたモデルと同じ組み合わせです。
アイボリーホワイトのボディに、ネイビーとバーガンディレザーという組み合わせ
そう、イギリスの国旗、ユニオンジャックに使われている白、赤、ブルーの3色で構成されたモデルなのです。
イギリス製のスーツケースを持って、まずイギリスに旅行に行くのだから、コンセプトはちょうどよいと思いました。
限定発売されていたモデルは、内側にキャサリン妃が結婚式前夜に宿泊したホテル「ザ・ゴーリング」のロイヤルスイートのシルクの壁紙が使われていましたが、僕はそこまで一緒にする必要もないので他の布にすることに。

img文字の書体を選んだらあとは色です。色は表札のような木に塗られたサンプルから選びます。

最後に、スーツケースにイニシャルやラインを入れることができます。
これは普通にスーツケースを買っても、限定販売の商品を買っても受けることができないオーダーだけの限定サービスです。
せっかくなので入れることにしました。
ゴヤールのバッグなどと同じですね(以前ゴヤールのバッグにもオーダーで入れましたが、、)
最初はT.Mにしようかと思いましたが、これは家族全員で使ったり、将来子供たちに譲ることも考えていたので、誰でも使えるようイニシャルはMの1文字だけに。
ラインは入れずにシンプルに英字だけにしました。
ここでも書体を色、文字のサイズ、そして入れる位置を決めなければなりません。
なかなか大変。。

img指定した書体を紙に出力して実際のスーツケースに貼って大きさや位置を検討・・・・

imgPCの画面上でオーダーサンプルが見れますが、それでもイメージが掴めません。

ゴシックも試してみましたが、鞄がクラシックなデザインなのでセリフ(明朝体)の方がしっくりくるなと。
指定した文字サイズと色を紙に出力してもらって、切り抜いたものを実際のスーツケースに貼って場所や見え方のシミュレーションを重ねました。
簡単に書いてますが、この作業も結構悩むところで時間がかかります。
PC上で、指定した色、イニシャルの場所や全体のバランスなどが見られるのですが、それでもなかなかイメージは湧きません。
完成しないとわからない部分が多いです。

イギリスの工場で作られて日本に送られてくるまで4ヶ月かかるということで、完成を待つことに。
それを持って英国に行くと言う、、、なんだかおもしろい流れになりました。

シアサッカー好き

松本 知彦 for Private Time/2014.08.25/ファッションファッション

夏の服の素材と言えば、麻。
それに加えるならシアサッカーでしょう。
表面が凸凹していて、主にジャケットなどに使われるストライプ柄が多い素材です(無地もありますが)。
僕はこの生地が好きだということに最近気が付きました。

imgブルーとグレーのシアサッカーとコードレーン

クローゼットを開けると、いつの間にかシアサッカーのスーツが何着も。
これって、、、、自覚はまったくなかったけれど、好きじゃなければこんなにならないよな・・・って気が付いたんです。
しかもこれ、半分はオーダーなのです。
アメトラブームが来て、去年くらいからあちこちのショップでシアサッカーのスーツを見かけるようになりましたが、それ以前はどこのお店にもありませんでした。
ジャケットだけなら売ってましたが(3年前まではジャケットすら売ってなかった)、だからオーダーするしかなかったんです。
シアサッカーと言っても、色やストライプのピッチ、コットンとポリエステルの混合率など色々あって、単純な素材のように見えて選択肢は多いのです。

夏のスーツは強い日差しや汗などで劣化が激しいため、ウールと違って消耗品です。
シミなどができて、ダメになるまでの時間が短い。
ですからオーダーなんてしない方がいいのですけど、売ってるものの中から気に入ったものを見つけることは困難で(つか、売ってないし)、必然的に作ることになってしまうのです。
もちろん最初は既製服からスタートしましたけど、なんかイメージと違うなあと思って、オーダーで作ったりしていたら、同じようなシアサッカーのスーツばかりになってしまいました。
中にはジャケットと半ズボン、長ズボンを3点セットでオーダーで作ったり 笑
今だったらそんなのも売ってそうですけどね。

img夏は暑いので、だいたい袖のボタンは本切羽の仕様にしています。

imgオーダーの場合、パンツはベルトではなく、アジャスタです。60年代のディテール。

シアサッカーと並ぶ夏の代表的な生地で、コードレーンという生地もありますが、シアサッカーより凹凸の少ないこの生地も好きです。
でもシアサッカーにしてもコードレーンにしても、これらの素材から受けるイメージは、やっぱりアメリカントラッドでしょう。
三つボタン、フックベントなどで(ど)クラシックに着る生地。
シアサッカーのスーツを着る、ということはお約束の着こなし方があるのです。
シアサッカーに白いボタンダウンのシャツ、黒のニットタイ、そしてウォークオーバーのホワイトバックス。
それが教科書通りの着方です。
わかりやすい。
僕も高校生の頃はそんな格好をしてみたかった。
そんなあこがれがあるから、今でもシアサッカーを欲してしまうのかなあ・・・

imgジャケットと半ズボンのスーツ。オーダーです 笑

でも(ど)クラシックというか、ストレートなアメトラに行くのも抵抗あるので、そんな教科書的な着方はしないようにしてますけどね。
どこかにコンテンポラリーな要素を入れたり、ブリティッシュに振ったり。
でもなあ、細身のシアサッカーにニットタイを締めて、横分けのヘアスタイル、そんな60年代的な格好はストイックで、品がよくて、やっぱり魅かれてしまうのです。
夏のドレスアップスタイルってかっこいいです。

サルヴァトーレ・ピッコロのシャツ

松本 知彦 for Private Time/2014.08.20/ファッションファッション

以前からこのブログでも何度か紹介している、東京で一番シアワセなお店、広尾にあるピッコログランデ。
このお店で最近、店長オススメの麻のシャツを買いました。
これがなかなか他にない仕様なのです。

imgピッコロ=イタリア語で小さいという意味、グランデは大きい。

ブランドはサルヴァトーレ・ピッコロ。
でもこのシャツ、、変わってます。
麻の素材でウィングカラー(タキシード着用の際にボウタイをするための立った襟を持つシャツのこと)ってあんまりないですよね。
そして、ただのサルヴァトーレ・ピッコロではないのです。
メンズプレシャスの連載、伊勢丹メンズ館サロンドシマジでもおなじみ、元週刊プレイボーイ編集長シマジさんとのダブルネームなのです笑
シマジさんの名前のあとにBってありますけど、これはご本人が自分のことをバートと呼んでいるかららしいです。
よくわからんですが 汗

img購入したのは白いリネンのシャツ

img首の後ろのタグはダブルネームになっています。

imgシャツの背中に深~いスリットが入っているのです。

そして麻のウィングカラー以外に、何か変わっているかというと、、、、、
背中が丸アキなのです 笑
これは暑い夏にはいいです!
背中丸アキは、シマジさんからのデザイン指示らしいですが、なかなか他にはない大胆なデザインですよね。
フォーマルのウィングカラーで背中丸アキですよ 笑
でもこういう遊びがいいですね。

imgこちらは15周年の時に買った同じくサルヴァトーレ・ピッコロのシャツ。

imgこっちは普通のよく見るタグ。

imgお腹のところにピッコログランデ15周年の刺繍があります。

そういえば以前15周年パーティでお店にお邪魔した際にも、サルヴァトーレ・ピッコロのシャツを買いました。
それもウィングカラーだった・・・
サルヴァトーレ・ピッコロはウィングカラーが好きなのか?
っていうか買ってるのは自分なので、自分が好きなのか???!!
ショールカラーもそうですが、フォーマルなテイストが好きみたいです。
15周年の記念限定シャツもフォーマルなウィングカラーなのに、生地がオックスフォード、その落差がいいですね。
フォーマルなデザインなのに、洗濯機で洗いっ放し、アイロンなしで着るっていうのがいいと思います。
15周年のイニシャルが入ってました。

いつも笑顔の加藤夫妻がやっている東京で一番シアワセなお店、これからも時々寄らせてもらいますね。

N°21(ヌメロベントゥーノ) ショップオープン

松本 知彦 for Private Time/2014.08.05/ファッションファッション

ユナイテッドアローズが25周年を記念して新しいブランド、アストラットを立ち上げたことを先週記事にしましたが、今回はそれに関連した記事です。
先週末、青山にN°21(ヌメロベントゥーノ)の新しいショップがオープンしました。

img小さいけどカワイイショップ

このブランド、今ELLEなどの女性誌に露出が多くなってきている旬なブランドなのです。
イタリア、ナポリのブランドで、アストラットでも多く扱っています。
メンズでナポリと言えば、クラシックなおじさん達ご用達のサルト(テーラー)がたくさんあることで有名な場所ですが、こうしたモードなブランドが生まれるカルチャーもあるんですね。
ミラノじゃなくてナポリっていうのが、ちょっと意外な気もします。
グルッポタナカという大阪の企業が運営を行っていますが、うちの会社と取引があるので、レセプションに招待いただきました。
場所は表参道から少し入った、CARVENの並びにあります。

img1階はレディス

img今旬なデザインです。

1階がレディス、2階がメンズで、外階段でつながっているという、ちょっと不思議な建物。
7/31がレセプションだったのですが、この日はスゴイ暑かったにも関わらず、たくさんの人が来ていました。
イタリア人に混じって、タレントの鈴木奈々さんや何人かの芸能人もいました。
今年3店舗まで拡げるとのこと。
がんばって欲しいですね。

img2階はメンズ。メンズを買う人は今は少ないでしょうね。

しかし毎回感じるのですが、こうしたファッションのレセプションに来て何が面白いかって、来てる人を見ることです。
ホントに下世話な趣味ですが、彼らを見るのはとてもおもしろい 笑
芸能人、モデル、ファッション関係者、そして編集部の方々。
個人的には編集部の方々(だと思われる女史)を見るのは、見た目がイケイケのファッション関係者と明らかに違っていて興味深いです。笑
VOGUEでもパーティ特集のページがありますが、人気コンテンツだそうで、ついつい見てしまいますよね。
メンズでもピッティに来る人を撮影しただけで1冊の本として売れちゃうわけですからねえ。

とにかく、N°21(ヌメロベントゥーノ)のお店、青山に行く機会があったら覗いてみてください。

アストラットのアートディレクション

松本 知彦 for Private Time/2014.07.30/ファッションファッション

昨日紹介したユナイテッドアローズの記事の続きです。
ユナイテッドアローズは今年25周年を記念して、アストラットという新しいブランドを立ち上げました。
複数の女性誌にも取り上げられてますが、これが売れているみたいなんです。
今もっとも旬なブランドですね。

imgアストラットはインポートとオリジナルで構成する大人向けブランド

こんだけ日本にファッションブランドや商品があふれているのに、まだ新しいブランドを立ち上げる余地があるのか?
いったい本家のUAと何が違うの?
って思いますが、本家のブランドが大きくなると消費者との間に隙間ができるので、それを埋めるための隙間ビジネスなんでしょうね。
マスでは取りきれないニーズを拾うために新規のブランドを立ち上げる。
見方を変えると、ブランドは1度売れるとそのイメージが固定化し、コンサバにならざるを得ないので、新しいマーケットに向けてエッジの効いた新しいブランドを投入しているように見えます。
1つのブランドだけで、多くの異なるターゲットを拾って収益を拡大させていくことはできないってことです。

img白木とアクリルを組み合わせたレジカウンターのデザインがカッコいい。

アストラットはインポート商品35%、オリジナル商品65%で構成されているそうですが、価格帯はかなり高く設定されていて、強気です。
大人向けのブランドと言っても、ドメスティックブランドのオリジナルカットソーに3万も出しますかね、今のご時世。
昔だったら当たり前でしたけど。
シークレット・クローゼットと同じ価格帯です(こちらもUA出身の人がやってるセレクトショップ)
でもインポートとドメスティックの間を埋めるブランドってほとんどないので、いいところを突いてます。
セリーヌのバッグ持って、ルブタンのヒールは履くけど、服はそこまでお金をかけられないから、サンローランは欲しいけど我慢、アレキサンダー・ワンかアクネがお気に入り、みたいな人がターゲットなんじゃないでしょうか? 女子の気持ちはわからないですけど。笑
インポートはN°21(ヌメロベントゥーノ)などをメインに取り扱っています。
このブランドも雑誌に露出が増えていて、2年前くらいにブレイクしたCARVENに続き、今かなりキているブランドですね。
8月に新店舗が青山にオープンします。
場所もCARVENの並び。

imgインテリアのディレクションはブランドデザイナー東谷氏

アストラットの店舗は、青山のアラン・ミクリの前にありますが、ここのインテリアがカッコいいです。
白い大理石がブランドのアイデンティティになっていますが、店舗にたくさんこの素材が使われ、木材とアクリルと組み合わせて使っています。
ここインポートブランドのショップでしょ?って感じです。
どこにもユナイテッドアローズの表記がないのもいいですね、狙ってます。
店のあちこちにヴィンテージの写真集が置かれていたり、個人的にはとても好きなインテリア。
どうして好きなのか自分なりに分析してみると、店のコンセプトがコンテンポラリー×ヴィンテージで、特にミース・ファン・デル・ローエにインスパイアされたミッドセンチュリーがテーマ(だからマーブルの大理石=バルセロナパビリオン)というのが自分の琴線に触れるのでした。

imgこのロゴ、八木保さんのデザインなのです。

imgディフューザーやパッケージにも彼のディレクションが入っているのでしょう。

そしてアストラットのアートディレクションを担当しているのは、八木保さん。
これはちょっと嬉しいことです。
八木さんは、生前のスティーブ・ジョブズに指名されて、世界統一のアップルストアのインテリアを手掛けた人。
アメリカに住んでますが、こんな身近に彼のデザインを感じることができるのは、とても嬉しいことです。
今が旬なブランドなので、青山に行く機会があったらお店を覗いてみてください。

と書いてはみたけど、、、たぶんこれもマニアックな話題なのかもしれないですね。

ユナイテッドアローズ 25周年

松本 知彦 for Private Time/2014.07.29/ファッションファッション

今年の春頃だったでしょうか。
自宅に一通の上質な封筒が届きました。
開けてみると、手紙とプラスチックのカードが入っています。
ユナイテッドアローズ25周年の告知と記念カードでした。
このカードを提示するだけで、今年の年末まで1年間、どの店でも10%割引してくれるという、なんとも太っ腹な企画です。

img自宅に金の箔押しの封筒が届きました。

img封筒の中身はカードとお手紙でした。

そうか、ユナイテッドアローズももう25周年なんですね。
ついこの間20周年だったのに。
こういう節目で思い出すのは、UAのスタッフたちがビームスを退職して間もなく、ワールドに援助してもらった資金で、マリナドブルボンという店を始めた頃のこと。
お店は今のUA原宿メンズ館の斜め前にありましたが、僕もよく通いました。
その頃UAはまだなくて、栗野さんがマリナドブルボンのお店に立って接客していました。
そこからあれよあれよという間に会社は大きくなって、本家ビームスの売上げを抜いて、上場してしまった。
すごいっすねえ。
そして25年の間に僕も大人になりました笑

imgお店に置かれているカードのデザインはサイトと共有

成長して行く会社が、打つ手を見るのは、詰め将棋を見ているようでとても面白いです。
無印の記事にも書きましたが、成長する会社が手を替え品を替え、打ち出して来るマーケティング戦略は、その時々の消費ニーズや時代のトレンドをうまく吸収していて、見ていると思わずニヤリとしてしまう。
だからその会社は成長するんでしょうけどね。
切れ味の鋭い次の一手を打てなくなった時、あるいはその読みがはずれるようになった時が、会社の成長が停まる時なんでしょう。
もちろんUAだってダージリンデイズ(今は撤退)とか失敗もしてるんですが、BEAUTY&USEとかソブリンとか、レディスならアナザーエディションとかドゥロワーとか、次々に新規ブランドを作って成功させている事例の方が多い。
そしてアウトレット、高速道路、駅、はたまた空港まで、新しいチャネルに出店するのも早い。
つい最近ではレディス(一部メンズ)でアストラッドという新規ブランドも立ち上げました。

img今期のSSのカタログから

img男子のカタログは写真とイラスト、そして読み物

ではグラフィックデザインはどうだろう。
最近のUAのカタログを比べてみましょう。
メンズはもう何も言うことなくて、ポパイまんまです笑
編集からデザインまで編集部に依頼してるようで、カタログもポパイそのまんまですね。
他社にもポパイとコラボしてカタログを作っているブランドがありますが、男子はウンチクですから、ほどよく読み物のテキストが入っていることが特徴です。
テーマは雑誌同様にシティボーイってとこでしょうか。

img逆に女子のカタログには一切日本語が出てきません 笑

女子の方は平林奈緒美がアートディレクションを手掛けてます。
宇多田ヒカルのジャケットなどをやってる人です。
こっちは男子に比べると、見た目重視。
男子にあった読み物など一切なく、読み物どころか日本語が1字も出てきません。
写真のトリミングやテキストの入れ方がスタイリッシュで洋書を見ているようです。
ちょいモード入ってますね。
やっぱりロンドン仕込みのインターナショナル感がデザインにもあってカッコいいです。
こうして比べて見てみると、男子と女子の感性の違いがはっきりしていて面白いですね。
どちらも特定の世界観を、今の時代にシンクロしたビジュアルデザインを訴求しています。

img生まれ変わったUA BAR。ちょい男子な店になりました。

最後に、、、
つい最近原宿のUAカフェが創業25年を記念してリニューアルされ、UAバーになりました。
これがですね、このブログでも何度も取り上げてますが、ノルウェーからやってきた代々木公園にあるコーヒーショップ、フグレンがコンセプトプランニングを行い、運営はトランジットがやってます。
飛行機に乗ってでも飲みに行く価値があるとNYタイムズ紙で紹介されたフグレン、オーストラリアのパンケーキで大ブレイクしたBillsを手掛けるトランジット、フードは自由が丘ベイクショップが提供していますが、今年青山にできたレクサスのショールームと同じ組み合わせ。
やっぱり、押さえるところはきっちり押さえるというか、ど真ん中です。
カタログと同じですね。

しかし、いつも思うのですが、フグレンのコーヒーは酸っぱくて僕の好みじゃありません・・・

ハイブランドのシャツ

松本 知彦 for Private Time/2014.06.24/ファッションファッション

以前はハイブランドのシャツを購入する機会もありました。
でも今はまったく興味がありません。
なぜでしょう?

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自分がブランド名というものに付加価値を感じなくなったことが大きいと思います。
それはいつから?
リーマンショックと一緒にやってきたファストファッションによって、自分の中でブランドに対する価値観が変化したこともあるかもしれません。
今ではブランドは疑うべきと思っています。
自分の工場で作ったものではない服を、大量の広告宣伝費を使って、これまた相当な費用をかけて作ったブティックで売るのだから、商品は高くなって当然でしょう。
ハイブランドを着ている人がお洒落とはまったく思いませんし、むしろそうした単純な構造に自分の身を疑問なく置けることはうらやましいなあとも感じます。
自分はハイブランドに身を包むことによる優越感もなく、モチベーションも上がらなくなりましたから。
以前は違ったんですけどねえ。
自分が素直に好きなもの、着やすいもの、リアルクローズへと興味はシフトしています。

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じゃフライのシャツはどうなの?
ハイブランドのシャツと金額変わらないじゃない、という人もいるでしょう。
しかしシャツメーカーとして何十年もシャツ1筋でやってきた企業と、そうした工場でプロダクツを作らせているハイブランドには明らかな差があるように思います。
でも、一方でこんな考察も大部分は時代の気分的なものが占めていて、ただの錯覚かもしれませんけど。

決してインターナショナルなハイブランドが悪いとは思ってはいないんです。
でも今はどちらかというとハイブランドというジャンルの区別なく、ある視点で横断的に集められた編集力そのものに興味があります。
ワークスタイルが変化してオンとオフが限りなく接近してきたように、体制へのアンチテーゼの視座もなくなり、1つだけの世界観で生活を演出することは困難になってきています。
ファッションもハイ&ロー、インポート&ドメスティックという差異はほとんどなくなってきた気がします。    
日本人はみんな同じ格好をしたがる傾向にありますが、以前よりパーソナライズ化は進んでいるのではないでしょうか。
だから、自分の生活スタイルに合ったものだけを色々な分野からセレクトする力が必要になってきています。
しかしトレンドという幻想があったり、男子の場合はダンディズムという面倒なものがあったり、ルールがあったり、自分の好きなものにブレンドしたくなるような誘惑は多いです。
女子はH&MのTシャツを着て、クリスチャン・ルブタンのヒールを履く感覚を持っていますが、そんな感性を持ち合わせている男子はほとんどいません。
ウンチクが好きな男子にとって、それはなかなか難しいんでしょうね。

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ファッションは他人へのプレゼンテーションですが、自分を満足させるための自己投資でもあります。
矛盾したことを言いますが、自分の好きなハイブランドへの投資に価値を感じられれば、それはそれでいいのです。
でも自分は、、、、最近全部リサイクルショップに持って行きました。

MAXVERRE バロン

松本 知彦 for Private Time/2014.06.05/ファッションファッション

マックス・ヴェッレはナポリで造船の設計からキャリアをスタートさせます。
その後1993年にファッションの世界へ。
95年にはプレミアータを立ち上げ、2001年にマックズ・ヴェッレをスタート、2006年にはトム・フォードのデザインディレクターに招聘されています。
UA会長の重松さんがお気に入りのブランドですね。

img一言で言うとグラマラスな靴

「バロン」というモデル。
表革のタッセルスリッポンですが、タッセルをレザーとメタルのコンビにするだけでエレガントに。
一言で言えばその特徴はグラマラスなフォルムにあります。
美しい局面を作り出すロングノーズでシャープなライン。
5年くらい前に買いました。
マックズ・ヴェッレはこれで2足目。

前回紹介したエドワードグリーンとは全く違う、真逆のテイストです。
マックズ・ヴェッレはマッケイ、グリーンはグッドイヤーウェルト製法で作られています。
説明は省略しますが、興味のある方は調べてみてください。
イギリス好きなら絶対に買わないマッケイ。
こういうのってどうでもいいことだと思うのですが、男子とはこういうメンドクサイことにこだわるのです。
特にマニアになればなるほど。。
僕は(ど)クラシックではないので、そんなことはどっちでもよいと思っています。
要は自分が満足できればいいのです。
製法が自分を満足させる要素なら、それはそれでよいと思いますが。

なんかこういう話、「ぼかあさぁ、ポルシェ乗っちゃってるんだけどさぁ、96年型で水冷式エンジンの最終モデルなの。やっぱ音が違うんだよにぃ、サウンドっつーの?ぼかあさぁその音が好きなんだよ」っていうエンスーな話と同じで、何がその人の心を満足させ得るのか、マニアックな話だと思います。
どこにでもありますよね、こういうの。

imgタッセルスリッポンはなぜかいつも持ってる靴

最近マックス・ヴェッレも元気がないような気がします。
トム・フォードもだんだん勢いが落ちているような。
やっぱり英国や流行のアメリカ勢に押されちゃってるせいかなあ。
今売れまくっているアメリカ製のオールデンとは対極にある靴ですね。

img中底のステッチもMになってるのが可愛いです

マックス・ヴェッレでもう1つ気に入っている点は、箱のデザインがとてもカッコいいことです。
そんなのどうせ捨てるんだし、どうでもいいじゃない?と思われる方も多いと思いますが、自分にとっては、そういうことがとても重要なんです。
本体にこだわっているのはもちろんですが、そうした本体以外のことに、要はブランディングやデザインに手を抜かない姿勢がとても自分には重要なのです。
それは他人への気配り、サービスにつながることだと思います。

などと書いてますが、前回に続き今回も読み手の共感はまったく得られないのを知りつつのアップです。。笑
2回も続けてマニアックな話題でホントすみません 汗

EDWARD GREEN チェルシー

松本 知彦 for Private Time/2014.06.02/ファッションファッション

1890年に英国のノーザンプトンで、エドワード・グリーンが3人の息子とともに靴の生産をはじめたのが、このブランドのはじまりです。
100年以上靴を作り続けています。
英国靴メーカーが集まる紳士靴の聖地のような場所ノーザンプトン。
その中でもグリーンは、靴が好きな人なら誰でも知っている王道中の王道のようなブランドですね。

img極めてシンプルで普通なストレートチップです

このブランドを象徴するモデルは2つ。
1つはストレートチップの「チェルシー」。
スワンネックと呼ばれるステッチが特徴的なデザインで知られています。
同じ英国靴であるジョンロブの「シティ」、クロケット&ジョーンズの「オードリー」と比較されることが多いですね。
もう1つはUチップで有名な「ドーヴァー」。
スキンステッチと呼ばれる高い技術を誇る手縫いのつま先部分が独特です。

今回紹介するのは前述のチェルシー。
冠婚葬祭用に1足、黒のストレートチップがあってもいいかなと思って8年くらい前に買いました。
どの雑誌でも、最初に買うべき基本の靴として紹介されている靴ですね。
でも自分の場合、あんまり出番は多くないです。

img

img冠婚葬祭用に1足はこうした靴を持っていた方がいいです。

ブリブリのクラシックが好きな兄貴の多くが支持するこのブランド、通常ならクラシックなラウンドトゥを選ぶと思いますが、僕は888のスクエアトゥのラストを選んでいます。
ラストというのは木型のこと。
チェルシーはモデル名ですが、形はいくつかのラストから選べるのです。
ビスポークではない既成靴を購入するときは、モデル(デザイン)を選び、ラスト(木型)とサイズ、ウィズ(足の横幅)を選び、自分の足にあったものを絞り込みます。
僕は同じ英国靴であるジョージ・クレバリーのようなスクエアトゥが好きなのです。
ジョンロブで言えば8000番。
以前ブログでも紹介したフランスのブランド、コルテが好きな理由も鋭角的なスクエアトゥが好きだからです。
マニアになってくると「今日履いているグリーンは○○年に廃版になったラストで、今売ってる現行モデルは好きになれないんだよねぇ~」とか、ホントに変態レベルのメンドクサイことになってきて、、、
そういう(ど)クラシックな人、僕は苦手なのですが。。

img中底にはゴールドで名前が印字されていますが、書体がカワイイ。

グリーンの靴は英国靴だけあって、スーツと同じく作りはガッチガチです。
買って3年くらいは、履く度に左の小指が痛くて仕方ありませんでした。
有名だから、名門だから、価格が高いからいい靴か、というとまったくそんなことはないというのを、この靴で勉強しました。
結論からいうと、自分にはあまり合わない靴です。
でも100年前のクラフツマンシップを感じるというか、お国柄が感じられる靴だと思います。
それが英国靴ファンにはたまらない魅力なのだと思います。
質実剛健で、イタリア靴のような色気はまったくありません。
わかりやすく性格でたとえるとしたら、まじめで頑固、皮肉やジョークも言うけど、そんなに面白くはない人(笑)みたいな感じですかね。

でもこうした靴を履く経験も、人生には必要だと思わせるに足りる靴だと思います。
今回は男子にしかわからない、いやその中でも一部の人にしかわからない話題で失礼しました。汗

白山眼鏡店

松本 知彦 for Private Time/2014.05.02/ファッションファッション

先日久しぶりにメガネを作ったんですよ。
もちろん遠近両用です笑
老眼の初期って毎年症状が進んで度が変化するので、厳密に言えば都度新しいメガネが必要で、そんなに作ってたらこれはバカになりませんよね。

imgTOM FORDに続いてやっぱり黒ブチ

今回作ったのは白山眼鏡店のメガネです。
これも知ってる人は知っている懐かしいブランドでしょう?
ある年代の人にはおなじみなんじゃないでしょうか。
僕が20代の頃、お洒落なメガネと言えば白山でした。
当時は今みたいにアラン・ミクリもないし、999.9もない、オリバーピープルズはあったかもしれないけど、売ってるところも少ないし、あっても高額で買えなかったんじゃないかな。
大学生の時にはDCブームというバカみたいなブームがあって、友達はみんなギャルソンとかBIGIの服を着て街を闊歩してたんです。
あ、こう言ったら変ですが、そういうDC(デザイナーズ&キャラクターズブランドの頭文字を取ってDCというのです。)ブランドを着てたのは最初の頃は美大生ばっかりで、普通の大学に通ってたマジョリティな学生たちは、FILAとかエレッセとか、代表的なところだとラルフローレンのポロシャツの襟を立てて着てる人ばっかりでした。
だから僕が通っていた大学にそういう人は全然いなかった笑
マジョリティ側からするとギャルソンとかのヘンテコな黒い服とか着てる輩は、変わった人、理解できないアイデンティティを持った人ということで、奇異な目で見られてあんまり話もしてくれなかったことを覚えてます。
DCブームの後半になると、だんだんと普通の人(!)も着るようになっていくのですが。

img一部の人には懐かしいでしょうね。

僕は当時ギャルソンなんて着てなかったですが、そんなDCな僕らが愛したメガネ屋が白山でした。
90年代まではパルコが飛ぶ鳥を落とす勢いで、パルコにはだいたい白山眼鏡のお店が入っていた。
当時パルコに入ってたお店はDCばかりでしたから、その意味でも親和性があったのかもしれないですね。

img上野のアメ横にある本店です。

確か吉祥寺パルコの最上階、渋谷のパルコの地下にも白山眼鏡店があったと思います。
本店の上野店は当時行きませんでしたけど、今のお店の場所と変わってないのかな。
白山でメガネを作るなんて30年ぶり。
これも80年代リバイバルの影響なんでしょうね笑
先日、手塚治虫さんの長男の真さんにお会する機会があったのですが、このメガネにボウタイをしていたら80年代バリバリですね、と言われて「あ、言われてみればそうなのか」と思った次第。
無意識なんですけどね。

しかし白山の接客スタッフは当時から男ばかりでしたが、今もそうであることにびっくり。
しかもほとんどがおじさん。
これだけおじさんの店員を集めている店は初めてでした。
他にありません。
まさか店員も、全員80年代からとか。
いや、きっとそうに違いない。

img店内で写真は撮るのは禁止だそうです・・・・

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