タキシード2

松本 知彦 for Private Time/2012.08.03/ファッションファッション

さて昨日の続きです。
スタッフの結婚式にスピーチを依頼されて、十数年ぶりにタキシードを作ることにしました。
どんなものにしようか考えましたけど、やっぱり作るなら手本は007です。
その中でも1960年代のショーン・コネリーが僕のお手本。

前回の記事でボンドのタキシードスタイルを紹介しましたが、その中でも一番クラシックなのがショーン・コネリー扮する初代ボンドのタキシードスタイルなのです。
1963年の007の2作目「ロシアより愛を込めて」でそのスタイルを見る事ができます。
今年はボンド映画の誕生からちょうど50年。
半世紀前のスタイルなのに今でもカッコよく見えるのは、普遍的なスタイルだからでしょう。

imgショールカラーにフレンチカフのシャツ、カフリンクス。見えないけどチーフはTVホールド

タキシードを着用する時には、古くからの決まり、ルールがあります。
ジャケットと同生地で側章の入ったトラウザーズ(外側にシルクのラインが入ったパンツ)、腰に巻くカマーバンド、白いドレスシャツ(ピンタック付き)、カフリンクス、蝶ネクタイ、白いポケットチーフ、黒のエナメルシューズ、そして忘れちゃ行けないブレイシズ(サスペンダーのこと)。
最近はこのルールもどんどん崩れているでしょうけれど、僕はこれに忠実に従うことにしました。(シューズ以外)

そしてジェイムズ・ボンドにこだわるなら、やっぱりイギリスのブランドを選びたい。
選んだのは、ロンドンのサヴィルロウにあるハンツマンです。
以前ロンドンのレポートでも紹介したこのビスポークテーラー、英国王室御用達のロイヤルワラントを持つ老舗で、1790年の創業。
ギーブス&ホークスと並び、200年以上の歴史を持つ英国クラシックテーラーですが、アレキサンダー・マックイーンのスーツも作っていたりします。
ノッチドラペルに1つボタンがこのテーラーのハウスモデルですが、ハウスモデルからしてタキシードのようですね。。
直営店ではないので、型紙のみ本国で縫製は日本の工場で。

imgサヴィルロウに店を構えるハンツマン

現在のタキシードの定番であるピークトラペルはあえて選ばず、クラシックなショールカラー、色はミッドナイトブルーでオーダーすることにしました。
タキシードと言えば、ほとんどはブラックですが、色はミッドナイトブルーにしようと最初から決めてました。
黒に見えるけれど、よく見ると濃紺、そしてミッドナイトブルーという英国らしい呼び名がワクワクしますよねえ。

スーツのオーダーはサイジングと生地が重要ですが、今回こだわったのは生地です。
選んだのは、もちろんブリティッシュのミル(織物工場のこと)。
1875年創業の英国老舗服地ウィリアム・ハルステッド(William Halstead)のウール40%、モヘア60%のミッドナイトブルー。
詳しくない人には何を言っているのか、さっぱりわからないと思いますが(汗)、こだわりのマニアックな服地なのです。
まあ、ほとんどの人が選ばない生地なんです・・・(それ、いいのか?)

img


色々と説明が必要なのですが、、、まずモヘアというのはヤギの毛のことで、これが混ざっている服は光沢があってしわになりにくく、弾力性に優れています。
同時に通気性があり、熱伝導率が低いため、主に夏に用いられる素材で、60年代には高級服地として世界中で流行しました。
ジャマイカが舞台となっている1962年の007第1作「ドクターノオ」の映画の中でも、ショーン・コネリーがこの服地のスーツを着て登場し、ウォッカマティーニを飲むシーンがあります。
スクリーンで見ても、その光沢感はモヘア混スーツだというのが、すぐにわかります。
1957年に登場して一世を風靡したドーメル(1842年創業のフランスの生地メーカー)のトニックという服地がモヘアの入ったスーツの生地としては、とっても有名なのですが、またこれもマニアックな世界なのでまた別の機会に・・・(再び汗)
このモヘア混スーツ、言ってみれば固くてゴワゴワ、チクチクな素材です。
着やすいか、というと決してそんなことはありません。

img

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ミッドナイトブルーなので、ショールカラーも濃紺。
フロントの1つボタンは、正装をさらに強調するために、拝みボタンにしてみました。
さらに袖のボタンも、よりクラシックに仕上げるために5つに。
ま、トム・フォードも5つですけどね。

そしてブレイシズ(これもマニアックな言い方ですが、サスペンダーというのは米語で、英国ではブレイシズと呼びます)は、もちろんアルバートサーストンです。
こちらも1820年創業の英国ブレイシズ専門メーカー。
どれもこれも200年の歴史を持つ英国メーカーを組み合わせてみました。
あんまり行き過ぎると嫌味なクラシックのサンオツになっちゃいますが、タキシードくらいはいいんじゃないかなあと。

さ~て全部揃ったので、いざスタッフの結婚式のスピーチへ。
スピーチは最初と最後に決まり文句があって、これがなかなかむずかしい・・・
前日原稿を書いて、暗記していったのですが、どうしてもこの最初と最後、特に最初のセリフが覚えられない。
忘れてはならないと、手のひらにボールペンで書いて当日挑んだのですが(カッコ悪・・・)、スピーチの際は、暗い場所でスポットライトを浴びたので、手のひらの字なんてまったく読めない!笑
それに片手にマイクを持っているので、手のひらなんて見れるわけもありませんでした。
そんなわけで、出だしがしどろもどろになってしまいましたが、どうにかスピーチを終えることができました。
いやあ緊張しますねえ。
こういうのは、クライアントへのプレゼンテーションと同じで、もっともっと場数を踏まないとダメです。

タキシードのウンチクを長時間に渡って語りたかったわけでもないのですが、1つ1つに説明が必要なので文章が長くなってしまいました。

imgいつも門出というのはよいものです。

imgひゃー緊張しております。仕上がりはジェイムズ・ボンドではなく、大木凡人になってしまったようです。笑

今回はマニアックな内容の連続で、どうもすみません 汗
しかし、、は~疲れた。

タキシード1

松本 知彦 for Private Time/2012.08.02/ファッションファッション

ロンドンオリンピックがはじまって、皆さん寝不足じゃないですか?
昨日の体操、水泳もハラハラでしたね。

そしてオリンピックの開会式見ましたか?
スポーツの祭典としてはともかく、ジェイムズ・ボンドが女王陛下を連れてヘリコプターからパラシュートで降りてくる演出、驚きましたね。
これ、ギャグ?
日本だったら天皇陛下がヘリコプターから降下してくるってことになるのでしょうけれど、絶対に許されない演出でしょう。
こういう粋なことに女王がOKするっていうのは懐が深くていいと思います。
特にエリザベス女王がダニエル・クレイグ扮するボンドに向かって、「Good evening. Mr.bond.」とセリフを言うシーンにはしびれましたねえ。

img007が宮殿から女王陛下をヘリコプターまでエスコートするシーン

女王陛下をエスコートする際に、ダニエル・クレイグが着用していたのは黒のタキシード。
007と言えばやっぱりタキシードです。

話は変わりますが、先日スタッフの結婚式があって、僕もタキシードを着る機会がありました。
自分の結婚式の時に作ったタキシードがあるので久しぶりに着てみたら、体型の変化でもう入らなくなっており・・・・汗。
以前より10キロも太っているんです、、、嫌だなあ、もー。

そこで新規にオーダーすることにしました。
タキシードってなかなか着る機会はないと思います。
だからコストパフォーマンスがどうしても悪くなってしまう。
僕も最初特別な時だけではなく、普段デニムと合わせても着れるよう、ベントを入れたり、着丈を短くしようと思っていました。
しかしオーダーしていく途上で、どんどん遊びはなくなって、結局ノーベントで着丈は長め、礼服の基本ルールに沿ったクラシックな形に。

色はミッドナイトブルー、カタチはショールカラーにする、というのはオーダーする前から決めていたことです。
ショールカラーとは、へちまのような形をした襟で、そこに拝絹と呼ばれるシルクがあしらわれている1つボタンのジャケット。
今タキシードと言えば、ブラックで大きめのピークトラベル(尖った襟先のジャケット)というのが定番ですが、それじゃつまらない。
そして、、、、、、やっぱりボンドなのです。
ボンドの中でも、ショーン・コネリー扮するボンドにこだわりたいです。

img007ではお約束のカジノのシーン。

1963年に上映された映画「ロシアより愛を込めて」の中でボンドが着用しているのが、ショールカラーのクラシックなタキシードです。
そのあとの歴代のボンドたちが着ているのは、みんなピークトラペル。

imgカジノロワイヤルのカジノのシーン。ダニエル・クレイグはピークトラペルのタキシード

img1人前のボンド役。写真はわかりにくいけどピアーズ・ブロスナンもピークトラペルにピンタックのシャツ

ピアース・ブロスナンはブリオーニ、ダニエル・クレイグはトム・フォードのタキシードを着ています。
(「カジノロワイヤル」までは、ダニエル・クレイグもブリオーニのタキシードを着用。「慰めの報酬」からトム・フォードに)
ブリオーニは、ブロスナンがボンドを演じた最初の作品「007ゴールデンアイ」で使用したタキシードを、お店でも販売していましたが、73万もしてました。高っ!
しかし、イタリアのブランドをまとうボンドなんて、なんだかボンドじゃないような気がします。
ほとんどの人がイタリアもののタキシードを着たダニエル・クレイグを支持するのでしょうけれど、僕はやっぱりショーン・コネリーです。
そしてやっぱりイギリスで生まれた諜報部員は英国製のものを身につけて欲しいと思っているのです。

imgショーンコネリーに続くボンド役。おとぼけが似合うロジャー・ムーア。ピークトラペルにピンタックのシャツ

imgムーアに続いて4代目のボンド、ティモシー・ダルトンもタキシードスタイルはムーアと同じ。

しかしまあ、こうしてちょっと見ただけでも本当にカッコよいボンドのタキシードスタイル。
日本では残念ながら、カジノもないし、正装で参加する社交のカルチャーもない。
タキシードを着用するのは結婚式くらいしかありません。
なんだか残念ですね。(作ったから?笑)

ルールに沿ってきちんとした正装で出向く場も、多様化でどんどん少なくなっていることでしょう。
結婚式ですら、通常のスーツで参加している人がほとんどで、タキシードなど見かけませんから。
僕が今回どのようなタキシードを作ったか、、記事が長くなってしまったので、それは次回お伝えすることにしますね。

保赤軒 扇子

松本 知彦 for Private Time/2012.07.31/ファッションファッション

ここのところ毎日暑いですね。
データは見ていませんが、節電が叫ばれるようになってから、たぶん以前より売れていると思います。
クールビス推奨で、オフィスの室温が高めに設定されることも売れ行きに関係あるかもしれません。

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そんな暑い日本の夏に、重宝するのは古来からのジャパニーズアイテム、扇子です。
竹と紙で作られていて、扇ぐとほのかな香りが漂ってくる、というのが今までの定番でしたが、紙だけでなく、シルクや竹でできているものなど色々な製品が売られています。
骨が多い方が、少ない力で緩やかな風が起こせるので、価格が高くなります。

img革製のケースに入っています

img中身も真っ黒です

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img多くの骨で作られていて、そこに布が貼られています。

打ち合わせの際に扇子を使っている人って独特の雰囲気があって、今まではちょっと嫌煙してきました。
特に僕が20代の頃、扇子を使っている上司・先輩たち、得意先の人を見ていても、なんだかあまりカッコよくなかった。
勝手な偏見ですが、あまり人の意見を聞かず、人を上から見ているような物言いをする人が多かったように当時は感じていました。
単にそういう先輩がいたっていうだけかもしれませんけど。
そんな雰囲気を助長するような効果が、扇子という小道具にあるようにも感じていました。

去年、これだけ暑いと扇子はマストと思わせるような日が続き、僕も購入に踏み切ったのでした。
しかし考えてみると、ビジネスでこれを使うシーンは非常に限られていると思います。
まず打ち合わせの際には使ってはいけないように個人的には感じています。
僕自身は使いません。
相手に対して敬意を払う場で、そんなに砕けた雰囲気を作り出すことは失礼にあたるのではないかと思うからです。
社内ミーティングの際にも、ほとんど使いません。
あまり使い慣れていないというのもありますが、同じような理由ですね。

こうしたことは買ってみてから、あとでわかったことです。
使う気満々で買ったのに、いざ使おうとするとあまり使うシーンはないんですね。
出社直後の朝とか、外出帰りとか、そんな時自分のデスクでしか使っていません。

エアコンが普及してなかった60年代の映画を見ると、日本のビジネスマンが扇子を使っているシーンがよく出てきます。
刑事とか。
大人の紳士は、夏にパナマ帽と扇子はマストだったのでしょう。
今じゃパナマ帽、誰もかぶっていませんね。(最近ちょっとリバイバルしてますが)
昔と今では、扇子というアイテムの使い方も変わったのじゃないだろうか。
自分が扇子を持ってみると、そんなことを感じるのでした。

保赤軒は青山にある扇子の専門工房。
ここのオリジナルとして開発された60本の竹と絹100%で作られた六十間絹扇子で知られています。

Alexander Boyd

松本 知彦 for Private Time/2012.07.23/ファッションファッション

アレキサンダー・ ヴォイドは英国のシャツメーカーです。
1913年に設立されたレイナー&スタージェス社のブランドで、英国にシャツ工場を持っているのは、実は同社とターンブル&アッサーだけ。
この2社が純英国製シャツの伝統と技術を守り続けているといっても過言ではありません。
でもこのブランド、日本ではターンブル&アッサーのように知名度がなく、ほとんどの人は知らないでしょう。
イギリス好きだけが知っているマニアックなブランドです。
タグのHandmade in Englandが泣かせますね。

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硬くてゴワゴワの着心地はやっぱり英国製。
ターンナップカフのモデルを「ボンド」と呼んだり(笑)、やっぱりターンブル&アッサーと並んでバリバリ英国です。
しかしターンブルよりカラーやカフがコンパクトで、かなりモード寄りの要素を取り入れています。
ここのシャツ、トーマスメイスンの生地を使って、以前は伊勢丹新宿メンズ館でオーダー可能でしたが、そうすると首の後ろのブランド表記が、伊勢丹のダサいタグになってしまって・・・。
日本製のパターンオーダーであっても、ぜひとも本国のオリジナルタグを使って欲しいものです。

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ところが最近、伊勢丹から撤退したと思っていたら、本国サイトもcloseしてしまいました。
どうしたんだろう?
ブランド終わっちゃったのかなあ。
古き良きスタイルというのを長く継続していくことは厳しいのかもしれませんね。
マニアなクラシックのサンオツ相手だけでは、商売は成り立たないということです。
そういうサンオツ、個人的にはまったく好きじゃないんですけどね、、、笑
でもよいブランドがなくなっていうのは悲しいことです。

Men's Preciousの英国特集

松本 知彦 for Private Time/2012.07.20/ファッションファッション

今月のMen's Preciousは英国名品大図鑑と題された英国特集です。
オリンピックもあって、いろんな雑誌がロンドン特集を組んでますね。
ファションのトレンドもここ3年くらいは英国が来てますが、元々英国好きとしては嬉しいことです。

imgMen's Precious 2012年夏号

さて僕がこの本を早速購入した理由は、、、
もちろんこれですよ。

imgジェームズ・ボンドのスーツスタイル

007が大好きな僕は、ボンドのスーツを今まで何着かオーダーで作っています。
しかしどれもなんだかしっくり来ない。
60年代の映画の中でのボンド(ショーン・コネリー)のスーツは、モードですごくカッコいいのですが、それをそのまま現代で着用するとラインはゆるいし、パンツは2タックで太いし、肩とか余ってるし。
こんなんだっけ?と思って、再度映画を見ると、映像ではかなりモードに映ってますが、よく見るとやっぱりラインはゆるい。
60年代ですからね。
今のトレンドとは随分違っています。

60年代のボンドのモードなファッションを、現代的なサイジングにモディファイして着たいものです。
それは以前からずっと思っていたことで、巷にある服を自分なりにアレンジしつつ、ボンド風でもっとよいものはないか日々キポンサーチンしているのですけど。
僕個人の007に対する想いはまたいつかお話するとして、Men's Preciousではこうした僕のテーマがそのまま特集タイトルとなって掲載されています。
でもラルディーニみたいなイタリアの直球ブランドで007の着こなしっていうのはちょっと無理があると思うのですけど・・・・

img現代版ジェームズ・ボンドスタイルの作り方だって!記事はつまらないけど、このキャッチは響くなあ。

男性ファッションは相変わらずイタリア全盛です。
もちろん雑誌もLEONをはじめ、イタリアファッションばかり。
地味でアンダーステートメントな英国男子のファッションは、今の時代受けないでしょう。

でもこうして特集を組んじゃうMen's Preciousはエライです。
今、ボンドのスーツを手本にと言って、いったいどれくらいの人に響くのかわかりませんが、
ほとんどの人はジェームズ・ボンドになんて(特に60年代のショーン・コネリーになんて)興味ないと思います。
いやいや、ボンドと言えばやっぱショーン・コネリーで・・・・という人はオタクです。
大部分の人はダニエル・クレイグのボンドでも、ショーン・コネリーのボンドでもどっちでもいいと思っているでしょう。
いや、ダニエル・クレイグの方がまだ響くかもしれない。

img現在のボンド、ダニエル・クレイグ。もうすぐ次回作が公開されます。

なんだか昨日のアート特集のBilly Childishといい、このジェームズ・ボンド特集といい、どうしたんでしょうか?
モチーフがインディーズ過ぎるというか、広い間口で大衆をターゲットにしないインディペンデントなアプローチが雑誌の生き残る道なのでしょうか?

ちなみに以前このブログで紹介したターンブル&アッサーもこんなに大きく出ています。
そして同じ流れでサヴィル・ロウも。
英国と言えば、このあたりはお約束でしょう。

img世界一有名なスパイが愛したシャツ。このキャッチも響くなあ。

img今どうなっているかは、こないだ行って見てきたけどね 笑

昨日の記事で触れたように英国のパンクは絶滅してしまいましたが、ジェームズ・ボンドやサヴィル・ロウが、どこまで魅力を放って人々の心を掴み続けることができるか、ブランドの行く末をずっと見ていたいものです。

杉本圭 KS-23モデル

松本 知彦 for Private Time/2012.07.18/ファッションファッション

トム・フォードでのデビューに続き、2つめの老眼鏡です。笑(正確には遠近両用)
日本製で、ブランドは杉本圭。

img

かけ心地は悪くないです。
通常こうしたボリュームあるフレームの場合、角を丸くラウンドさせるものですが、この眼鏡はエッジ部分が直角の90度にスパっとカットされていて、そこが好きです。
一方肌に触れる内側は丸みをつけたラウンドに。
黒からはじまって、下に行くほど茶色にグラデーションしていくのも珍しいデザインです。

最近、こうした60年代風のトラッドな、しかもフレームの太い眼鏡にどうしても魅かれます。
ま、流行もありますけど。
でもメガネ業界はちょっとずつ細いメタルフレームにトレンドが移っているようですよ。

imgツルに漢字でブランド名が入ってます。

imgスタンダードなウェリントンのカタチです。

さて杉本圭さんは、眼鏡で有名な福井県鯖江で、眼鏡を作る職人です。
デザインから制作までを一人で手掛けています。
現在、杉本さんは60過ぎた熟練の職人だそうですが、そう聞くとちょっと意外に感じますね。
モデルには、かなりエッジの効いたファッションの要素が入っていて、そんな年季の入った職人(失礼!)が作った感じは受けないからです。
ファッションから攻め込んできた若いデザイナーが作ったもののような印象です。
デザイナーではなく職人。
そこがまたいいですけどね。

これに続いて、映画シングルマンでコリン・ファース(英国王のスピーチでも好演)がかけていたトム・フォードのメガネTF5148も購入してしまいました。
今まで持っていたトム・フォードのTF5040(以前このブログでも紹介しました)と似ていますが、シャープでさらに60年代な感じです。
やっぱり黒縁。
同じく60年代風のモデルを出している、オリバーピープルズやカトラー&グロスにも挑戦してみたいですね。

imgトム・フォードが監督した映画シングルマンのコリン・ファース

しかし遠近両用のレンズって、目がメガネから飛び出しちゃうほど高額なのです。笑
それに老眼って進むみたいで、5,6年くらいすると止まるそうですが、進んでいるうちは、買っても合わなくなってしまうみたいなんです。
だからTPOに合わせて、メガネを楽しむっていうのは結構むずかしいですね。

エィス

松本 知彦 for Private Time/2012.06.18/ファッションファッション

インポートのように見えますが、日本のブランドです。
ブランドのロゴデザインが可愛いですね。

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デザイナーの佐々木一視は、以前ニコルのチーフデザイナーでした。
彼が在籍していた頃のニコルを知ってますが、そこからこんなデザインが紡ぎ出されるなんてあんまり想像できません。
僕の知っているニコルはDCブランド全盛の頃でしたからね。
ニコルの松田光弘、ビギの菊池武夫、他にも金子功、大西厚樹などがいて、
世界的に知られる川久保玲、山本耀司、三宅一生以外のブランドでも売れまくっていました。
菊池武夫さんは、最近青いカバーの自叙伝を出しましたね。
70才を過ぎて、まだチャレンジしてるってすごいガッツだなあと思います。

家の近所に、以前ニコルが所有していた自社ビルがありますが、売却されて、今ではベアブリックで知られるメディコム・トイの自社ビルになっています。
時代は流れてますなあ。
ニコルは生まれ変わって、今でもがんばっています。

さてエィスですが、刺繍やピンタックなど、大量生産には向いてない手仕事のディテールが随所に見られ、細かい遊びの要素に心惹かれます。
メンズですが、レディスのディテールを取り入れているのでしょうか。

img

セレクトショップでも購入できます。
メンズだけでなく、レディス、子供服も展開しています。

Turnbull & Asser  シャツ

松本 知彦 for Private Time/2012.05.25/ファッションファッション

出ました!
泣く子も黙るターンブル&アッサー。
英国製最高級シャツブランドということで、シャツのロールスロイスと言われています。

img

このブログにもいつ出そうかと温めていました。
しかし、このブランド名を聞いて、オッと思う人は数少ないでしょう。
今の主流は、圧倒的にイタリア製のシャツですから。
このゴワゴワ感、カッチカチの襟、まぎれもなく英国製です。

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国内で売られているものは、日本人の体形に合わせて日本人向けの型紙で作られたものなので、どうしても腕の長さが短く、今まで買うのを控えていました。
お店で「じゃあ、もう1度着てみてください」と言われて再度試してみると、ギリギリ短くない長さだったので、購入することにしました。

このシャツの話をすると長くなってしまいますが、やはり僕には特別な思い入れがあります。
ジェームズ・ボンドが映画の中で愛用しているシャツなのです。
映画「ロシアより愛をこめて」の中でショーン・コネリー演じるボンドが、アタッシュケースを開けるシーンがありますが、そこにもターンブル&アッサーのシャツが入っているのが見えます。(タグのデザインは映画が封切られた65年当時とほぼ変わってません。)
ボンドが着ているシャツは、ワイドスプレッド(開いている襟型)のターンナップカフと言って、袖の部分が折り返しになっているものです。
カフスはありませんが、袖口をボタン2つで止める仕様で、折り返し部分はラウンドカットで丸くなっています。
ボンドは映画の中でよく袖口を引っ張る仕草を見せますが、これはターンナップした折り返し部分がジャケットの袖に引っかかるからです。

3等分で等間隔にステッチが入った前立て(シャツのフロントにあるボタンが縫われているプリーツ部分)など英国ディテール満載です。
購入したのはボンドと同じターンナップカフではありませんが、トリプルバレルと呼ばれる袖口に3つボタンがついているタイプ。
そもそも袖口にボタンが3つなんて、機能的にはまったく必要ないのですが、これがターンブル&アッサーのシャツの代表的なデザインなのです。

imgカラーステイ(シャツの襟に入ってる芯)にもブランド名が入ってます。しかしカッチカチです。

imgMade in Englandが泣かせるじゃあーりませんか。

しかし、何度か洗っていると少し縮んで、やっぱり袖が短い・・・・
このあいだ英国に行った際に買っておけばよかったんですが、そんな時間もなく。。
本国のECでサイズオーダーができます。
買おうかなあ・・・・

2009年に公開された「007慰めの報酬」で、ボンドが着るシャツはトム・フォードに代わってしまいました。
これは悲しい限りです。
トム・フォードも好きですが、ここは継続して欲しかった。
ターンブル&アッサーのシャツが見られるのは1つ前の「カジノロワイヤル」までです。

1885年に創業した老舗ブランド。
英国王室御用達として、現在もチャールズ皇太子のワラントを獲得しています。

Mando マンド

松本 知彦 for Private Time/2012.03.08/ファッションファッション

最初このブランドの名前を聞いたときは変わった名前だなあと思いました。
日本のブランドだとは知っていましたが、それがデザイナーの名前だったとわかってちょっと驚きです。

img可愛いロゴ。でも描くのは大変。

高巣満導(Mando TAKASU)さんは、今は無きアルファキュービックで22年間、メンズブランドのデザインを手掛けた人です。
自身の名前をつけた「マンド(mando)」のスタートは1997年。
はじめてこのブランドを知ったのは10年くらい前、ユナイテッドアローズ原宿本店だったと思います。

以前も書きましたが、商品を購入する際の判断基準は、ブランドの知名度より型紙が自分の身体に合うかどうかに尽きます。
ジャケットは、サイジングこそが命だと思っていますから。
その点マンドは国内ブランドでは珍しく、自分の体にもフィットするモデルでした。

クラシックをベースにしながらもどこかエキセントリック、ほどよいモード感があって好きなブランドですね。
スーツ発祥の地、英国サヴィルローでテーラリングの技術を習得した経歴があることを知って、さらに好きになりました。
レディスもあります。

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BLACK FLEECE by Brooks Brothers  オックスフォードBDシャツ

松本 知彦 for Private Time/2012.02.29/ファッションファッション

アメリカントラッドの記事の流れでもう1つ。

去年20年間着続けて、擦り切れてしまったアイクベーハーのBDシャツのことをブログで書きましたが、それに代わるボタンダウンシャツとして、今はブラックフリースを愛用しています。
これは着始めて、まだ4年くらい。
生地が厚くてしっかりしているので、アイクベーハー同様、20年着ても全然へこたれないでしょう。
あまりに生地がしっかりしているので、夏に着用するのはちょっと暑いです。

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Brooks Brothersが創業した1918年以来、はじめて外部から招いたデザイナーがトム・ブラウンでした。
彼の登場によって、ファッションのトレンドはアメリカに移り、そこから現在まで5年くらい、アメリカントラッドの流れが続いています。
アメリカントラッドなんてモードと無縁のもの、と思っていた価値観を破り、60年代全盛のトラッドを再解釈して、新しい現代的なスタイルを表現しています。
お坊ちゃん風ですが、モードな要素があってノスタルジーで、カッチリ生真面目なのが、とてもよいですね。

僕は10代の時、IVYが大好きでしたが、今そんな恰好をする気にはなれません。
しかし、やっぱりトラッドなアイテムには、どこか心をくすぐられてしまうのです。
これからの季節、夏のシアサッカーやコードレーンのスーツなどがそれですね。

20代、30代で、全身トラッドで決めた男子は、やっぱり好感が持てます。
マルジェラのスーツ着ている人より、ラルフローレンのスーツを着ている人の方が、500倍好感持てます。個人的に 笑。
でもそうじゃない?

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ブラックフリースが日本のマーケットに登場してきたときは、ものすごく高価でしたが、最近は円高の影響なのか、若干値段も下がっています。
同じブランドで、シャツの前立て部分にトリコロールのテープを縫い付けたデザインも出てきていますが、それは好きではありません。
BDシャツは何の飾り気もなく、シンプルで、洗いさらしでゴワゴワしてるのがやっぱりよいと思います。
この洗いたての無骨なゴワゴワ感が非常に重要です。
だからボタンダウンに限っては、生地はしっかりしていないといけません。
変に洒落たデザインなんかにしないで、生地と縫製だけで勝負して欲しいですが、だったらブラックフリースじゃなくてブルックスブラザースでいいじゃん、ってなっちゃうんでしょうねえ、きっと。
でもトラッドど真ん中はちょっと・・・ってうるさいですよね、はい。
そんな感じです、編集長。

imgおまけで、ニットのパイピングジャケット

img金属のボタンに掘り込まれたブルックスのマーク。可愛いです。

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