ウルトラセブン 第8話「狙われた街」 1967

松本 知彦 for Private Time/2011.02.23/映画映画

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あまりにも有名な実相寺昭雄監督のウルトラセブン第1回監督作品。
名作です。
ストーリーもそうですが、映像が本当にクール!
とても子供向けとは思えません。

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地球侵略をたくらむメトロン星人が煙草の中に赤い結晶体を仕掛け、それを吸った人々の脳を狂わせることで人間同士の信頼を徐々に失わせていくという風刺の効いたストーリー。
禁煙が広がった今ではあまりリアリティのない内容ですが、劇中で「人類の約半分は煙草を吸っている」というセリフが出てくるように、当時はたくさんの人が煙草を吸っていたのでしょう。(人類の半分は吸ってないと思いますが)

物語は北川町という町が舞台です。
飛行機墜落、列車衝突、タンカー爆発、次々と起こる事件の背景には、北川町に住む住民が何かしらの形で関与しているというところから物語は始まります。
墜落した飛行機のパイロットだったアンヌ隊員の叔父の葬儀のシーンが冒頭に出てきますが、ここからしてしびれます。
葬儀に参列した人々は最近次々に起こる不審な出来事の噂話をしていますが、主人公のモロボシダンは葬儀に参列しながらこの話に聞き耳を立てます。
このシーンを実相寺監督はダンの視点でカメラを長回しで演出していますが、実にクールです。
子供向けの番組なら直接的に飛行機を墜落させたり、タンカーを爆発させたりするシーンを見せそうなものですが、葬儀で集まった人々に語らせて間接的に暗示するというのは実に大人な演出ではないでしょうか。

そして煙草を吸って狂ってしまう人々の描写もドキュメンタリー映像のようでかなりカッコいいです。今見ても全く古さを感じさせないどころか、逆に新しさを感じます。

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それ以外にも
駅前にある煙草の自動販売機をアンヌとダンが見張るシーン。
ウルトラ警備隊のメディカルセンター内で隊員がシルエットのみで会話するシーン。
犯人を尾行して古いアパートに潜入したダンを待つアンヌ隊員の逆光のカット。
夕陽が映り込むドブ川でメトロン星人とウルトラセブンが対決するシーン。
すべてにおいてクールです。
メトロン星人が町を破壊して暴れまわる、いわゆる怪獣的なシーンは一切出てきません。
60年代にあってこうしたストーリー展開は子供向け番組ではかなり異質だったのではないでしょうか。

脚本:金城哲夫  
監督:実相寺昭雄  
特殊技術:大木 淳

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