北北西に進路を取れ 1959

松本 知彦 for Private Time/2011.06.15/映画映画

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ヒッチコックの傑作としてあまりにも有名な1959年の作品。
広告代理店に勤めるケーリー・グラントが別人に間違えられ、国際犯罪事件に巻き込まれていくというヒッチコックお決まりのサスペンスです。

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この映画のケーリー・グラントは相変わらずダンディです。
本当にスーツの着こなしがこれほど様になる人はいません。
無地に見えますが、よーく見るとモヘヤ混と思われる細かいグレンチェックのスーツに、ライトグレーのフレスコタイをしています。

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印象に残っているのはシカゴへ向かう列車の中で知り合う女性エヴァ・マリー・セイントとケーリー・グラントが食堂車で交わす会話。
このエヴァ・マリー・セイントという女優、もちろん役柄だからでしょうけれど、声のトーンも低く、しゃべり方も落ち着いていてクールです。
そんな女史が男性に積極的にアプローチしてくる食堂車のシーン、会話のキャッチボールが巧妙です。
山場は2か所、1つは何もない平原で飛行機にケーリー・グラントが襲われる有名なシーン。
そしてもう1つは歴代の大統領の顔が岩山に彫ってあることで知られるラシュモア山での格闘。
これがすべてセットで撮影されているというから驚きです。
当時CGはもちろんありませんでしたから。

バーナード・ハーマンのテーマ曲が映画を盛り上げるのに一役買っています。
タイトルデザインは巨匠ソウル・バス。
キネティック・タイポグラフィと呼ばれる動くタイポグラフィを世界ではじめて導入したのがこの映画です。
今ではFlashで学生でも作れる技法になりましたが、ソウル・バスがこの表現を最初に決定付けたと言ってよいでしょう。
グリーンバックに次々と直線が現れて交差し、そのパースの直線に沿って出演者のクレジットが白抜きで現れます。
交差した直線はそのままビルの窓枠の映像とぴったりと重なり、そこから本編がスタートするという、なかなか凝ったオープニングでしびれます。

http://www.youtube.com/watch?v=jIlqatMQSgI

img最後のシーンでバスに乗り遅れるのがヒッチコック自身です。

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