007 ゴールドフィンガー 1964

松本 知彦 for Private Time/2012.11.15/映画映画

以前このブログでも紹介しましたが、先週末からTOHOシネマズ六本木で「007シリーズ製作50周年記念上映イベント」が始まりました。
1962年に発表された第1作「007ドクター・ノオ」から毎日日替わりで、過去のボンド映画を上映するという内容のイベント。
僕も早速行ってきました。

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僕が生まれてはじめて007の映画に触れたのは「ゴールドフィンガー」でした。
テレビの水曜ロードショーとか、日曜映画劇場とかそんなので見たのが最初だったと思います。
当時は小学生でしたが、それでも十分に楽しめる内容で、かなり惹き付けられたのを覚えています。
その後中学生になって、はじめて自分でお金を払って映画館で「私を愛したスパイ」を見るまで、テレビで007が放映される度に楽しみにして見ていました。
当然ビデオなんてないですから、劇場以外で映画を見るにはテレビの放映しかない時代です。。。

そんな訳で「ゴールドフィンガー」が自分にとって007映画との最初の出会いでした。
しかし劇場では一度も見たことがなく、今回この機会を利用して劇場の大きいスクリーンで見てみたかった。

img金粉を塗ってゴールドフィンガーに殺される、あまりに有名なシーン

imgそしてこれも有名なガンバレルのオープニング。シルエットはショーン・コネリーじゃないの知ってました?

ゴールドフィンガーは1964年の劇場公開で、007映画の3作目。
公開と同時に世界中で大ヒットし、以後に続く007映画の基礎を作った作品です。
ボンドカー、秘密兵器、世界各国でのロケ、Qの登場、主題歌などなど、以後の007映画の定番はすべてこの映画からはじまったのです。

改めて劇場の大きなスクリーンで見ると・・・・
DVDを家で見るのとはまったく違う印象で、びっくりしました。
ストーリーも出てくるシーンも全部知っていますが、違う映画を見ているようです。
やっぱり映画館で見ないとダメですね。
1964年の作品には見えません。
64年と言えばビートルズが東京にやって来る1年前、自分が生まれた頃ですが、そんなことはあまり感じさせません。
ストーリーは荒唐無稽でリアリティは全くありませんが、ボンドの仕草や台詞まわし、セットのディテールの完成度が時代を超えてカッコいい、それが古さを感じさせない大きな理由でしょう。

img上からゴールドフィンガー演じるドイツ人俳優ゲルト・フレーベ、アストンマーチンDB5、最年長ボンドガールのオナー・ブラックマン37歳、オッドジョブは日系アメリカ人ハロルド坂田

有名なガンバレルのオープニングシーンとジョン・バリー作曲の007のテーマにはじまり、金粉を全身に塗られて殺される美女、秘密兵器が仕込まれたアストンマーチンDB5、ハロルド坂田演じる悪役オッドジョブ、ヒットしたシャーリーバッシーの主題歌などなど、お約束が盛り沢山で全部書いていたらきりがないくらいですが、映画の見所はやっぱりボンドのダンディズムにあります。

imgネイビー、ブラウン、グレーフランネルの3ピース。すべてに色違いのニットタイを合わせてます。

映画の冒頭、池を泳いで敵のアジトに忍び込み、爆薬を仕掛けたあと、スウェットを脱ぐとその下は白のタキシードで、そのままバーで酒を飲むシーンとか、何度見てもハッとさせられます。
ショーン・コネリーは劇中、ほとんどロンドンのアンソニー・シンクレアで仕立てたスーツにネクタイを締めてますが、そのネクタイがスーツに合わせた色違いのニットタイのみで、またそれがカッコいいんです。

imgケン・アダムスのラフスケッチと実際に作られた銀行内部のセット

そしてインテリアです。
ゴールドフィンガーがアメリカ各地から集まったギャングたちに銀行襲撃を説明するシーンで使われる部屋、そして大量の金塊を保有するアメリカのケンタッキー州に実際にあるフォート・ノックス銀行の内部のセットが素晴らしい。
これらはプロダクトデザイナー、ケン・アダムスが手がけたデザインですが、実にカッコいい!
このケン・アダムスというクリエーター、ボンド映画で7本の美術を担当していますが、どれもデザインの根底にバウハウスのようなモダニズムが流れていて、ものすごくクールです。
ドイツ人で第二次世界大戦中イギリスに亡命したという、ケン・アダムスの出自ととても関係がある気がします。
子供の頃、モダニズムなんてまったく知らなかった僕は、劇中に出てくるインテリアがなぜこんなにもカッコよいのか、本当に惹きつけられました。
特に「007は二度死ぬ」に出てくる和洋折衷のインテリアとかもう最高にカッコいい。
今のホテルオークラのロビー(谷口吉郎設計)まんまのようなインテリアで、本当にクールです。
これも機会があれば是非紹介したいですね。

imgこのタイトルバックもかなり有名ですね。

そしてイギリス人デザイナー、ロバート・ブラウンジョンが手掛けたタイトルデザインも話題になりました。
金粉を塗った女子の体に映像を投影したタイトルバック、単純なアイデアですが官能的でグッと惹きつけられます。
僕の持っている古いアナログのレコードジャケットもこのタイトルバックがカバーになっています。

ファッション、デザイン、車、インテリア、音楽
ゴールドフィンガーは、ストーリーを楽しむというより、60年代のスウィンギングロンドンを背景に、ビートルズを筆頭としたイギリスのカルチャー、アイコンをアメリカをはじめ世界各国に輸出しようとした精神、当時の最高のクリエイティブが詰まっています。

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