オフィス3階の内装 その2

松本 知彦 for Private Time/2012.10.19/仕事仕事

前回の記事の続きです。
3階の内装に想いを馳せると色々やりたいことがありました。
ビジネス的なことではなく、主にはテイスト的なことですが。
このブログでも紹介しているように、以前はミニマルでソリッドなものが好みで、シンプルな空間に、主に60年代にデザインされたモダンな家具を配置していました。
ドイツ、オーストリアからはじまるヨーロッパのモダニズムが好きなのです。
モダンと言っても、以前はクラインダイサムに設計してもらったオフィスに置いていたので、モダニズムバリバリな空間にはなりませんでしたけど、その意外な組み合わせがまたおもしろかった。

imgオフィスを建築する前に作られた模型。

img実際に建った引越す前のオフィス外観。

話は少し逸れますが、特定ジャンルに絞って、そこを深く極めていけば、行き付く先は皆同じになってしまうと思います。
どのジャンルにも教科書的なルールがあって、それはファッションでも同じこと。
僕はすべて教科書通りの型にはまることが、昔からあまり好きではありませんでした。
IVYよりプレッピーが好きだったし、黒人のR&Bよりブルーアイドソウルの方が好きだった。
大学の時も友達の多くはモッズでしたけど、型通りにモッズコートを着て三つボタンのスーツを着るのは嫌でしたね。
Whoを聞いてはいましたけど。
音楽でジャズを極めたり、ファッションでクラシックを極めたり、というのは僕にはできないのです。
常に本流を少しだけズラしたところに魅力を感じます。

話はまたまた飛びますが、ドイツで生まれたモダニズムがアメリカへ渡り、その気候によって変容して結実したケーススタディハウスが大好きです。
しかし、それがヨーロッパのモダニズムから派生したものだというのは、あまりみんな口にしませんね。
以前このブログでも紹介したオーストリア生まれの建築家リチャード・ノイトラもその一人。大好きです。
http://blog.10-1000.jp/cat31/000653.html

そしてミースも、ドイツ時代もいいですが、やっぱりアメリカへ渡ったあとの作品の方が抜けているというか。
オリジナルが変容したもの、編集されたものが好きなのです。
僕にとってそれらは、サヴィルロウで修業したアレキサンダー・マックインがデザインした、テーラードスーツを着ることと同じことなのですけどね(わかんねー比喩だなー 笑)

imgオフィスの内部の様子。黒、白、シルバー、ちょっぴりピンク。

かなり話が逸れましたが、
そんなこともあって、前の事務所ではクラインダイサムに設計してもらったキッチュな空間に、コルビジェやカステリオーニの照明器具など、ヨーロッパで60年代にデザインされたソリッドで直線的な家具を組み合わせて使ってました。
でも今は、ミニマリズムで現代的な工業製品としての家具から気持ちは離れています。
もうちょっと手作りな工芸品的なものに惹かれる傾向が。
もちろんそれは今の時代の気分でしょう。
インテリアだけではなく、すべての分野において、トレンドがヴィンテージやクラフトワークに移っている中、自分の中にもそんな気分があります。
直線的でモノトーン、黒い革とシルバーの組み合わせから、ナチュラルでウッドな空間へ。
でも根底に流れるものは、モダニズム。
雑貨から入った北欧好きが行き着くところ、ウェグナーの家具のように素材はウッドであっても根底にはモダニズムの思想が流れていることが重要です。
(その比喩またわかんねーなー・・・笑)

imgMadmenの劇中シーン。60年代のオフィスインテリアを忠実に再現。

imgこれもMadmenから。ミーティングルームのイメージ。木がいいね。

そんなこんなで60年代にどんどん気持ちが向いている時(通常だいたい向いてますけど 笑)、アメリカで放映されていたTV番組MAD MENを目にする機会がありました。
60年代のアメリカのオフィスを舞台に展開する連続ドラマです。
いやあ、インテリアもスーツもカッコいい!
ミッドセンチュリーのブームが去って随分経ちますが(定着した?)、もう1度ヨーロッパではなく、アメリカのミッドセンチュリーモダンを捉え直してみたいと、この時から思うようになりました。
そこにあるのは60年代への憧憬とアナログ感、クラフト的なものに惹かれる時代の空気感でした。

続く

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