何のために働いているのか?

松本 知彦 for Private Time/2015.06.30/仕事仕事

以前、あるクライアントの仕事をしていて、とても凹んだ経験があります。
それは先方の担当者から言われた言葉によってでしたが、今もその言葉をはっきりと覚えています。

当時は、現在の半分くらいのスタッフの数で、今と違ってすべての案件にまだ自分が関わっていた頃です。
そのプロジェクトは、短納期な上に先方からの要求も高く、過酷を極めたプロジェクトでした。
自分をはじめ、プロジェクトを担当したスタッフたちは全員一生懸命に取り組みましたが、結局壁は超えられなかった。
納品したプログラムにバグがあり、何日も徹夜して巻き返しを図りましたが、最終的に納期には間に合いませんでした。
バグは外注に依頼したプログラムで発生していた。
彼らのバグを最後まで改修できませんでした。

納期遅れを出したあと、最後にクライアント担当者から「結局、松本さんだけですね」と言われました。
彼は松本+アシスタントという体制を見抜いていたのでした。
確かにそのプロジェクトは専門領域外のことも担当しなければならず、その体制では乗り越えられない高度な要求と規模でした。
「一緒にやってみたけど、結局松本さん一人だけ、、」
この言葉は自分に突き刺さりました。
言い得ているからこそ、厳しいものに感じました。
松本だけなら、松本事務所って名前にすべきじゃないか・・・
自分の求める組織の姿は、そんな形ではない。
不甲斐なさを感じました。

imgプロジェクトを担当した3名です

imgいただいたTシャツには彼らの名前が。

半年ほど前、全国にフィットネスジムを展開する上場企業から、新業態の制作物全般を依頼されました。
モデルの手配から撮影、印刷物のデザイン、Webサイト構築まで、一括して担当することになったプロジェクトでした。
無事納品も終わり、先週その担当部署のトップの方が弊社に見えて、感謝の言葉をいただきました。
そして制作を担当したスタッフにTシャツを。
Tシャツにはメインで担当したスタッフ3名の名前がありました。
フィットネスジムでも使える名入りのTシャツです。
嬉しかった。
松本だけ、とクライアントから言われてから10年弱、組織が成長しているように感じて嬉しかった。

img先方の担当者は写真を撮影されて帰られました。

私たちは何のために働いているのでしょうか?
お金のため?自分のキャリアアップのため?
それ以外にあるはずです。
もしそれだけが働く目的なら、もっと効率よく稼げる業種、企業に行った方がよい。
自分が好きなこと、熱くなれること、それを他人が評価してくれる、認めてくれるからこそ、この仕事を続けているのだと思います。
社内の誰かに、相手先の担当者に、企業に、社会に求められていることを実感するとき、この仕事をしていてよかったと思うのです。
相手の喜びは自分の喜び。
今回もクライアントの担当の方からそれを教えてもらいました。
スタッフたちにとって、こうした経験は制作者冥利に尽きるというか、素晴らしい経験だと思います。
大きな拍手を贈りたい。

imgそれを着てそのまま働いている原くん。

組織のメンバー全員がアシスタントではなくプロとして、当事者意識を持って真摯に取り組めば、組織は必ず成長する。
全員にそうした姿勢を持ってもらいたい。
そしてそれを感じられる出来事があったなら、バレーボールでアタックが決まったあとのように、チーム全員でハイタッチをして喜びたい。
今後1人でも多くのスタッフにこうした経験をしてもらいたい、そう思った1日でした。

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