創立20周年プロジェクト1

松本 知彦 for Private Time/2016.06.13/仕事仕事

以前も少しだけお伝えしましたが、うちの会社、今年でなんと創立20周年なのです。
いやあ、ホントに時が経つのは早いものですねえ。
部屋で一人ぼっちで働いてたのが、つい昨日のことのように思い起こされます。
でもそんなことを言って、ノスタルジックな気分に浸っている暇はありません。

来月7月6日の水曜に、簡単な20周年記念パーティをすることを予定しています。
それについては、また後日改めてこの場でお知らせしたいと思いますが、そのイベントに向けて様々なことを決めて、グイグイ進めなければならないという状況に追い込まれております・・・
すべての作業は、通常の業務をやりながら、同時進行で進めていく必要があるので大変なのです。
いつもはクライアントから依頼されて、企業の魅力作り=ブランディングの仕事をしていますが、今回は自社の魅力を伝える仕事をしなければならない 汗
通常業務の方が忙しいから時間がない、などとは言えず、、、最小の努力で最大の効果を上げる方法を取らなければならない。
その方法論は何かと言ったら、やっぱりアイデアだと思います。
プランがしっかりしていれば、作業の時間は最短で済む。
通常業務の仕事のセオリーと同じですね。
今回は、なかなか実案件では紹介できないそのプロセスをお見せしたいと思います。

img社内のデザイナーたちから出て来た案です。

さて4月から社内で、20周年記念プロジェクトを立ち上げて、色々なことをプランしています。
一番最初にやらなければならないのが、VIとしての周年記念ロゴマークの制作です。
これは重要ですね。
企業の周年記念のロゴって、だいたいがカッコ悪い。
あれは、なぜなんでしょうね?
クライアントから依頼されるブランド構築の仕事では、コンセプト設計から着手することが多いですが、今回は視覚的なカッコ良さを優先させたいため、ノープランで社内のデザイナーから案を出してもらいました。
そこから松本の独断と偏見で、1案に絞り込んでスタートです。
皆さんはデザイン案が決まったら、ほぼ仕事は終わりだと思われているかもしれません。
いや、ほとんどのデザイン制作会社は、そうなのかもしれませんね。
でもうちでは、ここからが本番のスタートなのです。
クオリティを上げて、相手の心を打つレベルにまで昇華させないといけない。
今回はノープランで、視覚的な要素を優先して自由にデザイナーに案を出してもらったあとに、コンセプトを組み立てるという通常とは逆のプロセスを選択しました。
デザインを依頼する際に、デザイナーには詳しく伝えていないけれど、自分の頭の中には既にぼんやりとイメージがあって、それに近い案を選んだという方が正しいでしょう。
時間をショートカットするためです。

imgモノクロの状態で選んだ初回ラフの状態

今回の主旨として3つのことを考えていました。
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1.めでたい行事であること
2.考えたコンセプトをあとからデザインの細部に落し込むこと
3.他のデザイン参考事例から学び、クオリティを上げること
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今回は1がハズせない、マストの要件です。
でも、めでたい表現って色々ですよね。
デザイナーは作るとき、まずカッコ良さを優先しているので、そこまで考えてないかもしれない。
選んだのはラインを使った案ですが、そこから僕が発想したのは、めでたい=水引のエレメントでした。
水引について色々調べた。
由来、結び方、色、ルールなどなど。
その中で水引は、室町時代から祝儀として用いられ、封印の意味のほか、魔除け、人と人を結びつけるという意味があることを知ります。
紅白の奇数本数の紐で結ぶルールがあり、結び方にもいくつか種類がある。
その中でも、結び目が何度も簡単に結び直せることから、「何度も繰り返したい」という願いを込める結び方=「花結び」が今回の主旨には適切だということがわかってきます。

img普段見慣れている水引ですが、その意味を調べると意外に深いんですよ。

imgランス・ワイマンが手掛けた1968年開催のメキシコオリンピックのロゴ

imgメキシコオリンピックのVIが素晴らしいのは、その一貫した展開性です。

img渋谷で、今年春に開かれていた英国のクリエーターユニットTOMATOの展示

でも水引だけではあまりにトラッドすぎる。
現代的にチューニングするために、他に参考になる事例はないものか。
思いついたのが、昔から大好きだった1968年のメキシコオリンピックのVIシステムでした。
デザイナーのランス・ワイマンは、ジョージ・ネルソンの設計事務所を経て、グラフィックデザイナーとして独立しただけあって、根底に流れるモダニズムが心地よい。
多媒体への展開の汎用性も素晴らしいと思っていました。
他にも、今年渋谷で開かれたTOMATOの展覧会で見たタイポグラフィも大いに参考になりましたね。
それらのイメージを組み合わせて、タイポグラフィに落し込む構想が思い浮かんできました。

imgまだラインは4本ですが、水引とエレメントを揃えた状態。

古来からめでたい行事の際に用いられて来た日本の伝統的要素、海外アーティストによる現代的なタイポグラフィの優れた仕事、その展開性、これらのミックスですね。
用途も、内容もまったく違うものをミックスして、異なるイメージを作り出すこと。
それが今回のデザインの作り方でした。
普段からまったく関係ない情報を蓄積しておき、必要な時にそれらを取り出して組み合わせてみる、
組み合わせたものをまた分解して再構築してみる、そうしたことを繰り返す行為が、すべてに共通するクリエイティブな発想プロセスだと思います。

次回へ続く

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