オフィスの家具1

松本 知彦 for Private Time/2012.09.03/仕事仕事

このオフィスに越してきて1年が経ちました。
早いものですねえ。
今年の夏は相当に暑かったので、以前のオフィスで働いていたら、また死んでたと思います。
今となっては、汗をダラダラ流しながら、灼熱のオフィスで働いていたのが懐かしい。
逆に外の方が涼しかったりしましたから。笑

このオフィスは3フロアあるのですが(地下は倉庫)、1階は賃貸、2階はうちの事務所が使って、3階は空いたままでした。
当初3階は打ち合わせスペースにする予定で図面まで引いてもらっていたのですが、僕たちが引っ越してきたときは別の会社が使っていて、僕らが引っ越したあと2ヵ月で出て行ったのですが、その後忙しくしていたらあっと言う間に1年が経ってしまいました。
内装なんてやらずに、そのまんまで使い続けるっていう方針もあったかもしれませんが、あまりに味気なく、不動産屋で電話を取る部屋みたいで、そのままの内装で使い続けるのはモノ作りを生業としているオフィスとしてはちょっとなぁと。
タイミングが巡ってきたので、3階の内装に着手することにしました。

しかし・・・・・
以前のオフィスから使っていた家具たちがあり、それはどうしても3階では使えません。
とっても愛おしい家具たちですが、涙を呑んで売ることにしました。
リサイクル業者にまとめて売るのが一番手っ取り早いんですが、今回はヤフオクで売ってみることに。

imgパッと見、マッサージチェアには見えないでしょう?

imgマッサージのパターンは肘掛けにかかったスイッチで

トップバッターはhhstyleで買った深沢直人デザインのマッサージチェア。
うちに限らず、モノ作りに携わる制作プロダクションというのは、どうしても働く時間が長くなってしまいますが、そんな時にはこの椅子に座ってリラックスしてほしいという想いで、スタッフのために購入しました。
でも、スタッフが使っているのは、ほとんど見たことがありませんでしたね・・・涙。
僕は5回くらい使ったかな。

マッサージチェアっていうと、デザイン的にダサいものが多くて、見るからにそれっていう商品ばかりの中、これはシンプルで一見それとは見えないのが選んだ理由です。
深澤直人のデザインは極めてシンプルで直線的、機能は、、、この分野はよくわかりませんけど。

img以前の事務所のエントランスから。シャンデリアは一番奥に吊るさがっています

img白熱灯の光は何ともいえない温かみがあります。

2つ目はシャンデリアです。
以前のオフィスでは、撮影スタジオ部分の6メートルの吹き抜けに吊るしていました。
ジノ・サルファティのデザインで1958年に発表されたモデル2097。
このデザイン大好きでしたねえ。
青山のシボネのエントランスにも吊るしてありますが、見るたびに美しいと感じます。
優しい光で照明としてはあんまり明るくないのですが、電球がやたら高いのです。
購入したカッシーナから毎回取り寄せなければなりませんでしたから、これは面倒でしたね。
燃費はとっても悪かった 笑
でも手放すのは本当に惜しい大好きなライトでした。

次号に続く

img梱包中のシャンデリア。いなくなっちゃうのは悲しいなあ。

imgこの電球が高いのです・・・・そしてよく切れる。

社章

松本 知彦 for Private Time/2012.08.09/仕事仕事

以前勤務していた企業では、社章をジャケットの胸につけることが義務付けられていました。
入社と同時に保険証と一緒に配られ、退職時には返却するルールでしたが、退職の時に、もし何かしらの理由で社章をなくしていたら、罰金を取られました。
それだけ社章は会社にとって、社員にとって重要な意味があったのです。

img

しかしまだ若かった自分は、裏に込められた意図など理解できず、ただただバッチをつけるという行為に抵抗感がありました。
それは高度成長期に団塊の世代の人たちが決めたルールだろ、くらいに思っていました。
事実社章をつけていたのは部長や課長など、役職のついた自分より上の人たちでした。
会社を誇りに思い、恥じない行動を取れというのが、たぶん会社の奨励事項だったのだと思います。
しかし当時の僕にとって、社章はユニフォームと同じで、形骸化した集団ルールにしか見えませんでした。

あれから月日が流れました。
世の中でワークスタイルは変化し、それに合わせて必ずしもネクタイやスーツを着て会社に行かなくてもよい企業が多くなっています。
出勤時間すら自由な企業も増えてきました。
ゆるやかにつながるオンとオフ、会社は昔よりある意味自由な集団組織になりました。

そうなると、当然会社への帰属意識は薄れます。
だから逆に組織と個人をつなぐものが重要になっているように感じます。
会社と個人をつなぐもの、それは企業のフィロソフィ、その会社固有のアイデンティティ以外にないのではないでしょうか。
顔の見えない大勢の社員全員に、同じように社章をつけることを義務付けるのではなく、顔の見える小さな会社だからこそ、アイデンティティの共有はもっと深くできるはずです。
何かを全員で作り上げるために、顔を見て常に価値観を共有する。
大企業にはできないことを、僕たちは目指さなければなりません。
そもそもここで一緒に働くことになった仲間たちは、大企業への所属願望などではなく、小さい会社の持つアイデンティティに響きあって集まったはずですから。

今、もう1度改めて社章を捉え直してみたいと思いました。
以前は何かに反抗する、何かにアンチテーゼを唱えることが自分のアイデンティティでした。
でも今は違う。
反抗する対象の社会も、システムも、大企業ですら決して盤石ではなく、そこにアンチテーゼを唱えても何の意味もありません。

img

メンバーとして組織に参加している意識を持つ、組織に対して自分ができることを真剣に考える、集まったみんなが自分にとって誇れる組織にしていくことに積極的に関与する。
そんな思いを込めて社章を作りました。
これが自分たちの拠り所、アイデンティティになればと思っています。
社章を通して、共有や共通の意識を持ってつながっていたい。
こんな時代だからこそ、社章は見直されてもいいのではないのかと思います。

40代のブログが熱い 2

松本 知彦 for Private Time/2012.05.11/仕事仕事


さて昨日に続いて、ブログについて話したいと思います。
SNSの出現により、誰もがより簡単に自由に情報を発信できるようになりました。
これにより、どうでもいい情報も日々流れまくっているわけですが、ブログというメディアは、SNSとはちょっと違うと感じています。
それは掲載できる情報量が多いために、文章を書く、コンテンツを作るということを少なからず意識しなければならないからです。
facebookなどとは違って、記事を書く際には、画像の配置や順番、文章の構成や編集、全体の見せ方について考えさせられることになります。
短いながらも、起承転結が必要なのです。
そういう意味ではストーリーの組み立てを考えることが必要で、コンテンツホルダーでないとなかなか書けない媒体だと思います。

そうしたことを実感しつつ、世の中のブログを見てみてみると、40代の人のブログがものすごいのです。
20代のブログって行間を広く取って、絵文字も交えつつ口語で綴られていることが多いですが、内容はライトでfacebookの延長のようなものが主です。
しかし、40代の書く記事は、それとはまったく異なり、多くが自分の人生観まで語る濃い内容になってます。
特に男性のブログは凄まじいですね。

移ろいゆく事象を取り上げるのではなくて、記事には書き手の揺るぎない信念だったり、強いポリシーを感じさせ、文体にもそれが現れてます。
構成や編集を意識するあまり、より深いネタのようなものを書かざるを得ない結果になっているのではないかと推測しているのですが。

僕のPCには2、3人の濃い40代の人のファッションブログがブックマークされていますが、この方たち、自分のファッションコーディネート画像をアップしたり(しかも絶対に顔は出さすに、首から下だけ)、こだわりのお宝を紹介したり、とにかく書いているネタがすごいのです。
単純な「お洋服紹介」「好きなモノ紹介」ではなく、強いこだわりに貫かれたうんちくが書かれていて、一分の隙もありません。
個人の主観、育った環境、若いころの経験に裏付けられた深い考察を交えた、それはそれは、偏っていながらも深い深い、めくるめくおじさまワールドが展開されているのです。
ジャズやワイン好きな人の話を聞いているのとちょっと似ています。
共通してそこにあるのはクラシック回帰ですね。

貫かれているのは、○○でなければならない、というこだわりです。
自分の得意分野には誰にも譲れない自分なりの尺度や信念がある、ということですね。
今日は晴れてて気分がいいから衝動で買っちゃったー可愛いでしょ、みたいなライトなノリは微塵もないのです(ちょっと怖いです)
決して悪いことじゃないですけどね、もうちょっと第3者視点も入れたら素敵なおじさまになれるのになあ、と勝手に思ったりしています。笑
僕がそれを実現できているかは別問題ですよ、あくまで。汗

SNSが気持ちのつながりを求めて、どちらかというとホッとするネタをみんなで共有しあうのに対して、おじさまたちのブログはぬるい情報は排して、独自な路線を突き進んでいます。
でも同じ信念を拠り所としている人たちには響くようで、オタクとも言えるこうしたブログも盛り上がってはいるのですが。
社会的な成功を背景にした特権階級のようなネタの連発で、そこに集まる人も独自の価値観を持った人たちです。
でも僕もそうしたブログを見て勉強したりしています。
かなりの頻度で記事をアップするモチベーション、わかる人にだけわかればよいという、読み手を絞り込んだその内容。
背景に見え隠れするその人のナルシシズム。

何が言いたいかというと、僕のように義務感に駆られて仕事として記事を書いているのとは違って、人にうんちくを語りたくて次から次へ溢れるように情報を発信している人のパワーはすごいなあと言うことです。
そうした情報の発信の仕方をするようになるのが、たぶん40代からなのでしょう。
40代のブログの多くは自分節、自分発信型です。
そんなことは個人の密やかな楽しみとしておけばいいじゃんとも思いますが、我慢できないのもまた40代なのでしょう。
恐るべし40代、いやあ本当に恐れ入ります。

でもこういう人、女子には全然モテなさそうですけどね 笑
一言余計でしたね。失礼しました。

40代のブログが熱い 1

松本 知彦 for Private Time/2012.05.10/仕事仕事

ブログを1度はじめると、会社と同じでなかなか止められません・・・
やみつきになるという意味ではなく、スタートする時は簡単なのですが、一度スタートしてしまうと止める時には勇気と決断が必要ということです。
当然記事を書くには土日も使うし、プライベートな時間であっても何か見つけると、ブログにしなきゃ、などと考えてしまって、自分がどんどん縛られていくのを実感しています。
僕は仕事として文章を書いていますが、プライベートとしてブログをやる気にはとてもなれませんね。

Facebookのように、日常で目についたライトなものをサラッと取り上げたり、他サイトからのシェアネタで、タイムリーな話題を流していればいいのでしょうけれど、プランニングという仕事に就いている都合上、どうしても自分から情報を発信すべき、ストーリーテラーであるべきという意識が働いて、手が抜けず、自分をがんじがらめに縛りつけています。
会社のブランディングのこと、自分が言い出したのだから自分が率先してスタッフの手本となるべきなのではないか、などなどが頭をよぎり・・・・
デジタルメディアの特性である文章を軽く扱って流す感覚に陥ってはならない、という自意識も、それに拍車をかけています。
今日食べたご飯は・・・のようなことは、死んでもしてはいけないと勝手に思い込んでいるわけです。笑

ただのブログにしたくない、してはいけない、という強迫観念からイラストまで描いているので、これがもう大変で大変で・・・・
勤務時間には通常の業務を、そして土日はブログの記事執筆に時間を割いているのです。
(誕生日のスタッフの似顔絵を描くのも土日ですけど、、)
自分で自分を縛りつけているので、こればっかりは仕方ないのですが。
ブランド発信という、、、これは仕事ですからねえ。

一方で他のブログを見てみると、それはそれはすごい世界が・・・

次に続く

花見 2012

松本 知彦 for Private Time/2012.04.11/仕事仕事

昨日、会社で花見を行いました。
場所は毎年恒例の駒場公園。
今年で8回目くらいになります。
この公園、土日も空いていて結構穴場です。
敷地内には旧前田伯爵邸や中を見学できる日本家屋もあって花見以外にも色々と楽しめます。
去年は会社から歩いて10分くらいでしたが、引越してちょっと遠くなっちゃいました。

img

今年の花見は、去年お世話になったスーパースマイル国際歯科の皆さんと合同で行いました。
2社合わせて、総勢40人くらい。
去年までは、桜を見ながらお弁当を食べたりして、ゆる〜くまったり過ごしていましたが、今回はスーパースマイル国際歯科のスタッフの方に全体を仕切ってもらったので、今までと違った会になりました。
事前にくじ引きでチーム分けされ、チーム対抗ゲームが3つあり、獲得ポイントを競い合うというもの。
チームの合計ポイント数でdigとスーパースマイルの勝敗を決めます。

imgワード見て連想する単語が、メンバーで同じであればポイントになる最初のゲーム

imgバラバラになった辺や部首を組み合わせて1つの漢字を当てる2番目のゲーム

imgまるめたビニールを紙袋に投げ入れる3番目のゲーム。敵チームはうちわで風邪を起こして邪魔します。

ゲームの内容はすべてオリジナル。
ゲームを考える人、ゲームに使う道具の準備をする人、チームの獲得点数を表に記入する人、全体の司会進行役(メガホンも持参)、3つのゲームの準備係、撮影担当、罰ゲームの内容&小道具準備などなど、ものすごく入念に準備されていてびっくりしてしまいました。
そしてみんな元気がよくて、気合いが入っています。
ゲームにも一生懸命取り組んでいて・・・・
うちのスタッフには、あまりこういう要素はありませんね。
社員旅行で行った箱根のフォレストアドベンチャーも途中でリタイヤしてしまうスタッフですから。汗

思い切り遊ぶためにしっかり事前準備がされていて、当日に動く各ポジションの役割担当も決まっていて、組織の力を感じました。
そしてみんな自分から思い切り楽しもうという姿勢がよいです。
勉強になりました。
事前にきちんと準備がされているから、過ごす時間のクオリティが高くなる、というのは仕事に似ているなあと感じました。
箱根の社員旅行でも感じたことですね。

imgスーパースマイル国際歯科の企画進行役のお二人

会を仕切っていたのは2人のリーダー。
多分、通常の業務もこうやって進めているのだろうなあと見ていて容易に想像できました。
仕事に似ています。
うちのリーダーたちに、こうした会の企画進行がスムースにできるだろうか?
結果は、もちろん大差でdigの負けです。

img最下位のチームは、禿げヅラでオフィスまで帰りました。

暖かくてもう春ですね。
よい天気でしたが、風で桜が舞っていました。
楽しい会はあっと言う間に終わりです。
花見を通して、もっともっと前向きで強いチームを作らなければいけないなあと感じた会でした。

img3人でニッコリ

目に見えないクオリティレベル

松本 知彦 for Private Time/2012.03.19/仕事仕事

以前、クライアントから言われて、今もずっと頭に残っている言葉があります。
あれは4年くらい前、音楽ダウンロードのサイトをゼロから構築するプロジェクトをdigで受注した時でした。

受注当初は容易にコントロールできる中規模の開発案件でしたが、要件定義の途上で要望が次々と追加され、最終的には初期見積もりの6倍くらいに。
専門分野以外の業務内容も多く追加され、すべてをハンドリングすることのむずかしさは容易に想像できました。
請けた当初から内容が大きく変更になったとはいえ、途中で降りるわけにもいかず、計画を立てて外部の会社に委託しながら前に進めることを決めました。

しかし、プロジェクトは難航を極めます。
まだ引越したばかりで、真っ白なペンキが塗られた新しい事務所の床は、たちまちのうちに汚れていきました。
毎日10人以上の外部スタッフが出入りし、最後の2週間はスタッフが何人もゴロゴロ床で寝ることになったせいで、日に日に床は黒くなっていきました。
僕も毎日朝帰りで2日間ブッ通しで完徹、フラフラになりながら働きました。

最初、うちに仕事を依頼した担当者は、こう言っていました。
「開発会社というのは基本、仕事に対して受け身の姿勢でリスクを取ろうとしない。このプロジェクトはスピードとクオリティが求められる。言われた通りに作る開発会社では無理だ。digがフロントでドライブをかけながら、どんどん進めて欲しい。」
今思えば、開発会社からの出向でこのプロジェクトに従事していた担当者は、開発会社のスタンスを熟知しており、そこへ発注すれば期間内にできあがらないことも、コスト内で納めることが難しいことも、わかっていた上でのうちへの発注でした。

案件を進める途上で、色々な問題が次から次へと発生します。
そのほとんどは、外注の会社が作ったプログラムの精度の低さによって起きた問題でした。
僕たちは、彼らの作ったプログラムのバグをデバックすることに多くの時間を費やさなければならない状況に陥ってしまいました。
これは僕らが作ったものではない、、そんな言い訳がクライアントに通るわけはありません。
自分たちが保証するクオリティがこんな形で崩れてしまうとは思いませんでした。

最後にその担当者は言いました。
「一緒にやってみてわかったけど、digって結局松本さんだけじゃない」
悔しかった。
とても悔しかったですが、言われる理由も痛いくらいにわかっていました。
このプロジェクトを担当したスタッフたちは全員がんばりましたが、がんばるだけでは乗り越えられませんでした。
外注をコントロールする力は、彼らのキャパを大幅に超えていました。

その時から松本だけじゃない会社にする、と心に決めました。
すべての案件のクオリティは松本が決定していたし、またそうしなければクオリティを担保できない体制を自分で作っていました。
クオリティが低くなることだけは許されないという自分なりの危機感、意識の表れがそうさせていたんですね。
松本に代わってクオリティをコントロールできる人材も当時社内にはいませんでした。

松本が会社のアウトプットクオリティを決めるのではなくて、各自が自分自身で判断して結果を出す、それが他者に自分の存在を認めてもらう唯一の方法だ。
digのクオリティレベルは目に見えない、それを判断して「足らない、もっとやるべきだ」「よし、これで出そう」と判断するのは各自の意識に他ならない。
提案後に結果を出せないのは、アウトプットの精度について無自覚、あるいは意識が届かない自身の責任だ。
そう組織に言い始めたのは、組織が整い出した最近のことです。

プレゼンテーション含め、コンペ提案時のクオリティはすべて松本がコントロールしてきました。
何十ものコンペを勝ち抜いてきた自分には、やるべきこと、目には見えないけれど達成すべきアウトプットの精度、クライアントに出してもよいクオリティレベルについて理解しているつもりです。

組織全員にその自覚を植え付けることを目標にしました。
提案だけに特化するチームを作り、体制も見直しました。
まだまだ課題は山積ですが、一部のスタッフの意識に少しだけ変化は生まれたと思います。
去年の年末、松本が参加せず、今の組織のスタッフだけで提案して、はじめてコンペ案件を受注しました。
とても嬉しかったですね。
自分で提案したのと同じくらいうれしかった。

これだけやらなければコンペは取れない、そのレベルをスタッフは体験したと思います。
深く考えて、打てる手はすべて打つ、やり切ってこそはじめて相手の心を動かすことができる。
コンペに参加する企業に与えられた時間は平等です。
そこで他社との差別化を図り、相手が納得するストーリー、クオリティを出していくのだから、厳しいのは当たり前です。
でも何に対しての厳しさなのかと言えば、それは誰かに設定された受け身の厳しさではありません。
自分が自覚しているクオリティレベルに達しているか、クライアントが求めるものに合致しているか、相手が満足するものになっているか、何度も自問自答して自分に厳しくする以外にありません。
それを全員が自覚して欲しい。
最終的な成果が得られなければ、そこまでに使った提案メンバー全員の時間を無駄にしてしまうことになります。
一人のメンバーの設定レベルが低ければ、一緒に提案するメンバー全員に迷惑がかかります。
メンバー全員が各ポジションでベストを尽くし、最善のパフォーマンスを発揮しなければ、最終的な結果は得られないのです。

クオリティを自分で判断すること、それは他者が認めるレベルに達しているかを自分で判断できる力です。
クリエイティブに従事する者の原点だと思います。
それなくして、クリエイティブなどあり得ないと僕は思います。

スタッフが成長する姿を見られるのは、とてもうれしいことです。
今後一人でも多くのスタッフが、digのアウトプットクオリティについて自覚し、一人でも多くの相手に認められて、結果を出すこと。
それが組織を通した自己実現であり、人として仲間と働くことの意義だと思っています。

ホワイトデーに想うこと

松本 知彦 for Private Time/2012.03.15/仕事仕事

昨日はホワイトデーでしたね。
僕は以前、企業に勤めていた時は、バレンタインデーの行事が大嫌いでした。
フロアにはたくさんの女子社員がいましたが、彼女たちが管理職のおじさんたちにチョコを配る行事みたいになっていて、この気持ち悪いルールっていったい何なんだよって毎年思ってました。
企業に勤務する常識ある社員なら当たり前の行動、社内コミュニケーションを潤滑にするために必要なイベントだと言わんばかりに、女子社員全員が取り組んでいましたね。
ホントに会社主催のイベントか?と思うくらい。

既に男女雇用均等法は施行されていましたが、既婚で働き続ける女子なんてほとんどいなかった時代です。
当然、管理職の女子なんて皆無でした。
そのため、若い女子社員がおじさんにあげるケースが多く。
別に決まり事ではないのに、女子は全員参加しなければいけないルールみたいになっていました。
おじさんたちは、それでも3/14にはチョコのお礼として、必ずハンカチを返してましたね。
なぜハンカチなのか、当時から疑問でしたけど。
男尊女卑がまだ根強く残っていた時代、団塊世代のおじさんたちは自分の奥さんはおろか、会社の若い女子が好きなものなど到底理解できないから、選ぶのは無難なハンカチなのか?くらいに勝手に思っていました。

でも今考えると、これはもしかするとよいシステムだったのかもと思います。
人からモノをもらって嫌な思いをする人はいません。
特におじさんたちにとって、若い女子から何かをプレゼントされるなんて、これほど幸せなことはないでしょう。
女子だって、会社の好きな人に個人的にチョコを渡すのではなくて、全員参加で部署ごとに必要な個数を書き出して、誰が渡すかの担当割振表まで作って、この日のために綿密に準備をするのです。
ハプニングなど絶対に起きない、あらかじめ段取りされた平等かつ全社的なイベントなのです。
そこで女子同士、先輩後輩を超えたコミュニケーションも生まれることでしょう。
少額でおじさんのハートが買えるなら、それで社内コミュニケーションが円滑になるなら安いものだと思います。
おじさんは単純ですから、簡単です。笑

当時、予定調和のようなこのイベントが大嫌いだったんですが・・・
時代は変わりました。
寿退社する女子もいなくなったし、管理職の女子も増えました。
そんな時代に全社的に女子社員が結束して、バレンタインの担当割を今も行っているかはわかりません。
(知っている人がいたら教えてください 笑)

そして、僕も年を取りました。
そんな制度がなくなったからなのか(と勝手に思っているだけなのか)、やっぱりもらえるとうれしいものです。
あ~あ、老いるってこういうことなんですね 笑

自分が年を取ってわかったことは、おじさんにとって売り場で若い女性モノのハンカチを探して買う行為は、なかなか大変だっただろうなあ、と推測されることです。
全女子社員に対して、それだけの時間を使っていたおじさんたちは偉いなあと。

チョコをくれたスタッフへお礼の気持ちとして、いつの間にかハンカチ(=自分なりに今の時代にアレンジしたハンカチ)を渡している自分がいることに気が付くのでした。

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img皆さんご存知のこのブランド、スタッフへ返したのはこのセットです。

LOURPHYLI オープニングレセプション

松本 知彦 for Private Time/2012.03.14/仕事仕事

先週、クライアントからご招待いただいて新しいショップのオープニングレセプションに行ってきました。
ロケーションは銀座4丁目、ちょうど和光の裏あたりでとても便利な場所です。

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LOURPHYLIで、ロアフィリーと読むそうです。
フランス語かな?
カタログもフランス語で書かれています。
ファッションと雑貨をセレクトしたブランドの1号店。
ショップインテリアのコンセプトはパリにあるアトリエだそうです。

一言でいうととってもフェミニンなブランドですね。
ピンクで統一されたVIも、内装も、カタログも。
トレンドであるクラシック感やヴィンテージ感もあります。
女子の服装についてはそんなに詳しくないですが、クラシックやコンサバがベースにあって、ちょっとモードなこういう感じは好きです。
今もっとも熱い女子ブランド、CARVENの流れを確実に踏んでいます。
でも価格はCARVENなんかより、リアルプライスっていうのがいいですね。
50、60年代のフランス、ヌーベルバーグがコンセプトみたいですが、60年代好きとしてはこれもよいですなあ。

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新しいお店のオープニングって何度行ってもいいものですね。
色々な人たちが集まってコンセプトを決めて、それを具現化して、これからやるぞ!っていう感じがあって、チームの結束や狙いみたいなものが感じられておもしろいです。
ワクワクします。

今回は招待いただき、ありがとうございました。
また是非誘ってくださいね。

デザインの授業

松本 知彦 for Private Time/2012.02.16/仕事仕事

卒業した大学の同級生の依頼で、箱根の駅伝で有名な東洋大学でデザインの講義をすることになりました。
講義と言っても今回は講演をするわけではなく、講評に参加して学生が発表する作品に対してコメントする、という役回り。
行ったのはライフデザイン学部人間環境デザイン学科というところです。
友人の同級生は、この大学で准教授になってるんです。エライですね。

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学生たちには、あらかじめ「食」というテーマが与えられ、グループでビジネスコンセプトを考え、それに沿って各メンバーがデザインを行う、という内容でした。
一応プロダクトデザインの課題ですが、考えたコンセプトを、最終アウトプットのデザインまでブレることなくきちんと落とし込むことができるか?という主旨です。

48人が8グループに分かれて、そのうちの6グループが当日発表を行いました。
授業は朝10時半~16時半まで、みっちりです。
若いうちは勉強しないとね。

自分は今までクライアントに何十回もプレゼンしてきましたが、他人のプレゼンを聞く機会はほとんどなく、この経験はおもしろかったですね。
学生に指導するというより、自分が学べることもたくさんあるなあと感じました。

プロダクトの授業でしたが、根幹部分にあるのはブランディングの考え方です。
そしてプロモーションにも触れるため、デジタルを利用したSNSも避けて通ることはできません。
テーマの設定を間違えると大変ですが、戦略的で魅力的なコンセプトがデザインに落とし込まれているか?逆に言うと、最終的に出来上がったデザインが戦略やコンセプトを物語っているか?というのがこの課題発表のポイントでした。
学生たちの最初のグループのプレゼンを聞いたとき、調査、分析、ペルソナなどの専門的な説明が次々と出てきて、これにはちょっと驚きましたね。
がんばって勉強したのかな。
続くグループも、ムービーやアニメーション、音楽つきのスライドショーなど、ITを駆使したユニークな内容が続いて、プレゼンの手法自体がかなり進歩していることに驚かされました。

お弁当屋さん、カフェ、輸入食材店、色々なテーマが出てきましたが、最終アウトプットとしてのデザインの完成度よりも、僕はストーリーの組み立て方、コンセプトの落とし込み方にとても興味を持ってプレゼンを聞きました。
デザインの課題なので、コンセプトからブレイクダウンしていくプロセス自体の評価は、本来的な目的とは若干ズレるかもしれないですが。

しかし、大学がこういう試みを行うことは非常に重要ですね。
僕の行った大学では、アウトプットのテクニックは教えるけれど、全体の文脈の中でどこにポイントを落とし込むべきか、というようなことは教えてくれませんでした。
日本の美術大学は、ほぼ似たようなものではないでしょうか?
そしてもちろん、プレゼンテーションなど教えてくれるわけもない。
だから卒業生は社会に出て困ることになる。
平均化が共通概念だった社会は変容し、常に差別化を突き詰めないと生き残れないという状況下で、本当に必要なのは戦略的にモノ作りに携わることです。
デザイナーがそれに無自覚でよいわけがありません。
改めて戦略とは何か?差別化とは何か?人の心を打つストーリー、プレゼンテーションとはどういうものか?を考えるきっかけにもなりました。

講評を終えて大学のキャンパスを去るとき、空が真赤に燃えていました。
今日プレゼンをした学生たちも、未来に向けてこの空のように燃えているだろうか?そして僕も今日感じたことを常に忘れずに、彼らに負けないようハートを燃やさなければならない、と感じながら大学をあとにしたのでした。

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ドリフターズのようなチーム

松本 知彦 for Private Time/2012.01.13/仕事仕事

僕はドリフターズが大好きです。
「8時だよ、全員集合!」のDVDはだいたい持っていますが、今見てもかなりおもしろい。
これを当時は生放送でやっていたというのがすごいですね。
リアルタイムで当り前のように見ていましたが。

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荒井注が好きでした。
注さんがやめて志村に代わる時、その後メインのポジションが加藤茶から志村に取って代わった時、とっても悔しい思いをしたのを子供心に覚えています。

僕らの会社のメンバーは選抜でもなければ、シード権の推薦枠でやってきた優秀な選手でもありません。
言ってみれば、ドリフターズのような寄せ集めのチームです。
嵐やSMAPのように、ピンで番組を張れる才能を持ったスターの集まったチームではないのです。

ドリフのメンバーは、それぞれに一風変わった味のあるキャラクターですが、あくまで脇役としてのキャラであり、ピンで番組を持つようなスター性が各自に備わっているわけではありません。
志村以外はコメディアンとしての修業を積んだわけではなく、もともとバンドプレーヤーとして集まったメンバーだというのが理由かもしれません。

毎週8時には全員が集まって、与えられた役割をきっちり全員で演じる。
生放送ということもありますが、各自のキャラを生かし、小さい成功モデルの積み重ねをベースに、そこには血のにじむような練習と努力があったはずです。
結果、最高視聴率50%以上という驚異的な数字と長寿番組を作り上げた。

僕にとっては、加藤茶も志村けんも一人のドリフターズであって、独立したキャラクターではありません。
全員が揃ってはじめてドリフターズ。

ちょっと横道に逸れますが、サッカーの話です。
バルセロナで育ったメッシが、アルゼンチンのチームで結果を出せない理由。
それは、チームのために自分が第一に何をすべきか、を幼い頃から叩き込まれて教育されてきたメッシが、チームワークより個人技を重視するアルゼンチンのチームに合わないからです。
オレがオレがという個人主義ではなく、チームに自分が貢献できることを第一に考えて行動する。
この考え方は、ちょっとドリフにも似ています。
今、僕が求めているのはこの考え方です。

img小学校2年生の時、はじめて買ったレコードがドリフのズンドコ節でした。

ドリフはやっぱり長さんの力が大きかったと思います。
今は僕が長さんとして、グイグイやっていかなければならない期間でしょう。
長さんの書いた著書「だめだ、こりゃ」を読みましたが、その中で「晩年、俳優業をやるようになって、全体の流れを自分が組み立てるのではなく、誰かが組み立てた中に身を委ねることを知った。それがとても心地よく、全体の流れの中で自分が求められた役割を精一杯演じることに目覚めた。」というようなことを語っていますが、これを読んだとき、僕は大きく同意しました。
それだけ長い間、使命感に駆られて全体をディレクションしていたということでしょう。

僕も同じような心境です。
僕がやらなければならない。
そして、もし失敗したら・・・・
長さんみたく、「次行ってみよう」で次々挑戦して行きたいと思っています。
そして時には「ダメだ、こりゃ」も言わないとね 笑

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