ヴィンテージサインがカッコいい!

松本 知彦 for Private Time/2015.09.15/仕事仕事

先月、京都の祇園にPASS THE BATONがオープンしましたね。
築120年の町屋をそのまま店舗にリノベーションしたのは片山正道。
店舗内には飲食もあって、いやあ是非行ってみたいです。

imgPASS THE BATON表参道店にはギャラリーが併設されてます

さて同じく片山正道がインテリアを手掛ける表参道のPASS THE BATONで、先月開催していたヴィンテージサイン展に行ってきました。
個人的には活版にはじまり、最近文字への熱が高まっています。
今回の展示はアメリカで実際に使われていた60、70年代の店のサインや車のナンバープレートを使った展示。
それらをカットしたり、再度手を加えたりして、リデザインした展示の内容でした。
これがですね、カッコいいんです。
アメリカの古いモーテルにあるような、デカい無骨なブリキ製のサインなんですけど、ヴィンテージなのでいい味が出てるんです。
ついつい欲しくなって、会社用に「d」の字にネオン管が仕込まれたものを購入してしまいました。
「d」の字は、実際にアメリカで使われていたヴィンテージのサインですが、それを日本に持ち帰ってきてネオン管を仕込んだものとのことです。
このネオン管、、、なんだか引き込まれますね。
80年代にたくさん見られたサインですが(横浜とかね)、今また見直されているような気がします。
ファッションブティックのサインなんかに使われる気分ですね。

imgヴィンテージサイン展。いい展示でした。

imgちなみに弊社で購入したのはoldに使われている「d」です。

img他には車のナンバープレートをカットして作ったキーホルダーなどなど。

さてこの「d」ですが、会社のどこにつけようかと。
問題は最初から壁に電源を仕込んであるわけではないので、壁にあるコンセントから電源を取らなければならないということです。
サインからコードが垂れて、見た目カッコ悪いですか仕方ないです・・・
コンセントの上に「d」を設置した方がよい。
そうなると設置場所はほとんど限られてきます。
それにサイン本体にはスイッチがない・・・
コンセントに挿したら付きっぱなしなのです。
そのあたりはオフィスをリノベする際に、プランの段階から仕込んでおく方がスマートなのですが、後付けだとちょっとイマイチですね。
仕方ないですけど。
でも買っちゃったんで設置してみました。
コンセントスイッチもつけてみました。
どうでしょう?

imgミーティングルームの前に設置してみました。

img70年代のブリキのサインの中にネオン管が仕込まれています。

本当は屋外の方がいいんですけど、外にはコンセントがなく。。。
仮に外壁にコンセントがあったとしても、帰るときにいちいち電源を切って帰るのは面倒ですからね。
というわけで、もしうちの会社に来られることがありましたら、このサインもチェックしてみてください。
クライアントの一部の方にお知らせしていますが、もうすぐdig fesがありますので。

企業の生存率

松本 知彦 for Private Time/2015.09.03/仕事仕事

会社の18期目が無事に終わりました。
今週から19年目に突入です。
あと1年経ったら20周年、、、、いやあ早いなあ。

img群がってて料理が見えない・・笑

ちょっとデータを調べてみたら、驚愕の事実がわかりました。
設立5年で約85%の企業が廃業・倒産
設立10年以上存続できる企業は6.3%
設立20年続く会社は0.3%しかいないのです。
100社生まれても20年後には、ほぼ1社しか残ってないということです。
うちの会社は来年100分の1の会社に入れるだろうか???
本当に今まで色々なことがありましたが、それでもがんばってきました。
しかし、、1/100という確率はあまりに低い。。

帝国データバンクの調査によると、10年以上生き残る会社の条件は以下のようなものだそうです。
条件1 "成長業界のニッチ分野"に注目し、先駆者として市場参入している
条件2 自社のコアコンピタンスを認識し、そこに資源を集中投下している
条件3 経営者が「明確なビジョン」を打ち出している
2番目はともかく、1と3はどうなのかなぁ 汗
個人的には上記3つが揃っていてもダメだと思います。
やっぱり同じ方向を向くという前提で、スタッフと一緒に自分も、そして会社も成長させていくというコミュニケーションや関係構築は重要なのではないでしょうか。
それは上記3つではカバーできないことだと思います。
また10年以上継続している企業の「経営者の人物像」には共通点があるとも書いてありました。
「ビジョンがある」「積極的」「先見性に富む」「実行力がある」「責任感が強い」
創業から10年以上になるけれど、上記は自分に備わっているだろうか?
自分ももっともっと勉強していかなければなりません。

img自分で巻く手巻き寿司。おいしいです。

img最後は日本酒を回し飲みしてみんな酔っ払いに。

さて節目ということで、みんなで美味しいお寿司をいただきました。
例のビルゲイツも食べにやってくるお寿司屋さんのお寿司です。
みんな本当にお疲れ様でした!
これから1年また頑張って行きましょう。

会社でお寿司を食べたらスタッフは2次会へと・・・
代々木上原の夜はふけていくのでした。

会社の屋上でステーキなステーキパーティ

松本 知彦 for Private Time/2015.07.28/仕事仕事

先週末、会社でイベントがありました。
久しぶりに会社の屋上でのパーティです。
特別な催し物ではないのですが、スタッフの自主企画による会でした。

imgこれが社内に貼られていたパーティ用のポスターです。延期前のもの

なぜそうなったのか理由はわかりませんが、今回はステーキの会ということで、、、
テーマはテキサスでした。
ステーキと言えば、アメリカのテキサスだろということのようです。
僕は知らないのですが、テキサスってステーキの名所なんですかね?
ネットで「ステーキ テキサス」で検索したらテキサスっていう名前のステーキ屋が結構あるからそうなんでしょうね、きっと。
社内向けにパーティのポスターも作られて、イベント当日まで会社のドアに貼られていました。
こういうのをちゃんと作るのがうちの会社っぽいというか。

imgある日帽子がたくさん会社に届きました。

imgかぶったまま働いてますけど!!

イベントの前に「欲しい人は帽子を買いましょう!」というメールが回ってきました。
僕も注文しましたが、これがテーマであるテキサスを演出するためのハットなのでした。
後日追加で赤いバンダナも配られました。
お揃いのハットをかぶり、赤いバンダナを巻いて肉を焼く・・・こんな会社って他にあるんでしょうかね?笑
しかもハットは希望者だけ自費購入ですよ!
ポスターにしてもハットにしても、こういうのを真面目にやると楽しいものです。
しかし、イベント当日でもないのにハットをかぶって働いているスタッフがいて、来客の人に見られたらいったいどんな会社だよと思われますね・・・笑

imgパーティ開催です!

img赤いバンダナも首に巻いてますが、何しろ暑い・・・・

img肉デカイ&厚い

さて雨で何度か延期になり、やっと先週末の金曜に実現したテキサス・ステーキパーティー。
昼間には激しいゲリラ豪雨があって、東横線の渋谷駅は水没しちゃうし、どうなることかと思いましたが、夕方には雨もあがって無事開催となりました。
国産和牛と輸入ものを交互に焼いて味を比べたり、トウモロコシやポテトなども準備されていて、BGMはカントリー&ウェスタン、会社の屋上は一夜限りのテキサス気分でした。
暑かったけど楽しかった。
よい会でした。
皆さんお疲れ様でした。

スタッフだけでの開催以外にも、友人も呼んだり、クライアントの方々も招いたりなど今年の夏も暑そうですが、あと数回は趣向を変えてイベントをやってみたいものですね。
皆さんもご希望あれば是非お越し下さい。

imgアメリカと言えばハーレーダヴィッドソンということでポーズ

ファッションブランドで使うイラストを描きました

松本 知彦 for Private Time/2015.07.23/仕事仕事

ここ1ヵ月間くらい、毎週土日は絵を描いていました。
休日だというのに1回も外出せず、絵を描いていた週末もあります。
なぜかと言えば、スタッフに頼まれたからです。
業務でサイトに使うイラストを、松本に頼もうということのようでした。

img小さく使うイラストです

これは頼まれた2つの仕事のうちの1つ。
1ヵ月半くらい前に、大手アパレル企業が主催したブランドサイト構築のコンペで、参加した4社からdigが選ばれて、制作を受注しました。
そのブランドサイト用に使うイラストをスタッフに頼まれたのでした。
このブランドは、全国に店舗が140もある大きなブランドなのですが、国内の小旅行がコンセプトと言うことで、旅行やライフスタイルをテーマにしたイラストを描いています。
とはいうものの、制作時間がないのでスタッフから渡された資料を見て絵を描いただけですが・・・汗

img人って描くのは難しいのですよ。

使うサイズが小さいので、小さく描くことを要求されました。
少し前にも、小さいサイズで描く人物のイラストのむずかしさについて語った記事をこのブログにアップしましたが、それと同じですね。(あのイラストは、また別の制作物に使うものですけれど)
人物を小さく描くというのは、なかなかに難しいのです。
フリーハンドでは。
どっちかというとブツの方が簡単ですね。

一応は今のトレンドに沿って、アメリカンな要素をモチーフにしています。
男女が出て来るのは夫婦がコンセプトだからです。
夫婦だけで行く小旅行。
いいっすねぇ。
しかし、、、夫婦2人だけで国内を旅行するっていう人は、友達にもほとんどいませんけど、そんな人たちって世の中にどれくらいいるのでしょうね。
むしろ30代後半から夫婦単位での行動を嫌がる傾向が出てきて、それ以降は会話も少なくなり、40代以降はできるだけ家にいないで別々に時間を過ごしたいと思ってる、みたいな人ばっかりな気がしますけど。笑
40代後半になってくると、ホルモンバランスが崩れるせいか、最後の女の輝きみたいなものを求める傾向がものすごく強くなり(もちろん家庭外で)、自分探しを始める女子も少なくない気がします。
そういう人たちの話を聞くのは実に興味深いですけどね。

あ、すっかり話が逸れましたが、汗
イラストどう思われます?
いい感じですか?
時間があまりなかったので、サラサラ描いただけになっちゃいましたけど。

imgこちらライフスタイルグッズ色々ですね。

もう1つ同時にスタッフから依頼された仕事があるのですが、そっちは違うタッチで描きました。
そちらについては、また次回紹介しますので、今回の記事に掲載したイラストと比較してみてください。
久しぶりにずっと絵を描いた数週間でした。
絵を描くということは苦しいけれど、今まで忘れそうだった自分に戻れるような気がして、自分にとってはとても貴重な時間です。
クライアントの皆さま、こんなイラストでよろしければ遠慮なくご依頼ください 笑
何でも描きますよ!
発注お待ちしています。

社内のコミュニケーションでパワープレーは必要?

松本 知彦 for Private Time/2015.07.16/仕事仕事

こういう仕事をしていると、企業の経営層に会ったり、クライアント社内のミーティングに参加させてもらう機会が多くあります。
そんな中でいつも気になるのが、クライアントの社内におけるコミュニケーションの取り方です。
スタッフ間というより、上司部下の関係におけるコミュニケーションの取り方を見ていて、いつも感じることがあります。

img最近、社内で研修を多くするようになりました。変わることが必要です。

上場企業から中小まで色々な企業がありますが、そのうち8割近くの会社のコミュニケーションの手法がパワープレーで成り立っているのではないかと感じています。
特に社長と部下が出席するミーティングに関しては、このケースは10割近いでしょう。
トップダウンというか、有無を言わさず上司の言うことに従わせるやり方ですね。
外部の人が出席している会議の席でも、机を叩いて部下を叱咤したり、言葉で圧力をかけたり・・・・
昭和の時代には当たり前だった、パワハラギリギリのコミュニケーションです。
僕はそうした状況を目にするたびに、なぜ多くの企業がパワープレーによるコミュニケーション手法を取っているのか(無意識にでも)、そこには理由があるのではないかと思えてきました。
上司が参加するミーティングと、上司が参加しないミーティングではまったく雰囲気が違う会社もよく見かけます。
上司がいるとシーンと静まり返って、誰も発言しない。
1度のミーティングに出席しただけで、その会社が普段どのような雰囲気なのかがわかります。
上司の発言に対して反論や意見は許されない、絶対に従わなければならない、というルールが存在するのです。

部下の立場からすれば、高圧的な社長や上司の下で働くのはキツイだろうと思います。
自分が言われる立場でなくても、誰かが言われている席に同席するだけで重い空気を感じるでしょう。
実際外部から参加している僕でも、そんなミーティングに参加すると、重い気持ちになってしまうものです。
そしてそれは、社内コミュニケーションの方法として、部下に次々と伝染する。
僕が以前いた会社では、センパイが新人の部下のことを足で蹴り飛ばしていました。
そのセンパイは東大卒でしたけど、僕の同期の何かが気に障るらしく、常に怒って足で蹴っていました。
それを見る度に、あのセンパイが自分の指導員じゃなくて本当によかったと思っていましたね。。
随分昔の話ですが、今でもそういう会社は少なくないのじゃないかと想像します。
蹴り飛ばすのは極端ですが、強い言葉で圧力をかけるシーンはあるでしょう。
言われた方は相当凹むだろうから、決していい気分ではないでしょうけど、それでも凹むくらい叱咤されたことで、結果が出るのなら必要なことなのではないかと感じる部分もあります。

余談ですが、暗黙の圧力で部下に2つ返事で言うことを聞かせることは、ある一面でいいなぁと羨ましく感じる部分も正直あります。
うちの会社はトップダウンがまったく効かないので、、、汗
あのコミュニケーションを見ていると、組織を動かすのは楽だろうなと感じてしまうのです。

パワープレーで得られるもの。
それは短期的に導き出される結果でしょう。
達成とは人に言われて、やらされて出すものではない。
自分で自主的に見つけて、努力して乗り越えるものです。
しかし、自分で自主的に設定した課題を乗り越えて、達成感を味わうというプロセスは、なかなか多くの人ができるものではない。
自主性を育てるためには、フィロソフィや考え方の共有などから始まって膨大な時間を使わなければならない。
それにそれを行った結果、ほとんどの人に自主性が生まれるかというと決してそんなことはないでしょう。
それをショートカットするために、パワープレーのコミュニケーションがあるのかなと最近では思うようになりました。
膨大な時間を使わず、意味やプロセスを教えずに、結果だけを求めるやり方なのです。
そして結果というのは往々にして数字や売上です。
売上があがれば、みんなの給与も上がるのでハッピーだ。
時間のかかる面倒な意思の共有などしなくても、一番必要なことは何よりも今すぐに結果を出すことだ。
ビジネスは結果こそがすべてなのだから。
確かにそうかもしれないですね。
だから無意識だとしても、その手法が多くの企業内で取られているのだと思います。

僕はパワープレーで圧をかけて物事を進めるのは好きではありません。
好きではないというか、今まで生きてきてそういう選択肢が自分の中にありませんでした。
エネルギーを使うだけで、そのコミュニケーションからは、あまりよいものは生まれないだろうと思っているのです。
しかし、しかしですよ、周りを見ると多くの企業がその手法を取っており、それできちんと会社は収益を上げている。
僕は間違っているのでは?
もしかしたら間違っているのは僕の方で、パワープレイこそビジネスに必要なスキルなのじゃなかろうか?
会社を運営するためには、そうしたコミュニケーションが必須なのでは?とも思うのです。

パワープレーをしないで結果を出す方法はないものだろうか?
パワープレーが好きな人もいるでしょうけれど、ほとんどの人はそうしたやり方に意味を見いだせないのでは?
特にクリエイティブを生業としている企業なら、なおさらそれは強いように思います。
クリエイティブの会社であっても、暴力や圧力で部下を従わせる会社はたくさんあります。
有名なゆるきゃらを作ったことで知られる某有名デザイン事務所も、暴力は日常茶飯事と聞きます。
結果は出るかもしれないけれど、自分はそうした企業のやり方がよいとはあまり思えないのです。
しかし一方で、パワープレーを選択せず、部下たちが結果も出せないのなら、ただの負けです。
社内でのコミュニケーションでパワープレーは相応しくない、だからと言って、それを選択せず結果も出せないなら、ただの負け犬のチームなのです。

僕らに必要なのはパワープレー以外のコミュニケーションで結果を出すことです。
それは何か?
時間はかかるかもしれないけれど、地道な教育しか選択肢はないのではないかと感じています。
やらされるのではなくて、自分でやるように仕向ける。
モノを創り出す人なら、達成こそがすべてだと思っています。
達成感はパワープレーの中からは生まれにくい。
だとしたら、時間はかかっても自主性を育てて、みんなを本当の達成に向かわせることが必要だと感じています。
必要なことは成長です。
と、書いてはみたものの、、毎日毎日悩み多き日が続いているのも事実なのですが。。。

ポパイに見る雑誌デザインのトレンド2

松本 知彦 for Private Time/2015.07.10/仕事仕事

前回の続きです。
フォントの話を色々してきて、1つ前ではポパイを取り上げました。
ポパイの快進撃は、編集もさることながら、デザイン要素もその成功とは切り離せないと思います。
他の雑誌にはない独自のデザインは、カルチャー面からの大きな影響を受けたものです。
それは従来のエディトリアルデザインのセオリーとは異なる、新しい時代のデザインを感じさせます。
そんなポパイの誌面デザインについて今回は簡単に触れたいと思います。(ホントに簡単ですが)

img商品キリヌキとイラストを組み合わせた表紙が多いです

コーヒー、ブルックリン、チョークアート、サーフィン、ポートランド、日用品、ビンテージ、ハンドメイド、オーガニック、クラシックなどなど、カルチャーを形成しているこれらの要素が、ポパイの誌面には随所に取り入れられています。
前回も書きましたが、それらはハイブランドとは真逆の、手作りのカルチャー、むしろフリーペーパーのデザインに近い。
イマドキに言うところのzineですね。
学校で教わる雑誌デザインのセオリーから逸脱しそうなくらい自由で、作り手と読み手の距離が近い、同じ目線のデザインになっています。
意図的にそうしているのだと思います。
早速検証していきましょう。


まず雑誌の中で、これだけイラストを挿入している雑誌は他にないでしょう。
そのほとんどが手描きです。
中面だけでなく、表紙にも大胆に起用しています。
女性誌だと同じマガジンハウスが発行するGinza誌上にイラストレーターの姉妹ユニット、ストマクエイクのイラストが多く掲載されていますが、それでもここまで多くはないでしょう。
ポパイでは特定の1人のイラストレーターだけではなく、色々なテイストを持つ手描きイラストが毎回導入されていることも特徴です。
その1人がナイジェルグラフ。
海外のユニットみたいですが、日本人のデザイン事務所です(個人事務所?)。 
彼のイラストだけで表紙を構成した号もあります。
かなりインパクトがあったので、この号はみんな覚えているのではないでしょうか?

imgナイジェルグラフのイラストを全面に使用した2014年4月号の表紙

img彼の仕事は書籍やniko and…のファッションなど

imgストマクエイクのイラストを使ったローリーズファームのカタログマップ

もう1つは手描きフォントによる見出しです。
前々回のブログ記事でも紹介しましたが、これだけ多くの手描きフォントを使っている雑誌は他にないと思います。
タイトル見出しを手描きにするということは、それだけ手間がかかるのです。
こちらも表紙から積極的に導入されています。
たとえばサインペインターの金子裕亮。
この人も今の時代のテイストにドンズバです。
平成の時代に、サインペインターという職業があるっていうのがオドロキですけどね。
日本語にしたら看板屋ですが、、笑 

img金子裕亮による表紙のハンドタイポグラフィー

img金子さんの仕事。もうこれ、、言うことないですね。今のトレンド直球です。

彼らに共通するのは桑沢や多摩美など美術学校で学んだあとデザイナーとして出発し、その後絵を描くことを選択しているということ。
どちらもエディトリアルに縛られず、音楽系の仕事をしたり、ハンドペイントだけでなくデザインも同時に手掛けているということでしょう。
そういう意味では多摩美や芸大を卒業してデザインとイラストの双方を手掛ける湯村輝彦、河村要助と同じです。
今気が付きましたが、これも80年代のリバイバル???

imgもう1つ金子さんの仕事。これぞサインペインター!笑。トッドスナイダーも。

これら色々な時代のエッジーな要素を搭載しつつ、編集をより魅力的に見せるデザインの工夫をポパイは怠っていないのです。
ここ2、3ヶ月の間にブログで書いていたことがオンパレードで出て来てますね。
モードに勢いがなくなった今、「モノ」としての商品の存在価値を、編集とデザインの力でより魅力的に見せる工夫があるように思います。
ただ商品だけを見たい人にとっては、毎ページ出てくるたくさんのイラストや手描きの見出しは邪魔かもしれません。
しかしそれが他誌との差別化であり、手間をかけた分ポパイの味になっています。
そして膨大な取材の本数と他誌の追随を許さない圧倒的な情報量は、毎回スゴイなと思いますねぇ。
時々まったく興味のない特集もありますけど 笑

こうしてポパイの細部を点検していくと、たまたま発行部数が伸びたのではなく、デザインにも確信的な企みがあることがわかります。
他にもページのレイアウトやタイトル、ノンブルに至るまで、固定のデザインフォーマットを持たず、毎号デザインの細部には様々な工夫があるのですが、それを検証して取りあげるとキリがない&誰も興味ない笑 と思いますので今日はこの辺で。
皆さんも見てみてください。
繰り返し言いますが、こうした世の中で注目されているものの背景にある企みを検証する視点を常に持ちながら、自分に取り込むことはクリエーターとして必要なスキルだと思います。

ポパイに見る雑誌デザインのトレンド1

松本 知彦 for Private Time/2015.07.08/仕事仕事

前回のブログではフォントについて掘り下げるために、男性ファッション誌のデザインを例にあげてフォントの今を知った上で、センスを磨くことの訓練、思考プロセスについて書きました。
今回はその続きです。

imgこれでもかっていうくらいイラストを多用したポパイ最新号。

記事の中で、雑誌で世の中に影響力を持っているのは当然発行部数の多い雑誌であり、そのデザインを調査すれば今の流れが掴めるはずと書きましたが、男性ファッション誌で、今もっとも支持されているのはどの雑誌なのでしょう?
日本雑誌協会が公式に発表している雑誌の発行部数を調べてみました。

img

やっぱりポパイってスゴイですね。
これより発行部数が多い雑誌として、MEN’S NON NO 13万部、Safari 19万部などもありますが、自分の感覚的にはあまりピンと来ません。
内容が面白ければ売れるはずなのですが、内容の面白さと売上の関係はそんなに簡単ではない。
雑誌でも店でも、すべてに共通していると思いますが、一番イケてておもしろいと感じる状態は、世の中に広く認知される直前、全国津々浦々に広がるちょい手前の状態です。
東京で一番おもしろくて売れているものが、全国区で売れているとは限らないのです。
だから部数だけで見ることは間違いのように思います。
個人の感性と部数を掛け合わせて市場を見た方がよいのです。
個人の感性というのがやっかいですが、それを磨くことは対象を注意深く観察して分析し、自分なり導き出した結論を常に持っていることが必要です。(前回のブログ記事参照)

さてちょっと話が逸れましたが、今回はポパイの話です。
たぶんこの雑誌は、全国区で売れているわけではなく、売り上げの上位は都市部、特に東京近郊に集中していると思われます。
ポパイの売上の推移も、前述の日本雑誌協会のサイトで調べてみました。
結果、おもしろいことがわかりました。

img

今の状況と比較するために、ここ最近7年間における4~6月の3ヶ月の推移を見てみました。
2008年から発行部数は減少の一途を辿っています。
3年後の2011年には半分にまで落ち込んでいたんですね。
いくら出版不況と言っても、たった3年で部数が半分にまで落ち込むというのはよろしくない状況です。
ところが2012年の4~6月で回復し、その後は毎年倍々ゲームで発行部数を伸ばしているのです。
2012年の4~6月の間に何があったのでしょうか?
これも調べてみました。笑

2012年の6月号(5月発売)で誌面を大きくリニューアルしていました。
ここでポパイは、今に続く「シティボーイ」というコンセプトを打ち出します。
シティボーイ・・・80年代にポパイで僕たちが習ってきたコンセプトの復活ですね。
コンセプトは同じでも内容は2010年代の今にバージョンアップされています。

imgリニューアル前の2012年5月号

imgまったく異なるリニューアル後の6月号

表紙だけ見ても伝わってきますね。
リニューアル前の2012年5月号は、スポーツプレッピー特集としてトム・ブラウンを表紙に持ってきています。
この頃は、ブランド切りで高級なハイファッションを紹介する記事がメインだったように記憶しています。
デザインも全面に写真を配置し、見出しゴシック1本で、モード寄りのデザインです。
しかし、リニューアル後の6月号ではモードの要素は消え、身近な物をキリヌキで並べた表紙に。
ここでポパイは、高級なブランド志向の「スタイルブック」とは別れを告げ、「モノ」を主軸とした編集構成に大きく舵を切ったのでした。
商品のキリヌキと手描きのイラストを組み合わせた表紙デザインも、下手をしたら安いカタログか?と思われそうですが(今は見慣れていますけど)それまでにはなかったアプローチです。
この号から編集長はブルータスの元副編集長、木下孝浩氏に変わっています。
この木下さんという人は、ブルータス時代にも社内の反対を押し切って表紙にイラストを持ってきて最高販売部数を叩き出した人のようです。
時代を読むとはこういうことですね。
ここからポパイの快進撃が始まるのです。

次に続く

センスがよいと言われることの正体

松本 知彦 for Private Time/2015.07.03/仕事仕事

先日から何度かこのブログでフォントの話をしてきました。
ここ最近見られるデジタルフォントの話にはじまり、ブルックリンのチョークアート、ファビアン・バロンのエディトリアルデザイン、ルウ・ドーフスマンのコーポレートブランディングなどなど。
たかがフォントと思われがちですが、フォントは常に世の中の流れとシンクロしているのです。

imgポパイに見られるWeb(デジタル)と新聞(アナログ)を融合したデザイン

さて、今日はそれらを少しまとめた話をしたいと思います。
会社では毎週スタッフを集めて全体ミーティングなるものを開いているのですが、そこで僕からこうした話をみんなに毎回しています。
特にテーマが決まっているわけではなく、自分が感じたこと、気が付いたことを毎回脈略なく話しています。
昭和の会社には、部下と飲みに行く機会があり、そこで上司が部下へ仕事に対する姿勢を話す「薫陶」と呼ばれる時間がありました。
それによって部下は仕事に対する考え方や姿勢を、上司や先輩から学んでいた。
しかし現在、ゆとり世代のスタッフたちと飲みに行く機会はなくなり、「薫陶」の時間は存在しません。
組織で部下の成長を促すためには、業務中どこかでその時間を持たなければならない。
そのことをメンターからアドバイスされたことが、毎回みんなの前で話をするきっかけになりました。
話の中で、一貫して僕が伝えたいことは、考え方の方法論、フレームワークです。
これはクセのようなもので、毎回毎回繰り返し実践してみてはじめて自分の身に付くものだと思います。
業務に関することの気付きを与え、モノの見方について少しでも共有できればと思って、毎週話しているのです。
昭和だったとはいえ、僕が若い時にそんな話をしてくれる先輩、上司はいませんでした。
自分が今その立場になって、自分が若い時に経験できなかったことをみんなに少しでも与えられれば、という気持ちで話しています。
フォントというのはその1つの事例に過ぎません。

imgすべての業務に当てはまる有効な思考プロセス。

フォントのテーマで僕が話した内容は、大体以下のような事柄です。

市場調査
ブランド成立に欠かせないのはフォントである。
フォントがもっとも使われている媒体を調べれば、フォントの今が見えてくる。

考察分類
雑誌に使われているフォントの事例を調べて、 どのような傾向があるか分類してみよう 。
発行部数が多い雑誌ほど影響力が強いはず。

結論
ターゲットや属性によって 使われているフォントは異なる。
そのセオリーを知ることができれば、 仕事上で迅速に利用できる。

imgLOOPという自転車雑誌、最近創刊されたフィナム。どちらにも活版テイストが見られます

img2年前に創刊された男性ライフスタイル誌THE DAYにもアナログな活版と手描きテイスト。

今回男性ファッション誌を主に検証してみました。
与件は、デジタルの反動としてアナログ技術が見直されている、世の中の流れとしてクラシック回帰、チョークアートなどに見られる手描きテイストなどが顕著になっているなどの事象が挙げられます。
アメリカンカルチャーの流行も大きな影響があるでしょう。

img今年4月創刊のクルーエル。サインアートとクラシックテイスト&手描き。

img上からUOMO、FUDGE、OCEANS。同じくセンター合わせのクラシックテイスト。

そんな視点で男性誌を色々見ていくと面白い共通点があることに気付くはずです。
デザインを感覚的に理解していても、実際にどんな事例があるのか、それをどんな際に使用すればいいのかを論理的に説明し、判断することはなかなか難しいと思います。
しかし収集して分類し、結論づけられれば、ある程度のことは見えてくる。
自分の業務に役に立つはずです。
その行動プロセスをみんな普段から実践して欲しい。

img男性誌で一番影響力を持つポパイ。手描きテイスト全開です。

今回取り上げた男性誌では、上記の与件であげた内容がデザインとして共通して実践されていることがわかります。
クラシックフォント、活版、手描き、センタリング
特にライフスタイルを取り上げている雑誌には顕著でしょう。
女性誌も調べてみれば、世代や内容によってフォントやあしらいが異なるはずです。
あとはセオリーを理解するために、ニーズごとの適切な選択軸を掘り下げていけばいい。
こうした行動プロセスを繰り返すことで、自分を常にバージョンアップしてもらいたいのです。

センスとは、誰にでも最初から備わっている才能ではありません。
求められた際に最適な回答を返すためには、情報の偏差値を上げることを常に怠らない努力が必要です。
それこそが「センスがよい」と言われることの正体なのです。

何のために働いているのか?

松本 知彦 for Private Time/2015.06.30/仕事仕事

以前、あるクライアントの仕事をしていて、とても凹んだ経験があります。
それは先方の担当者から言われた言葉によってでしたが、今もその言葉をはっきりと覚えています。

当時は、現在の半分くらいのスタッフの数で、今と違ってすべての案件にまだ自分が関わっていた頃です。
そのプロジェクトは、短納期な上に先方からの要求も高く、過酷を極めたプロジェクトでした。
自分をはじめ、プロジェクトを担当したスタッフたちは全員一生懸命に取り組みましたが、結局壁は超えられなかった。
納品したプログラムにバグがあり、何日も徹夜して巻き返しを図りましたが、最終的に納期には間に合いませんでした。
バグは外注に依頼したプログラムで発生していた。
彼らのバグを最後まで改修できませんでした。

納期遅れを出したあと、最後にクライアント担当者から「結局、松本さんだけですね」と言われました。
彼は松本+アシスタントという体制を見抜いていたのでした。
確かにそのプロジェクトは専門領域外のことも担当しなければならず、その体制では乗り越えられない高度な要求と規模でした。
「一緒にやってみたけど、結局松本さん一人だけ、、」
この言葉は自分に突き刺さりました。
言い得ているからこそ、厳しいものに感じました。
松本だけなら、松本事務所って名前にすべきじゃないか・・・
自分の求める組織の姿は、そんな形ではない。
不甲斐なさを感じました。

imgプロジェクトを担当した3名です

imgいただいたTシャツには彼らの名前が。

半年ほど前、全国にフィットネスジムを展開する上場企業から、新業態の制作物全般を依頼されました。
モデルの手配から撮影、印刷物のデザイン、Webサイト構築まで、一括して担当することになったプロジェクトでした。
無事納品も終わり、先週その担当部署のトップの方が弊社に見えて、感謝の言葉をいただきました。
そして制作を担当したスタッフにTシャツを。
Tシャツにはメインで担当したスタッフ3名の名前がありました。
フィットネスジムでも使える名入りのTシャツです。
嬉しかった。
松本だけ、とクライアントから言われてから10年弱、組織が成長しているように感じて嬉しかった。

img先方の担当者は写真を撮影されて帰られました。

私たちは何のために働いているのでしょうか?
お金のため?自分のキャリアアップのため?
それ以外にあるはずです。
もしそれだけが働く目的なら、もっと効率よく稼げる業種、企業に行った方がよい。
自分が好きなこと、熱くなれること、それを他人が評価してくれる、認めてくれるからこそ、この仕事を続けているのだと思います。
社内の誰かに、相手先の担当者に、企業に、社会に求められていることを実感するとき、この仕事をしていてよかったと思うのです。
相手の喜びは自分の喜び。
今回もクライアントの担当の方からそれを教えてもらいました。
スタッフたちにとって、こうした経験は制作者冥利に尽きるというか、素晴らしい経験だと思います。
大きな拍手を贈りたい。

imgそれを着てそのまま働いている原くん。

組織のメンバー全員がアシスタントではなくプロとして、当事者意識を持って真摯に取り組めば、組織は必ず成長する。
全員にそうした姿勢を持ってもらいたい。
そしてそれを感じられる出来事があったなら、バレーボールでアタックが決まったあとのように、チーム全員でハイタッチをして喜びたい。
今後1人でも多くのスタッフにこうした経験をしてもらいたい、そう思った1日でした。

人を描くのはむずかしい...

松本 知彦 for Private Time/2015.06.17/仕事仕事

つい最近会社のスタッフに頼まれて、人物のイラストを描かねばいけないことがありました。
小さく使うので小さく描いて欲しいというのがリクエストですが、逆に小さく描くのってむずかしい・・・・
描いてみてそれを実感しました。

imgこれらは外人を見ながら描きました。

まず雑誌やサイトなどから描く対象のモデルを探します。
そういう目で見ると、好都合なポーズをしているモデルの写真ってほとんどないのですよね。
見つかったとして、それを見ながら紙に小さく人物の絵を描いていると、これが面白いのですが、日本人を見て描くと日本人に、外人が出てる洋雑誌などを見て描くと外国人を描いた絵になるのです。
それは当り前じゃないかって?笑
まあ、そうなんですけど、僕はいつも目で見ただけのフリーハンドで描くので、体型なんてどうにでもなるはずなのですが、日本人を見て描くと、どうしても出来上がりは日本人になっちゃうのですよね。
絵を見ただけでモデルが日本人なのがわかってしまう。
A4サイズの雑誌に掲載されている大きめの写真を見ながら、10センチ以下の小さい絵を描いても、それは顕著なのです。
当り前かもしれないですが、見た目だけでチャチャッと小さく描いただけなのに差が出てしまうっていうのが、自分としては小さな発見であり、オドロキでした。

長い間デッサンを勉強してきたから、目で見えたままに描いてしまうクセが相当ついているのだなということを実感しました。
見た目のように描けないと、予備校や学校ではエライ怒られて、
「お前、カタチが取れないのか?デッサン狂ってるぞ」
と作品の講評会などで、全員の前で指摘されるのです。
指摘された方はそれがトラウマになって、オレは形が取れないのだ・・・と自信を喪失する、
しかし運動神経と同じで、見えた通りに正確に描くという能力は、生まれつき備わっている才能とも関係があり、見た目の通りに描けないという状況はなかなか改善するものではない、
だから毎日訓練する。
改善には時間がかかる。(かけてもあまり改善しない、、)
だから悩む・・・
そんな人が何人も予備校にいたことを思い出しました。
僕も毎日毎日訓練していた。
時間が経っても訓練っていうのは身体に染みついているものなのですね。

imgたとえば、上の段の真ん中は日本人を見て描きました。

しかし人を描くのってむずかしい・・・
一番むずかしいのじゃないだろか。
16、17歳の高校生の頃、どこへ行くにもクロッキー帳を必ず持ち歩いていた。
学校へ通う朝と帰りの電車の中でも、学校の授業中でも人物のクロッキーを何枚も描いていたことをふと思い出しました。
毎日何時間も何時間も、、あのころは熱かったなあ。
その時のことが今の自分の人格形成に影響を与えているような気がします。
皆さんも、以前訓練していたことが、ふと何かしらの拍子に表に出て、思い出すことってあるのじゃないでしょうか?

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