松本正彦 追悼展

松本 知彦 for Private Time/2012.08.30/私の履歴書私の履歴書

以前、このブログでも書いたことがありますが、僕の父親は作家でした。
当り前のことですが、彼は少なからず、自分のアイデンティティ形成に影響を与えています。
1人っ子の自分にとって、彼はよき指導者であり、人生の先輩でした。
彼から一番影響を受けたもの、それはやっぱり芸術でしょう。
僕は今までそんな彼をどこかで否定し、反面教師のように感じて育ちました。
芸術で人を幸せにはできない、父を見て育った僕はそんな葛藤を長い間抱えていました。
彼が僕に教えてくれたことは、代替えの効かない素晴らしいもの、そして純粋に一つのことをやり遂げる難しさでした。
今では大切なことを教えてくれた父親を尊敬しています。
当前ですが、彼がいなければ今の僕もない。
二律相反こそが真実のように感じながら、日々僕は働いています。

img

img一雨来そうという作品。作品はすべて切り絵です

さて、そんな父の個展が、9月から原宿で開催されます。
企画はすべて母によるものです。

話は飛びますが、先日僕が19歳の時に付き合っていた彼女と久しぶりに会って話す機会がありました。
当時彼女はよくうちに遊びに来て、うちの家族と一緒にご飯を食べていました。
だから僕の両親のこともよく知っている。
20年ぶりに、今は自分と同じ年くらいの子供がいる彼女と会って、不思議と時間の経過を感じることなく、色々なことについて自然に会話できました。
その時、彼女の口から出た言葉で非常に印象的だったものがあります。
「あの時は言わなかったけど、松本家のお母さんはいつ会ってもニコニコ笑っていて、自分にとって理想の夫婦だった。いつも笑っていられるってことは素晴らしい。自分も松本家のような家庭を持ちたいと思っていた」。
えー?20年以上経ってそんなことを言われるなんて。
彼女の父親は仕事で家にいる時間は短く、仲が悪かったわけではないけれど、母と父があんなに長い時間一緒にいながら、穏やかに笑っていられる家庭ではなかった、と言っていました。
息子として、そんなことを言われると決してそんなことはないと言いたくなりますが・・・・
他の家庭は知らないけど、他人から見たらそう感じたのかなあ。

そんな意外なことを言われて、この展覧会を企画した母を想いながら、改めて父の作品を見てみると、穏やかな彼の性格がにじみ出ているような気がします。
彼の人となりでしょう。

皆さんも近くに行かれる機会があって、時間の余裕があれば是非足を運んでみてください。

img場所はJR原宿駅の目の前です。

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