クリエイターの遺伝子

松本 知彦 for Private Time/2013.07.19/私の履歴書私の履歴書

先日少しだけ驚いたことがあったので、ここで少し書くことにします。
それはリンタロのことなんです。

リンタロが通う小学校は、6年生の8割以上が中学受験をします。
今年の卒業生も約半分が、他の学区の中学へ進みました。
僕も知りませんでしたが、今の公立の小学校はこんなにも受験をするのですね。
リンタロもみんなと同じように、一応は中学受験をする予定で、塾に通ってはいるのですが、本人には全く勉強する気がありません。。。
低学年の時は、100人いたら成績は必ず10位以内には入っていたリンタロも、みんなが勉強を始める高学年になればなるほど、みるみる成績は下がり、、、今はもう下から数えた方が早いくらいに落ちてしまいました。
勉強が嫌で仕方がないと言ってる人に、無理矢理やらせているのだから伸びるわけがありません。
伸びる子は勉強が好きで、結果を出すことに喜びを感じる子です。
塾に通わないで(!)、地方から現役で東京の優秀な大学に入った奥さんの遺伝子は受け継いでないようです。
毎日毎日勉強しろと言われている息子の姿を見ていると、小学校の時、同じように母親から勉強しろと何度言われても、まったくやる気が起きなかった自分を見ているようで複雑な気持ちになります。
自分も高学年になってみんなが勉強を始めると、上位だった成績は次々抜かれていきました。
でも時代は違いますからね。
僕たちの時は8割も受験はしませんでした。
ほとんど全員が同じ学区の公立中学にそのまま進学していた時代です。
今日も「成績が落ちて悔しくないのか?」と言われても、まったく悔しさを感じていないリンタロなのでした。

img「渋谷区民のつどい」の会場の模様です。

img渋谷区の各学校代表の作品が飾られています

さて、そんなリンタロの作った切り絵が、先日学年代表に選ばれて区民会館に展示されました。
先週見に行ってみると、、、
これは、、、、う~ん。
自分の父親を思い出さずにはいられませんでした。
切り絵というジャンルのせいもあるでしょう。
まず白い紙に下絵を描き、絵の具で色を塗り、そこに切った黒い紙を貼るという単純な工程。
当たり前ですが、黒い紙は全部つながっている必要があります。
テーブルクロスの上に置かれたマスカット。
これにはちょっとびっくりしました。
リンタロは切り絵なんて誰にも習っていないのです。

imgリンタロ作「テーブルの上のマスカット」だそうです。

imgリンタロのおじいちゃん(僕の父)、松本正彦作の切り絵作品です。

自分も小学校の時、美術で何度も表彰されました。
でも今のリンタロと違って、もっとたくさん時間があったし、自由で好きなことに時間が使えました。
毎日好きな時に本を読んだり、絵を描いたりしていられた。
リンタロは今までも何度か学校の代表に選ばれて、松涛美術館に絵が展示されたこともあります。
しかし、学校の授業以外で彼に絵を描く時間はまったくありません。

8割が受験をする世の中で、それをせずに好きなことだけをさせることはよい結果につながるだろうか?
職人になるならそれもいいかもしれません。(アーティストではないですよ)
でも美術大学に進んだ自分が痛感するのは、絵だけ描けてもダメだということです。
自分の父親を見てもそれは明らかです。
リンタロが将来どういう道に進みたいのか、まだわかりませんが、もし美術に関わることを希望するなら、形はどうあれアートを通してビジネスすることを学んでほしいと思います。
それは今までと同じような、僕が受けたような学校教育では得られません。
自分で学びとるしかないのです。
社会から学び取る力、それにはやっぱり勉強で、ある程度アタマのCPUを早くする訓練をしておく必要があるでしょう。
よい学校に入ればその力がつくとはまったく思いませんが、地アタマを鍛える必要はあると思います。

僕は大人になるまで、勉強がどうしても好きになれませんでした。
大学受験の時も実技ばかりで、勉強はしなかった。
母親に勉強しなさいと怒られていた時、いつも父親は黙っていました。
今の自分のポジションもそれと同じです。
でも勉強もできて、アートもできる、それが自分が憧れるカッコいい男子だと思っています。
それがアーティストであっても、新しいこれからの時代に求められることでしょう。
自分のことは思い切り棚にあげて、、、、かもしれないけれど、リンタロ、がんばって欲しいです。

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