平田弘史さん文部科学大臣賞受賞を祝う会

松本 知彦 for Private Time/2013.07.29/私の履歴書私の履歴書

少し前になりますが、父親の作品の多くを出版していた大阪の出版社、日の丸文庫で、同じように作品を描いていた平田弘史さんが日本漫画家協会賞文部科学大臣賞を受賞されて、その祝賀パーティへ行ってきました。

img左が平田弘史さん、右が司会の高信太郎さんです。

平田さんご本人にお会いするのは初めてでしたが、作品だけは見たことがあって相当に絵のうまい人だなと思っていました。
時代物を専門に描いている漫画家さんです。
ご本人も作品から抜け出たような、武将のような風貌で(ちょんまげをしているし)、見てすぐに本人だとわかりました。
平田さんは父のことを知っていると思いますが、父が東京に出てきてしまったあとに、日の丸文庫があった大阪で作品を描いていたので、直接会って話したことがあるかどうかはわかりません。

img2004年に復刻された1962年の絶版「血だるま剣法」

img時代物ならではの力強い絵のタッチです。

そのパーティの席で、上村一夫さんの娘さん、横山まさみちさんの息子さん、そして僕の3人が、作家の2世ということでまとめて紹介されました。
他のお二人と比べると、父だけメジャーではなく、少しだけ肩身の狭い想いをしてたのですが・・・・
当日の司会をされていた高信太郎さん(TVにも出てるので知ってる人も多いでしょう)が、父の作品の1つ、鼓京介シリーズという探偵漫画を引き合いに出して、絵だけはうまいがストーリーがヒドイ漫画家がたくさんいた当時の貸本漫画の中で、松本正彦の作品は本当に考えられたストーリー構成で、こんなにちゃんと考えている人もいるんだと毎回感じた、という話をされて、僕が紹介されました。
それを受けて話したこと、ちょっと内容忘れちゃいましたが、本当にモノを作るということは素晴らしい、皆さんとお会いすることができたのも父がモノ作りをやっていたから、というような話をしたんですが、今のスピーチがまさに松本正彦の作品そのものですね、と言われて、、、
でも会ってお話をしたこともない高信太郎さんが、父の描いた作品の名前まで憶えてくれているということに、本当にびっくりしてしまいました。
50年以上前に描かれたシリーズなのに。

img上村一夫さんの作品では「同棲時代」が有名です。

img男子ならみんな知ってる、横山まさみちさんの「やる気まんまん」。日刊ゲンダイに27年間連載されました。

img横山さんの息子さん、時々会う機会があります。同じ境遇で共通点が多いです。

でもパーティがパーティだけあって、集まっているほとんどの方がうちの父のことを知っているのです。
いつもこうした会に参加するとびっくりしてしまうのですが、僕は父のことを実は何も知らなかったのではないか?と今になっても感じてしまう。
「お父さんを尊敬していましたよ、握手してください。」
「松本さんの作品、大好きだった。」
そんなことを色々な人に、特に同時期に活躍した作家の方に言われると、とっても嬉しくて、、、、でも反面、父のことを知っているという人が、世の中にそんなにいることが不思議でたまらないのです。
握手って、、父はそんな存在だったのだろうか?と考えてしまうのです。

こうした会で同じく作家の下元克己さんを知り、 今回は元さいとうプロの甲良幹二朗さんを知りました。
そしてこの会場で、父のこれまた60年くらい前に描かれた作品を自費で出版させてもらえないか?という話を持ちかけられて、、、、
この気持ちは他人にはきっとわからないと思うのですが、息子としては不思議でならないのです。
父親としての姿しか知らない僕にとって、そんなことを言われるのは本当に驚きなんです。
いやとっても嬉しいんですよ、でも、やっぱりどうしても不思議な感覚があります。
僕が知っているのは、いつも優しく絵を教えてくれた父の姿、そして経済的に困窮した家庭、それだけです。
モノ作りを職業として選んだ父親がこの世にいなくなった今も、こうして色々な方から父の話を聞ける機会があると、その度にモノ作りは素晴らしいと感じざるを得ません。

息子と父親の関係というのは、近いようでこんなものなのかなあ。
僕は自分の子供にいったい何を残せるのだろうか?

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