松本正彦 活版ハガキ

松本 知彦 for Private Time/2013.09.12/私の履歴書私の履歴書

今digの3階SPACE8で「松本正彦 郷愁の切り絵展」を開催しています。
今日はこの展示に合わせて作ったカードを紹介しますね。

img1階のエントランスの壁にサインボードを取りつけました。

今回、展示に合わせて新しく2つのことをしたという話を前回のブログの記事に書きました。
その1つがビルの1階にサインボードを取り付けたこと。
その効果があって近所の人が何人か見えるようになりました。
これは意外でした。
アートに興味がある方は結構いるのですね。
その中に、切り絵作家としてではなく、漫画家としての父の名前を知っていて「この方は、あの松本正彦さんですか?偶然通りかかって・・・」とやって来られた方がいて、これには本当にびっくりしました。
サインボードがなければこんな出会いもなかったでしょう。
誰も知らない父のことを、こんな身近で知っている方がいるなんて驚きです。
人と人の出会いは大切ですね。
1人でも多くの方にお越しいただけたら嬉しいです。

img切り絵を作る行程はかなり大変。仕上げるのに結構時間を要したではずです。

そしてもう1つが活版でハガキを作ったこと。
切り絵というのは、黒い紙に様々な色の紙を貼って仕上げますが、言うまでもなく、黒い紙が表現のベースになっています。
黒い紙はパーツに切り離されることなく、すべてつながっていることが切り絵の前提条件ですが、当然黒い紙だけでも作品として成り立ちます。
父親の作品から黒い紙の部分だけを抜き出して、活版で印刷することを考えました。

活版は、言ってみれば鉛の版画と同じで、多色刷りにはあまり向いていません。
重ねるのは3色くらいが限界ですが、1色で表現する切り絵の表現にはぴったりです。
紙は、手で漉いた耳付きの和紙を福井県から取り寄せました。
耳というのは、機械で断裁していない紙の端っこの不揃いのことです。
手で漉いているので1枚1枚微妙に表情が違います。
そして活版も職人が仕上げるので1枚1枚表情も色も異なります。

img4色のセットです。

img写真ではわかりにくいですが、圧をかけて刷ってもらっているので凸凹です。

img和紙は1枚1枚カタチも厚さも違います。

imgこちらは通常のオフセット印刷

活版印刷の技術と和紙の組み合わせ。
こうした昔ながらの技術の組み合わせが、父親の暖かい作風に合うのではないかと思いました。
それが逆に今新しいと思ったからです。
春夏秋冬で色を変え、4色で刷ってみたところ、アナログの感じが出ていい感じに上がりました。
しかし、和紙も活版も人の手による作業が大部分を占めるために、1枚あたりの制作コストは通常のオフセット印刷より、かなり高くなってしまいました。
現物は展覧会で販売していますので、ぜひ見て触ってみてください。

imgはがきをシートに詰めている母とリンタロ。祖母と孫の共同作業。

ハガキができあがって、1枚1枚シートに詰める作業を、母と僕とリンタロの3人で行いました。
3世代で行う共同作業、こういう時間も普段あまりない貴重な時間ですね。

展覧会は今月の20日まで開催しています。
お時間ある方は是非お越し下さい。

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