リンタロのデザインが学年代表に

松本 知彦 for Private Time/2015.07.30/私の履歴書私の履歴書

ある日の晩、携帯にリンタロから電話がありました。
その時、僕は友人に誘われて青山のスパイラルの地下にあるCAIでライブを見ている最中でした。
電話が鳴ったのはちょうど演奏の合間でしたが、周りが騒がしいので電話に出るために会場の外へ移動。
移動中だったこともあり、リンタロが電話で僕に何を伝えたいのかあまり把握できず・・・
家にある僕のパソコンに何かをインストールしたいと言っているように聞こえました。

最近の彼は毎日ゲームばかりしていて、部活で使うからという理由で誕生日に買ってあげたノートPCもすっかりゲームマシンと化しており、こんなことならPCを与えるべきではなかったと若干後悔しており。。
買ってあげたMacのノートブックはゲームをやるのには適しておらず、彼はサクサク動くWindowsマシンでゲームがしたいという気持ちがあるのは知っていました。
だから、てっきり自宅のWindowsにゲームのアプリか何かをインストールしたいと言っているのだと思い、
「ダメだよ、そんなの。あり得ねーだろ。」
誕生日に自分用のPCを買ってあげたのに、さらに他のマシンにゲームをインストールしたいとか、ありえねーだろと、最後まで話を聞かずに、電話越しに強い口調でダメ出しをしたのでした。
何考えてんだよ、とちょっと怒りにまかせてのダメ出しでした。

少ししたら奥さんから、入社したばかりの新卒スタッフではないのだし、ちょっとひどすぎる。リンタロが家で泣いている、とメールがありました。
新卒スタッフ?そのあとも少しやり取りしたのですがどうも話が食い違う。
何だか変だな。
ライブが終わってCAIを出た僕は、再び働くために会社に戻りました。
会社でPCを開くと、そこにリンタロからのメールが届いているのを発見。

img全部で3案出したうちの1案

img最初の案のバリエーション違い

届いていたのは、イラストレーターで作られたTシャツのデザインでした。
この夏休み、リンタロの通っている中学では、学年の生徒全員が農家に宿泊して農作業に従事する「農業体験学習」があるのですが、農家の人たちと生徒全員が着るTシャツを学校で広く募集しており、リンタロは初めてイラストレーターを使って応募用のTシャツのデザインを作ったのでした。
あとで知ったのですが、応募の締め切り日は電話をもらった日の翌日。
リンタロがかけてきた電話は、生まれて初めて自分で作成したTシャツのデザインを、会社のPCに送ったので見てアドバイスして欲しいという内容だった・・・・
たまたま外出していた僕は、そのメールを見ることができず、ゲームをインストールしたいと聞き違えて怒ってしまった。
リンタロは自分の送ったデザインがまったくダメだと言われたと思い込み、泣いてしまったのでした。

家に帰るとリンタロはもう寝ていました。
生まれてはじめてイラレで作ったデザインを見せたかったのに、、、本当に申しわけない・・・
言葉がありません。。
翌日彼は自分で作ったデザインを学校に持って行ったようでしたが、その日の夜提出したデザインを見せてもらいました。
これがよかった。
息子関係なしに、14歳が生まれて初めてイラストレーターを使って、デザインしたものとしてはよくできていて驚いてしまいました。
僕は彼にイラストレーターの使い方など、今まで1度も教えたことはないのです。
これを見た時は嬉しかったなぁ。
イラレの使い方は置いておいて、デザインの意図やアイデアに関して、頭を使った痕跡がそこに十分に感じられたからです。
重要なことはソフトの使い方ではなく、自分がどうしたいか、作る前に考えることなのです。
ソフトの使い方なんて、後からいくらでも誰でも覚えられることであって、必要なことは何をどのように伝えるべきか、考え方の訓練です。
リンタロが小学生の時、夏休みの課題を2人で何度か作ってきました。
このブログでも紹介してきましたね。

4年生 バリのアマンリゾート
http://blog.10-1000.jp/cat36/000510.html

5年生 沖縄小浜島
http://blog.10-1000.jp/cat36/000790.html

6年生 オフィスビルの模型
http://blog.10-1000.jp/cat36/000973.html

その制作プロセスの中で、彼には作る前にプランを練ることの必要性、それこそが重要だと教えてきました。
今回、隣で僕が指示したわけでも、助言を与えたわけでもないのに、その行程を1人で行ったことがTシャツのデザインに感じ取れて、ちょっと感動してしまいました。

img別案。3つ出した案のうち1つめをフロントに、これを背面に採用という結果に。

後日、応募があった20数案の中から、リンタロのデザインが選ばれたことを知りました。
誰のヘルプもなしに、生まれて初めて自分一人で作ったデザインが多くの案の中から選ばれたことは、きっと彼自身人生で忘れられない経験になるでしょう。
こうした成功体験は、彼の将来、人生にきっとプラスに働くに違いありません。
僕自身がそうでした。
そして今まで僕が教えてきたことが、小さいながらもこうした結果に結びつくというのは、親バカですけれど、本当に嬉しいことで、小さな感動がありました。
リンタロは少しづつ大人になっていきます。
そしてリンタロだけでなく、僕も彼から多くを学んでいます。

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