父の書籍がアメリカで出版されました!

松本 知彦 for Private Time/2016.06.21/私の履歴書私の履歴書

先月、父親の単行本「たばこ屋の娘」の英語版が、アメリカの出版社から発刊されました。
この作品は父親が70年代に発表した短編を集めたものです。
日本では、2009年に青林工芸舍から発行されました。

img先月アメリカで出版された「たばこ屋の娘」の英語版です。

ストーリーは、都市で生活する貧乏な男女の若者の話が中心です。
事件も何も起きない、ごく普通の日常をテーマにしたもので、かなり地味な印象を持たれるかもしれません。
しかし、なんとも味わい深い世界が描かれているのです。
リアルに描かれた1970年代初頭の街の情景。
その何気ない日常の中に描かれた、都市で生活する若者の細やかな感情の動き。
読み終わった後の余韻がたまらない味になっています。
でも一部の漫画好きの人じゃないと、この独特な余韻は理解できないのじゃないかなあと思います。
今から45年も前に描かれた作品ですしね。。

img一応冒頭に英語で父親の解説がありました。

imgいつも思いますが、擬音をその国の言葉に翻訳するのは難しいだろうなと。

作品が世に出た1970年代初頭、これらの作品はまったく話題にはなりませんでした。
しかし、単行本「たばこ屋の娘」として再出版された時には、「このマンガを読め!」の2010年度ランキングで33位に入ります。
「このマンガを読め!」は、マンガの専門家たち50人が1年間に出たマンガの中からベストな作品を選んで投票し、集計した結果をランキング形式で発表するもの、書籍として毎年出版されています。
ちなみに年間で発行される単行本の点数は、1万3000点もあるのです。
その中で、もうこの世にいない作家の本が33位に入る、というのは驚異的だと個人的には感じているのですが。

img右側は先に出版されたフランス語版「たばこ屋の娘」。デザインにお国柄が出ますね。

imgアメリカ版は、表紙のエンボス処理が効いてます。

しかしマンガの専門家が選ぶマンガと、一般の読者が選ぶマンガってやっぱり若干違うのじゃないでしょうか。
前者はプロで、いわば通の人達ですからね。
だから日本人であっても、45年前の地味なマンガを読んで、いいなあと感じる人はそんなに多くはないのじゃないかなあとも思います。
なのに、アメリカ版ですよ。
アメリカ人は、45年前に描かれた極めて日本的なストーリーを英語で読んで、どう思うのだろうか?
45年前の日本といえば、アポロの月面着陸の成功に湧き、仮面ライダーがTVで放映を開始、小柳ルミ子の「私の城下町」が大ヒット、そんな年です。
このブログを読んでいる人の中でも、生まれてないっていう人もたくさんいるでしょう。

img上が昨年、ロンドンで出版されたイギリス版「隣室の男」。 下が1956年出版のオリジナル。60年前です。古いですねえ。

昨年はロンドンで、父の1950年代の作品を集めた短編集が出版されました。
今回はそれに続くアメリカ版での出版です。
世界中の一人でも多くの人に、父親の作品に触れる機会があったらよいなあと常に思っています。
だからアメリカでの出版は、とても嬉しいです。
松本正彦作品の中に流れる、独特のゆったりとした時間を感じてもらえたらと。
アメリカ人に感想聞いてみたいなぁ笑

アメリカ版の父の作品情報はこちら
↓↓
http://www.topshelfcomix.com/catalog/cigarette-girl/940

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