新宿歌舞伎町 王城

松本 知彦 for Private Time/2012.10.26/東京東京

ここはヨーロッパのお城?それともマカオの古い建物?はたまた中国?
いえいえ、新宿歌舞伎町のど真ん中です。

imgレンガ造りの古城のような建物が・・・・

その名も王城ビル。
僕が小学校の時から、ずっと歌舞伎町のど真ん中にあるビルです。
今はカラオケ屋になってますが、以前は名曲喫茶でした。
すぐ近くにスカラ座という名曲喫茶もあって、それも凄くクラシックな建物だったのですが、数年前に閉店、取り壊されてしまいました。
新宿生まれの僕は、父親に連れられて歌舞伎町で映画を見た帰り、このあたりを歩いて、ゲームセンターに寄り道して帰るのがお決まりのコースでした。
ゲームセンターと言っても、射的ゲームとかコイン落としとか、アナログで可愛いゲームでしたけど。

西武新宿駅の前には「歌声喫茶ともしび」という店があって、店内では歌本が配られ、店内にいるお客さん全員が、声を揃えて歌を歌っていたのを幼いながらに微かに覚えています。
お客が全員で1つの歌を歌う喫茶店なんて、今じゃとても考えられないですね。
しかもアコーディオンの生演奏つきでした。
「歌声喫茶ともしび」の店内で配られた歌本が、家にも数冊ありました。
多分親が店から持って帰ってきたものでしょう。

img王城ビルの隣には歌舞伎町公園があります。

imgそして公園の敷地の中には、昔からある弁天様。

話は戻りますが、王城ビルの隣には、これも昔からある小さな公園(歌舞伎町公園)
その公園内に弁天様があるのを知ってますか?
歌舞伎町は元々は沼地でした。
入り組んだ沼と陸地の境に、この弁天様があったと言います。
日本一の風俗街として知られる歌舞伎町の隣に、世界のハイブランドが集まる伊勢丹、バーニーズニューヨークがあるなんて、凄まじい落差で何とも不思議な街ですが、それには入り組んだ湿地帯の地形が新宿の歴史の成り立ちに大きく関係していると、中沢新一が著書「アースダイバー」の中で語っています。
沼と大地の入り組んだ地形、それが風俗とハイブランドという2極の文化を生んだと本には書いてあります。
伊勢丹やバーニーズがある場所は元から陸地ですが、歌舞伎町の風俗街は沼を埋め立てた場所。
縄文時代の時の地形がその町の文化を形成しているなんて、とっても興味深いです。
この本、渋谷、上野、銀座など東京の町の成り立ちについても詳しく書いてある非常におもしろい本なので、機会があれば是非読んでみてください。

imgこの本、本当に面白い本です。東京生まれの人もそうでない人も是非!

さてさて。
消えゆく昭和の香りを残す王城ビル。
新宿も僕が子供の頃と随分変わりました。
コマ劇場もなくなってしまったし、父とよく見に行った映画館も立て続けに閉館。
大きく変わってないのは伊勢丹、思い出横丁、ゴールデン街、あとは新宿3丁目くらいでしょうか。
そうそう、このブログのタイトルの元にもなっている新宿にあった喫茶店「談話室滝沢」も今はもうありません。
自分が生まれた街だとはいえ、新宿を自分の故郷とは思っていませんが、変わっていくのはさびしい気がします。

imgクラシックな建物とギラギラのサインの組み合わせは異質です

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