新橋 昭和の建築

松本 知彦 for Private Time/2014.03.06/東京東京

最近、仕事で新橋に行く機会があります。
新橋は数少ない昭和の面影を残す街。
興味深い建築がたくさんあります。

img新橋駅の真ん前にあるビル。1号館と2号館があります。

クライアントの企業は新橋駅前ビルという名前の、オフィスと飲食のテナントがたくさん入っている複合ビルの中にあります。
地下鉄銀座線から地上に出なくても、改札口を出て地下から直接アクセスできるビルです。
竣工は昭和41年(1966年)ですから、今から50年くらい前に建った建物ですね。
外観は一言で言うと、ウルトラセブン笑
あの頃に考えられた未来的なディテール(ウルトラセブンもそうですが)をあちこちに感じることができます。
当時は低層階が飲食で、その上がオフィス、しかも地下鉄から直結する複合ビルはまだ珍しかったことでしょう。
今で言う、丸ビルや六本木ヒルズみたいな感じでしょうか。

img新橋駅前ビルの1階。当時は最先端のデザインだったでしょう。

以前は受付嬢がいたと思われる大理石のカウンター、団地によく見られるような郵便受けの集合ボックスなど、今ではあまり見られなくなったものが見られます。
入ってる飲食店がかなり昭和です(たぶん当時のまま営業している)。

そのビルを出て少し歩いたところにあるのが、丹下健三が1967年に設計した「静岡新聞・静岡放送東京支社」のビルです。
70年代に一世を風靡したロンドンの建築集団アーキグラムからの影響を受けつつ、日本でも丹下健三、菊竹清訓などの建築家がこぞって唱えたメタボリズムの思想に基づいて建てられた建築です。
都市は細胞の新陳代謝のように代替え可能なユニットで構成できるというもの。
このビルも上降機能がある1本の柱をコアに、1つ1つの部屋がジョイントされたような構造を持っています。
柱に部屋を取り付けたような構造。
今は亡き菊竹さんが設計した建築で、上野の不忍池の脇にあったホテルを思い起こさせます。
以前このブログでも紹介しましたけれど、僕はこのホテルのデザインが好きでした。

img遠くから見てもすぐわかる丹下健三先生設計のビル。

img1階のエントランス脇に小さなプールがあるのが可愛い。

img構造は同じメタボリズム建築で有名な以前上野にあったホテルにそっくり。

もう少し汐留方面に歩くと、同じくメタボリズムの思想を代表する1970年に建てられた建築、黒川紀章の最高傑作でもある「中銀カプセルタワー」があります。
このビル、すべての部屋の家具がユニットになっていて、理論上はこの部屋のユニットをボックスごと付け替えられるように設計されています。
入ったことはないですが、作られた当初のインテリアはかなりカッコいい。
2001年宇宙の旅みたいです。
以前、取り壊されるという話もありましたが、この建築は残して欲しいですね。
5年くらい前まで、ユニット単位で分譲していましたが、今でも継続して販売しているのかな。
オーナーの中には独自にリノベしている人もいるようです。

img黒川紀章の傑作「中銀カプセルタワー」

imgできた当初のカプセル内のインテリアは超カッコいい。

これらの建築は名作だと思いますが、いつかは壊される運命にあります。
特に日本では、スクラップ&ビルトが良しとされるカルチャー。
今の国立競技場をリノベして使うことを考慮する以前に、巨額の資金を投じてザッハ・ハディットの新競技場をまた作ろうとしています。
経済的観点だけですべてを判断せず、せめて名作と言われる建築は残しておいて欲しいものです。

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