Sex and Typography / Robert Brownjohn

松本 知彦 for Private Time/2012.11.21/本

ロバート・ブラウンジョンは007映画のタイトルバックを手掛けたデザイナーとして知られています。
これはセックス&タイポグラフィーというなんとも意味深なタイトルの作品集。

img映画ゴールドフィンガーのようにゴールドの装丁です。

007といえば、有名なのはテーマ曲に乗って最初に現れるガンバレルのシークエンスと、タイトルバックのデザインですが、これを手掛けているのは、ソウル・バスと並ぶタイトルデザイナーの巨匠モーリス・ビンダー。
ロバート・ブラウンジョンは、1963年「ロシアより愛を込めて」、1964年「ゴールドフィンガー」の2作のタイトルバックのデザインを手掛けています。

img

img007の2作目「ロシアより愛を込めて」のタイトルバック

女性の身体に映像を投影するという手法を使って、この2作を60年代の映画アートシーンを代表する素晴らしい作品に仕上げています。
以後の007作品ではこの2本の作品のタイトルバックの演出手法を踏襲しており、巨匠モーリス・ビンダーにも影響を与えました。
CGのない時代にアナログで、こんなに美しくてクールな、そして映画の内容にも見合う謎めいたエロティシズムを演出するなんて、ロバート・ブラウンジョンという人は素晴らしいデザイナーだと思います。
それがアナログだから、さらにステキなのです。
セックス&タイポグラフィーというこの作品集のタイトルは、007の2本の映画で見せた女性の身体に鮮やかなタイポグラフィーを組み合わせたところからつけてるんでしょうね、きっと。

1963年の作品「007ロシアより愛を込めて」


1964年の作品「007ゴールドフィンガー」のタイトルバック


imgストーンズ1969年発表のアルバム

ストーンズの「LET IT BLEED」のジャケットのデザインも手掛けています。
007が好きじゃなければ、こっちの方が知ってる人も多いかもしれませんね。
しかしロバート・ブラウンジョン、日本じゃあまり知られていません。
もっともっと評価されてもいいのになあ。

アメリカで生まれたロバート・ブラウンジョンは、60年代にスウィンギングロンドンで活気づくロンドンに移住し、著名な音楽関係者や映画関係者と関わりながら派手な世界で徐々にドラッグに溺れ、1970年に45歳でドラッグによる心臓発作で亡くなってしまいます。
しかし60年代に彼が手掛けた仕事は、今もまったく色褪せず、60年代の金字塔になっています。

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