SHARP SUITS / Eric Musgrave

松本 知彦 for Private Time/2013.03.21/本

本のタイトルが何といってもシャープスーツですからね。
現在に至るまで年代を追って、英国で生まれたシャープなスーツの歴史がビジュアルで紹介された本です。
冒頭は「2001年宇宙の旅」の衣装デザインを手がけたことでも知られ、ロイヤルワラント(英国王室御用達)の称号を持つサヴィルロウのテーラー、ハーディ・エイミスの言葉からはじまります。
"Men wear a suit because it's the gear of the gentleman the world over." Hardy Amies

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この本に出てくる人がすごい。
俳優ではケーリー・グラント、フランク・シナトラ、スティーブ・マックイン、ショーン・コネリー、ロバート・レッドフォード
ミュージシャンではエルビス・プレスリー、ビートルズ、チャーリー・ワッツ、ボブ・ディラン、ジェームス・ブラウン、ポール・ウェラ、デュランデュラン、デヴィッド・ボウイなどなど。

img60年代のロンドン。髪型、スーツ、思いっ切りモッズです。カッコいい!

img左上がビートルズのスーツを作った伝説のテーラー、トミー・ナッター。ビートルズの黒のスーツがカッコいい。

img60年代にビートルズが着ていた黒のモッズスーツは、70年代に現れるバンド、ジャムのポール・ウェラに(左)

だいたいこの手の本というのは、サヴィルロウを中心に、スーツの歴史を遡るのですが、この本はウィンザー卿などクラシックなものも取り上げつつ(ウィンザー卿は当時決してクラシックではないですが)、それだけに留まらず時代ごとのスーツのデザインの変遷を映画やロックスター、サブカルチャーまで枠を広げて取り上げているのがおもしろいところです。
それらが写真で見られるので飽きません。
ただのクラシック紹介に陥ってないところがこの本の良いところですね。
特にポール・マッカートニーが1966年にビートルズとして来日した際、東京のホテルの部屋でテーラーにオーダーしたスーツを試着している写真などもあってとても興味津々です。
それと60年代の映画オーシャンズイレブン(数年前のジョージ・クルーニー主演の映画はリメイク)の写真、フランク・シナトラ、ディーン・マーティン、サミーデイビスジュニアたちのスーツ姿はカッコいい!

img左からディーン・マーティン、フランク・シナトラ。いやはやカッコいいんですけど。

img60年代のスクリーンから。上からショーン・コネリー、ケーリー・グラント、マイケル・ケイン。たまりませんね。

デザイナーではハーディ・エイミス、トミー・ナッター、トム・フォード、リチャード・ジェイムス、イヴ・サンローラン、ラルフ・ローレン、ジョルジオ・アルマーニなどが写真で出てきます。
特に60年代にビートルズからオーダーを受けてスーツを作っていたトミー・ナッターのページは興味深いですね。
今ロンドンで活躍するテーラー、ティモシー・エベレストは彼の弟子です。
60年代後半~70年代初頭のイギリスのスーツのデザインはちょっとすごいです。
パンツも太いですが、ラペルも相当に広い。

img冒頭に出てきたハーディ・エイミス。すごいラペル幅。世界で初めて男女両方のプレタを手掛けた彼のスタイルは、フェミニンでお洒落。

紳士の国、そしてスーツ発祥の地イギリスで、スーツが常に進化していく様子、それが音楽というフィルターを通して世界に広がったことが実証されていておもしろいです。
モッズファッションで身を固めたビートルズ、ショーン・コネリー扮するモードな007、TVシリーズ・ナポレオンソロでのロバート・ボーンの普通でシックな着こなし、クールの極みケーリー・グラント、僕はやっぱり60年代のスーツが好きですねえ。

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