This is シリーズ / ミロスラフ・サセック

松本 知彦 for Private Time/2013.05.30/本

皆さん、This isシリーズという世界各国の都市をモチーフにした絵本を知ってますか?
旅行のガイドブックのようなシリーズです。

imgシリーズは全部で18冊。

洒脱なタッチで都会的に描かれた作品。
でも印刷があまりよくない。
原画はもっときれいなんだろうなあと思います。
原画を見てみたいですね。
展覧会やってくれないかなあ。

この絵本の作者はミロスラフ・サセック。
1916年にチェコのプラハで生まれて、第2次世界大戦の時にチェコを離れて、パリ、ミュンヘンに移り住み、その間にこのThis isシリーズを制作しました。
第1作目はエコール・ド・ボザールに通うために滞在したパリ。
その後、ロンドン、ローマでシリーズを完結させようとしますが、あまりに人気が出たので再開し、1959年~74年の間に18冊の作品を継続して制作します。

この本は英語だけでなく、その国の言語で書かれたものも出ていますが、僕は訪れた国で、その国の言語で書かれたバージョンを買う、ということを自分の密かな愉しみとしていて、もちろん全部は揃ってないですが、思い出として現地で買ってものを何冊か持っています。

img全部のシリーズを見たわけではないですが、一番好きなのはロンドン。

img上2つがこの本のオープニングですが、最高です。最後の地下鉄もいいね。

その中でも僕が一番好きなのはロンドンです。
冒頭、全部グレーに塗られた何だかわからない絵に、This is LONDONというテキストが添えられた意味不明のページからはじまります。
よくわからないまま次のページをめくると、次にロンドンの街並が描かれていて、前のページの塗りつぶされたグレーの絵は霧で、それが晴れて街が現れたという、、なんともユニークでヒネリの効いたオープニングが大好きです。
このThis is Londonは1959年にニューヨーク・タイムズ選定最優秀絵本賞を受賞。
今から50年前に描かれた街の情景です。

imgシリーズ第1作のパリは、ヴァンドーム広場やノートルダム寺院、カフェやポンヌフが描かれています。

img名所旧跡の多いローマですが、この本の見どころは乗り物のイラストです。

街の名所はもちろん、そこで暮らす人々のライフスタイルまで、表情豊かに事細かに描かれていて、実際にその都市に滞在して1冊の本を作り上げるという、このシリーズならではのリアリティがあります。
時間もかかるでしょうけれど、なんだかうらやましい仕事ですね。

1980年のThis is Historic Britainを出した6年後の1986年にこの世を去りました。
なんで日本に来てくれなかったのかなあ。
香港までは来ていたのに。

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