The A to Z of Mod/ Paolo Hewitt and Mark Baxter

松本 知彦 for Private Time/2015.03.18/本

英国で出版されているモッズのバイブルのような本です。
モッズについては以前もこのブログでちょっと触れましたが、60年代前半の英国で生まれたカウンターカルチャー、若者のライフスタイルのこと。
簡単に言うと、政治的メッセージは持たず、最先端のカルチャーを追い求める、スーツを着てスクーターに乗った若者たちのことを指します。
モダーンズが語源ですからね、モダンなわけです。

imgポケットサイズだけど内容の濃い本です。

その教科書のような書籍です。
モッズっていうと、Who、Small faces、Kinksなどなど、60年代のバンドがすぐに思い浮かびますが、この本が面白いのはそうしたお約束なレトロなモッズだけの紹介には留まらないところでしょうか。
モッズの本ってだいたい60年代のバンド以外に、ジャム~スタイルカウンシル、ポール・ウェラー、80年代に起きたネオモッズムーブメント(アクション、パープルハーツなど)、この辺までがお約束だと思います。
言ってみれば音楽シーンばかり。

imgモッズといえば、このあたりはお約束でしょうね。若いボウイはカッコいい。

imgACID JAZZなバンドたち。ヤング・ディサイプルズいいですね。

でもこの本はモッズファッション(カーナビーストリートからブライトンにある店まで)、御用達のシャツメーカー、シューズブランド、英国のポップアートを代表するピーターブレイクまで、幅広く紹介しているのが特徴です。
音楽もポール・ウェラー一辺倒ではなく、オーシャンカラーシーンなど60年代をルーツとする最近のブリッドポップバンドと同時に、ACID JAZZムーブメントまで紹介。
そしてもっともビックリしたのが、マーチン・フリーマンがプロローグを書いていること。
マーチン・フリーマンと言えば、つい最近公開された映画「ホビット」、そしてカンバーバッジが主演したBBCのTVシリーズ「シャーロック」でワトソン役を演じていたことで知られる英国の俳優です。
彼がモッズだったというのが驚きでした。
そして自転車競技のオリンピック選手で、大英帝国勲章を受章しているブラッドリー・ウィギンスまで紹介しているのです。(モッズのスポーツ選手ですよ!)
要は、モッズの本によくありがちなレトロな音楽だけに留まっていないのが、この本のユニークなところです。

img今流行のバラクータG9はIVY御用達と思われがちですが、英国ブランドなんですよ。

img最近DAKSでモデルをしてたこの人、このポロシャツが一番似合います。

img競輪選手のブラッドリー・ウィギンス。オリンピック選手にしてこの髪型!笑

imgシャーロックのワトソン役でおなじみ、マーチン・フリーマンもモッズとは。

ページをめくっていると、60年代にアメリカから英国に入ってきたカルチャーがイギリスの若者たちに与えた影響力、またアートや音楽などと結びついて独自のイギリス文化を形成していった過程を知ることができます。
60年代のスウィンギングロンドンのカルチャーは世界に輸出され、今の英国文化の根底にも脈々と流れている、その端緒を見ることができます。
最初の扉に登場するコードレーンのジャケットを着た若いチャーリー・ワッツがしびれます。
これでやられてしまいました。

imgタブカラーにコードレーンのジャケット。洒落者のチャーリーカッコいい。

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