岡本一宣の東京デザイン / 岡本一宣

松本 知彦 for Private Time/2013.02.26/本

岡本一宣を知ったのは翼の王国を見ていて、この斬新なレイアウトは誰だろう?と興味を持ったのが最初だったでしょうか。

img小さい版型にギッチリ詰まってます。装丁がよいです。

写真の配置と文字組みが素晴らしいです。
この作品集はエディトリアルをやる上でバイブルと言えるのではないでしょうか。
ボリュームにまず圧巻されますが、自身で手掛けている装丁もよいです。
アスクルのカタログも彼のデザインだと知った時は驚きました。
雑誌の出版だけに縛られず、カッコいいことだけに捉われず、求められた要求に応じて最適な自分の引出しを開ける、デザイナーってこうじゃなきゃダメだよなって思います。

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以前は重版になってなかったのか、手に入りませんでしたが、今では普通に書店で購入できます。
同じシリーズで図版だけを集めた「岡本一宣のピュア・グラフィック」も是非。

Sex and Typography / Robert Brownjohn

松本 知彦 for Private Time/2012.11.21/本

ロバート・ブラウンジョンは007映画のタイトルバックを手掛けたデザイナーとして知られています。
これはセックス&タイポグラフィーというなんとも意味深なタイトルの作品集。

img映画ゴールドフィンガーのようにゴールドの装丁です。

007といえば、有名なのはテーマ曲に乗って最初に現れるガンバレルのシークエンスと、タイトルバックのデザインですが、これを手掛けているのは、ソウル・バスと並ぶタイトルデザイナーの巨匠モーリス・ビンダー。
ロバート・ブラウンジョンは、1963年「ロシアより愛を込めて」、1964年「ゴールドフィンガー」の2作のタイトルバックのデザインを手掛けています。

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img007の2作目「ロシアより愛を込めて」のタイトルバック

女性の身体に映像を投影するという手法を使って、この2作を60年代の映画アートシーンを代表する素晴らしい作品に仕上げています。
以後の007作品ではこの2本の作品のタイトルバックの演出手法を踏襲しており、巨匠モーリス・ビンダーにも影響を与えました。
CGのない時代にアナログで、こんなに美しくてクールな、そして映画の内容にも見合う謎めいたエロティシズムを演出するなんて、ロバート・ブラウンジョンという人は素晴らしいデザイナーだと思います。
それがアナログだから、さらにステキなのです。
セックス&タイポグラフィーというこの作品集のタイトルは、007の2本の映画で見せた女性の身体に鮮やかなタイポグラフィーを組み合わせたところからつけてるんでしょうね、きっと。

1963年の作品「007ロシアより愛を込めて」


1964年の作品「007ゴールドフィンガー」のタイトルバック


imgストーンズ1969年発表のアルバム

ストーンズの「LET IT BLEED」のジャケットのデザインも手掛けています。
007が好きじゃなければ、こっちの方が知ってる人も多いかもしれませんね。
しかしロバート・ブラウンジョン、日本じゃあまり知られていません。
もっともっと評価されてもいいのになあ。

アメリカで生まれたロバート・ブラウンジョンは、60年代にスウィンギングロンドンで活気づくロンドンに移住し、著名な音楽関係者や映画関係者と関わりながら派手な世界で徐々にドラッグに溺れ、1970年に45歳でドラッグによる心臓発作で亡くなってしまいます。
しかし60年代に彼が手掛けた仕事は、今もまったく色褪せず、60年代の金字塔になっています。

デザインのデザイン / 原研哉 

松本 知彦 for Private Time/2012.09.25/本

数年前に起きたデザイン論の本の出版ブームの火付け役ともなった本です。
しかしながらそんな流行に左右されない一冊。

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無印良品や銀座松屋のリニューアルなど自身の仕事を紹介しながら、デザインとはどうあるべきか?をデザインの歴史を振り返りつつ語っています。
過去の偉大なデザイナーの仕事や歴史を振り返りながら、現在を検証するというこのスタンスが、とっても重要だと感じますね。
プログラマーでありならが、ポールランドに出会ってデザイナーに転向したジョン前田も同じようなことを語っていました。

デザイナー自身による装丁は、彼らしく他の仕事にも共通する真っ白なデザイン。
アイデア(デザイン書籍)の原研哉特集と読み比べるのもおもしろいと思います。
アイデアの表紙も真っ白。

img帯とカバーの紙の質感を替えて、触感で感じさせるデザインです

img田中一光から引き継いでデザインを務める有名な無印良品の広告

原研哉さんは、いま僕の卒業した大学の教授になっています。
去年、片山正道さんも同じ大学の教授になりましたが、引退したおじいさんではない現役バリバリの著名デザイナーを起用するのはいいことだと思います。
学生にとっては刺激的。
大学側としては生徒の応募を増やすことに、積極的に取り組んでいかなければいけませんからね。
そして原さんは、同時に今日本デザインセンターの社長。。。
デザイナーが社長をするというのは、相当にコミュニケーション能力が長けてないとできないと思います。
日本デザインセンターは先々月、銀座4丁目の自社ビルに引っ越しましたが、13階にある「POLYLOGUE」というオープンスペースに興味あります。
なんだかよさそうです。
誰でも入れるみたいなので、機会があれば是非行ってみたいですね。

Karl Gerstner / Karl Gerstner

松本 知彦 for Private Time/2012.06.22/本

スイスのタイポグラファー、デザイナーの大御所カール・ゲルストナー。
スイス航空のCIを手掛けたことでも知られる彼の作品集です。

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最近彼がデザインしたスイス航空のCIが、イギリスの富裕層向けライスタイルマガンジンmonocleの編集長として有名なタイラー・ブリュレによって刷新されたのは、記憶に新しいところでしょう。
世界的に知られるフォルクスワーゲンやシェル石油のロゴタイプもカール・ゲルストナーのデザインです。

ヨゼフ・ミューラー・ブロックマンに続く、第2世代のスイス派グラフィックデザイナーとして知られるカール・ゲルストナーですが、エミール・ルーダーの教え子だけあって、作品にもスイス派の特徴であるグリッドシステムが多くみられます。
しかし、これがまた素晴らしくカッコいいんですね。
この本もブロックマン同様、デザイナーのバイブルでしょう。
60年代の粋が詰まってます。
この書籍には、1950年代からの50年の間に発表された代表的な作品が収録されています。

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Ken Miki Selected Works 1994-2002 / 三木健

松本 知彦 for Private Time/2012.05.18/本

三木健が自分の仕事の中から、いくつかのプロジェクトを自身でピックアップして紹介している作品集。
この人は個人的に大好きです。
大阪を拠点にしていて東京に出て来ないスタンスも好きです。
今は大阪芸大の教授です。

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IBMジャパンのブランディングの仕事などは、本当に惚れてしまいますね。
バウマン&バウマンの仕事に接近しています。
GGGブックスのシリーズでは、平野敬子と一緒に収録されていましたが、一緒に見ているとアプローチは違っても三木健の仕事は平野敬子と共通する部分があるなあと感じました。
平野敬子も好きです。

Pioneer of Swiss Graphic Design / Josef Muller-Brockmann

松本 知彦 for Private Time/2012.04.04/本

もう1冊。
ブロックマンの作品集の中で一番最初に買った本です。
今まで何度も何度も繰り返し見てきました。
本当に素晴らしいです。

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コンピューターがない時代に、この厳格なグリッドシステムを考案し、手でデザインしているという事実、、、やっぱりスゴイですね。
視点の誘導、全体のリズム、スペースの取り方、フォントの選択、すべてが参考になります。
今コンピューター上でいきなりデザインする人が多い中、作品集からは手書きのプランから発想していることが如実にわかって、思考プロセスの重要性を教えてくれます。
50年前にしてモダン。
まさにバイブルです。

img左のページは手書きの思考プロセスです。右が完成。

img僕の大好きなあかりのポスター。本当に素晴らしい。

Josef Muller-Brockmann by Kerry William Purcell

松本 知彦 for Private Time/2012.04.02/本

スイスのヨゼフ・ミューラー=ブロックマンは、グリッドシステムの開発やタイポグラフィーの分野において、世界を牽引したデザインの開拓者です。

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主に彼が活躍した時代は1960年代ですが、その仕事は今見てもまったく古さを感じさせません。
エミール・ルーダーやマックス・ビルと同じように、これらスイス構成主義の作品にはどうしても惹き付けられてしまいます。
王道と言ってしまえばそれまでですが、論理的で厳格なルールの下でデザインしているにも関わらず、いつ見ても新鮮でその魅力を失わないのはなぜでしょうか。
ブロックマンは自分にデザインを開眼させた人です。

2006年に出たこの作品集には、彼の作品のほとんどが網羅されています。
各章扉ではグリッドシステムのアルファベットがデザインされていて、装丁デザインがgood。
絶対に持っておきたい1冊です。

img単純な色面構成とタイポグラフィの組み合わせでリズムが生まれます。

img交通安全にまつわる広告シリーズポスター。

TAKE 8 IVY

松本 知彦 for Private Time/2012.02.27/本

昨今のファッションにおけるアメリカントラッドのブームに乗って、去年出版されたその名もTAKE 8 IVYという写真集です。

imgメンズファッションの永遠の教科書だそうです。

8とはハーバート、イエール、ペンシルベニア、プリンストン、コロンビア、ブラウン、ダートマス、コーネルで、IVYリーグと呼ばれる8つの名門大学を指しています。
当然のごとく、本に出てくるのは1960~70年代のホンモノの大学生のファッションです。
こうしたアメリカのIVYファッションは、同時期に日本の若者の間で大流行しました。

imgIVYの若者を描いた有名な平凡パンチの表紙。イラストレーターは大橋あゆみ。

日本におけるIVYのブームはファッションブランドVANが火をつけます。
VANの服を着て銀座を闊歩する「みゆき族」と呼ばれる若者が出現、その後全国に派生していきます。
僕より上の世代の人たちが熱狂したファッションですが、僕も高校生の頃、IVYを勉強しました。
そして今再び、その時代を知らない20代~30代の間でアメリカントラッドが流行っています。
知らない人のために説明すると・・・・
ジャケットはナチュラル・ショルダ-でボックスシルエット、3ボタンの上2個掛け、中にはボタンダウンシャツを着るという、非常にわかりやすいスタイルです。
デニムを履いてはいけない、チノパンを履け、タイはレジメンタルとニットタイに限る、ブレザーにはエンブレムなどなど、IVYには守らなければならないルールがたくさんあります。
アメリカの大学生がそんな堅苦しいルールに縛られていたとは思えないのですが、日本の雑誌には守らなければいけない細かいルールが色々と書いてあって、教科書の役目を果たしていました。
僕も高校の頃、ポパイとメンズクラブは毎号買って読み倒していましたね。
洋服だけでなく、女子のエスコートの仕方、デートのお店まで、マニュアルが必要だった時代です。

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img今見てもあんまり古さを感じませんね。

しかし、ルールに縛られた堅苦しいIVYより、それを着崩したプレッピーの方が好きでした。
今、アメリカントラッドを着ている若者を見ると、着こなしは違いますが、個々のアイテムは懐かしいです。
ボタンダウンに始まって、ウィングチップ、チノパン、ウェリントンのメガネ、このまま行くと、そのうちスタジャンも流行るのかなあ。笑
IVYの後、時代はビートルズの来日でモッズ・GSブームへ、そして新宿ヒッピー、サイケの時代を経て、70年代フォークへ向かいます。

なぜか、久しぶりに若大将シリーズが見たくなりました。
もちろんエレキの若大将ね。

Life Style / Bruce Mau

松本 知彦 for Private Time/2012.01.31/本

続いてもう1つ、ブルース・マウがアートディレクションを手掛けた1冊です。
この本も出た当時は相当に話題となりましたね。

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レム・コールハースのSMLXLのアートディレクションで既に頭角を表していたブルース・マウが、今度は自分の仕事における思考プロセスを同じような手法で紹介した本です。
とはいえ内容が英語なので、何を伝えようとしているのか残念ながら正確にはわかりません。
出た当初は重版がかかるたびに異なる装丁で出版されていたので、いろんなバージョンが存在しました。

ブルース・マウは1958年カナダ生まれ。
勝手にイギリス人だと思っていたので、カナダ人と知ってちょっと拍子抜けの感もありますが、この本が出版された頃は一番脂が乗っていた時期だと思います。
このあと、森ビルの依頼で六本木ヒルズのコンセプトブックのデザインも手掛けます。

Life Style もSMLXLと同様に、めちゃめちゃページ数が多く、分厚いです。

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S,M,L,XL / Rem Koolhaas

松本 知彦 for Private Time/2012.01.31/本

オランダの建築家レム・コールハースによる建築に関する思考プロセスを記述した本です。
1995年の出版ですが、ページ数1,376、重さ2.7キロという相当に分厚い書籍になっています。
書店で買うのはなかなか大変な本です 笑

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コールハースはこの本の中で、大量の図面やドローイング、写真を交えながら、自身の日記、建築に関する批評などを散文的に展開していますが、アートディレクションを担当するブルース・マウの手腕によってそれらがまとめられ、実験的かつ大胆にレイアウトされています。
本が出た当初は、建築家だけでなく、アートやクリエイティブに興味を持つ人の間で、かなり話題になりました。

消費と建築が結びつき、一流建築家が手掛けるファッションビルが次々と現れ、建築家がもっとも注目されていた頃です。
コールハースはNYのプラダを手掛けますが、表参道でもヘルツォーク&ド・ムーロンが手掛けたプラダ、伊東豊雄のトッズ、青木淳のヴィトン、妹島和世のディオール、隈健吾のLVMHビルなどなど、次から次へと競う合うように著名建築家が設計したファッションビルが現れました。
今や、数字を取るためにパン特集なんて組んでるカーサブルータスも、この頃は建築テーマ1本で突き進んでいました。
あのパワー、どこへ行っちゃったんでしょうね。。。

レム・コールハースは建築業界のノーベル賞とも言うべきプリツカー賞を、2002年に受賞しています。
日本人でこの賞を受賞しているのは4人(正確には5人)だけ。
丹下健三、槇文彦、安藤忠雄、そして妹島和世と西島立衛。

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