亀倉雄策のデザイン / 亀倉雄策

松本 知彦 for Private Time/2011.02.22/本

img

戦後から1983年までの仕事をまとめた作品集。
亀倉雄策、永井一正と言った大御所は大学の時はどうしても好きになれませんでした。
当時の自分には、彼らの作品がシステマチックで非常にロジカルに映り、同世代で話せるような感覚的な要素がそこに感じ取れなかったというのが理由です。

でも大人になって、改めて作品を見るとやっぱり素晴らしい。
ニコンやTDK、モリサワ、グッドデザインのマークなど、現在も使われているものが多く、その普遍性には驚かされます。これらが作られた時代より社会が複雑になったためだと思いますが、シンプルで力強い直球勝負のCIは潔くて、今非常に魅力的に映ります。
東京オリンピック、大阪万博の一連のグラフィックは今見ても本当にカッコいいです。昨年会社の合併によってCIを変えてしまった明治製菓のロゴも大好きでした。残念です。

img

THE SARTORIALIST / Scott Schuman

松本 知彦 for Private Time/2011.02.10/本

img

2010年はソーシャルメディアをはじめ、ファッションにおいてWebの果たす役割が大きくフォーカスされた年でした。その第1人者として知られるのがアメリカ人フォトグラファー、スコット・シューマン。TIME誌で「世界で最もデザインに影響を与えた100人」のひとりにも選ばれています。
世界各地でストリートスナップを撮影し、それらを紹介したブログ「THE SARTORIALIST」で一躍有名になり、同名の写真集も出版しています。独学で写真を学んだという彼の写真には単なるストリートスナップを超えて、美学のようなものを感じます。
ユナイテッドアローズ原宿本店のリニューアルで彼が来日した際、僕も会いに行ってきました。
http://www.thesartorialist.com

img

われらデザインの時代 / 田中一光

松本 知彦 for Private Time/2010.12.28/本

2002年に亡くなった田中一光の回顧展のカタログ。
1953年から2002年までの仕事をほぼ網羅して収録し、ブックデザインを勝井三雄(代々木上原在住!)が行っています。
回顧展の会場デザインは安藤忠雄が担当し、透明のペットボトルを積み上げていたのが印象的でした。

田中一光はやっぱりタイポグラフィーと、尾形光琳のような極めて日本的で美しい色面のデザインが特徴的。
今はもうないけどプリンスホテルのVIや西武のCIなど今見てもとてもモダンな印象を受けます。
勝井さんも一光さんも以前勤めていた会社と縁があって、僕たちの部署では一緒にプロジェクトもさせていただいていたので、何度かお会いする機会がありました。
会社のロビーの壁には田中一光の大きい作品が掲げられていたのを思い出します。

img

img

視覚的な経験値を高めること

松本 知彦 for Private Time/2010.12.28/本

「よい作品を作るのにはどうすればよいのでしょうか?」
「それにはまずたくさんモノを見ることだよ。」
これはよく大御所のデザイン事務所の先生、あるいは建築事務所の先生とスタッフの間で交わされる会話ですが、20代の頃の自分はこうした教科書的な模範解答にはまったく興味がなく、「そんなもん生まれ持ったセンスに決まってんだろ」と高を括って馬鹿にしていました。
それが本当に重要だと気付くのはもっとあとになってから。

img

たくさんモノを見て行けば、当然ゴミもあるし、素晴らしいと感じるものもある。
個人の主観でその時々に物事を判断することはできるけれど、一流と言われるもの、永続的に残る素晴らしいものは視覚的な偏差値を上げないと、なかなかゴミとの差は見えてこない。
もちろんよいものだけを見ていれば感覚は磨かれていくのかもしれませんが、なかなか簡単にそうはうまく行きません。
たくさんモノを見ることが重要だと気づいたとき、自分の周りには情報をくれるよい先輩やナビゲーターは残念ながらいませんでした。
仕方がないのですべて自分の嗅覚のみで探し、できるだけ体験しようと努力してきました。
あの時誰かナビをしてくれる人がいたなら、今の自分も少しは変わっていいただろうか?と時々思うことがあります。

コンピテンシーという理論。
優秀な結果を出している人がなぜ優秀なのかを調べていくと、それは結果のアウトプットのスキルが高いのではなく、結果を出すまでのプロセス、その人の普段の行動(コンピテンシー)に要因があるという考え方です。
優れたアウトプットを導き出す力のある人は、普段から決まった行動を取っていて、見習うべきはアウトプットそのものではなく、プロセスにあるという理論ですが、これには僕も大いに同意できます。目に見える結果は目に見えない普段の行動の上にはじめて成り立っているのです。

img

この場を借りて、今まで自分が影響を受けた本をいくつか紹介していきたいと思います。
どれも松本のフィルタを通ったものから選んでいきますが、色々なモノを見るときのナビとして役立ててもらえればと考えています。
こうした書籍との出会いによってもっとデザインが好きになって欲しいし、そこから新しい発見をしてもらえればうれしいです。

profile

recent entry

category

archive

saru

ページトップ
表示切替:モバイル版パソコン版