鉛筆削り カールVSダーレ

松本 知彦 for Private Time/2016.10.05/文房具文房具

皆さんは鉛筆削りって使ってますか?
先につけてくりくり回す小さなヤツではなく、机の上に置いてハンドル回す昔ながらのタイプです。
ハンドルを回すタイプの鉛筆削りのデザインがこれ以上進化しないということは、ある意味鉛筆削りの機能&デザインはこれで完成形なのだと思います。

img久々の松本画伯の絵の登場です!

僕が小学生の時は、教室の黒板の脇の机に常に鉛筆削りが置いてあって、休み時間にはみんなそこで鉛筆を削ってました。
その後電動式が登場し、ブイーンって短時間に削れるようになると、手動式の鉛筆削りは時代遅れの商品となりました。
ウォークマンを使っていたある日、MDウォークマンが出たら、急にウォークマンを使っている自分が嫌で仕方なくなったように、小学生の僕も電動式鉛筆削りの登場により、手で回すタイプの鉛筆削りは急に色あせた旧時代の遺物のように見えたものです。
しかし、今電動式はどこへ行っちゃったのでしょうね。
まだあるかどうかもわかりませんが、売られているのは手動式ばかり。
シャーペンの登場で鉛筆の需要が減ったと同時に、削る行為に利便性を極める必要はなくなっちゃったのでしょうか。
しかしカセットテープを聞くウォークマンしかり、一時期石器時代の遺物のように扱われていた初代の方が今、求められるというのは面白い現象ですね。
もう利便性は行くところまで行きつき、今は非効率なロマンをみんな求めているようです。

imgCARLの鉛筆削り

この鉛筆削りはカールというブランドのもの。
見た時はてっきりドイツかどこかのインポートかと思いましたが、意外にも日本製でした。
調べてみるとカール事務器は1954年創業の葛飾区の会社。
東京の下町のメーカーでした。

img表現しにくいですが、非常にまろやかな使い心地

さっき鉛筆削りのデザインは完結したと書きましたが、カールの鉛筆削りは平成23年に日本文具大賞を受賞しています。
ということは、まだ進化する余地があるのかもしれませんね。
最近ダイソンが出したドライヤーのように、長い間それが当たり前だと思われている商品を改革するのって見ていて気持ちがいいです。
でも、鉛筆削りって今どのくらいの人が使ってるのかなあ
文房具とクラフトブームで、もう1度見直されてるのもしれませんね。

imgこちらDAHLEの鉛筆削り

img3つのギザギザの金属で鉛筆を押さえる構造です

鉛筆削りをもう1つ。
これは銀座松屋のデザインコレクションで買いました。
1930年創業、ドイツのカッティング機器製造メーカーDAHLE(ダーレ)です。
モデル155は小型ながら洗練されたデザイン。
しかしインポートだけあって4,000円以上します。汗
高い!!!
でもクラシックで工業製品らしい、媚びないデザインが魅力。
あえてクラシックなスタイルを採用しているので、鉛筆を挟む際に鉛筆のボディに歯型のような傷が少しつきます。
昔、小学校で使っていた自分の鉛筆にも必ずこの傷がついていたのを思い出しました。
なんだか懐かしい気持ちに。

imgDAHLEはCARLに比べると鋭い使い心地

どちらも芯をどのくらい尖らせたいか、調整する機能がついています。
日本製は優しくまろやか、ドイツ製は甘さがなく、硬く鋭い使い心地です。
ドイツ製の方が工業製品の原点らしい、粗野な部分が残っているような気がします。
調べてませんが、鉛筆もドイツで生まれたことを考えると、鉛筆削りもたぶんドイツで生まれたのじゃないでしょうか。

img

鉛筆って100年以上前からあるプロダクトだと思います。
それを削る鉛筆削り機も結構以前からあるものでしょう。
デジタルデバイスが色々登場する中、100年も使い方が変わらない個人向け工業製品って他にあんまりないのじゃないかなあ。
ロマンがありますね。
使い心地は別として、機能にあまり差異のないプロダクツだからこそ、デザインは重要です。

imgクルマなどと同じで使い心地が全然違うのが面白いですね

西荻窪 西荻紙店

松本 知彦 for Private Time/2015.02.06/文房具文房具

本日、清澄白河にカリフォルニアからやってきた話題のコーヒーショップ、ブルーボトルコーヒーがオープンですね。
パンケーキのBILLSと同様のものを感じますが、あと数ヶ月はものスゴク混むでしょうね・・・・
ブルーボトルコーヒーの社長もリサーチして、この場所を選んだと語ってましたが、東京の東地区はこれからどんどん面白くなりそうです。
いま蔵前はブルックリンか!って感じですから。笑

さて東地区に注目が集まる中、西地区を代表するのが西荻窪です。
3年前くらいがもっとも熱かったですが、今も変わらず、注目のお店が点在しています。
東地区はマーケティング調査を元に大手が資本を投下しているのに対して、西地区はあくまでインディーズ。
まったく種類は違いますが、東京の文化の発信は東VS西という様相になってきました 笑
以前西荻窪にありながら、全国的にその分野を制覇した(笑)ノンブルを紹介しましたが、続いて西荻窪の小さな隠れたお店です。
ノンブルの記事はこちら

西荻紙店です。
ここも非常にわかりにくい店で、普通に街を歩いてたら絶対に見つからないでしょう。
60年代に建てられたと思われる、ふる~いマンションの2階にショップがあります。

imgこの小さな看板が目印。わかんないよー

imgそして暗~い階段を2階へ・・・・だいじょぶなのか?

マンションの入口に、木で作られた小さいサインが置かれているのですが、気が付かない。
そしてマンションが古すぎて、中に入るのを躊躇する。
ここに本当に店があるのか、最初はかなり不安に襲われます。
その体験含めて、中央線・西荻って感じです笑

店内はシンプルなインテリアで、床はリノベーションされてモルタルになってます。
マンションの床がモルタルというのはなかなかないので(工事が大変なので)、お店の人に聞いてみたら、ここへ入る前からそうだったとのことでした。

img建物に反比例してショップは明るく現代的。

imgここでもついついいろんなものを買ってしまいました。

imgただのシンプルな袋もデザインが美しい

北参道にあるパピエラボと同じように、デザイン制作の機能もあって、ショップの奥が事務所になっています。
デザイン事務所として借りる時に、広すぎるのでショップを併設することにしたとのことでした。
国立にあるつくし文具の商品が多く置いてありますが、つくし文具と共同経営しているとのこと。
つくし文具の萩原さん、卒業した大学も、そのあと就職した企業も同じなんですよね。
今まで2回くらいしか会ったことないですが。

西荻紙店、紙店というくらいだから竹尾みたいに紙のお店を想像しがちですが、そうではなく、紙を利用したクラフトワークのショップです。
色々な紙で作られたおもしろい商品が見つけられます。
以前紹介した同じく西荻にある文房具のお店、水縞が手掛けるノンブルと違って、こっちは少し男っぽい店です。
雑貨じゃなく、素材そのものを生かしてデザインを追求した商品が多いですね。
デザイン事務所がやってるだけあって、プロのクリエイター寄り。
紙も一部取り扱っています。

img紙の壷。紙ならではの美しい造形。

img中にはペットボトルが美しい花瓶になるというクラフト商品。

インテリア含めて紙のギャラリーみたいな感じです。
もし近くにあったら毎日行きたくなるようなお店ですね。

GOOD DESIGN SHOP/COMME des GARÇONS D&Department

松本 知彦 for Private Time/2014.08.08/文房具文房具

皆さんもきっと知っている、D&Departmentとコムデギャルソンのコラボショップです。
お店は原宿の表参道沿いにあります。
3年くらい前にショップができた時は、なんで??と思ったものですが、何度も通っているうちに、そんなに違和感がなくなってきました。

imgショップは表参道沿いのビルの2階にあります。

img商品の展示の仕方も倉庫のようで素っ気なくていいです。

店は新宿のビックロ(ビックカメラ+ユニクロ)と同様に、1つのショップに異なる2つの売場があります。
僕はギャルソンの服が別に好きではないので、店の奥にあるアパレルの売場の方へは行きませんけど。
ハイブランドと日用品、まったく接点がないように思うのですが、両方好きな人っているのかなあ。
まあ今のトレンドとカッコいいデザイン、双方に共通するものがあると言えば言えなくもないですが・・・
思想は全然違うようにも思えます。

他のD&Departmentの店と売ってるものはほぼ同じですが、行くと必ず欲しいものがあります。
でもほとんどの場合、買わない笑
それはいつ行っても同じ商品を売っていて、売り切れの状態がないから「今買わなくてもいっか」と思っちゃうからです。
ネットでも、いつでも買えるし。
新商品が続々入ってくるわけでもない(多少の入れ替えはありますけど)
常にこの商品ラインナップで営業が成り立つのか??
商品を外部から仕入れて販売しているわけですから、原価もあるだろうし、ホントに薄利なんじゃないかと。
失礼とは思いつつ、この件について店の人に聞いてみたところ、原宿のお店は観光客がたくさん訪れるそうで、売り上げの多くは中国人観光客に支えられているとのことでした。
なるほどねえ、確かに東京に住んでいる人が何度も定期的に必ず行く場所でもないように思います。
ターゲットはかなり狭いしね。
ショップで売られている商品のテイスト=昭和の定番商品は、中国で似たようなものがたくさん売られているのじゃないかと思うのですが、彼らにとっては”made in JAPAN”が重要だそうで、昭和な定番商品を買う際には、これは日本製か?と必ず質問してから購入するそうです。

imgオリジナルの紙箱は時々限定色を販売します。。

そんな中で個人的に気になっているのは、オリジナルの紙箱です。
厚いボール紙の上にきれいな色紙が貼られた「貼り箱」、東京下町の靴箱製造工場で作られています。
靴箱のサイズももちろんあるのですが、サイズにバリエーションを持たせることで、文房具やCDなど普段使いの小物などを入れるケースとしても使える企画になっています。
サイズは5種類、色も5種類。

img買った時にもらうショッパーも、ダブルネームのテープを紙袋に貼っただけ。

D&Departmentのお店で売られているものには、D&Departmentのロゴが箔押しで入っていますが、このお店の箱は、ギャルソンとD&Dのダブルネーム。
この2つの名前が並列なのは、やっぱり違和感がありますけど・・・

imgこのペンをSPACE8に訪れた方の芳名帳用にしています。

imgアメリカの古いモーテルみたいで、MAD MEN、横田基地テイストです。

去年この店で買ったペンを、オフィスの3階にあるSPACE8の受付用として使っています。
ホテルのフロントやショップのレジなどによくある、ペンのキャップがベースと一体型になっているペンです。
アメリカの安いモーテルにあるみたいな素っ気ないデザイン。
ありそうでなかなかないですよね。
D&Departmentが建設を計画している沖縄のホテルのフロントで使うために企画した商品とのこと。
D&Dが企画したホテル、どんなホテルになるのでしょうね。

d47 MUSEUM/D&Department

松本 知彦 for Private Time/2014.07.22/文房具文房具

渋谷にヒカリエが出来た時に一緒にオープンしたD&Department。
ビルの8階にあります。
こちらは47都道府県で作られている商品を集めて販売するのが特徴。
結構広いスペースで毎回展示内容を変えて運営しています。

imgこの時の展示は47都道府県の物産展でした。

食料品や日用品、県の名産の品々を見ることができます。
ここ数年、made in JAPANとローカルというのはトレンドキーワードになっています。
ゆるきゃらもその一例ですね。
こちらもデザインとローカルをテーマにしています。

できた時はおもしろいなあと思いました。
しかし個人的には、今いくらローカルや日用品がトレンドだと言っても、デザインを切り口にしたこういうコンセプトショップが商業施設に存在できること自体がびっくりです。
ショップだけでなく、ギャラリー、カフェまで、かなりの広いスペースを使ってます。
国から助成金が出てるのかな。
でないと収益性の面で、新しくできた家賃の高い商業施設に入ることは、相当にハードルが高いはずです。
一昔前の百貨店みたいに、無印やアフタヌーンティーをドーンと入れちゃえば、そっちの方が収益性がいいわけですから。
PTAをやってた時に1度行ったことがありますが、同じフロアに渋谷区の防災センターがあります。
だから8階は完全な商業施設ではないのかもしれないですね。

imgしかし広い。賃料いくらなんでしょう??

img食堂もあります。賃料いくらなんでしょう??笑

おもしろいもの、新しいもの、特にコンセプトやデザインのエッジが利いてるものってなかなかビジネス的には成功しません。
マーケットが小さくなっちゃって、永続的なビジネスがむずかしいんでしょうね。
家電の世界でここ数年、デザインのブームがありましたが、アマダナ、プラスマイナスゼロもいつの間にか名前を聞く機会が少なくなって、今がんばってるのはグリーンファンでヒット商品を出したバルミューダくらいかなあ。
家電以外の分野に目を向けても、デザインの力で直接市場に価値を問うビジネスはあんまりなく、やっぱりむずかしいのかもしれないですね。

imgこちらはショップ。全国の名産品が買えます。

img東京からは文房具やカードなどなど

img箱好きとしては職人が作るブリキの箱はたまりません。

img全サイズ買ってしまいました。

D&Departmentは直接プロダクツをデザインしているわけではないですが、デザインの編集力を武器にフロントに出てきたという意味で、デザイン企業と言えるでしょう。
デザイン編集力を武器に、というのはセレクトショップの考え方ですが、セレクトショップという業態にはもう新しさはない。
デザインを絞り込めば絞り込むほどマーケットが小さくなってしまう。
みんなが知っているのは、間口の広いフランフランのような企業ですから。
D&Departmentのような立ち位置で、デザイン編集力で認知され、大型商業施設に出店している会社は非常に珍しいと思います。
ほとんどが西荻窪にお店を出したレベルで終わっちゃう。笑

余談ですが、同じフロアにフリースぺースをオフィスとして貸し出すシェアオフィスがあります。
このシェアオフィスというコンセプトもここ数年で出てきた考え方ですね。
オフィスを持たなくても、フロアをシェアして働けるというSOHO的な発想がベースになってます。
この考え方も理屈はわかるんですが、ホントかよってずっと思ってました。
入会金1万円払った上で、固定席が欲しい場合は月額6万、ブース使用の場合は月額10万を追加で支払うって高くないか??
礼金、敷金なしだからこっちの方が安いのかもしれないけど、これがなぜパンフレットにある「クリエイティブに働きたい人が集まるワークスペース」なのかまったく意味がわからないんですが。
みんな使っているのでしょうかね?
似たようなスペースがあちこちに増えてるってことは、ニーズがあるってことかなあ。
友人が設計とインテリアを担当しているのであんまり悪口言えないですが 笑&汗
同じフロアにあるD&Departmentと落差が激しいと言うか、あんまり信用したくないビジネスだと思っちゃうんですけど、個人の偏見ですかねえ。

imgシェアオフィスは、見学するのも、撮影もNGだって。

西荻窪 nombre(ノンブル)

松本 知彦 for Private Time/2014.04.25/文房具文房具

東京で今熱い街、中央線の西荻窪。
その中でも、もっとも注目を浴びている店の1つがnombreです。

imgかなり小さいお店。

nombreは、水玉と縞々の図案が好きな男女2人がはじめた水縞が経営しているショップ。
この水縞、あっちこっちのセレクトショップに商品が置かれており、今一番ノリにノっていると思います。
Kitteに行っても、スパイラルに行っても、雑貨屋に行けば必ず水縞の商品が置いてあります。
企業や地方自治体とのコラボ商品も多いです。
出している商品はちょっと懐かしくて可愛いものばかり。
いま熱い文房具と雑貨のトレンドをうまく掴んで、オリジナル商品を企画しています。
特に女子なら、ほとんどの人が「へ~可愛い」って思うのではないでしょうか。
こんな商品ありそうだったのに、今まで誰も作ってなかった、そんな商品です。
こういうのを好きなのは圧倒的に女子でしょう。
僕は印刷技法や紙のチョイス、企画そのものを見るのが、刺激的で面白いなあと感じます。

img店は本当にわかりにくい場所にあります。

さて市場で何度も目にする水縞の商品。
彼らが経営するショップは、どんなことになっているのだろう?と思ってショップを訪れる人がほとんどだと思います。
たまたま通りがかった、というのはないでしょう。
そもそも西荻自体、たまたま通りがかるという場所ではないですから。

img狭いお店にたくさんの商品。なんだか昔の駄菓子屋のよう。

ショップはある意味期待を裏切らない。
思いっ切りインディーズなお店です 笑
わかりにくい場所にあって、店はかなり狭い。
専門学校の同級生で、仲の良い雑貨好きな友達たちが集まってやってる小さな雑貨屋みたいな感じ(←あくまでイメージ)
その世界観が凝縮されたインテリアになっています。
中央線的と言えばいいのでしょうか。
それが心地よかったりします。
こういう店の商品が東京中、日本中に置かれて支持されるんですからねえ、時代は変わりました。
僕らの時はイカレポンチとして市民権が得られなかったものが、今じゃ市民栄誉賞までもらう勢いです。
まさにマイノリティこそがマジョリティの時代。

img購入した商品イロイロ

imgコンセプトである水玉と縞々で作られたカレンダーとバッジ。

img47都道府県のクイズが書かれたノート。

imgお約束のスタンプ。

水縞の商品でよく見かけるのは、ポチ袋とスタンプでしょう。
それらも、もちろんショップで扱っています。
この手の店に行くといつも思うのは、商品の包装と店のインテリアが重要だということですね。
かなり冴えてる必要がありますが、水縞も決してそれを裏切りません。
70年代に建てられたと思われる古い建物の1階というロケーションも含めて、ショップはトータルプレゼンテーションの場になってます。

BOX&NEEDLE 二子玉川

松本 知彦 for Private Time/2014.04.10/文房具文房具

二子玉川にある箱だけを取り扱う専門店です。
雑誌Penの文房具特集の編集に携わった人に以前このお店のことを聞いて、興味が湧いたのが訪れるきっかけでした。
箱だけの専門店なんてホントに今っぽいというか、目の付け所がいいですよね。
世界初だそうです。

img駅からはちょっと離れたところにあります。

お店の人に聞いてみたところ、京都にある紙材専門加工会社の社長の娘さんが始めたお店とのこと。(同じ大学の卒業生みたいです)
オープンは2009年。
母体は、ニカワを使用して和紙を貼る、お菓子の箱などに使われる「貼り箱」をたくさん作ってきた創業90年以上の歴史を持つ老舗企業だそうです。
ただの箱であっても細部には京都の老舗の技が生きているということでした。
他社と比較するとそれがわかります、と言われたけれど、箱のディテールまでそんなに注意深く見たことがないので僕にはちょっとわかりません。。汗

img当り前ですが、店内には箱しかありません。笑

どんな箱が売られているかというと、色々なモチーフの絵柄の紙やカラフルな紙が貼られた様々なサイズの箱。
京都の職人の手によって作られたオリジナルの箱に、イタリア、イギリス、ドイツ、アメリカ、ネパール、ジンバブエなど、世界17か国から取り寄せた紙が貼られているそうです。
特にイギリスの19世紀のデザイナー、ウィリアム・モリスのデザインした紙が貼られた紙は特徴的でした。

img2階はこんな感じ。キッチンがあって誰かの家のよう。

img僕が行ったときは、2階で北欧展をやってました。

顧客はほとんどが女子とのこと。
こういうのが好きな女子にはたまらないでしょうね。
好きな女子、たくさんいそう・・・
僕が行った時は、ちょうど北欧の紙の展覧会が開かれていました。
是非どうぞと言われて、靴を脱いで階段を2階にあがると、そこにはキッチンがあってほとんど家のリビング?のようです 笑
聞いたら以前はモデルハウスだったそうで、人の家に来たような空間でした。
この2階で定期的に箱づくりのワークショップを開いているそうです。
二子玉川の文具好き、クラフト好き、そして雑誌編集感覚を持ったニュータイプの文化系有閑マダムたちがやってくるのでしょうね。
でもそんな女子たちのハートを掴むのがなんとなく男子の自分にもわかるお店。
時代の気分にぴったりです。

img自宅用に購入した箱たち。スプン柄の箱の内側には磁石が入っています。

imgショップカードのデザインも洒落てますな。

ホルべイン ヒグチユウコのクロッキー帳

松本 知彦 for Private Time/2014.02.26/文房具文房具

クロッキー帳というと普通の人には馴染みは薄いと思います。
美大卒の僕は、クロッキー帳を高校生の時から今まで何十冊も使ってきました。
そう、美術大学を目指す者、美大に通う者にはマストなアイテムなのです。
その名の通り、習作(下書きやデッサンの練習)のために使うノートです。

imgこちら表紙です。

imgそしてこっちが裏表紙ですね。

知らない方のためにちょっと説明すると、、、
紙は薄くて、コピー用紙くらい。
鉛筆で描くことが前提で、マジックで描くと下の紙に透けてしまいます。
もちろん色をつけるにも適しておらず、ただただ鉛筆でエスキースやスケッチを重ねるためにあるノートです。
練習帳みたいな感じですね。
だからクロッキー帳の用途はかなり狭いのです。

大人になると、クロッキーなんかもちろんやらないし、絵も描かなくなるので、クロッキー帳を使うシーンはほとんど皆無になります。
だから美術や建築関連の学校に通う22歳までの学生、大人は美術に携わる人しか買わない商品でしょう。
一般の文房具店には売ってなかったりします。
そう考えると、用途だけでなく、マーケットも相当に狭いですね。

僕も学生の時は毎日持ち歩いて、あれだけ使い倒していたのに、大人になってから全然使わなくなりました。
学生の時にクロッキー帳に対して持っていたイメージは、いわゆる美術っぽいアカデミックなノート。
別に洒落てる必要などまったくないのですが(用途も狭いしね)、19世紀のフランスみたいなアートのステレオタイプをビジュアルにしたようなダサいデザインのものばかりでした。
それはスケッチブックも同様ですね。
だからと言って、そういうもんだと思っていたので特段不満もなかったですが。

imgあんまり使わないけど、購入をさせるだけの魅力があります。

新宿の世界堂に行ったとき、ふと見つけたのがこのクロッキー帳でした。
まったく今までにないコンセプト。
ホルべインは、なぜこんなことをしたのでしょうね?
もちろんこうした差別化はあってしかるべきなのに、ファンシー文具と違ってマーケットが狭いものだから、そんなことをしても売上に影響しないというのが、こうした商品が今までなかった最大の理由でしょう。
じゃなぜにホルべインは??
女子のクラフトブームでクロッキー帳のシェアも広がったのかしら?
先細りの芸術関係者だけをターゲットにしたんじゃ売上が右肩下がりだから?

img猫はマーケットでは鉄板ですが、この人も猫をたくさん描いてます。

このヒグチユウコという人。
詳しく知りませんでしたが、女子には絶大な人気をがあるようです。
僕は見た瞬間に専門的な美術教育を受けてきた人だろうと思いましたが、調べたらやっぱり多摩美の絵画科卒でした。
クロッキー帳だけでなく、ホルべインとは色々な商品でコラボしているみたいです。

アカデミックな教育を受けた専門技術を有する人の絵って、技術的にはスゲー高いのですが、販売してる作品や商品を見ると、ほとんどの場合おもしろくもなんともない、おじさん相手のつまらない絵なのですが、こうして技術を持ちつつトレンドも掴んでいる人を見ると、やっぱり気になってしまう。
世の中でトレンドやニーズを掴んだ売れてる商業イラストって、その大部分が専門的美術教育とは無縁の、どっちかというとヘタウマ方面で成り立っています。
技術とセンスの両方があって、今のニーズもきちんと押さえていて、しかもゲイジツじゃなく商業的なイラストってほとんどないのじゃないだろか?

そんなこともあって、必要ないのに、このクロッキー帳を買ってしまいました。
ただこの作家で女子に人気なのは、ここからさらにメルヘンな世界に踏み込んだものですが、僕にはここくらいまでがちょうどよいです。。笑
他にも色々なサイズや色、モチーフがあります。

MONTBLANK 25330 ボエム

松本 知彦 for Private Time/2014.02.20/文房具文房具

このペンを使い始めて、もう15年が経ちます。
以前は、ペンなんて何でもいいじゃんと思って、ぺんてるのボールペンやらシャーペンやら、そこらにあるものを適当に使ってました。
固定のペンケースも持ってなくて、それが逆にカッコいいだろくらいに思ってました。
時計と同じで、こういう男の小物?ダンディズム的な?ものにはまったく興味がなかったんです。
もちろん手帳にも興味はなかった。

img

それが変化したのは時計と同様、打ち合わせの時に相手はあなたの持ち物を見ている、ビジネスを優位に進めたいならよい物を持つべき、と奥さんに指摘されてからでした。
30代の最初の頃でしたね。
その時、長く使えるものを持った方がよいと言われ、購入したのがこのモンブランのペンです。
こうしたペンや手帳などには、色々深いウンチクを持っている人がいますが、僕はあまり詳しいことはわかりません。
ただデザインがキレイだということと、安直にモンブランというブランドで買いました。
同じデザインで万年筆もありましたが、当時の僕には万年筆は早すぎると感じて、こちらのインクボールペンにしたんです。
今なら迷わず万年筆の方を選択していたでしょうね。
結局、今でも万年筆は買わず仕舞いで、ラミーを愛用しています。

img赤い石がついてるシリーズもありましたが、当時は絶対にブルーだと。

クリップにはブルーのサファイアがついていて、シルバーとブルーの組み合わせが素敵だなと当時思っていました。
時計もそうですが、自分がゴールドの魅力に目覚める前です。
ペン先は弾力性に富んだ14金。
ボディはモンブラン樹脂と言われる、定評の艶のある部材を使用しています。
黒、シルバー、ブルーというカラーリングが好きでした。

img胸のポケットに入れると、キャップについたブランドマークでモンブランだというのがわかるっていう触れ込みですが、自分は胸のポケットには挿さないですね。

買った当初はジョンロブの革のペンケースに入れて持ち歩いたものです。
打ち合わせで、このペンを出して使うのが嬉しかった。
なんだか、ペン好きで、ナルシストで、ウンチク好きな人の気持ちがわかったような気がしたものです。

せっかくペンを買ったのだからという気分で、すぐあとにエルメスの手帳も勢いで購入しました。
で、書いてみると、、、、エルメスの手帳の紙は薄くて、このペンで書くと裏に文字が写ってしまうのです・・・・。
あ~残念。。
そんな理由もあり、今ではまったくエルメスの手帳は使わなくなりましたが、このペンは使い続けています。
と言っても、このペンが登場するのはやっぱり、何かとフォーマルなシーンが多いですが。

原宿 Freiheit/フライハイト

松本 知彦 for Private Time/2014.02.05/文房具文房具

ここ数年、ランドスケープの流行とともに、文房具がかなりキテてますね。
今まではビジネスユースとしての文具だったものが、ファッション化して雑貨になり、女子の自家需要が増加、それに伴ってフランフランやセブンイレブン(by佐藤可士和)などの大手がステーショナリー分野へ参入。
毎年全国の文房具店の数が減少していく一方で、売り場面積が増加しているという実際の調査データからは、文具専業店の廃業と他事業からの参入が相次いでいることを物語っています。
みんなお金になることには鋭く、動きも早いのです。。

imgお店はマンションの1室

手作り、民芸、クラフトワーク、made in JAPANなどの流れと結びついた雑貨のブームが起きています。
手ぬぐいなんかもそうですが、こうした流れは文房具にも押し寄せていて、ツバメノートなどの老舗メーカーもコラボで次々商品を出しているし、中央線沿線や東京の東地区には、ここ数年でユニークな文房具屋が登場、青山には文房具カフェなるお店もできました。
同じ青山には北欧からタイガー、大阪からはアソコ、話題の店も次々オープンしていますね。
ファッションと文具の距離がどんどん接近し、nico and...なんかに至っては、もう洋服屋なんだか雑貨屋なんだか、はたまた家具屋なんだか、なんの店かよくわからなくなってます。
逆に文房具屋ではバッグや家具、アート作品を売り始めるし、本業は何屋なのかわからないような店が増えてますね。
従来の文房具屋と差別化を図り、頭角を現わしてきたデルフォニックスもスタイルをウリにしていて、純粋な文房具屋とは呼べないと思いますし。
去年新しくできた商業施設、たとえば東京駅前にできたKITTE、スカイツリータウン内のソラマチ、原宿の東急プラザなどには、必ず文房具雑貨店が入っていて、そんなトレンドを反映しています。
こうした流れはどこまで行くのでしょうね。

img店内は狭いです・・・

img所狭しと珍しい&小さな文房具がたくさん置かれています。

もう流行り過ぎて食傷気味ではありますが、こうした文房具の流れを察知して(かどうかはわかりませんが、)2005年にオープンしたのがフライハイトです。
最近の文房具ブームの中では老舗に入っちゃうかもしれないですね。
場所が原宿っていうのが意外ですが、僕はオープン当初にこのお店に行ったことがあります。
当時は今と違って、輸入の文具だけを取り扱う男っぽい店でした。
インテリアも男っぽくて、輸入プラモデル店、アナログレコード店みたいな感じだった。
今は女子向けのファンシー文具も取り扱っていて、店内にはギャラリースペースも併設されています。

img僕が行った時には、ギャラリースペースでステッドラーの展示をやってました。

お店の人に聞いたら、ショップだけでなく輸入文具の卸もしているとのこと、そりゃそうだろうなあと。
この手のビジネスモデルはわかりませんが、消しゴム200円の小売だけでは、さすがに厳しいんじゃないかと思います。
でもデルフォニックスみたいに広げずに、常に小さなお店というスタンスは好感持てます。
お店は原宿Forever21の目の前にあるのですが、知らないとどこにあるかまったくわからない。
1970年代に建ったと思われる古いマンションの2階の一室がお店なのですが、1階のエントランスから続くロッカーの置かれた薄暗い廊下は、その先にお店があるとはとても思えず、、、ここダイジョブ???と相当不安な気持ちにさせられます。
間違いなく、たまたまフラッと店に立ち寄るっていうことはないでしょう。
固定ファン&卸によって成り立つビジネスなんでしょうね、きっと。

imgこの先にショップがあるとは到底思えません・・・・ このたくさんのロッカーは何?

開店当初に訪れた時と街の様子が一変してしまって、高度成長期に建てられた古いマンションは周りの景色とまったくマッチしてません。
お店が開店した当時は、Forever21もH&Mもありませんでしたから。
ここだけ取り残された昭和の雰囲気満載で、原宿のど真ん中にこんなとこあったのか、という不思議な場所です。

SEED SUPER GOLD 消しゴム

松本 知彦 for Private Time/2013.10.10/文房具文房具

父は仕事でいつも消しゴムを使っていました。
自宅にあった父の仕事部屋に入ると、机の上は常に消しゴムのカスが散乱していて、袖には消しゴムのカスを払うための柔らかい毛のブラシが置いてありました。

そんな父が使っていた消しゴム、それはいつも天然ゴムのグレーの消しゴムでした。
プラスチック消しゴムも売られていましたが、父が使っていたのはいつも天然ゴムのそれでしたね。
小学生のとき、僕が父の仕事を手伝わせてと言うと、いつも決まって与えられるのはケント紙に描かれた下書きの鉛筆の線を消す仕事でした。
その仕事で使ったのが学校で使っているプラスチック消しゴムとは違う、硬いグレーの消しゴムでした。
なぜ天然ゴムのグレーの消しゴムを長く使っていたのか、理由を聞くこともなく父はいなくなってしまったので、その理由は今ではもうわかりません。

そのうち、市場から硬いグレーの消しゴムは消え、MONOなどで知られるプラスチック製の白い消しゴムに取って代わられてゆきました。
学校でも会社でもグレーの消しゴムを使っている人はおらず、僕の記憶からもほとんど忘れ去られていました。

img見た瞬間に懐かしい、何とも言えない思いが込み上げてきました。

ある日、仕事の合間にファミマ!という通常のファミリーマートとは異なるコンセプトのコンビニに立ち寄った際に、見覚えのある消しゴムを見つけました。
それは僕が小学校の頃に父親の仕事の手伝いをした時に使っていた、あの消しゴムでした。
手に取ると懐かしい思いが込み上げてきました。
色々なことを思い出しましたね。

金色の金属ケースに入ったこの天然ゴムの消しゴム。
角に丸みをつけるため、多くの工程を経て作られているそうです。
値段も500円と、プラスチックのそれより高めです。
調べてみると製造しているのは、大正4年創業の株式会社シードという企業。
大阪市都島区に本社があるようです。
都島区、、それは父が生まれた場所でした。
そして以前僕の本籍があった場所。

偶然とはいえ、やっぱり何かを感じてしまいますね。
ただの消しゴムですが、色々なことを感じる時間を与えてくれました。

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