SEED SUPER GOLD 消しゴム

松本 知彦 for Private Time/2013.10.10/文房具文房具

父は仕事でいつも消しゴムを使っていました。
自宅にあった父の仕事部屋に入ると、机の上は常に消しゴムのカスが散乱していて、袖には消しゴムのカスを払うための柔らかい毛のブラシが置いてありました。

そんな父が使っていた消しゴム、それはいつも天然ゴムのグレーの消しゴムでした。
プラスチック消しゴムも売られていましたが、父が使っていたのはいつも天然ゴムのそれでしたね。
小学生のとき、僕が父の仕事を手伝わせてと言うと、いつも決まって与えられるのはケント紙に描かれた下書きの鉛筆の線を消す仕事でした。
その仕事で使ったのが学校で使っているプラスチック消しゴムとは違う、硬いグレーの消しゴムでした。
なぜ天然ゴムのグレーの消しゴムを長く使っていたのか、理由を聞くこともなく父はいなくなってしまったので、その理由は今ではもうわかりません。

そのうち、市場から硬いグレーの消しゴムは消え、MONOなどで知られるプラスチック製の白い消しゴムに取って代わられてゆきました。
学校でも会社でもグレーの消しゴムを使っている人はおらず、僕の記憶からもほとんど忘れ去られていました。

img見た瞬間に懐かしい、何とも言えない思いが込み上げてきました。

ある日、仕事の合間にファミマ!という通常のファミリーマートとは異なるコンセプトのコンビニに立ち寄った際に、見覚えのある消しゴムを見つけました。
それは僕が小学校の頃に父親の仕事の手伝いをした時に使っていた、あの消しゴムでした。
手に取ると懐かしい思いが込み上げてきました。
色々なことを思い出しましたね。

金色の金属ケースに入ったこの天然ゴムの消しゴム。
角に丸みをつけるため、多くの工程を経て作られているそうです。
値段も500円と、プラスチックのそれより高めです。
調べてみると製造しているのは、大正4年創業の株式会社シードという企業。
大阪市都島区に本社があるようです。
都島区、、それは父が生まれた場所でした。
そして以前僕の本籍があった場所。

偶然とはいえ、やっぱり何かを感じてしまいますね。
ただの消しゴムですが、色々なことを感じる時間を与えてくれました。

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