ホルべイン ヒグチユウコのクロッキー帳

松本 知彦 for Private Time/2014.02.26/文房具文房具

クロッキー帳というと普通の人には馴染みは薄いと思います。
美大卒の僕は、クロッキー帳を高校生の時から今まで何十冊も使ってきました。
そう、美術大学を目指す者、美大に通う者にはマストなアイテムなのです。
その名の通り、習作(下書きやデッサンの練習)のために使うノートです。

imgこちら表紙です。

imgそしてこっちが裏表紙ですね。

知らない方のためにちょっと説明すると、、、
紙は薄くて、コピー用紙くらい。
鉛筆で描くことが前提で、マジックで描くと下の紙に透けてしまいます。
もちろん色をつけるにも適しておらず、ただただ鉛筆でエスキースやスケッチを重ねるためにあるノートです。
練習帳みたいな感じですね。
だからクロッキー帳の用途はかなり狭いのです。

大人になると、クロッキーなんかもちろんやらないし、絵も描かなくなるので、クロッキー帳を使うシーンはほとんど皆無になります。
だから美術や建築関連の学校に通う22歳までの学生、大人は美術に携わる人しか買わない商品でしょう。
一般の文房具店には売ってなかったりします。
そう考えると、用途だけでなく、マーケットも相当に狭いですね。

僕も学生の時は毎日持ち歩いて、あれだけ使い倒していたのに、大人になってから全然使わなくなりました。
学生の時にクロッキー帳に対して持っていたイメージは、いわゆる美術っぽいアカデミックなノート。
別に洒落てる必要などまったくないのですが(用途も狭いしね)、19世紀のフランスみたいなアートのステレオタイプをビジュアルにしたようなダサいデザインのものばかりでした。
それはスケッチブックも同様ですね。
だからと言って、そういうもんだと思っていたので特段不満もなかったですが。

imgあんまり使わないけど、購入をさせるだけの魅力があります。

新宿の世界堂に行ったとき、ふと見つけたのがこのクロッキー帳でした。
まったく今までにないコンセプト。
ホルべインは、なぜこんなことをしたのでしょうね?
もちろんこうした差別化はあってしかるべきなのに、ファンシー文具と違ってマーケットが狭いものだから、そんなことをしても売上に影響しないというのが、こうした商品が今までなかった最大の理由でしょう。
じゃなぜにホルべインは??
女子のクラフトブームでクロッキー帳のシェアも広がったのかしら?
先細りの芸術関係者だけをターゲットにしたんじゃ売上が右肩下がりだから?

img猫はマーケットでは鉄板ですが、この人も猫をたくさん描いてます。

このヒグチユウコという人。
詳しく知りませんでしたが、女子には絶大な人気をがあるようです。
僕は見た瞬間に専門的な美術教育を受けてきた人だろうと思いましたが、調べたらやっぱり多摩美の絵画科卒でした。
クロッキー帳だけでなく、ホルべインとは色々な商品でコラボしているみたいです。

アカデミックな教育を受けた専門技術を有する人の絵って、技術的にはスゲー高いのですが、販売してる作品や商品を見ると、ほとんどの場合おもしろくもなんともない、おじさん相手のつまらない絵なのですが、こうして技術を持ちつつトレンドも掴んでいる人を見ると、やっぱり気になってしまう。
世の中でトレンドやニーズを掴んだ売れてる商業イラストって、その大部分が専門的美術教育とは無縁の、どっちかというとヘタウマ方面で成り立っています。
技術とセンスの両方があって、今のニーズもきちんと押さえていて、しかもゲイジツじゃなく商業的なイラストってほとんどないのじゃないだろか?

そんなこともあって、必要ないのに、このクロッキー帳を買ってしまいました。
ただこの作家で女子に人気なのは、ここからさらにメルヘンな世界に踏み込んだものですが、僕にはここくらいまでがちょうどよいです。。笑
他にも色々なサイズや色、モチーフがあります。

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