談話室松本 PRINCIPLE OF STYLE

談話室滝沢

松本 知彦 for Private Time/2010.11.30/仕事

東京に長く住んでいる人ならこの喫茶店の名前はご存知かと思います。
1966年創業の老舗喫茶室でしたが、2005年3月末で惜しくも閉店してしまいました。

新宿、池袋、お茶の水などに店舗がありましたが、僕は新宿店別館が好きでした。
新宿駅東口から歩いてすぐのビルの地下と2階に店舗があり、地下が純和風、2階は改装する前の青山墓地近くの青山WESTを思わせる、新幹線ひかり号(間違ってものそみじゃないです)のビュッフェ(懐かしい)のような洋風のインテリアでした。
どちらも床面積が広く、200席以上はあったのではないかと思います。
いつ行っても静かで落ち着いていて、気品漂う空間でした。
雰囲気は同じ喫茶店のルノアールにも似ていますが、統一された美しいインテリアや独特の接客方針など、ルノアールをさらにソフィスケートさせたサロン的空間と言えば想像してもらえるでしょうか。
僕はいつも地下の方を利用していましたが、入り口を入って鯉のいる池(地下なのに!)の飛び石を渡り、抹茶色の絨毯と同じ色で統一されたソファに座って、全員スーツを着たウェイトレスさんの独特の接客を受けると、他では絶対に味わえない何とも言えない気分に浸れました。
テイストは昭和でしたが、創業当時から単に飲み物を提供するのではなく、ラグジュアリーな癒しの時間や空間の提供をコンセプトにしていたのだと思います。

新宿生まれの僕は幼い頃から父に連れられて、新宿で映画を見た帰りなどよく喫茶店に行きました。
純喫茶上高地、今はカラオケボックスになってしまったヨーロッパの古城を思わせる歌舞伎町の喫茶王城、たくさんのレコードがあった名曲喫茶スカラ座、松田優作がよく来ていたミカド、歌声喫茶ともしびなどなど、そのほとんどが今では姿を消しています。
それらと比較しても、談話室滝沢はどこか洒落た独特の魅力を放っていたと感じるのは、インテリアだけでなく、接客やオリジナルのメニュー、価格設定に至るまで他にない独自のフィロソフィーに貫かれていたことが大きな理由だと思います。
閉店の理由にも経営者のフィロソフィーを感じます。
http://nlogn.ath.cx/archives/000430.html

紆余曲折はありましたが、会社で僕からまずブログをはじめることになりました。
はじめるに当たり、どのような内容にしようか考えましたが、堅苦しくなく、砕けもせず、談話室滝沢のようなフィロソフィーに貫かれた空間でおしゃべりするように静かに始めたいと思います。
背広の語源ともなっているロンドンのサヴィルローには、古くからスーツをオーダーするビスポークテイラーという店があります。
ビスポークとはbe spokeをつなげた造語、つまりはテイラーと会話を楽しみながらスーツをオーダーするという意味です。
こんな気持ちで私も自分の店=ブログを始めたいと思います。
とは言え、書くことのほとんどがどうでもいい内容になると思いますので、皆さんちょっとした気分転換で訪れていただければ幸いです。
三日坊主にならぬよう、なるべく続けていけるようにがんばります。
皆さまよろしくお願いします。

松本知彦

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